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CyberBullとMADSが店頭のサイネージと連動する動画広告商品「CROSS BRIDGE」を展開

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インターネット広告のサイバーエージェント子会社で動画広告に特化した広告代理事業のCyberBullは、デジタルサイネージ(電子看板)ソリューション事業のマイクロアドデジタルサイネージ(MADS)とともに、動画広告商品「CROSS BRIDGE(クロスブリッジ)」の展開を始める、と10月19日発表した。ドラッグストアなど小売店の店頭にあるサイネージと連動し、商品の認知から購買までを一括支援する。

ウェブの動画広告を通して認知・購買意向を高め、店頭に生活者が訪れたタイミングでデジタルサイネージの動画広告で再度販売促進を図り、実際の購買につなげる仕組みとなる。店頭で見せるサイネージ広告用の制作物は、ウェブの動画広告に対するユーザーの反応を参考に最適化する。CyberBullは動画広告のプランニングから制作までを手掛け、MADSは動画制作物の広告配信と配信管理を担当する。


楽天証券がコールセンターへの問い合わせ電話記録から潜在的要望を抽出する検証開始

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楽天子会社の楽天証券は、コールセンターに寄せられた顧客からの問い合わせ電話の記録の中から潜在的な要望を抽出する概念検証(PoC)を始めた、と10月19日発表した。オペレーターが気付かなかったニーズの発見につなげ、顧客の満足度を高める。行動情報データ解析のFRONTEOが開発した人工知能(AI)エンジン「KIBIT(キビット)」を活用する。記録の中で「要対応」にしていない問い合わせから、本来は対応が必要かどうかをKIBITが網羅的にチェックする仕組み作りを目指し、約1ヵ月検証する。

楽天証券のコールセンターではオペレーターが要望やクレームと判断した内容を要対応として改善につなげている。それ以外にも要対応の案件が含まれている場合があり、現在も担当者が確認しているものの件数が多く、全てに目を通せないため、AIを利用する。今回のPoCは、通話記録の中から楽天証券が検知したい要望やクレームの過去の記録をKIBITに学習させ、キーワードや電話の会話内容が異なっていても、同じ意味やニュアンス、傾向がある記録に高いスコアを付けられるように精度を高める。

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「いい商品×テレビ広告」の勝ちパターン崩壊。花王の石井氏からデジタルマーケティング戦略を学べ

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花王の勝ちパターンはかつて、「お客様の声に基づいた商品作り」と「大量のテレビ広告」だった。

しかし、それだけでは商品が売れなくなっている。それはなぜか、いかに克服すればいいのか、第3回シナプスCMOセミナーでの花王株式会社デジタルマーケティングセンターの石井龍夫氏の講演からさぐってみる。

※ シナプスCMOセミナーとは?
経営とマーケティングのコンサルティングをコア事業とする株式会社シナプスが、卓越したマーケティング活動を実行している企業のCMO、マーケティングの責任者の方を招聘し2,3か月毎に行うセミナーで、今回(2017/9/21)が3回目の開催となる。

花王株式会社 デジタルマーケティングセンター 石井龍夫氏

調査に基づく商品開発と大量のテレビ広告だけでは売れない時代

お客様のニーズを商品開発に生かす花王のものづくり

花王の基本は「いいモノを作る」ことである。そのために、研究開発・販売・物流・生産それぞれに強みがあるが、最大の特長は膨大な調査と顧客からの相談データの活用だ。

年間9000件に及ぶ調査のうちの1つが、ベンチマーク調査だ。首都圏の家庭を毎年継続的に訪問し、日用品の使い方や課題をヒアリングしている。

ベンチマーク調査

上図の調査結果を見ると、洗剤に求めることが「白く洗える」から「いやな臭いがとれる」へと変化していることがわかる。

その他、実際の暮らしを長期的に観察するエスノグラフィ調査やお客様から相談内容をデータベース化したものを社内のさまざまな部門で共有し、商品開発に活かしている。

大量のテレビ広告で消費者にリーチ

商品ができた後は、日本のトップ3に入るテレビ広告量で消費者にリーチする。これが、かつての花王の勝ちパターンだった。

しかし、実はそれが通用しなくなっているという。その背景にあるのは、次のようなことだ。

課題① 生活スタイルの変化とニーズの多様化

たとえば、洗濯洗剤の場合、1980年代には「子どものくつ下の泥汚れが落ちる洗剤が欲しい」というのが、日本家庭の一般的なニーズだった。このため、それを満たす商品を開発し、マスマーケティングをすれば結果が出た。

しかし今は、学校から帰った子どもが外に遊びに行くことは少ない。このため、「子どものくつ下の泥汚れが落ちる」よりも、

  • 室内干しをするのでイヤな臭いがこもらない洗剤が欲しい
  • 夫にはいつもさわやかな香りのワイシャツを着せたい
  • 洗剤は環境に悪いので、排水はなるべく少なくしたい

など多様なニーズが生まれている。つまり、「すべての家庭に同じ商品・同じ広告を届ければ商品が売れる」時代ではなくなっているということだ。

課題② “マス”ターゲットの消滅と“スモールマス”の登場

テレビ広告の効果は、2010年から15年の5年間で見ると、リーチの面でもコストの面でも下がっている

また、モバイルの普及でデジタルメディアに接触する時間が増え、エンターテインメントもパーソナライズされている。1つのテレビ番組にCMを流せばすべての人に伝わる時代ではなくなった。

かつて日本中の人が同じ物を見て、同じ方向に進もうとしていたが、それはすでに消滅していると石井氏は言う。

代わって登場したのが“スモールマス”だ。

たとえば、花王は東京ディズニーリゾートの公式パートナーで、ハンドウォッシングエリアを設置している。ボタンを押すとミッキーマウス型の泡が出るというもので、アトラクションでもないのにお客さんが何十人も並んだ。

そして、ミッキーマウス型の泡を出した人の多くが、TwitterやInstagramなどのSNSに写真を投稿している。自分たちのことを知っているコミュニティで、その感動を共有するためだ。

東京ディズニーリゾートの手洗いエリアミッキーマウス型の泡がでる

このように、デジタルでつながった消費者の小さなマスは、世の中に存在している。彼らにメッセージを届けるためのには、テレビ広告では難しく、デジタルでのコミュニケーションが必要となる。

