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会社が不満でくすぶってる俺、仕事がつまらなくないか?/KDDIウェブの高畑哲平さんに聞いてきた [Webのコト、教えてホシイの!] | Web担当者Forum

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Webのコト、教えてホシイの!
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どうしたの星井さん難しい顔して。
いやぁ前回のうさぎ薬局の中村さんに影響を与えたKDDIウェブコミュニケーションズの高畑さんってどんなひとなんだろうかなぁって思って…。
写真見る限りかなり若いですよね…。
なのに副社長って…。
多分星井さんより年下ですよ。
えっ。
しかも昔はリスティング広告しか仕事をしてなかったって聞いたことがあるで。
えええっ。
どうしてそんな人がそれが今や副社長に…?
さぁ打ち合わせしますよ。
納得できん!
高畑さんに話を聞きに行きましょう!
副社長になれる方法を!
勝手にどこに行くんですか?
僕も副社長になりたい!
なれるわけないやろ。
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KDDIウェブコミュニケーションズ
副社長 高畑哲平さん(35歳)
おっしゃるとおり本当です。
前職からCPI(KDDIコミュニケーションズの前身)に転職して、約半年間はほとんど仕事はしてませんでした。
唯一の仕事が一週間に一度だけリスティング広告でしたね。
そのリスティング広告で大きな成果を上げたとか。
いやいや広告代理店に任せていたんで、私はずっとネットサーフィンしてましたよ。
なぜこの人が副社長に?
けど、仕事がないのは最低ですよ。
暇って苦しいんです。
そりゃそうだろう…。
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だったら自分で仕事を探すことはしなかったんですか?
まったく
考えたこともありませんでした。
仕事とは与えられるものだと思ってたんです。
確かに能動的に動けば仕事はあったんだと思いますが、当時は完全に受動的だったんです。
俺に仕事がないのは使いこなせない会社が悪い。
組織がダメ、予算がない、情報が下りてこないからダメ。
すべての問題は自分の取り巻く環境の責任だと思ってました。
実際は自分自身の問題なんですけどね。
フリーの僕らには考えられない。
そう考えている会社員は多そうやけどな。
サラリーマンの特権とも言えますよね。
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そこからどうして副社長になれたんですか?
焦りですかね。
同世代の人たちがメディアで騒がれはじめていたのに、自分はネットサーフィンでくすぶっているのはやばいと思ったんです。
それからどうすれば自分が輝けるかを考えました。
本業のレンタルサーバーで勝負するには時間がかかるじゃないですか。
そこで出した答えが、一気に輝くために新規事業を立ち上げることだったんです。
半年間仕事をしなかった社員がいきなり。
必死に社長に直訴しました。
ダメなら辞めることも考えてました。
私に新規事業をやらせてください。
分かった。
良く認めてくれましたね。
当時は小さな会社でしたから。
ちなみに新規事業の内容は何も考えていませんでしたけどね。
ハッタリですか!
とにかく何かしないとヤバイって気持ちがあったんです。
その新規事業はどうだったんですか?
案の定全然うまく行きませんでした。
あははは。
ただ…。
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この頃、大きな転機が訪れました。
Jimdoとの出会いです。
Jimdo?
ホームページを簡単に作るサービスです。
レンタルサーバーって専門的すぎて、なかなかお客さんが理解できないと、以前から問題意識を持っていました。
しかしJimdoならサーバーの知識がなくても無料で簡単にホームページを作ることができる。
これこそ顧客にニーズに合っているサービスだと直感したんです。
顧客は高スペックのサーバーが欲しいわけではなく、ホームページが滞りなく運営できればいい。
顧客を理解して顧客にとって価値のあることを提供したんやな。
けどこのサービスって、本業のレンタルサーバー事業の共食いやろ?
おっしゃる通りです。
役員たちから死ぬほど反対されました。
まぁなんとか許可をもらえて…。
もらえたんだ!
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なんとかローンチしたんですが、もちろん知名度はない。
お金は出ないし、期間も限られている。
会社は応援してくれない。
なのにJimdoのドイツ本社の人間にも大風呂敷を広げてしまって期待されている。
四面楚歌ですね。
まさに背水の陣でした。
しかし、その絶体絶命の状態が、私をアクイジションファーストからリレーションシップファーストに変えるきっかけなったんです。
ほぉう。
なんですかそれ?
アクイジションとは新規顧客獲得のことで、初回購入を重視し、製品と価格で売り込む従来のマーケティング手法や。
リレーションシップは既存の顧客の維持・囲い込み・活用のことです。
3~4回目以降のリピート購入を重視し、ブランドの体験を売り込んだりするんです。
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Jimdoのマーケティングはその当時まだ一般的ではなかったTwitterを使いました。
正直お金がなく、苦肉の策でしたが、それが幸いしたんです。
想像以上にダイレクトに顧客の反応が伝わってくる。
そのとき初めて、リレーションシップの大切さに気が付きました。
その後はどうすればJimdoを多くの人に伝えるかを考えていました。
エバンジェリストやエキスパート制度を作ったり、オンラインのみでなく、オフラインでも熱心なファンを集めて、オフ会をやったりしました。
エバンジェリストとは、自社の技術や製品についてより深く理解してもらうために啓蒙活動する人や。
なるほど。
ファンがまたファンを作り、そのファンが新しいファンを作る。まさにリレーションシップファーストですね。
でしょ!だからリスティング広告の費用もまるまるリレーションシップに回しちゃいました。
うちの会社にはあまり効果的でないのは、経験上分かっていたし。
はははは。入社当時の経験が生きましたね。
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その予算って、具体的に何に使うんですか?
イベントへの参加ですね。
協賛してイベントで時間をもらってJimdoを知ってもらうんですよ。
そんなことまで。
本当にいいものなんでみんなに知ってほしいんです。
初めは5分ぐらいしか時間がもらえなかったんですが、そのうち10分、15分と増えていって、最近は招待されるようになりました。やっと成果が実りはじめました。
簡単に言うけど、やっぱり副社長になるくらいだ。並々ならぬ努力をしてきたんだろうな…。
もし、8年前の自分に会えるなら、何て言ってあげたいですか?
そりゃ、「今の仕事はつまらなくないか?」
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つまり自分から動いて頑張らないとダメってことですね!
いや頑張れとか真面目にやれとは言いません。
真面目にやると時間がかかるぞ、賢くやれ。
どうやったらまっすぐお客さんに価値を提供できるか考えろ、ですね。
少ない努力でも最大限の結果を出さないとね。
売れない商品でも売るのがマーケターの仕事。
出世できないマーケターはマーケターじゃあありません。
なるほど、自分という商品を売れと言うことですね。
ありがとうございました。
あんなことサラッと言えちゃうんだもん。
副社長になるはずですね。
高畑さんが副社長になれた理由が少し垣間見れたような気がしました。

第17回は1月公開予定

この記事の筆者

星井博文(ほしい・ひろふみ)

漫画家・漫画原作作家。ヤングジャンプにてデビュー。著作に『中京女大レスリ ング部物語「ちゅうじょ」』(実業之日本社)など多数。

「グランドジャンプ」にて、『未解決事件 File.02 オウム真理教』などの構成を担当。

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