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ネット時代の新常識と更新で楽する裏技 [企業ホームページ運営の心得] | Web担当者Forum

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Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の341

犬の散歩での出会い

夏場は午前6時前にでかける犬の散歩が、この季節は午前8時過ぎになるのは、我が家の犬が寒がりだからです。世間一般では出勤時間に、働き盛りのオッさんがジャージ姿でウロウロしているのが気になるのか、同じく犬の散歩をしていた20才以上は年長であろうオジサンの職質をうけます。個人情報保護法などどこ吹く風の軽度のプライバシー侵害は、田舎の匂いを残す我が町らしい風景です。

そこで仕事を「ホームページ制作」と答えると矢継ぎ早に質問が続きます。どうやら近所の不動産屋の社長のようで、自社サイトを持っているとのこと。そして「更新が大変」とこぼします。

更新を続けることは、企業サイトの大きな課題。犬つながりのご近所社長にしたアドバイスが今年最後のネタとなります。そこにはネット時代の新常識も含まれます。

正月に不動産チラシが入る理由

社長は「どうせ見られてない」といいながらも「たまに(ネットを見たと)問い合わせがある」と相反することを言います。サイト活用方法を提案できない制作業者が手がけたものなのでしょう。しかし、問い合わせがあるなら見られていることは明らかです。

元日の朝刊には呆れるほどの枚数のチラシが折り込まれます。初春の売り出しはわかるとしても、不動産のチラシも多く見かけます。不動産業者の正月休みは総じて長く、来年のカレンダーなら新年の16日まで休みを取る業者もいます。売り主による専売物件(他の業者が販売できない売り出し形態)なら、お客が「欲しい!」と思っても業者の休み明けまで買えません。それでもチラシを配布するのはマイホームの購入に際して、父母に援助を頼む世帯が多く、正月は資金援助を訴える絶好機だから。そのとき、手元のチラシの有無が成約率に影響するからです。

そしていまどきのマイホーム購入なら、ホームページでより詳しい情報を知ろうとすることでしょう。近所の社長のサイトにアクセスがある理由です。そのとき「謹賀新年」と挨拶があるサイトと、無味乾燥な平常営業なら、どちらが好印象かは明らかです。

ネット時代の新常識

つまり、「新年の挨拶ぐらいは更新しましょうね」というのが先の不動産会社の社長へのアドバイスです。また、年末年始の営業時間を掲載するのは、サイトを公開している以上、最低限の責務と考えます。

官公庁は4日が仕事始めでこれに習う大企業も多く、八百屋や魚屋などは、毎年曜日に関係なく1月5日に市場が開くので、それに合わせて営業を始めるというのが昭和時代の常識でした。ところが、スーパーマーケットにコンビニ、ファミレスといったチェーン店の拡大により、小さな店舗にまで年中無休を求めるお客が増えてきました。折角足を運んだのに休みだったと愚痴をこぼすお客もいます。それは年末年始も同じ。だからサイトに店休情報を掲載しておかなければならないのです。

そして店休情報がサイトに掲載されていれば、徒労に終わっても己の確認ミスと自省します。これはネット時代の消費者心理の新常識です。

イメージカットは“うま”でしょ!

どうせ更新するならビジュアル的にも変化を与えたいもの。最も簡単な方法は「背景」です。無料写真サイト「足成」などから素材を拝借してきて、コンテンツの背景に正月らしい画像を貼り付ければ、壁紙のような効果が得られます。お正月なら富士山、日の出などの風景がオススメです。

トップページに「新年」を連想させるイメージカットや写真を配置するのもよいでしょう。正月風の写真に加え、来年ならば干支の「馬」を掲載します。ビジュアル的に凝った年賀状を作っているなら、その図版を掲載するのもありです。ただし、市販のイラスト入り年賀状の無断転載は、法に触れる可能性が高いのでオススメはしません。あくまでオリジナル作品に限ります。

サイトのマンネリ化を防止

ブログを公開していたり、ブログをCMS代わりに利用したりしているなら、そのままズバリ、1月1日の日付指定で新年の挨拶を投稿しておきます。今は自動更新プログラムを自作してそれらに任せていますが、かつては年越しのカウントダウンが終わると同時に「新春バージョン」をアップロードしていました。企業内のWeb担当者ならそこまでする必要はありませんが、年内の御用納めに更新するといいでしょう。

冒頭の社長がこぼしたように更新を継続するのは困難です。季節商品を扱う通販サイトでもなければ、マンネリ化は避けがたく、日常業務を言い訳に更新が止まります。実はこのトップページの更新は、一年中使えるお手軽技です。日本には際だった四季と祭事や行事があります。これらのビジュアルイメージに差し替えることで更新とするのです。

正月の次は雪景色、節分、梅の花、卒業式にサクラと続けば春も終わりです。新緑、カタツムリ、海開き。入道雲、かき氷、盆踊り。サンマ、ドングリ、頭(こうべ)を垂れる稲穂のころはハロウィンと重なり、気がつけばクリスマスも過ぎ、また新年。サイトのマンネリ化を防止できます。

効率的なサイト更新

1年続ければ、翌年からの更新はさらに楽になります。イメージカットを探すことに慣れる……というポジティブな理由に到達すれば、それはそれでOKです。しかし、なにかと忙しいWeb担当者なら「コメントアウト」も一手です。

HTMLソース内で「<!--」から「-->」で括る間に記す説明やメモを「コメント」と呼び、ブラウザ上では「非表示」となります。先のビジュアルイメージを更新した際に、古いビジュアルイメージのタグをコメントアウトして残しておくのです。すると翌年の作業は、コメントを解除するだけです。

さらに年に数回しかない案内やイベントについても、毎回レイアウトから見直すのは面倒です。そこで「冬期休業」や「お盆休み」の案内などもコメントアウトで残しておくことで更新作業の負担は大幅に軽減します。表示上不用なソースの記載は「邪道」とお叱りを受けるかもしれませんが、更新作業の軽減は、継続において重要な現場の裏技(ノウハウ)です。

今年もお付き合いいただきありがとうございました。よいお年をお迎えください。私は今年も除夜の鐘まで仕事の予定。更新作業は自動更新プログラムに任せていますが、それが正常に作動しているかを目視確認するのが仕事納めであり仕事始めなので。

今回のポイント

冬期休業の掲載はネット時代の新常識

コメントアウトでお手軽更新

この記事の筆者
ユーザー 宮脇睦(有限会社アズモード) の写真

宮脇 睦(みやわき あつし)

プログラマーを振り出しにさまざまな社会経験を積んだ後、有限会社アズモードを設立。

制作、営業の双方の現場を知ることからウェブとリアルビジネスの融合を目指した「営業戦略付きホームページ」を提供し、一業種一社、制作案件は足立区内のみという営業施策をとっている。本業の傍らメールマガジン「マスコミでは言えないこと」を発行。好評を博す。著書に『完全! ネット選挙マニュアル』(Kindle版)、『Web2.0が殺すもの』『楽天市場がなくなる日』(ともに洋泉社)、冷静な視点からのIT業界分析に「週刊ポスト」など、様々な媒体から情報発信を続ける。

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