デジタル推進の体制を整え、スモールマスとコミュニケーションする

デジタルで消費者とコミュニケーションするために必要なことは、それを「推進するための体制を作ること」と「スモールマスに合ったコミュニケーションをすること」だ。

①デジタルでのコミュニケーションを進める体制

デジタルでコミュニケーションするには、大量のデジタルデータ集めて、それを分析し、商品開発や施策に反映させる組織が必要だ。

そのための組織が「花王デジタルマーケティングセンター」だ。

社内コンサルティングファーム的な組織で、データサイエンス室、コミュニケーション企画室、コミュニケーション技術室、デジタルトレード室の4室に分かれている。データサイエンス室がキーとなるデータ解析を行い、そのデータをデータサイエンティストとブランド担当者が一緒に見るといった体制が花王では整っている。

②コミュニケーションのパーソナライズ

次にスモールマスに合ったコミュニケーションをするには、「モバイルを前提とした広告」と「相手に応じたコンテンツ」を考える必要がある。

コンテンツを意識し、気づきを促し・届ける

たとえば、「リセッシュ」では、次のような施策を行っている。

  • 「ほとんどテレビを見ていない人」に向けて、テレビと同じ動画をスマートフォンで届ける(ターゲットリーチや認知の補完)
  • 「テレビをたくさん見ていて、デジタルにも接するという人」には、機能をおもしろく伝える動画を届ける(深いメッセージの伝達や商品理解)
  • 「デジタルに多く接していて、商品についてはわかっているという人」には、夫婦関係の修復に役立ったというドキュメンタリー風動画を届ける(ブランドへの共感やエンゲージメント)

自分事化されない情報は伝わらないし話題にされないため、コミュニケーションのタイミングや内容が重要になる。顧客体験を最適化するには顧客のデータが必要だが、今は多くの人がスマホを使ってデジタルメディアに接触し、そのデータは入手できる。デジタルのデータを活用することで、顧客理解とパーソナライズが可能な時代ということだ。

デジタル活用で新しい顧客を発見できる

データによる顧客理解で実現できるのは、商品開発やコミュニケーションのパーソナライズだけではない。新しい顧客を発見できることもある。

たとえば、ヘアカラー商品「リーゼ プリティア」では、その商品は自分たちには関係ないと思っていた人たちに購買行動を起こさせることに成功した。

リーゼ プリティアの「髪色ほんのり泡カラー」は、黒髪が少し明るくなるといったヘアカラーで、初心者向けの商品で、ターゲットユーザーは、16~22才の学生である。しかし、ターゲットユーザーのイメージに現実味がなかったため、ブランド担当者は「髪染めたい」という言葉が入っているTwitterのつぶやきを約一年間集めて、全件データ解析を行った

その結果、「高校卒業したから」「夏休みにバイトするから」といった予想通りの内容がある一方で漫画、アニメ、声優といった趣味を持っているユーザーも多数いることがわかった。

104,601件のつぶやきから発見した、新たなお客様

マスではなく特定の趣味や興味を持った、ユーザーグループにリーチするには、

  • ターゲットに合わせたクリエイティブ
  • ターゲットがフォローしているアカウントのタイムラインに流す

といったことが有効だ。そこで、コアターゲット向けのTwitter広告(下図左)に加えて、漫画、アニメ、声優といった趣味を持っているユーザーに対して、次のようなコンテンツを用意した。

  • ゆるいアニメを使ったコンテンツ(下図中央)
  • イベントなどで今の自分より少しでもかわいく見せたい女心をくすぐる、ちょっぴり女子力アップ計画(下図右)
ターゲットに合わせたTwitter広告

その結果、月間訪問者数が4~5万人だったこの商品のウェブサイトに、20万人以上の訪問があった。売上も、翌月から約一年間、シェアが2%上がった

データできちんと相手を理解し、適切な場で適切にコミュニケーションした結果、売上に貢献したという例だ。

ただし、コミュニケーションのチャネルはデジタルには限らない

データを解析した結果、最適なチャネルは電車の広告ということもあるだろう。デジタルマーケティングとはデジタル広告を利用することだと思われがちだが、マーケティングを最適化するためにデジタルデータを使うことこそデジタルの役割なのだ。

デジタルマーケティングの本質と構造

デジタルはCV向上のツールにあらず

それぞれのターゲットに最適化したコミュニケーションを用意しても、最終的に行き着く先が同じ商品の同じページでは意味がない

たとえば、花王のシャンプー「PYUAN」では、3種類のコミュニケーションを作り、それに合わせて商品のパッケージも3種類作ったところ、シェアが2倍になった。

ただし、デジタルベースでマーケティングを行うと、消費者にとっては不愉快なこともある。一度見た商品の広告がどこまでも追い掛けてくるとか、買った商品の広告が表示されるなどだ。

購入済みの商品の広告を出すのは、広告費の無駄でもある。重要なのは、広告を見た人が感謝するような、顧客にとって価値のある顧客体験を作ることだ。

デジタルマーケティングといえばリーチ拡大に使うと考えられがちだが、新しいスモールマスを見つけ、カスタマージャーニーを知って商品価値を体験してもらうストーリーを作ることが重要だ。

そうでなければ、情報の洪水の中で生活する消費者にメッセージは届かない。デジタルは、それを可能にするひとつの大きなツールである。

データドリブンなマーケティングが必要な時代に

◎写真:柏木 恵子

この記事の筆者

柏木 恵子
ITジャーナリスト

Webコンテンツで成功するには、敵をつくることを恐れてはいけない(前編) | Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

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コンテンツを成功に導く方法は、読者に共感してもらうことだけではない。ときには、ちょっとした論争を引き起こしたり、多少の敵を作ったりすることで、驚くほどたくさんのオーディエンスを集められる場合がある。

もっとも、これには「正しいやり方」と「間違ったやり方」があるのは言うまでもない。

今日のホワイトボード・フライデーでは、敵を作る力をうまく活かす方法についてランドが説明する。

Webコンテンツを成功させるのに使える“敵を作る”という手法

コンテンツ戦略には、人々を自分の側に引き込む仕掛けが必要だ。「信念」「立場」「データ」「記事」「コンテンツ」は、擁護するに足る確固とした立場に立っているがゆえに、敵を作りやすいもので、今回のテーマにふさわしい。

