個人の端末保有数が増加しマルチデバイス環境が進むなか、企業はユーザーをどうとらえるべきか。検索エンジンのGoogleが発表した、マルチスクリーンユーザーの行動分析結果が参考になるだろう。
Googleはマルチスクリーン利用者の行動分析の結果を12/16に発表した。テレビ・パソコン・スマートフォンを使っていつ、どれだけの時間をメディア視聴しているのかの違いに着目し、行動ログデータをもとにメディア行動が似ている人を統計的に分類し、5つのグループを作成した。視聴テレビ番組・インターネットサイト/利用アプリ・購買意欲や生活意識などの各種データからそれぞれの特徴を説明する。
Googleが分類した5グループは以下の通り。
- キマジメ大食らい (全体の22%)
- ハラハチブ自由人 (全体の15%)
- ヒマツブシ貴族 (全体の30%)
- 検索ナルシスト (全体の22%)
- 社交的ハンター (全体の12%)
それぞれに次のようにGoogleは分析している。
キマジメ大食らいグループのメディア利用は全体的に多く、特にテレビが多い。マス広告、オンライン広告などを使って、継続的にブランドに関する情報を常に提供する手法が重要(下図参照)。
ハラハチブ自由人グループのメディア利用はテレビ・スマホとも少ない。広告コミュニケーションで態度や行動を編書かせるのが最も難しい。好きとなったら使い続けるが、それを吹聴することはない(下図参照)。
ヒマツブシ貴族グループのメディア利用は全体的に多く特にテレビが多い。マスで刺激を与え、オンラインで拡散させる方法が比較的受け入れやすい(下図参照)。
検索ナルシストグループのメディア利用は平均並。パソコン利用が少なく、スマートフォンの利用が多い。納得するまで調べる、情報に対して非常に合目的な態度であるという特性に答える自社メディアの整備が欠かせない(下図参照)。
社交的ハンターグループのメディア利用は平均並。テレビよりもパソコンやスマートフォンの利用時間が長い。SNSでの発信機会を提供すると、自発的な情報発信を期待できる(下図参照)。
テレビ視聴中のマルチスクリーン率は平均で24%
5つのグループ特徴を説明し、続いてテレビ視聴中のマルチスクリーン率について解説した。テレビを見ている総時間のち、パソコンまたはスマートフォンを同時に利用している時間は24%。つまり、60分のテレビ番組のうち、15分は他のデバイスを利用していることになり、パソコンとスマートフォンを個別にみるとパソコン利用はテレビ視聴時間の13%、スマートフォン利用は12%。
最後にまとめとして、
- パソコンが普及してテレビが見られなくなった、モバイルが普及してパソコンが使われなくなった、という単純なトレードオフは見られない。
- 5つのグループは性別年代のデモグラフィックにより分離されるものではなく、情報に対する考え方、性格、社会的役割などが複合的に混ざった結果と考えられる。
- 広告やメディアプランなどのマーケティングには、生活者のメディア接触、情報行動に合ったクリエイティブ/メディアプランニングが必要である。
- 調査方法:
マーケティングリサーチのインテージ社のシングルソースパネル「i-SSP」を利用し、調査対象者一人ひとりのパソコン・スマートフォン・テレビの視聴行動ログデータを30秒単位で収集、分析 - 調査期間:
2013年6月1日~30日の1か月間 - 調査対象:
関東地域在住の20~60代でテレビ、パソコン、スマートフォンを保有する500人
- 内容カテゴリ:調査/リサーチ/統計
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オリジナル記事:GoogleがTV・PC・スマホ利用者の行動を5つに分類。あなたはヒマツブシ貴族? 検索ナルシスト? [ニュース] | Web担当者Forum
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