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初音ミクとコラボのドミノ・ピザが「第12回モバイル広告大賞」グランプリ受賞、目標5倍のヒット企画の裏側 [イベント・セミナー] | Web担当者Forum

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D2C主催のモバイル広告賞「第12回モバイル広告大賞」の贈賞式が7月11日に都内会場で開催された。6月に発表された通り、本年度のグランプリおよび各部門賞は12企業14作品から選出、8名の審査委員による選考の結果、グランプリはドミノ・ピザ ジャパンが配信するiPhoneアプリ「Domino's App feat. 初音ミク」に決定した。

ドミノ・ピザ ジャパンは、2011年の第10回モバイル広告大賞のアプリケーション部門でも「Domino's App」で優秀賞を受賞。アプリ限定クーポンのほか、スマホのGPSを利用して配達先を指定できる機能などが話題を呼んだ。

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第12回モバイル広告大賞の受賞者

売上の50%がオンライン経由、キャンペーンではニュース作りを意識

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株式会社ドミノ・ピザ ジャパン
執行役員
マーケティング部長
池田健二氏

贈賞式では、グランプリ受賞を記念したドミノ・ピザ ジャパン 執行役員 マーケティング部長 池田健二氏による基調講演「『ニュース作り』を意識したドミノ・ピザのトータルマーケティング」が行われた。同社ではどのようにマーケティング施策を考えているのか、初音ミクとのコラボ事例を中心に語られた。

ドミノ・ピザ ジャパンがオンライン受注を開始したのは2004年のこと。売上は少しずつ増え、今では売上の50%をオンライン注文が占め、「ネットでもピザを頼める会社から、ネットでピザを頼める会社に大きく転換している」という。また、特にスマホからの注文が伸びている状況で、1年間でスマホの注文構成比が16%(2012年3月)から28%(2013年3月)へと伸びている。

オンラインではスマホはもちろんタブレットにも対応している。各チャネルでは、ニーズに合わせたものを入れて、デバイスを使う人がどうしたら便利になるか考えている。また、それぞれのデバイスにしかない特徴があるはずなので、スマホならスマホでしかできないようなことを必ず入れるようにしている。

モバイルのなかでもスマホが一番伸びているのが今の状況。それを伸ばすため、純広告やアドネットワークもやっているが、特に力を入れているのが、おバカなクーポンなどを作って話題を取っていくこと。広告を作るのではなく、話題作りを意識している

ドミノ・ピザ ジャパンといえば、2012年のインコ割やヒゲ割といったアメージング・クーポン・フェスティバル(Web坦インタビュー「ドミノ・ピザのぶっ飛んだキャンペーンの裏側」)のほか、最近はダジャレマーケティングに取り組むなど、一風変わった企画を打ち出しているが、こうした企画では、ニュース作りを意識しているという。

Facebookで実施した世界最速のタイムセールもニュース作りを意識した企画の1つ。応募チャンスを0.1秒とあえて難しくすることで、獲得するまでの過程をおもしろくし、Facebook上で話題を生むのが狙いだ。「Facebookでは簡単に取れてしまうとつまらない。0.1秒まで入れたのがみそ、難しくしたのが一番の重要だったのではないかと思っている」と池田氏は話す。

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Facebookのファン数はキャンペーンのたびに増加し、1年間で2.5倍に

愛がなければ伝わらない、初音ミクとのコラボで得た経験

初音ミクとのコラボも話題作りを意識した企画だが、そもそもの背景には若者のシェア拡大が狙いにあった。宅配ピザ市場にいち早く登場したためか、同社のユーザー層の年齢は競合と比較して高かったのだ。そこで考えたのが、若者に人気のある初音ミクに助けてもらおうというものだったのだが、クリプトン・フューチャー・メディアに依頼したところ、断られてしまったという。

我々は単純なので初音ミクに頼もうと考えたが、ただのキャラクターではないと言われた。初音ミクは音声合成ソフトであり、音楽を作ることが重要なキャラクター。それを忘れて、単に箱を作って売ってしまえばいいというように、よく理解しないままお願いしに行っていた。

企画は一度断念することになったが、ここで終わらなかった。企業側の目線で売ることばかりを考えていたと気づき、ならば自分たちで創作してみようと考えたのだ。マーケティング部門は10数名の部署なので、約5000人のアルバイトからメンバーを募り、本気でボーカロイドのPV作りを始めた。3つの選抜チームから3曲を発表し、この創作活動はネット上で少しずつ話題になり、ニュースの流れが作られていく。結果としてドミノ・ピザ ジャパンの熱意が伝わり、コラボが実現することになった。

初音ミクとのコラボアプリを3月にリリースすると、テレビやニュースサイトで話題になり、広告ではないニュース作りが実現されていった。キャンペーン開始から1か月で目標5倍の5万オーダーを達成。ただし、予想の5倍以上の注文が入り、特製ピザボックスはキャンペーン開始5日で品薄の状態になってしまったという。「Domino's App feat. 初音ミク」のアプリは1か月で6万ダウンロード、YouTubeのアプリ紹介動画は70万回再生されている(2013年6月25日時点)。

初音ミクの経験からわかったのは、“企画に愛がなければ伝わらない”ということ。企業側からすると、まず何を売るかと考えるが、ドミノが一緒にやるなら何がおもしろいかを考えること、周辺にそのキャラクターを愛している人がいることが重要。

まず売上を上げる、ではファンからするとおもしろくない。相手を知ってどこまで楽しめるか、まず自分が一番楽しむことが重要。そのうえで、どうやって売上を上げるか考える

基調講演の最後、ドミノ・ピザは、「おいしいだけじゃなく、新しいことがあるというのを目指してやっていきたい」と池田氏は語り、初音ミクとのコラボ第二弾を実施することを発表した(7月16日開始)。第一弾で得たユーザーの声を取り入れた新機能を追加、配達用の痛バイク2号機も稼働する。

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オリジナル記事:初音ミクとコラボのドミノ・ピザが「第12回モバイル広告大賞」グランプリ受賞、目標5倍のヒット企画の裏側 [イベント・セミナー] | Web担当者Forum
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