例:
「米国ではソーラパネルの仕事が炭鉱の仕事の2倍に(There Are Now Twice as Many Solar Jobs as Coal Jobs in the US)」
シェア: 8万3000件超
リンク: 87件
(24時間)

「ヨガは理学療法に代わる優れた選択肢(Yoga Is a Good Alternative to Physical Therapy)」
シェア: 3万4600件超
リンク: 3530件
(24時間)

「PRが上手な米国企業トップ50社(The 50 Most Powerful Public Relations Firms in America)」
シェア: 8600件超
リンク: 1万1000件
(半年)

『庭の芝生を別のもっと素晴らしいものに替えよう(Replace Your Lawn with These Superior Alternatives)」
シェア: 863件
リンク: 1万900件


コンテンツを成功に導くランドのルール:

問いかけ:「その記事を誰がなぜ広めてくれるのか?」

自分のアイデア、倫理観、意見、論理、データを支持してくれる人は、コンテンツを拡散してくれる可能性がある人だ。

共通の敵がいるときや、支持や信頼の気持ちを伝えるチャンスがあるときに、その記事を拡散したいと強く思う。

すべきこと:
意見を述べるだけではなく、事実とデータで裏付ける
さまざまな観点から、多角的な見方を提供する
著名な人たちの意見を取り入れる(※特に、文化的、社会的、あるいは政治的な内容を含む場合)

すべきでないこと:
話題になるためだけに挑発的な内容にする(※自分が作るものを信じよう)
対抗できない敵や擁護できない意見を選ぶ
初めての取り組みがうまくいかなかったら、あきらめる(※時間と練習が必要だ)
道義に反する行為をする
嫌う人が出てきたときに、「そうした人が出てくるのは自分が正しいことをしているからだ」ということを忘れてしまう

Mozファンのみんな、こんにちは。ホワイトボード・フライデーにようこそ。今日は、ちょっとおもしろい話をしよう。敵を作ることでコンテンツを成功に導く方法だ。

こう言うと、みなさんは心の中で、こう考えるだろう。

ちょっと待ってほしい。私の仕事は自分のコンテンツで味方を作ることだと思っていた!

そのとおり。そして、親しい味方を作るのに最適な方法の1つが、同時に敵を作ることなのだ。

コンテンツ戦略には、人々を自分の側に引き込む仕掛けが必要だ。「信念」「立場」「データ」「記事」「コンテンツ」は、擁護するに足る確固とした立場に立っているがゆえに、敵を作りやすいもので、今回のテーマにふさわしい。

僕の考えでは、企業や会社などの組織、プロジェクト、それにさまざまな取り組みがとてもうまくいくのは、人々を味方につけているときであることが多い。

したがって、変化を起こそうとしているときや、自分が行っている活動を人々に支持してもらおうとするときには、自分の意見、データ、ストーリー、そして人々を自分の味方にできるコンテンツが必要になる。

そのための最適な方法の1つが、反対の考え方をすること、つまり、敵を作るにはどうすればいいかを考えることだ。

敵と味方を作るコンテンツの例

いくつかの例を紹介しよう。そうすれば、もう少し詳しい説明ができる。僕はちょっとした調査を行った。そのときのデータはBuzzSumoで、リンクデータはAhrefsで公開している。

それはともかく、たとえば、「米国ではソーラパネルの仕事が炭鉱の仕事の2倍に(There Are Now Twice as Many Solar Jobs as Coal Jobs in the US)」という記事を考えよう。

これは統計データを基にした記事だが、間違いなく味方と敵を作り出す。

  • になるのは、炭鉱の仕事を重要と考える昔ながらの保守的な人たちで、こうした考え方のために、彼らは記事に反感を持つようになる。

  • だが、このような統計データを伝えたことで、味方も生まれる。この記事の意見に賛同する人たちだ。彼らはこの記事をシェアし、広めるだろう。

その結果、この記事は影響力を強め、より多くの人にリーチできる。

同じことは、次の例でも言える。「ヨガは理学療法に代わる優れた選択肢(Yoga Is a Good Alternative to Physical Therapy)」というタイトルの記事だ。

  • 実際、この記事は実に素晴らしい成功を収めた。数千ものシェアやリンクを獲得し、多くのキーワードでランキングの上位を獲得したのだ。この記事は、ヨガの専門家やインストラクターといった人々を味方にしたのだ。

  • だがその一方で、この記事はを作っている。理学療法士の人たちは、この記事の内容が事実であってほしいと思わないだろう。

    彼らの多くはこの記事の内容に苛立つ。たとえ調査結果が示されていても、この記事の内容を真実と考えない人たちは敵になるのだ。

3番目の「PRが上手な米国企業トップ50社(The 50 Most Powerful Public Relations Firms in America)」は、たしか「The Observer」の記事だと思う。

この記事は英国で書かれたものだが、「PR上手な企業」など実に多くのキーワードで、ランキングの上位を獲得してしまった。シェアやリンクもたくさん獲得している。リンクの数は1万1000で、この手の記事としては実に驚くべき結果だ。

  • この記事もを作っている。自分の会社が50位以内に入っているはずだと思っていたのに、ランクインしていなかった人たちだ。

  • 一方で、自分の会社がランクインしている人は味方になる。

記事の中身をじっくり読めば、この記事も味方と敵を作っていることがわかるので、チェックしてみてほしい。

庭の芝生を、別のもっと素晴らしいものに替えよう(Replace Your Lawn with These Superior Alternatives)」という記事はどうだろうか。

この記事は、芝刈り業者や芝刈り機業界にを作っている。芝生好きのコミュニティでもだ。特に米国では、芝生の愛好家が多い。彼らは、家の庭には芝生(それも本物の芝生)を敷くべきであり、それ以外のものは何も植えるべきでないと考えている。

この記事は、シェアの数はそれほどでもなかったが、リンクについては驚くべき数を獲得した。「Lifehacker」に掲載されたこの記事は、さまざまなランキングで上位になり、1万1000以上のリンクを獲得したのだ。

