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サイト内検索のキーワードを分析する方法とユーザー行動理解のための6つの指標 [第53回] [衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 7.5

Googleアナリティクスは、非常に高度な分析ができる無料のアクセス解析ツールだ。無料の反面、正式なサポートサービスというものがないため、ユーザーは自分で情報を集めなくてはならない。Web担当者にとっては結構な手間だ。そこで本連載では、Web担当者の負担を軽減すべく、導入から、運用、活用まで、初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座

ユーザーが検索エンジンの検索結果ページからWebサイトに流入した場合、ユーザーが使った検索キーワードを分析すれば、どのようなニーズでサイトを訪れたのかのヒントが得られる。そういった分析をしている人も多いだろう。

そうした検索エンジンのキーワード解析と同様にユーザーのニーズを知る手掛かりとなるのが「サイト内検索で使われたキーワード」だ。

「流入時」と「サイト内回遊時」のこの2つのキーワードを上手に活用したい。検索エンジンの検索キーワードデータの活用について書いた過去の記事とあわせて読んでほしい。

サイト内検索キーワードは訪問者のニーズを表している

検索エンジンからの流入の際の検索キーワードは、そもそも検索エンジンの検索結果で自分のページが上位に表示されていない限り、分析の対象とならない。つまり検索エンジンという外部要因に大きく依存する。それに対して、すでにサイトを訪問しているユーザーが直接入力するサイト内検索キーワードは、世の中全体のニーズを知ることはできなくても、訪問者のニーズそのものを知ることができ、直接的にユーザーのニーズに合わせたコンテンツ作りのためのヒントになろう

多くのサイトで「サイト内検索」の機能が実装されている。サイトに訪問したユーザーに、自分の見たいコンテンツを検索して直接探してもらう機能だ。Web担当者Forumでも、もちろんこの機能は存在している。図1赤枠部分に任意の言葉を入れて、[検索]ボタンをクリックすれば、ユーザーが見たいであろう記事の候補をリストで表示してくれる。

図1:サイト内検索の機能
図1:サイト内検索の機能(ページの右上)

サイト内検索の仕組み

検索エンジンの検索キーワードの仕組みと同様に、サイト内検索でも多くの場合、URLの中に検索キーワードの情報が含まれている。そしてその情報を取得して集計する仕組みになっているのだが、Googleアナリティクスを単に導入しただけでは、サイト内検索を自動では集計してくれない。URLの中にサイト内検索キーワードが含まれていることを事前にGoogleアナリティクスに教えてあげる必要があるのだ

そのための設定をまず行う必要があるので、まずはその準備から解説していこう。

なお、検索エンジンの検索キーワードを抽出する仕組みは、第26回の記事を参照してほしい。

実際にWeb担当者Forumで、検索キーワード入力ボックスに「アクセス解析」と入力して[検索]ボタンを押して表示したページのURLは以下の通りだ。

http://web-tan.forum.impressrd.jp/search/google?query=%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9%E8%A7%A3%E6%9E%90
実際にはさまざまなパラメータが付いたURLになるが、ここでは不要な情報は省略して示している

このURLのパラメータ(「?」の後に続く部分)のquery=の後に続いている「%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%82%B9%E8%A7%A3%E6%9E%90」という文字列をデコード(日本語に戻す)すると「アクセス解析」となっている。ここにサイト内検索キーワードが隠されているのだ。URLのこの部分がサイト内検索キーワードであることをGoogle アナリティクスに教えてあげるための設定が必要となる。

  • サイト内検索が分析できるように設定しよう

サイト内検索が分析できるように設定しよう

Googleアナリティクスでサイト内検索を分析できるようにするための設定は、Googleアナリティクスのプロファイル(各レポート画面)のレベルで設定する項目だ。「アナリティクス設定」で管理画面に入り、該当のプロファイルの「プロファイル設定」タブ(図2赤枠部分)を選択する。

操作手順
  1. グローバルナビゲーションの[アナリティクス設定]をクリックする
  2. 「アカウント画面」で、設定したいアカウントをクリックする
  3. 設定したいプロパティをクリックする
  4. 設定したいプロファイルをクリックする
  5. 「プロファイル設定」タブ(図2赤枠部分)をクリックする
図2:「プロファイル設定」タブの上部
図2:「プロファイル設定」タブの上部

サイト内検索レポートを有効にする

「プロファイル設定」画面をスクロールしていくと、下のほうに「サイト内検索の設定」(図3赤枠部分)の項目がある。計測サイト内でサイト内検索の機能を実装している場合には、「サイト内検索レポートを有効にする」を選択(図3青枠部分)する。

