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Webサイトのドメイン名移転: SEOmozが経験した作業フローと注意点 [Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 6 分

ベストプラクティスよさらば

私たちはSEOmoz.orgからMoz.comへの移転を計画するのに1年以上を費やしたが、その過程で私が全員に自覚してもらいたかったのは、ドメイン名の移転という点で、私たちがワーストプラクティスとは言えないまでもベストプラクティスからは程遠いやり方を採っていた、ということだ。

ドメイン名の移転について大半のSEO担当者が指摘することの1つに、次のようなものがある。

たくさんの大きな変更を一度に行うべきではない

たとえば、新しいドメイン名に切り替える場合は、ドメイン名だけを切り替えるべきで、同時にデザインなど他の何かを変更してはならない。

同様に、サイト全体のデザインを刷新する場合は、それだけをするべきで、同時にコンテンツやURL構造も変更してはならない。

それからもちろん、トップレベルドメイン名(TLD)を変更する場合は、他に何も変更してはならない。

ウェブサイトでこれら多くの変更を一度に行うことを回避すれば、検索エンジンにとっても新しいサイトの発見、クロール、順位付けがずっと楽になり、またサイトに問題が発生した場合にも、はるかに診断しやすくなる。

それなのに私たちときたら、

  • 大規模なブランド変更
  • サイトのデザイン刷新
  • コンテンツの大幅な見直し
  • TLDの切り替えを伴うドメイン名変更

をすべて同時に計画していた。困難が重なる「最悪の嵐」のような事態だ。人一人から眠りを奪うに十分だろう(私がそうだった)。

一方で、私たちがこういう経験を味わえたのは良かったとも思う。なぜなら、読者の中にもまったく同じような状況に陥る人がいるはずだからだ。

私たちは、新しい製品やブランドでやりたかったことをやるためには、これらすべてを同時に変更する必要があり、それはSEOのベストプラクティスよりも優先度が高かった。両手を挙げて「ああ、もう駄目だ」と敗北宣言する代わりに、私は目の前の状況でできる限りのことをするしかなかった。

長く、退屈で、ハードな作業

ドメイン名移転の準備にあたって、私の主な仕事は膨大な量のURLリストを処理することだった。

私は、Mozチームのケイシーに手伝ってもらって、

  1. サイト上に存在する全URLのリストをデータベースから取り出し
  2. URLごとにMoz.com上のリダイレクト先を見つける

という作業を行った。これからこの作業をする人に推奨したいのは、もし可能なら、自前のデータベースまたはサーバーログからURLのリストを取り出すという方法だ。そうする方が、XenuやScreaming Frogなどのプログラムを使用してクロールを実行するだけの場合より、はるかに完全なURLリストが得られる。

移転について人々と話すと、膨大な量のURLを見て青ざめてしまうのが普通だ。サイト上のすべてのURLを確認する必要が本当にあるのだろうか?

いや、そうとも限らない。私たちの場合は(ブログやQ&Aなど)サイトの大部分がほとんど変更なしだったので、さらに詳しい情報を必要とせずに、ただseomoz.org/blog/*のすべてをmoz.com/blog/*にリダイレクトすればよかった。大規模なデザイン刷新や構造の変更をせずに、あるドメイン名から別のドメイン名に移転するだけのサイトの場合は(繰り返しになるが、可能なら実際そうするべきだ)、さらに簡単になる。サイトがまったく同じままなら、すべてを新しいドメイン名の同じフォルダの位置にリダイレクトするだけで済む。

ただし私は、サイト上のすべてのページを確認して良かったと心から思う。

というのも、古くなって孤立した多くのページを削除できたし、新しいサイトの分類をより包括的にしたことで、今後孤立したページが新たにできるのを防ぐ助けになったからだ。サイトの移転は、内容が古くて役に立たなくなったページを、さらに新しく有益なリソースにリダイレクトできるすばらしい機会となる。

トラフィックとランキングの損失

ドメイン名移転中のトラフィックとランキングの損失について、予測値を管理することがどれほど重要か、強調してもし過ぎることはない。

私はSEOmozのウェブセミナー「Mozinar」で、301リダイレクトを通じて一部のPageRankが失われることに言及した(Matt Cuttsの動画を送ってくれたイーサン、ありがとう。この動画では、現在のところ301を通じて失われるPageRankの量がリンクを通じて失われる量と同じであることが説明されている)。これは通常、最も人気が高くて最適なリンクが張られたページには大きな問題とはならないが、ロングテールキーワードでランク付けされている深い階層のページでは問題となる可能性がある。特に問題になりやすいのは、これらのページを参照する外部リンクが古いか、数があまり多くない場合だ。

Mozの移転ではサイトを再構成したため、ページ間を流れる内部のリンクジュースも変化した。

「LEARN(学ぶ)」セクションのように、フッターからヘッダーに移動したことで重要性が増し効果的だった部分もある。

だが、一部のページでは内部リンクの価値が失われることになった。これも、最も重要なページには大きな問題ではないが、ロングテールキーワードに及ぼす影響が大きいのは間違いない。その中間に当たるページにおいては、トラフィックとランキングが影響を受けない可能性は極めて低い。そして、実際に影響はあった。

ユーザーエンゲージメントの改善

トラフィックが失われる一方で、エンゲージメントの指標は押し上げられた。Mozチームのサイラスは、先入観やブランド刷新をめぐる業界の「雑音」の影響をできる限り抑えるため、次の2つのサブグループについて簡単な調査をした。