記事を作る前に、その記事を誰がなぜ広めてくれるのか自問する

今見てきた記事は、敵を作っても当然だと思えるような内容とは必ずしも言えない。だが、コンテンツを作るときにこの手法を用いる場合は、僕が長年にわたって繰り返し話してきたルールがある。

コンテンツを成功に導くルール、特にコンテンツを拡散させるためのルールがあるのだ。

それは、コンテンツを作る前、つまりアイデアをブレインストーミングしたり、タイトルを考えたり、コンテンツを考えたりする前に、次のように自問することだ。

この記事は、誰がどのような理由で広めてくれるのだろうか。その人たちはどうして手助けしてくれるのだろうか。

コンテンツを成功に導くランドのルール:

問いかけ:「その記事を誰がなぜ広めてくれるのか?」

自分のアイデア、倫理観、意見、論理、データを支持してくれる人は、コンテンツを拡散してくれる可能性がある人だ。

共通の敵がいるときや、支持や信頼の気持ちを伝えるチャンスがあるときに、その記事を拡散したいと強く思う。

自分の側についてくれる味方は誰なのか、自分が作ろうとしているは誰なのかについて、考えをまとめる有効な方法の1つは、「誰」をもっと明確に定義することだ。

自分のアイデア、倫理観、意見、論理、データを支持し、広める手伝いをしたいと思ってくれる人は、コンテンツを拡散してくれる可能性がある人だ。

また、記事が作り出す敵や批判的な人について考えれば、誰がそのようなグループに属するのか判断できることが多い。

「なぜ」についても、もっと明確に定義しよう。

記事の読者は、共通の敵がいるときや、支持や信頼の気持ちを伝えるチャンスがあるときに、その記事を拡散したいと強く思う。そして、その記事をコミュニティやコンテンツ利用者に広める行動に出てくれるのだ。

たいていの場合、このように考えることで、コンテンツクリエーターやSEO担当者は、成功するコンテンツを作るために適切な心構えを持てる。

この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後半となる次回は、今回紹介した戦略を実施するときにすべきこととすべきでないことを見ていく。(後編は10月30日公開予定)

この記事の筆者

この記事は、Moz Blogに掲載された以下の記事を日本語訳したものです。

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原文:「How Content Can Succeed By Making Enemies - Whiteboard Friday」 by Rand Fishkin (2017/06/30)

記事セレクション:渡辺隆広株式会社アイレップ
翻訳:株式会社ガリレオ

「バナー広告・検索結果の広告が購入に影響する」は5割超、「SNSの広告・動画広告」は2割

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デロイト トーマツ コンサルティング合同会社は、「2017年デジタルメディア利用実態調査」をまとめて発表した。

本調査は、デジタルデバイスの保有、デジタルサービスの契約、利用動向といったデジタルメディアの利用状況について年代別の動向をまとめている。本ニュースでは、利用動向について紹介する。詳細な調査結果は、記事下リンクより参照。

バナー広告、検索結果の広告を見て購入する5割を超える

オンライン広告のなかで購入の決定に大きく影響するのは、「バナー広告」、「検索結果に表示される広告」が回答の50%を上回る結果となった。一方で、動画広告やSNS上の広告を挙げる割合は20%程度だった。

 

オンライン動画広告をスキップする6割

「オンラインでの動画広告をスキップする」「録画番組のテレビCMを早送りする」と回答した人は60%を超える結果になった。

 

広告ブロックソフトウェア(アドブロッカー)は1割

全体の12%が広告ブロックソフトウェアを使用している。利用していると回答した人に利用目的を聞いたところ、82%が「広告の回避」、77%が「オンライン上での動作スピードやパフォーマンス向上」と回答した。

 

購買に影響する情報・広告は口コミが7割

購買に影響する情報として、最も高い割合となったのは、「友人、家族、知人など周りの人からの勧め」で70%に及んだ。次いでテレビCM、テレビ番組が50%以上となり、企業から直接発信される情報、新聞広告などがそれに続く結果となった。

 

調査概要

本調査はデロイトグローバルの委託を受けた独立調査会社が14歳以上の一般消費者を対象に実施したオンライン調査の結果。

  • 調査実施期間:2017年2月~2017年8月
  • 回答者数:日本国内分2,018名
この記事の筆者

四谷志穂(Web担当者Forum 編集部)

物流企業で営業兼Web担当者を経て、Web担当者Forumの編集者となる。企業Web担当者時代の経験を活かして、読者目線の記事をお届けしていきたい。一日の至福のときは、仕事終わりのビールと枝豆。

[ユーザー投稿] 【11/17(金)セミナー】位置情報からCXMまで サイバーエージェントとアイリッジが提供する オンライン&オフラインユーザー行動データの利活用


コンテンツマーケの波に乗ってゴミのようなコンテンツを大量に作ったけど、その後どーすべき? | 先週のWeb担まとめ記事

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2017/10/14~2017/10/20

Web 担当者 Forum に掲載された情報を毎週一度、まとめてご紹介するこのコーナー、今回は解説記事 24本とニュース記事 17本です。

忙しい人のためのこの記事の使い方:
  • 上のほうから内容をざっとチェックする
    重要なものほど上の方に置いてあります。
  • 背景が黄色の部分をざっとチェックする
    要チェックのものは色を付けてあります。

今週の担当は、四谷です。

Web担当者Forumミーティング2017 秋
クレディセゾン、ソニー損保、白鶴酒造などが登壇するイベントを11月14日(火)、15日(水)の2日間にわたり虎ノ門ヒルズフォーラムで開催します。
https://webtan.impress.co.jp/events/201711
デジタルマーケティングの基礎・実務を学ぶ2日間の講座
キノトロープ 生田氏、アドビ 井上氏、ビービット 宮坂氏、ニューバランスジャパン 鈴木氏が講師を務める2日間の集中講座を11月30日(木)、12月1日(金)で神保町で開催します。
https://webtan.impress.co.jp/school/beginner

今回の要チェック記事セミナー | 求人情報 | 人気記事 | 解説記事 | ニュース
低品質コンテンツの取り扱い方は、どうすべき?

