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Webコンテンツ解析はじめの一歩。アクセス傾向把握からページ分析や人気の理由分析へ [第49回] [衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座] | Web担当者Forum

この記事を読むのにかかる時間: 約 6 分

Googleアナリティクスは、非常に高度な分析ができる無料のアクセス解析ツールだ。無料の反面、正式なサポートサービスというものがないため、ユーザーは自分で情報を集めなくてはならない。Web担当者にとっては結構な手間だ。そこで本連載では、Web担当者の負担を軽減すべく、導入から、運用、活用まで、初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。

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衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座
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図1:[標準レポート]>[コンテンツ]レポート群
図1:[標準レポート]>[コンテンツ]レポート群

前回までは、「トラフィック」系のレポートを見てきたが、今回からは「コンテンツ」レポート群(図1)の解説に入っていこう。

「コンテンツ」レポート群とは、標準レポート直下の[コンテンツ]メニューから見ることができるレポートだ。

ここでいう「コンテンツ」とは、Webページのこと。どのページがよく見られたのかなどといった各コンテンツ(ページ)の評価をすることができるレポート群がまとめられている。

コンテンツの評価はボリュームの把握から

まずは、サイト内で見られているコンテンツのボリューム(どれぐらいアクセスがあるか)を大雑把に把握していこう。ある程度の規模のサイトであれば、コンテンツはグループ別に複数のディレクトリにまとめてあることが多いはずだ。まずはディレクトリ別のレポートから見ていこう。

ここでいう「ディレクトリ」は、URLのなかでのディレクトリを示す。コンテンツ管理システムを使って動的にページを生成している場合や、Webサーバーの設定でファイルシステム上のディレクトリとURL内のディレクトリが一致しない場合でも、ここではURLのディレクトリだけが分析の対象だ。

ディレクトリごとのボリュームを見るには、[コンテンツ]>[サイトコンテンツ]>[ディレクトリ]レポートを使う。

操作手順
  1. グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
  2. 画面の左側にあるメニューで、[コンテンツ]をクリックする
  3. メニューが開くので、[サイトコンテンツ]をクリックし、[ディレクトリ]をクリックする

[ディレクトリ]レポートは、上部に折れ線グラフの表示(図2)、下部にデータ一覧表示部(図3)のある標準的なレポートだ。

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図2:[コンテンツ]>[サイトコンテンツ]>[ディレクトリ]レポート上部
図2:[コンテンツ]>[サイトコンテンツ]>[ディレクトリ]レポート上部

上部のグラフには、ページビュー数の指標が日別に表示されている(図2赤枠部分)。グラフの下に数字として表示されている指標群(図2青枠部分)は、次の5つだ。

  • ページビュー数
  • ページ別訪問数
  • 平均ページ滞在時間
  • 直帰率
  • 離脱率
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図3:[コンテンツ]>[サイトコンテンツ]>[ディレクトリ]レポート下部
図3:[コンテンツ]>[サイトコンテンツ]>[ディレクトリ]レポート下部

下部のデータ一覧表示部には、サイトの第1階層のディレクトリごとに(図3赤枠部分)、上記5指標の一覧表が表示されている(図3青枠部分)。

たとえば、大企業のコーポレートサイトであれば、担当管轄部門別にディレクトリが作成されているだろう。ECサイトであれば、商品カテゴリ別にディレクトリが作成されていることが多いだろう。また、メディアサイトならテーマ別にディレクトリが作成され、ブログなら投稿年月などでディレクトリが作成されていることもあるだろう。

ディレクトリ構造は、ユーザーが実際にWebサイトでコンテンツを探す順番の階層構造と必ずしも一致するわけではないが、こうした何らかの規則性を持ってURLをディレクトリ分けしていればは、アクセス解析のデータとしては、ひと目で全体を把握しやすい。サイトの構造を設計する場合は、ユーザーの使いやすさと同時に、アクセス解析のしやすさにも同時に目配りしておくとなおよいだろう。

メディア系サイトの[ディレクトリ]レポート例

図3は、あるメディア系サイトの[ディレクトリ]レポートだ。

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図3:[コンテンツ]>[サイトコンテンツ]>[ディレクトリ]レポート下部
図3(再掲):メディア系サイトの[コンテンツ]>[サイトコンテンツ]>[ディレクトリ]レポート下部