  • ブランド以外のオーガニック検索を通じてアクセスしたユーザー
  • サイトを初めて訪問したユーザー

結果は以下の通りだ。

セクションページビュー数訪問あたりの
ページビュー数
(ランディング)
ページ滞在時間平均滞在時間
(ランディング)
直帰率
ツール150.17%34.02%-2.40%47.75%-31.72%
製品/ツアー91.13%13.65%-52.25%-10.73%-22.34%
SEOについて学ぶ62.56%9.09%-42.61%0.00%-7.55%
ビギナーズガイド32.97%8.84%-7.79%15.69%-8.75%
YouMoz15.43%7.81%-19.90%12.90%-3.80%
ブログ13.13%8.27%-10.00%6.76%-0.84%

ご覧の通り、サイト上のほぼすべてのセクションで、ページビュー数と訪問1回あたりのページビュー数が増加したほか、直帰率が大幅に減少した。

唯一のマイナス面は、総じてページ滞在時間が減少したことだ。これにはいくつかの理由が考えられる。サイト内でクリックする人が多いほど、ページビューごとの滞在時間が減少するのかもしれないし、あるいはデザインの刷新によって多くのページで中身が短くなり、短時間で読めるようになったのかもしれない。

平均滞在時間と直帰率が改善した一方でページ滞在時間が減少した事実は、ページ滞在時間が減少したからといって品質の低下を意味するわけではないことを示しているため、問題はない。

プラットフォームの変更

私たちはカスタムのバックエンドやCMSでサイトを運営しているため、Mozinarでは、CMSやプラットフォームの変更について話す機会があまりなかった。これはQ&Aでよく聞かれる質問なので、いずれ取り上げたいと思っていた。

たいていのドメイン名移転と同様、新しいプラットフォームやCMSに移行する場合は、物事をできる限り「同じ」に保つことが重要だ。理想を言えば、変更の前後でユーザーにはほぼ同じサイトに見えるのが望ましい。そうすれば、移転後に真新しいCMSを使って改善を加えていくことができる。

プラットフォームやCMSを変更する際に避けるべきこととして特に重要なのは、新しいバックエンドによってURLに何か余計なものが加わらないようにすることだ。たとえば、移転後のトップページが「www.example.com」のままであり、誤って「www.example.com/index」などに変わってないかどうかを確認する必要がある。また、新しいプラットフォームによって古いURLに.htmlや.aspxなどの拡張子が付くようになっていないか注意しなければならない。これは、新しいプラットフォーム上でコンテンツが重複してしまう原因として非常によく見られるケースだ。

サイトマップ

Mozinarで、グーグルのウェブマスターツールに私たちが複数のサイトマップを登録していると言ったところ、なぜそうするのかという質問をもらった。

この判断は私が加わる前に下されたものだったので、回答する前に全容を把握しておきたかったのだが、推測していた通りだった。

私たちは、ブログ、コミュニティのプロフィール、YouMozで別々のサイトマップを登録しているが、それはこれらが当サイトの3大分野だからだ。1つのサイトマップには5万件しかURLが登録できないので、こうして複数のサイトマップを登録すると、こういうページ数の多いセクションのそれぞれにおいてURLが今後も増加し続けることを見越して、十分な空きを確保しておける。

複数のサイトマップを使用することについては、数年前にDistilledのケイト・モリス氏がすばらしい記事を寄稿してくれているので、読んでみてほしい

移転後の喧騒

ここまで書いてきて、読者からは「君、これは貴重な情報だね。でも、なぜ共有するまでに1か月もかかったんだい?」という声が聞こえてきそうだ。その理由の多くは、移転後の一時的な喧騒に関係している。

移転直後の日々は、新サイトに関するPR活動の盛り上がりや顧客の興奮が大きくなっていった。そうなることはわかっていたし、それを喜んでもいたのだが、この高揚が新しいサイトの長期的なパフォーマンスを表すものではないこともよくわかっていた。

また、ランキングにどのような影響があったか理解を深めるため、SEOmozのページが検索結果に表示されなくなって(「Mozinar」で触れたように、現時点でまだインデックス化はされているが、私たちがターゲットとしているどのキーワードでも検索結果に出てこない)Moz.comのURLと置き換えられるまで、情報を公開するのを待ちたかったという事情もある。

移転に伴うこの種の長期的分析は重要だ。新しい評価指標をできる限り正確に把握するよう心がけてほしい。

「Mozinar」に参加してくれた人や、今回の移転にあたってMozチームに応援メッセージを寄せてくれた人全員にもう一度お礼を言いたい。これは会社全体に関わる大規模な取り組みだったし、スタッフ一同、皆さんと情報を共有できて大変嬉しく思っている。

Ruth_Burrについて― Ruth BurrはMozでインバウンドマーケティングリードを務めている。強力なオンページ戦略、スケーラビリティの実践、テストと追跡によるROIの改善を信条とする。

この記事の筆者

この記事は、Moz Blogに掲載された以下の記事を日本語訳したものです。

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原文:「Domain Migrations: Surviving the "Perfect Storm" of Site Changes」 by Ruth Burr (2013/07/03)

記事セレクション:渡辺隆広株式会社アイレップ
翻訳:株式会社ガリレオ

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オリジナル記事:Webサイトのドメイン名移転: SEOmozが経験した作業フローと注意点 [Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報] | Web担当者Forum
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