Web担で先週公開された記事の中から、特に人気のあったものを厳選! 読んでおかなければ話題に乗り遅れる?

  • 「海外&国内SEO情報ウォッチ」の「低品質コンテンツは削除すべき? 改善すべき? ゲイリーの正論vsランドの現実」が今週最も読まれました。

    「コンテンツマーケだ!」とゴミのようなコンテンツを大量に作ってしまっていたサイトが改心する場合、低品質なページは削除やnoindexするのがいいのか、それとも中身をリライトすべきなのか。ゲイリーとランドの意見を紹介します。

    https://webtan.impress.co.jp//e/2017/10/20/27173

  • 「企業Web担当者初級講座」の記事「新人のWeb担当者・マーケターになったあなたが今すぐやるべき4つの準備」は、140いいね!と人気でした。

    突然、Web担当者になったとしたら? マーケティング全体の視点から、Web担当者としてやるべきことをニューバランスジャパンの鈴木氏が整理して伝えます。

    https://webtan.impress.co.jp//e/2017/10/17/27092

  • デジタルマーケターズサミット2017 Summerの記事「目標を430%達成した事例にみるコンテンツマーケティング成功のコツ――ビズリーチの場合」は、150いいね!と人気でした。

    ビズリーチでは、人事・経営者向け専門メディアで自然検索からの集客に注力し、検索流入数は6か月で当初目標の430%を達成しました。その成功の背景について、オウンドメディア施策に取り組む理由、制作体制、評価改善手法を紹介。経営会議に報告する指標やチーム作りについてのコツを解説しています。

    https://webtan.impress.co.jp//e/2017/10/20/26865

  • ライオンやライフネット生命の事例が読める「成功事例から学ぶ“顧客一人ひとりに合わせたおもてなし”を提供する仕組みのつくりかた」も多くの人に読まれました。

    「顧客一人ひとりへの最適化」をテーマに、ライオンやライフネット生命のOne to Oneやパーソナライズなどの事例を紹介しています。注目ツールをわかりやすく紹介する無料PDFも公開中。

    https://webtan.impress.co.jp//e/2017/10/19/27157

  • 「個人ブログと会社HPは違う! 企業に最適なドメインとレンタルサーバーの組み合わせは?」も人気でした。

    企業サイトのドメインとレンタルサーバーの最適な組み合わせを、KDDIウェブコミュニケーションズの酒井氏と日本レジストリサービス(JPRS)の園木氏の2人が丁寧に解説しています。

    https://webtan.impress.co.jp//e/2017/10/17/26975

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デジタルマーケティング、オウンドメディア、Google アナリティクスなどのセミナー・講座8本

※「先週のニュース記事」の「イベント/セミナー」欄ユーザー投稿でのセミナー告知もご覧ください。

マーケティング(12/8、田町)

フィリップ・コトラーが基調講演に登壇するワールドマーケティングサミットジャパン。12月8日(金)に三田で開催する。参加費は一般32,400円。

http://wmsj.tokyo/

デジタルマーケティング&セキュリティなど(11/10、赤坂)

総務省、本田技研などが登壇し、1500名が集まる大規模な無料セミナー。アカマイ・テクノロジーズが11月10日(金)に赤坂で開催します。

http://www.seminar-reg.jp/akamai/aej2017/

アプリマーケティング(10/26、市ヶ谷)

ゴルフダイジェスト・オンライン、日本ケンタッキー・フライド・チキンなどがアプリ活用事例を語る無料のセミナー。オプトとReproの2社が市ヶ谷/麹町で10月26日(木)に開催します。

http://www.opt.ne.jp/news/pr/detail/id=4143

マーケティング(10/27、大崎)

自社サイトを高収益化させたAdobe Experience Cloud活用事例の無料セミナー。アドビ システムズが10月27日(金)に大崎で開催します。

http://www.seminar-reg.jp/adobe_dma/171027/

オウンドメディア(10/27、赤坂)

SNSを活用した分散型オウンドメディア戦略を最新事例で学ぶ無料セミナー。スパイスボックスが10月27日(金)に赤坂で開催します。

http://www.spicebox.co.jp/news/kikudigi/2017/10/seminar09/

テクノロジー(10/31-11/2、品川)

GEジャパンなどが登壇するマーケティングとテクノロジーを学ぶ3日間。ガートナーが10月31日(火)~11月2日(木)に品川で開催します。参加費は187,000円(税別)。

http://gartner-em.jp/symposium/

クリエイター(11/28、横浜)

クリエイター向けセミナー。アドビ システムズが11月28日(火)に横浜で開催します。参加費は一部有料、入場料は3,000円但し、事前登録で無料。

https://www.event-web.net/adobemaxjapan/

Google アナリティクス入門(12/13+20、渋谷)

衣袋氏から直接Google アナリティクスの活用方法を学べる2日間の講座。a2iが12月13日(水)と20日(水)に渋谷で開催します。参加費は一般86,400円(早割11月3日まで)。

http://a2i.jp/activity/gatraining/

Web担当者向け新着求人情報
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先週の人気記事 要チェック | セミナー | 求人情報 | 解説記事 | ニュース

Web担で先週公開された記事のうち、「今回の要チェック」に次いでアクセスが多かった記事です。

背景色が薄く黄色になっている項目はWeb担編集部のお勧め記事。

  • 稲富滋のWebマスター探訪記
    BtoB企業のブランドをWebサイトで正しく伝えるにはどんな戦略が必要か/オムロンの挑戦を内田孝裕さんに聞いた
  • Web文章入門(全7回)
    ウェブサイトは「ページタイトル」が命(第5回)
    https://webtan.impress.co.jp//e/2017/10/20/26277
    by 益子 貴寛(サイバーガーデン)
  • 【レポート】Web担当者Forumミーティング 2017 in 大阪
    「今すぐ客」「そのうち客」の理解から始めるマーケティングオートメーション
  • 【レポート】デジタルマーケターズサミット2017 Summer
    AIがCMSに搭載されると、Web戦略はどう変わる?
  • Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報
    コンバージョンレート最適化(CRO)で犯しがちな6つのミスとその対処法(後編)
  • いちばんやさしいデジタルマーケティングの教本(全11回)
    デジタルでもマーケティングの本質は「売上と利益」を作ること。「売上の仕組み」を再確認する #2
    https://webtan.impress.co.jp//e/2017/10/18/27023
    by 田村 修(アイレップ)
  • 衣袋教授の新・Googleアナリティクス入門講座
    GAの「マイレポート」を使って見たい情報だけ集めた自分専用のダッシュボードを作ろう[第58回]
    https://webtan.impress.co.jp//e/2017/10/19/27120
    by 衣袋 宏美(株式会社クロス・フュージョン)
  • ニュース記事
    50代~70代の4割以上が「Facebook」を利用。「Instagram」の利用は1割にとどまる
    https://webtan.impress.co.jp//n/2017/10/17/27162
    by 四谷志穂(Web担編集部)
  • 編集長ブログ―安田英久
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[ユーザー投稿] 思わずお店に行きたくなる!ファッションアプリの「来店促進」O2O戦略