第1階層のディレクトリは、「/basic/(基本)コンテンツ」「/category/(カテゴリ別)」「/info/(お知らせ)」など、コンテンツのテーマ別に分けられている。そのため、第1階層の上位ランキング(図3赤枠部分)を見れば、サイト全体でどのテーマが人気を集めているのかが容易にわかる

また、この[ディレクトリ]レポートで「平均ページ滞在時間」「直帰率」を見れば、大雑把にではあるが、コンテンツのテーマ別に閲覧の質の違いを相対的に比較できる。もし、しっかり読んでほしいページ群の平均ページ滞在時間が短いのであれば問題だ。

ブログの[ディレクトリ]レポート例

図4は、あるブログの[ディレクトリ]レポートである。投稿年ごとにまとめられたディレクトリ構造になっている(図4赤枠部分)。

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図4:あるブログの[コンテンツ]>[サイトコンテンツ]>[ディレクトリ]レポート下部
図4:あるブログの[コンテンツ]>[サイトコンテンツ]>[ディレクトリ]レポート下部

上位を見ると、「/2012/」「/2011/」「/2010/」といった過去記事のディレクトリが並んでいる。つまり、1年以上も前の投稿記事によるページビュー数のシェアが非常に高く、古い投稿記事も根強く見られていることがよくわかる。古くても検索エンジンで上位表示されている記事が多いのかもしれないし、他の著名なサイトからのリンクをたくさんもらっているのかもしれない。そのような仮説を立てることもできる。

さらに下の階層があるディレクトリはアイコンが異なる

小さくて少々わかりかもしれないが、第1階層として表示されたディレクトリ群(図4赤枠部分)をよく見てみると、アイコンには、フォルダ型のアイコン(図4緑枠部分)と、Webページ型のアイコン(図4青枠部分)の2種類あることがわかる。これはそれぞれ、下の階層が存在する場合と、存在しない場合を表している。

第1階層の第4位の「/2013/」ディレクトリ(図4緑枠部分)は、「2013」年に投稿した記事をまとめたディレクトだが、その左側のアイコンはフォルダになっている。つまり、その下の階層が存在していることを示しており、クリックすればドリルダウンされ、「/2013/」ディレクトリ配下の第2階層のディレクトリについて、同様のデータを見ることができる。

これに対して、第1階層の第5位の「 / 」(図4青枠部分)は、トップページのことだが、その左側のアイコンは「ページ」を意味している。その下の階層は存在していない。

トップページの「 / 」(図4青枠部分)をクリックすると、このトップページに絞られたレポートが表示されるだけなのに対して、「/2013/」(図4緑枠部分)をクリックすると、図5のように第2階層のディレクトリ別のレポートにドリルダウンされる。

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図5:第2階層にドリルダウンしたレポート
図5:第2階層にドリルダウンしたレポート

図5では第2階層が表示されているが、今度はコンテンツが月別に分類されている(図5赤枠部分)ので、1月、2月、3月といった月別に投稿コンテンツのアクセス状況を見ることができる。

いま見ている第2階層が、どの第1階層配下にあるのかということは、レポートタイトル部分のパンくずリスト(図6赤枠部分)を見ればわかる。

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図6:パンくずリストを見れば、2013年に絞り込まれていることがわかる
図6:パンくずリストを見れば、2013年に絞り込まれていることがわかる
  • ディレクトリからページへのドリルダウン解析の進め方

ディレクトリからページへのドリルダウン解析の進め方

このようにして、[ディレクトリ]レポートは、次々とクリックしていくことで、深い階層へ順番にドリルダウンしていくことが可能だ。実際に古い記事で息の長いコンテンツはどのような見られ方をしているのか、少し探索してみるとしよう。

このブログの第1階層を表示している図4で「/2007/」(図4黒枠部分)をクリックして、そこで表示された第2階層(月別ディレクトリ)の中から、最もページビュー数の大きかったディレクトリをクリックすると、第3階層が表示され、ここで各ページの一覧(図7赤枠部分)にたどり着く。左側のアイコン表示からも、これらがページであることが確認できる。

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図7:ディレクトリの第3階層を表示した画面
図7:ディレクトリの第3階層を表示した画面

ランキング1位の「/4.html」をクリックしたのが図8だ。

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図8:ページに絞り込まれた表示
図8:ページに絞り込まれた表示

ここで、データはページにまで絞り込まれるが、URLだけ見てもどういうコンテンツなのか判別しにくい。どういうページなのかを確認したいときは、図8赤枠部分のリンクをクリックしよう。実際のページがブラウザで表示されるので、内容を確認できる。

人気のあるコンテンツの理由を探るには?

