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コンテンツマーケティング実践ガイド(前編) ―― 目標・計画・チーム・アイデア・制作 [SEOmoz - 検索マーケティングのニュース&テクニック] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 6 分

[海外情報]
SEOmoz
検索マーケティングのニュース&テクニック

この記事はもともとSEOmozのYOUmozセクションに掲載したものですが、われわれのコミュニティにとって非常に興味深く、大きな価値をもたらしてくれるのでこちらのブログに格上げしました。筆者の意見は筆者独自のものであり、SEOmozの考え方を示すものではありません

コンテンツマーケティングが熱い。白熱している。SEOやデジタルマーケティングのオピニオンリーダーたちは、次に来るのはコンテンツマーケティングだと断言している。ランドでさえ、その重要性を喧伝しているくらいだ。

コンテンツマーケティングの戦略は理にかなっている。潜在的顧客に対して、製品に関するメッセージを押し付けるのではなく、相手が関心を持ちそうなコンテンツを公開することで引き付けるのだ。そういうやり方からは、検索順位、トラフィック、リードなどさまざまな恩恵が得られる。

したがって、議論の的はもはや、「コンテンツマーケティングを行うべきか」あるいは「なぜ行うべきか」などということではない。「どうやってコンテンツマーケティングを進めればいいのか?」を考える段階だ。ブランドはどうやって実際にパブリッシャとなり、優れたコンテンツを作り、トラフィックを集め、コンバージョンを生み出すのか?

さて、もし君が「どうやって?」と悩んでいるなら、心配は無用だ。この記事では、「コンテンツマーケティングマシン」の構築と運用の方法について指南する

ただし、はっきりさせておくと、新しいことをやってみようという話ではない。ブログを何本か投稿してインフォグラフィックスをパパっと作ろうという話とは違う。これから話題にするのは、自らのカテゴリで優れたコンテンツを作り続ける継続的な取り組みであり、すべての既存チャンネルを合わせたよりも多くのトラフィックとリードをもっと低いコストで生み出すマシンだ。

コンテンツマーケティングの全体像

まずは「コンテンツマーケティング」というマシンの全体像を見てみよう。ピストン、歯車、煙突などに相当するさまざまな部品がある。この図を見れば、何を構築していくのか、何を操作しようとしているのかを概観できるだろう。

それでは、マシンの部品をひとつひとつ見ていこう。

コンテンツマーケティングの目標と計画

(1)プラン

「コンテンツマーケティングマシン」の目標、つまり最終的なアウトプットは何だろうか?

コンテンツマーケティングは、

  • カスタマーリテンション(既存顧客のつなぎとめ)
  • アップセル(上位製品への買替え販売)
  • サポート
  • ブランド認知

など、多くの目的に利用される。だが、多くのコンテンツマーケターにとっての最大の目的は、何と言っても

  • リードジェネレーション(見込み客の獲得)
  • 顧客獲得

の2つだ。これには、「商品をショッピングカートに入れる」「リードジェネレーション用フォームに入力する」「試用を申し込む」といったゴールの形がある。

それならば、コンテンツの力を利用して見込み客を今いる場所からゴールまで導くような道筋を作り上げる計画を立てればよい。

そういう計画を練るのに最適なのが、「コンテンツグリッド」というマトリクス(行列)だ。このマトリクスでは、1つの軸に顧客のペルソナ(人物像)を、もう1つの軸に購入サイクルの各ステージを割り当てる。マシンのこの部分を拡大してみるとこんな感じになる。

購入ステージ 

次に、このグリッドの各セルについて、「どのようなコンテンツなら、この人物をそのステージに導き、かつ次のステージに移行させることができるか」を突き止めなくてはならない。具体的に言えば、各セルは次のような質問に答えるものでなければならない。

  • この人物は、プロセスのこの段階でどのような質問になら答えてくれるか?
  • こうしたコンテンツを提供しこれらの質問に答えるトピックやカテゴリは何か?
  • 各セルにおけるコンテンツのタイトル案はどのようなものか?
  • このコンテンツをどのような形式(ブログ投稿、動画、電子書籍など)で配信するか?

忘れてはならない。購入サイクルの最初の方にいるプロスペクト層は、君の会社やブランドにまったく関心がないということを。プロスペクト層を対象としたコンテンツは、相手の関心と君の会社の専門領域が重なるような内容にすべきだ。

また、上の方(初期)のステージにいる顧客向けのコンテンツでは、自分の製品やサービスを宣伝してはならない。しかし、「コンテンツグリッド」で下の方のステージに進んで行き、潜在的顧客が君の製品やサービスに関心を示したら、コンテンツの中で詳細な情報を提供しよう。

コンテンツマーケティングのチーム作り

(2)チーム

さあ、計画は立った。次は、その計画を誰が実行するかを決めなくてはならない。

まず、さきほど作ったコンテンツグリッドを眺めてみよう。そこにあるようなコンテンツを制作できるのは誰だろう? 社内のスタッフ? 外部のフリーランサー? それともゲスト投稿者?

当然、これは予算にかなり左右されるが、たいていの組織では、社内の人材と外部の協力者を組み合わせて使うことになる。会社が持つ独自の専門知識は生かすべきだが、外部の人材を使って労力を分担してもらうのだ(特に動画やインフォグラフィックスのようなリッチメディアコンテンツに関するものについては)。

作業に協力してもらう人材の組み合わせにはさまざまな形があるものの、常に欠かせない重要な役割がある。それは編集責任者だ。

多くの関係者が協力して「コンテンツマーケティングマシン」にアイデアやコンテンツを送り、マシンの「オーディエンス開拓」のクランクを回し、マシンからリードやレポートを引き出していくことになる。

しかし、編集カレンダーを立案し、コンテンツの制作と配信を監督し、トラフィックとコンバージョンを生み出し、メトリクスを監視し、結果に対する責任を担うという、マシン管理の統括責任者が最低1人は必要だ。そうした責任者がいなければ、マシンどころか、もっと小さな器具(コンテンツマーケティング・トースターとか)さえも動かせない。

手に入れたいのはどっち?

