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ECサイトにも必須の「接客」意識、あなたのサイトは持っていますか?/ナビプラス [ネットショップ担当者フォーラム セミナーレポート] | Web担当者Forum

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消費者のリテラシー向上や買い物環境の変化によって、ECサイトでユーザーに買ってもらうためのハードルは上がっている。ECサイトでの販売であっても、そこには「接客」が必要となる。接客を成功させるために必要な要素は、「シナリオ」「個別アプローチ」「コンテンツ」の3つだ。

商品の質や価格だけでは売るのが難しくなっている

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ナビプラス株式会社 執行役員 セールス&マーケティング部長 高橋敏郎氏
ナビプラス株式会社
執行役員
セールス&マーケティング部 部長
高橋敏郎氏

ナビプラスは、デジタルガレージグループの一員で、ECサイト向けのデータ活用ツールの提供を行っている。具体的には、サイト内検索エンジンの「NaviPlusサーチ」、レコメンドエンジンの「NaviPlusレコメンド」、レビュー投稿エンジンの「NaviPlusレビュー」の3つをASPで提供している。このうちNaviPlusレコメンドは、売上規模が500万円以上のECサイトにおいて業界トップクラスのシェアとなっており、すべてのツールを合わせて600サイトでの導入実績を誇る。

これらのツールの活用を背景にして「『買ってもらう』シナリオはこうやってつくる ~オムニチャネル時代にまずやるべき3つのこと~」と題して、ナビプラス株式会社 執行役員 セールス&マーケティング部 部長の高橋敏郎氏が講演を行った。

まず高橋氏は、「今までと同じ売り方を続けるのは正直辛いのではないか」と会場に投げかけた。この問いの大元には、ECサイトを取り巻く環境の変化がある。具体的にはまず、ECにおけるユーザーの買い物リテラシーが上がっているということだ。ただ安いだけや商品が良いだけでは売れず、目が肥えたユーザーに買ってもらうためのハードルが上がっているのだ。

また、時と場所に縛られない買い方も浸透しつつある。単にスマートフォンが普及したことによるマルチデバイス化だけでなく、地下鉄など公共の場における通信インフラが整備されたことで、ユーザーが隙間時間を使いやすくなり、買い物の機会が増えたということだ。このような、ユーザーの置かれているコンテクストの変化には、従来のPC向けサイトのままでは対応できない。

ECサイトは自動販売機でもコンビニでもない。つまり、人が集まる場所に置いておきさえすれば売れるというわけではない。ECサイトは「接客する」ものであるという意識変革が迫られている(高橋氏)

ECサイトで買ってもらう接客のポイント

高橋氏は、ECサイトで買ってもらうためには3つのポイントがあると語り、それぞれの考え方と具体例を紹介した。

  1. ユーザーを気持ち良くさせる接客シナリオの設計
  2. ユーザーのその時を逃さないタイミングの良い個別アプローチ
  3. ユーザーを飽きさせない魅力あるコンテンツ

まず1つめの「接客シナリオの設計」については、どういうユーザーがサイト訪問するのかをある程度想定し、トップページにおいて多面的な接客ができるようなコンテンツを用意することが最初の一歩となる。

その際に、ユーザーを分析する手法はいくつかあるが、高橋氏は「生活距離」と「価格」を軸に、消費者行動パターンを使って分析するケースを紹介した。生活距離とは、日常生活との距離や頻度を意味し、毎日利用してよく買うものか、1年に1回または数年に1回しか買わないものという分類だ。これと価格の組み合わせで、いくつかの消費者行動パターンを導き出せる。

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「生活距離」と「価格」を軸にしたコンテンツの分類
「生活距離」と「価格」を軸にしたコンテンツの分類

例えば、ネットスーパーや書籍、一部の家電は即断即決型になる。玩具やゲームなどはウィンドウショッピング型のため、目的がなく訪れたユーザーに対して、売れ筋ランキングを提示したり、新商品をアピールしたり、レビューを表示したりするなど、購買意欲をかきたてる仕掛けが有効だ。