[ユーザー投稿] 【無料DL資料】人気のWebマーケティング・広告関連のお役立ち資料10選

【広告主向け】アフィリエイト広告 運用基礎セミナー 11月16日、渋谷

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11月16日(木)東京都渋谷区において、日本アフィリエイト協議会主催のセミナー「【JAO】広告主向けアフィリエイト運用基礎セミナー」が開催される。

第1部では日本アフィリエイト協議会事務局より、最新のアフィリエイト業界動向や、アフィリエイト広告主の成功事例などの情報共有が行われる。

第2部ではコミュニケーション・マーケティング コンサルタントの鈴木珠世氏が、広告主側としてどのようにアフィリエイト運用を行うべきかを、実体験や事例を交えながら講演する。

アフィリエイト・プログラムを利用している、またはこれからアフィリエイト広告を出稿しようと検討している広告主企業担当者が対象。アフィリエイト運用を手掛ける広告代理店、ASPも参加可能(JAO会員限定)。

 

●セミナープログラム

 13:05~13:50 日本アフィリエイト協議会(JAO)事務局講座

 14:00~15:30 鈴木珠世氏による運用基礎セミナー

 15:30~16:00 質疑応答

 16:30 終了予定

●開催概要
  • セミナー名:【JAO】広告主向けアフィリエイト運用基礎セミナー
  • 日程:2017年11月16日(木)
  • 時間:13:00~16:30 (受付12:30~)
  • 場所:渋谷区渋谷2-22-8 名取ビル アットビジネスセンター渋谷東口駅前[地図
  • 主催:日本アフィリエイト協議会
  • 参加費:日本アフィリエイト協議会の正会員は無料、同会の無料会員は2,000円、未加入者は5,000円
●申し込み・詳細

オリジナル記事はこちら:【広告主向け】アフィリエイト広告 運用基礎セミナー 11月16日、渋谷(2017/10/23)

今こそ「消費者目線」を徹底すべき。トランスコスモスCMO 佐藤俊介氏が語るデジタルマーケティングの今と未来

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トランスコスモス 取締役 上席常務執行役員兼CMO 佐藤俊介氏
トランスコスモス 取締役 上席常務執行役員兼CMO 佐藤俊介氏

企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するトランスコスモスでCMOを務める佐藤俊介氏は、「マーケティングとは、消費者目線であること」だと語る。消費者目線とは具体的にどういうことなのか。デジタルマーケティングにおいて同社はどんなことを考えているのか。佐藤氏に話を聞いた。

この記事のポイント
  • 今のデジタルマーケティングは「消費者目線」が足りない
  • 消費者に置いていかれないようにするには自分で体験することが必要
  • 電話よりもチャットが好まれる「チャットネイティブ」の時代
  • コミュニケーションのデータをマーケティングに活用する
  • KPIではなく全体を見るOKRの視点に移行しつつある

佐藤俊介(さとう・しゅんすけ)
トランスコスモス株式会社 取締役 上席常務執行役員兼CMO

2001年、日本大学理工学部建築学科卒業。ベンチャー企業経営を経て2006年に株式会社エスワンオーを創業。2010年よりファッションブランドsatisfaction guaranteed設立のためシンガポールに事業拠点を移した。国内最大級のトレーディングデスク事業を展開する株式会社エスワンオーインタラクティブを株式会社オプトホールディングに売却した後、2016年、Facebook広告運用の最適化を図るSOCIAL GEARをトランスコスモスへ売却。同年、取締役CMOに就任、イノベーション担当取締役も兼任する。今年9月には俳優の山田孝之と一緒にミーアンドスターズ株式会社を設立、代表取締役社長兼CEOに就任。

マーケティングとは「消費者目線」であるということ

―― 佐藤さんは、2016年6月にトランスコスモスのCMOに就任されました。今はどのようなことに取り組まれているのですか?

佐藤主にBtoB側のデジタルマーケティングを、横串を刺して見ています。最近は広告だけとか、CRMだけとか、サポートだけとかいうわけではなく、マーケティングの垣根がなくなってきています。そういう意味で、全体を俯瞰してデジタルマーケティング的な要素を全社に入れていくという感じです。それはプロダクトを作るということもありますし、人事的なことも含みます。

佐藤俊介氏

―― 「マーケティング」はさまざまな意味合いで使われます。佐藤さんは「マーケティング」という言葉をどういう意味でとらえていますか?

佐藤マーケティングとは、ひとことで言うと「消費者目線」だと思っています。とはいえ、まだまだ「企業目線」の手法も見受けられます。

たとえば広告だと、消費者からすると煩わしいと感じる動画広告とか、本来のコンテンツを見ることを邪魔するようなものもありますよね。そうではなく、消費者目線で考える。

消費者の視点に立つのは当たり前のことなんですが、それはテレビのような既存のメディアの方がきちんとできています。それがデジタルになると、突然「このツールを使えばこういうことができる」というプロダクト目線、企業目線になってしまう

―― 「既存のテレビなどのメディアの方がきちんとできている」というのは、どういうことなんでしょうか?