さてその上で、なぜこのコンテンツがいまだに人気があるのかを探っていく。理由を探るには、「参照元」が手掛かりになる。ユーザーがどこのリンクから訪れているのかを調べてみる、というわけだ。

すでにページが絞り込まれている状態なので、ここでは表の左上にある「セカンダリディメンション」で「参照元」を選択すればよい。「セカンダリディメンション」のプルダウン(図8青枠部分)から「参照元」を選択した画面が図9だ。

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図9:「セカンダリディメンション」で「参照元」を指定した画面
図9:「セカンダリディメンション」で「参照元」を指定した画面

「セカンダリ ディメンション」のプルダウンから「参照元」を指定した(図9赤枠部分)だけだが、こうすることで、どのサイトから送客を受けているのかという明細が表示される図9では上位3位までしかお見せしていないが、この3つで参照元の大半を占めていた。これを見ると、大きく分けて「Web担当者Forum」と「検索エンジン」からの流入であることがわかる。

ただ、この[ディレクトリ]レポートの「セカンダリディメンション」では「参照URL」は指定できないので、実際どのページからの訪問なのかまではわからない。少し残念だが、おおよそのあたりをつけることはできた。

検索エンジンからの来訪は、検索クエリまで調べられる

一方、検索エンジンからの訪問については、「セカンダリディメンション」で「キーワード」を選択することで、実際の検索クエリを探し出すことができる。図10がそれだ。

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図10:「セカンダリディメンション」で「キーワード」を指定
図10:「セカンダリディメンション」で「キーワード」を指定

図10のキーワード表示の一番上にある「(not set)」(図10青枠部分)は、検索エンジン以外からの訪問にあたると思われるのでここは無視する。

その下の「(not provided)」(図10緑枠部分)は、Google検索からの訪問の場合に、何らかの事情で検索キーワード情報を取得できない場合に表示されるものだ。グーグルの方針によってこうなっているので、わからないものはどうしようもないとして諦めるしかない。なおこの「(not provided)」についての詳細は、本連載の以下の記事を参照いただきたい。

さらにその下の各キーワード群(図10黒枠部分)には、すべて「象限」といった言葉が含まれており、それらのキーワード群からの流入に集中していることがわかった。そこで実際に検索エンジンで「象限」というキーワードを入力してGoogle検索してみると、確かにそのページが上位に表示されていることが確認できる。

これらのキーワードで検索した人が、このページへやって来て、しかも直帰率は100%(図9緑枠部分、図10紫枠部分)ということから、1ページだけしか見ないでサイトから去っていったということがわかる。

ただ、直帰率100%だからといって、短絡的に「ダメだ」という結論を下してはいけない。ユーザーはどのようなコンテンツを期待して、このページへ来訪したのか。満足して帰ったのか、不満で直帰したのかは、このデータだけからはわからないからだ。何か他に手を加えるべき点があるのか、新たなコンテンツを追加すべきなのかを判断するには、さらに他の側面からもデータを解析して、総合的に判断するすべきだ。

今回のケースはブログだったが、異なる種類のサイトであっても、このようなアプローチは有効だ。どのようなページがどのようなページからのリンクをもらっているのかを確認することで、コンテンツ制作に役立てることができるだろう。

・『衣袋教授のアクセス解析ゼミナール』が6月に実施されます。丸二日のアクセス解析徹底講座です。どんなツールやサイトでも対応できる、アクセス解析データを扱う上での基本的な知識やプロセスを習得します。さらに、そのデータ分析から、改善提案に繋げる力をつけることを目標とします。4月末までの早割があります。
申込みを開始しましたので、こちらからどうぞ。

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この記事の筆者
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ユーザー 衣袋 宏美(株式会社クロス・フュージョン) の写真

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社インターネット視聴率センター長を経て、2000年ネットレイティングス入社、視聴率サービス立ち上げに参画、2006年ネットレイティングス社(現ニールセン株式会社)フェローに就任。株式会社クロス・フュージョン代表取締役。またデジタルハリウッド大学院客員教授、米Digital Analytics Association会員、アクセス解析イニシアチブ副代表。

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