ギフトや時計、カメラなどは、1週間から数週間かけて、検討した上で買う逡巡複数回訪問型になる。この場合は、リターゲティングやレコメンドなどの広告で、以前見た商品を再度アピールしたり、外部から再訪する機会を増やしたりといった施策が効果的になる。

最近、拡大しているのがマルチデバイス型だが、すでにマルチデバイスで買わないユーザーはいなくなってきているほど。ネットスーパーや文具、デジタル家電や家具など、広範囲にわたる商品が該当する。

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「生活距離」と「価格」を軸にした消費者行動パターン
「生活距離」と「価格」を軸にした消費者行動パターン

商材ではなく、性別や年齢によっても、行動パターンは変化する。大まかな傾向として、女性はウィンドウショッピング型、男性は即断即決型が多い。また、年齢層が高いほど逡巡複数回訪問型が増え、マルチデバイス横断型は若年よりになる(高橋氏)

その他にも、訪問回数や購入回数というフェーズによっても顧客の行動は変化する。初期においては情報の網羅性やお得感・分かりやすさを重視し、リピートユーザーになるほどコンテンツや商品の多様性、マルチデバイス対応やオムニチャネル対応を重視する傾向が見られるという。

ECサイトの課題はオムニチャネルの課題でもある

2つめの「タイミングの良い個別アプローチ」は、ユーザーの行動情報や履歴情報を参考にして、ユーザーに対して1対1でアプローチするというものだ。

例えば、「過去30日以内に」「2万円以上の」「プリンター、複合機、コピー機」を閲覧したユーザーは、トナーやコピー用紙などの消耗品を必要としている可能性が高い。そういったリピートが望めるユーザーを、行動履歴を元に逃さないようにするというものだ。その際、ユーザーとの接点となるのがメールであり、この場合もシナリオが重要になると高橋氏は語る。

閲覧や購入履歴を元にして個人向けにオススメする際には、フェーズによってコンテンツを出し分けていくことが必要です。休眠顧客、未定着・単発顧客、リピート顧客などのユーザー属性のほか、「カートに入れたけど買わなかった」というユーザーも抽出し、それぞれに、シナリオに基づいたコミュニケーション設計をしていくことが重要です(高橋氏)

3つめの「魅力あるコンテンツ」に頭を悩ませているECサイト担当者は多いだろう。ここで高橋氏は、ナビプラスのレコメンドエンジン「NaviPlusレコメンド」や、レビュー投稿エンジンの「NaviPlusレビュー」の活用法を披露した。

例えば、あるアパレルのECサイトでは、「NaviPlusレコメンド」を利用し、購買履歴に基づいた同じジャンルの新着商品を見せたり、売れ筋ランキングだけでなく、アイテムの在庫情報を活用して、再入荷や品切れ間近という商品ステータスを切り口にして見せたりすることで、同じ情報でも魅力あるものに見せることができた。

また、とあるメーカーのブランドサイトでは、ユーザーによるレビューの投稿や表示、そしてデータを一括で管理可能な「NaviPlusレビュー」を利用し、商品ごとにアンケートを取り、マーケティングやプロモーション施策に役立てているという。

コンテンツの作成のため、外部リソースを活用する手段も有効だ。例えば、あるファッションECサイトでは、出店ブランドの店員に対して写真やメッセージの投稿を依頼したり、ショップが個別に運営するブログからコンテンツを流用したりしている。

最後に高橋氏は、セッション内容を振り返り「買ってもうための3つのポイントは、すべてオムニチャネル時代における課題に通じるものだ」と、ECサイトにおける「接客」という考え方が、販売や小売全般につながっているとアピール。オムニチャネルを成功させるために、部門間の連携、ユーザーデータの連携、接客シナリオ設計、コンテンツ作り、オペレーション、効果分析、そして投資継続判断というフェーズをすべて成功させ、さらに全体をサイクルとして回していくことが重要だと締めくくった。

問い合わせ先

ナビプラス株式会社
http://www.naviplus.co.jp/

この記事の筆者

執筆:青山祐輔

撮影:鹿野宏(Lab Inc.)

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