佐藤既存メディアはやっぱり歴史がありますよね。たとえばテレビだと番組を1本作るのにもお金がかかりますし、コンテンツに対しての敬意がとても強い。コンテンツに敬意を払うということは、それを見る人のことも考えているということです。

インターネットの場合は、「アクセスさせることが第一で、コンテンツは二の次」という姿勢を感じることがあります。だからデジタルマーケティングに取り組むなら、あらためて消費者側に目を向けることが必要だと思います。

デジタルになると、突然プロダクト目線になってしまう

デジタルでも企業と顧客の関係は変わらない。心を動かすことが大事

―― デジタルの登場で、企業と顧客の関係は変わってきていると思われますか。

佐藤基本は「変わらない」と思っています。ただし、今のデジタルマーケティングはデータや数字に頼りすぎている傾向があるとは感じます。データは大切ですが、一方でアドフラウド(広告不正)とかの問題もあるわけで、そのデータが本当にどこまで信用できるかもわからない。そもそもデータは使うもので、それだけでマーケティングが完結するものではありません

たとえば「20代女性、洋服が好き」というデータだけで、本当にその人の顔やしぐさまで思い浮かべているでしょうか。データだけでは本当の消費者は知り得ないと思います。

佐藤俊介氏

―― デジタルで「広告慣れ」が起きていて効果が落ちているのではという話も聞きます。

佐藤それは広告慣れという話ではありません。「その広告がそもそも受け入れられていない」ということです。それを言ったら、体験としてはテレビや雑誌などのマス広告の方がユーザーはよほど見慣れていますよね。慣れたから効果が落ちたのではなく、受け入れられてないから効果が上がらないんです。

デジタルマーケティングでは新しいツールが出てくると「これまでなかったような見せ方ができる」とか「これを組み合わせると斬新」とかやりますが、まったく消費者目線じゃないですよね。そこを正さなければ、どんなに新しい技術が出てきても受け入れられることはありません。結局は消費者を見ていないということに尽きると思います。

「心を動かす」というのがマーケティングの大事なことの1つです。データだけでは動かないですよね。皆「デジタルでブランディングをやりたい」と言うんですが、現状は逆のことをやっていますよね。

「広告慣れ」ではなく「その広告がそもそも受け入れられていない」

「消費者目線で考える」には、まずは自分が体験すること

―― デジタルを活用してブランディングに取り組みたいという企業は増えています。

佐藤ブランディングこそ、消費者のことを考えなければ絶対にできません。今は、商品の情報を消費者がクチコミで広げてくれます。いいことも広がるし、悪いことも広がる。広がる力が強いので、いいものさえ作っていればブランディングは従来よりもやりやすくなっていると思います。

ただし瞬間風速的なものを狙うのではなくて、長く積み上げていくような気持ちでやらないといけないですね。デジタルを活用したブランディングには、やはりコンテンツマーケティングです。「どこの枠をいくらで買う」ということではなくて、コンテンツにお金と人を投資し、拡散してもらえるようなものを作っていく。メディアはそれらをブーストする役目として活用する。その積み重ねです。

―― 「消費者目線で考える」とは、具体的にはどうすればいいのでしょう?

佐藤まずは自分がさまざまなサービスのユーザーになるということです。自社サービスだけじゃなくて、あらゆることをやってみる。今はスマートフォンが普及したことでどんどん便利になっています。それをしないと、消費者のスピードに企業が追いつけません。今起きていることが、今のマーケティングの世界ですから。

今は情報の流れが双方向なので、自分がやらないと何も始まらないという意味では、かつての「テレビを見る」ことよりもかなり面倒かもしれません。でもそれをやらないで社内で頭をひねっているだけでは、いつまでも消費者目線で考えることはできないと思います。

佐藤俊介氏
今は電話よりチャットが好まれる「チャットネイティブ」の時代

今は電話よりチャットが好まれる「チャットネイティブ」の時代

―― トランスコスモスでは、チャットにかかわるサービスを続けてリリースしています。これも消費者目線と関係があるのでしょうか。

佐藤はい、「今は電話で話すよりもチャットの方が楽」という人も多い。言うなれば「チャットネイティブ」なんですよね。Webで見た広告をクリックして、Webサイトを表示して、商品をカートに入れて、会員登録をして……という手順を踏むよりも、チャットで済ませてしまった方が楽なんです。

トランスコスモスは長期にわたりカスタマーサポートをやってきているので、消費者とのコミュニケーションは強みでもあります。従来だったら電話でコンタクトセンターにつながっていたところが、チャットネイティブはスマートフォンのチャットでつながる。それは今の時代とても自然なことです。それでサポートとデジタルを融合させた「DECAds(デックアズ)」という統合プロダクトを立ち上げました。

DECAdsが起動している様子。チャットボットとのやりとりでコミュニケーションが進む
DECAdsが起動している様子。チャットボットとのやりとりでコミュニケーションが進む

―― DECAdsでは、広告をクリックするとチャットがスタートするものもありますね。これまでは、広告をクリックしてからコンバージョンに至るまでのステップをできるだけ少なくしようという考え方が主流でした。一見それに反しているように見えます。

佐藤消費者が何を求めているかを知るには、コミュニケーションを取るのが一番と考えました。DECAdsは、チャットボットと人の両方が対応できるように組み立てています。単純な回答であればチャットボットがすぐに案内できますし、間違えてはいけないものなら人が対応する。運用コストも下がって、コミュニケーションの質も上がります。

消費者の考えを知るにはコミュニケーションを取るのが一番

コミュニケーションを経て購買率やブランドイメージが高まる

―― ほかの施策と比べて、マーケティングの観点においてチャットはどのような効果が期待できるのでしょうか?