図3:「プロファイル設定」タブの下部
図3:「プロファイル設定」タブの下部

クエリパラメータを入力する

例に挙げたWeb担当者Forumでは、query=の後にサイト内検索キーワードがあった。この場合、検索キーワードを示すパラメータは「query」なので、図3緑枠上部の「クエリパラメータ」右横の入力ボックスには「query」と入力する。

サイト内検索結果ページをキーワードごとに区別するかしないか

その下にある「URLからクエリパラメータを削除」は、[コンテンツ]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ」レポートに表示される「ページ」(URL)の区別が必要なければ、ここにチェックをすればよい。つまり、チェックすれば「すべてのページ」レポートでは、サイト内検索結果画面が全部1つにまとめて集計される。サイト内検索のクエリは固有のレポートで確認できるので、「すべてのページ」レポートの方はまとめてよいならここにチェックをしよう。

サイト内検索のカテゴリ

その下の「サイト内検索のカテゴリ」の部分は、図3赤丸部分をチェックすると、図3黒枠部分の設定項目群が表示される。ここは「クエリパラメータ」の設定と同様で、検索したときにカテゴリなど他の分類のためのパラメータが付けられるような場合に、そのパラメータを指定しておくことで、そのパラメータ軸でも見ることができるようになるということだ。

なお、これらの「クエリパラメータ」も「カテゴリパラメータ」も、最大5つまで指定することが可能で、複数指定する場合は、カンマ(半角の「,」)で区切って列挙すればよい。準備はこれだけだ。この設定を適用してから後の集計データに対して、サイト内検索関係のレポートが表示される。

  • サイト内検索されている割合を確認する

サイト内検索されている割合を確認する

サイト内検索分析を始めるにあたり、まずは、サイト内検索がどの程度利用されているのかを概観しよう。それは[コンテンツ]>[サイト内検索]>[利用状況]レポート(図4)で見ることができる。

操作手順
  1. グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
  2. 画面の左側にあるメニューで、[コンテンツ]をクリックする
  3. メニューが開くので、[サイト内検索]をクリックし、[利用状況]をクリックする
図4:[コンテンツ]>[サイト内検索]>[利用状況]レポート
図4:[コンテンツ]>[サイト内検索]>[利用状況]レポート

サイト内検索のステータスの項目(図4赤枠部分)は英語だが、それぞれ次の意味だ。

英語の表記日本語の意味
Visits With Site Searchサイト内検索のあった訪問
Visits Without Site Searchサイト内検索のなかった訪問

サイト内検索のあった訪問、なかった訪問別の指標の双方を見ることができるので、まずはそれぞれの訪問数を比較しよう。

サイトがコンパクトで階層が浅い作りならば、そもそもユーザーはサイト内検索を使わずに目的のページへすぐにたどり着いているかもしれない。

逆に大規模なサイトで深い階層構造が予想される場合には、ユーザーは気軽にサイト検索をしているかもしれない。

サイト内検索を利用した訪問の割合に関しては、多いほうが良いとも、少ないほうが良いとも、一概には言い難いところだ。

しかし、もしサイトをリニューアルするようなことがあるのであれば、その前後でサイト内検索の割合の増減に注意する、検索キーワードのバリエーションの変化がないか気をつけるといったことが重要だろう。

「エクスプローラ」タブ直下の部分はデフォルトで「利用状況」指標グループが選択されている(図4青枠部分)。この指標グループでは、「訪問数」「訪問別ページビュー」「訪問時の平均滞在時間」「新規訪問の割合」「直帰率」の5つの指標が表示されている(図4緑枠部分)。

サイト内検索のあった訪問「Visits With Site Search」の行のデータを見ると、1訪問あたりのページビュー数は多くて、滞在時間は長いのが普通だ(図4緑枠部分)。目標セットの指標グループを選択しても、こちらのコンバージョン率や平均目標値などは一般的に高いと想像できる。この熱心なユーザーをさらに満足させることができればよいだろう。そのためには次のステップに進もう。

  • 実際の検索クエリを確認する

実際の検索クエリを確認する

次に見るのは[コンテンツ]>[サイト内検索]>[サイト内クエリ]レポートだ。本レポートは上部に折れ線グラフと全体の主要指標の表示(図5)、下部にデータ一覧表示部(図6)のあるレポートだ。

操作手順
  1. グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
  2. 画面の左側にあるメニューで、[コンテンツ]をクリックする
  3. メニューが開くので、[サイト内検索]をクリックし、[サイト内クエリ]をクリックする
図5:[コンテンツ]>[サイト内検索]>[サイト内クエリ]レポート上部
図5:[コンテンツ]>[サイト内検索]>[サイト内クエリ]レポート上部

「エクスプローラ」タブ直下の部分はデフォルトで「利用状況」指標グループが選択されているが、このレポートの「利用状況」は他のレポート群で表示されている指標とは異なる。