理想的な編集責任者とは、ジャーナリズムかコピーライティング、あるいは広報の分野でコンテンツに関する経験を持つ人物だ。同時に、ウェブに関する知識を持ち、検索、ソーシャル、解析、リンクビルディングの方法についても熟知していなければならない。もちろん、マーケティングに精通しており、トラフィックやコンバージョンを引き出すという最終目的を理解していることも、編集責任者に求められる。

コンテンツマーケティングのアイデア集め、そして制作のフェーズとは?

コンテンツマーケティングのアイデア

(3)アイディア

「コンテンツマーケティングマシン」の「アイデア」セクションは、マーケターが最も苦労するところだ。

Content Marketing Instituteによる「コンテンツマーケティング調査レポート2012年度版」(英語版PDF)によれば、「継続的にコンテンツを生み出すこと」を最大の課題として挙げているマーケターが回答者の半数以上にのぼる。特に、何を制作するかを決めるのに苦労するという。

真のパブリッシャになるには、継続的に毎週3回、4回、5回とコンテンツを制作する必要がある。「毎日一体何を書けばいいんだ?」というマーケターの嘆きが聞こえてくる。

思い出そう。君が制作しようとしているたくさんのコンテンツは、顧客の関心にまつわるものであって、君の製品に関するものではない。したがって、コンテンツのアイデアを生む最善の方法は、顧客が何に関心を持っているかを理解することだ。

アイデア生むのに有効なベストプラクティスが2つある。1つ目は、オンラインでソーシャルの意見を聞くことだ。Twitter、Facebook、LinkedInなどで君が担当しているカテゴリに飛び込んで、コミュニティがどのようなトピックに興味を持っているかを調べよう。QuoraやYahoo AnswersといったQ&Aサイトを見れば、君の見込み客がどういった質問に対して答えを求めているかを知ることができる。

もう1つのベストプラクティスは、社内の「耳」を活用することだ。営業、サービス、サポートなどの部門で働く同僚たちは、毎日顧客と話をしている。彼らに依頼して、顧客から気に掛かっていることを聞き出し、その貴重な情報を「コンテンツマーケティング」チームに送ってもらおう。

参加する意欲を仲間たちに持たせるためにも、貰った情報をブラックボックスに入れたままうやむやに終わらせないようにするのも大切だ。つまり、アイデアを採用しなかった場合は、そのことを情報提供者に知らせる。アイデアを採用してコンテンツに昇華させた場合は、そのコンテンツについて、またそのコンテンツがどのような効果をもたらしているかについて、情報提供者に継続的に情報を与えよう。

こうした方法を非常にうまく取り入れている企業では、コンテンツマーケティングのアイデア出しの取り組みに最も貢献した社員を紹介する順位表を作っている例もある。

コンテンツマーケティングの制作

(4) 制作

アイデア創出が軌道に乗ったところで、次に「コンテンツマーケティングマシン」の心臓部、つまりコンテンツ制作を動かす必要がある。

制作の中核となるのは「編集カレンダー」だ。このカレンダーでは、誰がどのコンテンツを制作するのか、納期はいつか、公開日時はいつか、どこで公開するか(自社サイト、YouTube、SlideShare、これらすべて、など)を指定する。

「編集カレンダー」は、次のようなものになるはずだ。

編集カレンダー
カレンダーには、公開予定のコンテンツのタイトルが書かれている。またカレンダーの下部に凡例が書かれているように、各項目は色分けして「プロダクトレビュー」「インタビュー」「リスト形式の記事」「ハウツー」「企業ニュース」「ツール」「その他」といったカテゴリを示している。

「編集カレンダー」には、コンテンツがターゲットとする顧客のペルソナや購入ステージも記入しておく。「編集カレンダー」を見れば、「コンテンツグリッド」内のさまざまなセルをカバーする正しいコンテンツミックスを制作しているかどうか、視覚的に理解できるはずだ。

多くの組織が制作段階における事務作業に手間を取られてしまいがちだ。アイデア創出者、コンテンツクリエーター、グラフィックデザイナー、編集責任者、SEO専門家、ソーシャルメディアチーム、(承認を得るための)法務や広報担当など、多くの利害関係者が関与してくるため、質の高いコンテンツの作成よりも、こうした関係者間の調整業務に手を取られることが多い。

それなりの複雑さを持った中規模企業なら、コンテンツ公開に関連するプロセスについて綿密な計画を立てる必要がある。誰がコンテンツを提出するのか? 誰が、プロセスのどの段階で、コンテンツを承認しなければならないのか? コンテンツ公開後、誰がTwitter、Facebook、LinkedInにメッセージを投稿するのか?

君の努力が管理業務に費やされないように、必要なワークフローを決定し、それらを統括的に管理する計画を作成しておこう。

この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。目標と計画、チーム、アイデア、制作について説明した今回に続き、次回(8月20日公開予定)は、コンテンツマーケティングの実践フローの後半にあたる、「オーディエンス開拓」「コンバージョンと測定」について見ていく。

この記事は、Daily SEOmoz Blog に掲載された以下の記事を日本語訳したものです。
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原文:「How to Build and Operate a Content Marketing Machine」by Toby Murdock(2012/05/23)
記事セレクション:渡辺隆広株式会社アイレップ) 翻訳:株式会社ガリレオ
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