この記事は、ドコモ・ドットコムが発行するモバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の一部を、Web担当者Forum向けに特別公開したものです。
今回は2013年11月に発表された「スマートフォンレポート vol.9」から、調査報告2「iPhoneユーザー調査 アプリとWebサイトの両方とも提供しているサービスの場合、どちらが利用されているのか? 」の調査レポートをお届けする。
アプリとWebサイトの使い分けを利用頻度の高い9つのサービスで比較
現在、モバイル上で利用できるサービスとして、ゲームや生活関連情報、ショッピングなど様々なものが提供されている。中には、アプリとWebサイトの両方に対し、ほぼ同じ内容にて提供しているものも多数存在する。ユーザーは使いやすいほうを選ぶことが出来るわけだが、実際のところ、どちらを使うことが多いのだろうか。
今回はその点に着目し、iPhone上でアプリとWebサイト両方に展開する複数のサービスをピックアップし、それぞれの接触率を比較することで、「アプリとWebサイト、主にどちらを利用しているのか」という現状とその特徴、傾向を明らかにしてみたいと思う。
今回調査対象として取り上げたのは、利用頻度の高い9つのサービスである(図1)。
グラフを見ていただくと、
- 主にWebサイト(ブラウザ)が利用されているサービス
- 主にアプリが利用されているサービス
- ほぼ均等に利用されているサービス
の3つに分類されることがわかる。
アプリとWebサイトの使い分けを3つの利用シーンで把握
主にWebサイト(ブラウザ)が利用されているサービス
1の代表例としては「クックパッド」「食べログ」が挙げられるが、これらは従来PCでの利用も多いサービスであるため、モバイルにおいてもその延長から、使い慣れているWebサイトを利用するのではと想定される。
また、両サービスとも毎日使うというよりは必要に応じて利用されるサービスである。利用の際には、目的となるもの(料理名やお店の名前など)を検索することが多いと思われるが、その結果としてWebサイト上の情報が表示されることが多いということから、ブラウザ利用偏重につながっているのでは、と思われる。
主にアプリが利用されているサービス
次に2についてだが、代表事例として挙げられる「ウェザーニュース」「乗換案内」が共に毎日使う傾向にあるサービスであることが要因として考えられる。すなわち毎日使うため、アクセスしやすいようにアプリアイコンをホーム画面に配置しているのではないかと想定される。
ほぼ均等に利用されているサービス
ほぼ均等に利用される3のケースは、今回対象とした中では「YouTube」のみとなったが、ここでもユーザーがどのように利用しているかが鍵になっていると考えられる。「YouTube」上にてさまざまな動画を見たい、という目的でサービスを利用する際は、アプリを立ち上げた上で目的の動画をアプリ内検索すると考えられる。
一方、話題となっている動画が観たいなど、対象となる動画が決まっている場合などにおいては、Googleなどで検索し、その結果からWebサイト上で観る形が多いと思われる。
このように、利用目的の違いが利用サービス形態の違いとなって表れていると思われ、「YouTube」の場合、その利用目的がほぼ同数になっていたため、結果としてアプリとWebサイトの利用にあまり差異が生じなかったと想定される。
ちなみに、アプリとWebサイトのどちらも利用している「重複利用」がどの程度存在するのかも見てみると、「YouTube」の場合は他サービスに比べて比較的多いことがわかる。このことからも、「YouTube」というサービスは、アプリやWebサイトという形にこだわることなく、状況に応じて利用されていることがうかがえる(図2)。
もうひとつ、「Amazon」と「UNIQLO」というEC系サービスについて着目してみると、「Amazon」がWebサイト、「UNIQLO」がアプリにそれぞれ利用が偏っている。この点について考察すると、「Amazon」の場合は前述の「クックパッド」等と同様に、購入したい商品を検索した際に、「Amazon」内で扱っている商品ページが検索結果として表示される、すなわち各商品Webページが検索結果のランディングページとして表示されるケースが多い、ということが要因となっているのではと考えられる。
一方「UNIQLO」の場合、アプリ内で割引クーポンを提供し、それをプッシュ通知で積極的に告知したり、店頭でも訴求するなど、ユーザーをアプリ利用に誘導している感がある。その結果として割引クーポンを中心にアプリ利用が浸透し、ブラウザ以上に利用されているのではと想定される。
ユーザーはサービスの内容によってアプリとWebサイトを使い分ける
モバイル向けサービスを展開する際、アプリとWebサイトのどちらに対応するべきかを検討することは多いと思われる。ただし、今回の調査から浮かび上がった傾向として、ユーザーは各サービスの内容によって、アプリとWebサイトを使い分けている、もしくは利用手法の結果として使い分ける形になっている模様だ。
この状況を踏まえ、全般的な利用傾向としてアプリとWebサイトのどちらが多いのかを探るのではなく、各サービスの利用シーンをしっかりと把握し、その利用導線の着地点としてどちらが適しているのかを正しく判断することが重要である。
※接触率:指定期間内の有効サンプル(=期間中の全利用者)において、当該ドメイン/サブドメインへ接触した人の割合
※ブラウザ接触率集計条件:「YouTube」「クックパッド」「Amazon」においては、ブログ上に埋め込まれたり、外部サイトに表示されているようなものに対する接触はカウントしない。
※「Yahoo!ニュース」:アプリ側の集計対象は「Yahoo!ニュース」のみとし、「Yahoo! Japan」内のニュース部分に対する接触は含まない。
取得データ | iPhoneユーザーのインターネット経由でのサイト・アプリ接触状況データ ※3G(UQ含む)/Wi-Fi経由とも取得 |
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調査対象 | 関東地区在住のiPhoneユーザー 男性 601サンプル/女性 539サンプル |
集計対象期間 | 2013年8月1日(木)~8月31日(土) |
調査実施機関 | ビデオリサーチインタラクティブ |
この記事は、ドコモ・ドットコムが発行するモバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の一部を、Web担当者Forum向けに特別公開したものです。
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オリジナル記事:iPhoneユーザー、アプリとWebサイトどちらを多く利用する? 9つのサービスを3つの利用シーンで比較 [スマートフォンレポート] | Web担当者Forum
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