示されているのは、サイト内検索に関する固有の指標群である次の6つだ(図6青枠部分)。

指標名意味
検索回数の合計サイト内検索があった回数(同一訪問で同じキーワードによる複数回検索は重複を除く)
結果のページビュー数/検索検索結果のリンクから移動したページビュー数÷検索回数
検索による離脱数の割合検索結果画面でそのまま離脱した割合(訪問数ベース)
再検索数の割合ユーザーが検索を行った直後に再検索した回数÷検索結果ページのページビュー数
検索後の時間検索結果表示以降の滞在時間
検索深度検索結果のリンクから移動したページビュー数÷サイト内検索を1回以上使用した訪問数

データ一覧表示部のプライマリディメンションはデフォルトでは「検索クエリ」が選択(図6赤枠部分)されており、検索関係の6つの指標を、サイト内検索クエリ別に見ることができる。

図6:[コンテンツ]>[サイト内検索]>[サイト内クエリ]レポート下部
図6:[コンテンツ]>[サイト内検索]>[サイト内クエリ]レポート下部

まずはこの検索クエリを見て、ユーザーの使う言葉と自分のサイトで使っている言葉使いに食い違いがないかを確認しておこう。業界特化した言葉ばかりサイト内で使っていないか、そういった視点で検索クエリ自体を見ていくと役に立つこともあろう。言葉使いの変更や補足を行うことで、検索にもヒットしやすくなるだろう。

6つの指標の活用方法

次にせっかく「検索回数の合計」「結果のページビュー数/検索」「検索による離脱数の割合」「再検索数の割合」「検索キーワードの時間」「検索深度」の6つの指標があるので、これらをどう活用していったらよいか考えていこう。

「検索回数の合計」はニーズの大きさ

「検索回数の合計」はサイト内検索があった回数なので、各検索クエリのニーズの大きさとして考えればよいだろう。

上位の検索クエリはコンテンツのカテゴリ軸にできないかとか、トップページや上の階層のページで表示するテキストにできないかなどと考えてみよう。

「結果のページビュー数/検索」はニーズの強さ

「結果のページビュー数/検索」は、検索結果のリンクから移動したページビュー数÷検索回数から算出される数値なので、検索結果ページに表示されたリンクをどれだけよく利用したのかということを示している。

多ければ、「それらのページをくまなく見てくれた」とも取れるし、「本命がなかなか見つからずにいくつものリンクをトライしてみている」かもしれない。いずれにしても、あきらめずに多くのリンクを見ているので、ニーズが強いことを示している。

検索ボリュームも多く、この指標も高いのであれば、この検索クエリに関するコンテンツの強化を検討してもよいだろう。

「検索による離脱数の割合」はあきらめた割合

「検索による離脱数の割合」は検索結果画面でそのまま離脱した割合なので、検索結果のリストを見てあっさりあきらめた割合だと言える。

「再検索数の割合」は検索結果の不満足度

「再検索数の割合」は、ユーザーが検索を行った直後に再検索した回数÷検索結果ページのページビュー数から算出される数値なので、検索結果のリストを見てすぐにあきらめ、別の検索クエリを入力した割合だ。

1つ前の「検索による離脱数の割合」が高く、「再検索数の割合」も高いのであれば、その検索クエリで表示された結果画面が満足のできるものではなかったということだろう。検索結果が0件だったかもしれない。実際サイト内検索を該当の検索クエリで試してみるのがよいだろう。

もちろん検索クエリの多い上位のクエリに関しては重要度が高いので、それらも実際サイト内検索をしてみて結果画面を確認するのがよいだろう。

「検索後の時間」はあきらめ度合いを補足する指標

「検索後の時間」は検索結果表示以降の滞在時間になるので、サイト内検索を利用した後もしっかりサイト内に滞在してくれたのかどうかを見る目安になる。

前の2つの指標とともにユーザーのあきらめ度合いを補足する指標として利用しよう。

「検索深度」は活用しにくい

「検索深度」は、検索結果のリンクから移動したページビュー数÷サイト内検索を1回以上使用した訪問数から算出される数値で、「結果のページビュー数/検索」と似ているが、各検索クエリの指標とサイト全体の指標の組み合わせなので、少々活用しにくい感じがする。

次回は、実際のデータやレポート画面を見ながら、具体的にサイト内検索の活用法を考えていきたい。

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この記事の筆者
ユーザー 衣袋 宏美(株式会社クロス・フュージョン) の写真

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社インターネット視聴率センター長を経て、2000年ネットレイティングス入社、視聴率サービス立ち上げに参画、2006年ネットレイティングス社(現ニールセン株式会社)フェローに就任。株式会社クロス・フュージョン代表取締役。またデジタルハリウッド大学院客員教授、米Digital Analytics Association会員、アクセス解析イニシアチブ副代表。

著書など:
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