佐藤まずはコミュニケーションのデータが取れることです。これは、今まで活用しきれていなかったデータです。また、コミュニケーションをとることによって購買する確率が大きく上がります。これはまだ全部計測しきれてはいないんですが、ただ広告をクリックしたのと比べてチャットを経由し自分で答えながら進んだ場合は記憶のレベルが高まるという結果が出ています。

―― 記憶のレベルが高まる。それは興味深いですね。

佐藤はい。さらにいろいろな事例がありますが、カスタマーリテンション(顧客維持)にもデジタル上で顧客の声を聞くことが重要であるというデータもあります。さらに、コミュニケーションの体験は友人に共有する時代です。正しいことをやっていれば、正しく広がっていきます。

佐藤俊介氏

有人対応のデータがチャットボットのもとになる

―― チャットボットが受け答えするとしても、学習するための大量のデータが必要ですよね。そのデータはどのように準備すればいいのでしょうか。

佐藤基本的な構造としては、有人対応したコミュニケーションの内容をデータとして蓄積していきます。その会話データをベースにストーリー仕立てでシナリオを作っていく。何もないところから作るシナリオよりはるかに精度が上がりますよね。そのデータも、コミュニケーションのデータでないと参考にできません。ランディングページのクリック率をいくら見ても、シナリオには役立てられません。

コミュニケーションのデータがシナリオになったり、チャットボットになったりします。サポートのデータがこれまで広告に活用されることはなかったと思いますが、これからはあらゆるデータを施策に使っていくべきです。広告は広告だけ、ECは購買データだけ、サポートはサポートだけということではなく、すべてのデータが横につながっていくという時代に入っていきます

―― 「そんなデータ、持っていないよ!」という場合はどうすれば?

佐藤われわれは「DECode(デコード)」というDMPを独自で用意していて、そこにサポートのデータを蓄積しています。DECAdsを利用する際は、ワンストップでDECodeを活用できるように提供します。そのデータの分析にはAIを活用しています。

―― チャットボット用のシナリオを作るって、とても大変そうです。

佐藤簡単ではありませんが、今こうして普通に会話しているのと一緒ですよ。1つのことを話して、次の話にいく。最初から完成されたシナリオを求めるのではなく、改善を繰り返し精度の高いものを生み出していく運用型のモデルになります。

広告、EC、サポートなどあらゆるデータが横につながっていく時代

―― チャットボットというと、最近はAIが注目されていますね。

佐藤世の中で語られている希望的AIと、現実的AIにはまだまだ隔たりがあります。皆は希望的AIのことを語るんですが、今のAIが自由に会話をして正しくコミュニケーションするのは無理があります。「年齢は何歳ですか」みたいな単純なやりとりならいいですが、消費者目線で要望に応えるという意味では、まだ難しいですよね。

逆に画像認識などある機能においては、人間の目よりもAIの方が優れていることもあります。機械でやれることと人がやれることを正しく分けて、「今の段階で何を達成できるか」を見極めたうえでAIを搭載するならありだと思います。

マーケティングの視点はKPIから全体を俯瞰するOKRへ移行している

佐藤俊介氏

―― 有人対応にしてもチャットボットにしても、企業としてはこれまでなかったコストがかかることになります。そこはROI(投資対効果)の視点ではどうなんでしょう?

佐藤はい、もちろんサポートにはコストがかかります。それでもROIが良くなればよいわけです。広告の1クリックの価値が上がるだけでなく、これまで取れなかった有効データが取れるようになるという価値もプラスされます。また、これまで非効率と思われていたメディアも見直されるかもしれません。これは広告活動において非常に大きなことです。

今は単純に「KPIを追う」という考え方ではなくなってきています。グーグルが採用しているという「OKR(Objective and Key Result:目標と主な結果)」という指標がありますが、「全体的に見てどんなリターンがあるか」という見方がどんどん当たり前になってきています。

KPIはあくまで1つの軸です。そこばかりを見ていると、無駄を省いて洗練されていくに従いどんどんビジネスが狭まってきます。だからデジタルマーケティングでは、データの扱いも含めて「全体を俯瞰して見る」ことが必要です

―― なるほど、DECAdsは「チャットを使った広告手法」ととらえていましたが、そうではないんですね。

佐藤はい、「広告の担当者が文章を考える」とか「クリック率が上がる」とかそういう狭い話ではなく、「企業全体として、どう消費者とコミュニケーションを取るか」という視点なんです。

今の時代に合った、デジタルマーケティングの正しいフレームワークを考えていこうということです。今はスマートフォンというデバイスがあり、チャットネイティブという状況があるから、チャットというコミュニケーションを採用したにすぎません。仮に同じことを5年前、もしかすると5年後にやってもダメだと思います。

今は単純に「KPIを追う」という考え方ではなくなってきている

◇◇◇

―― 最後に、企業内のマーケターの方にメッセージがあれば。

佐藤繰り返しになりますが、大事なのは「消費者目線でビジネスをとらえよう」ということです。そんなことは当然皆わかっているんですが、今のデジタルマーケティングは必ずしもそうではないというギャップがあるのが現実です。根幹をしっかりとらえて、消費者に合わせて変えていく。決して楽な道ではありませんが、やらなければいけません。

もしデジタルトランスフォーメーションのパートナーが必要であればご相談ください。トランスコスモスは扱っている事業が広いので、1か所にまとめた方が楽ということもあると思いますので(笑)。

―― 本日はありがとうございました!

佐藤俊介氏
この記事の筆者

株式会社インプレス Web担当者Forum編集部

2004年インプレス入社。書籍編集部でWebマーケティング、SNS、スマートフォン、Webデザインなどの書籍の編集を担当し、現在はWeb担当者Forum編集部に所属。

モバイルデバイスとインターネットが大好き。最近の興味はバーチャルリアリティ、人工知能、キノコ。

撮影:渡 徳博(ウィット)

土屋鞄製造所、ファンを魅了するSNS運営の裏側 | ネットショップ担当者フォーラム 特選記事

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土屋鞄製造所との出会いは、Facebookのフィードに流れてきた美しい写真でした。Instagramをチェックしてみたら、こちらもすごくステキな世界観。お話を伺うまでは、「社外のプロのカメラマンとコピーライターのお仕事なんだろうな〜」なんて思っていたのですが、なんとすべて内制です。どんな風にコンテンツを作っているのか聞いてみたくて、東京足立区西新井の本社に伺いました。 写真◎吉田浩章

土屋鞄製造所は、創業者の土屋國男さんが1965年に開いたランドセルの製造工房が始まり。それから半世紀、高品質の手作りランドセルは評判を呼び、2016年には注文の受付開始と同時にアクセスが殺到、サイトにつながりにくくなるほどの人気になりました。「ラン活(子どものランドセルを買うための活動)」なんて言葉が聞かれるようになったのもこの頃です。

2000年に入ってからは、ランドセルを買いに来た家族の声に応えて大人が使える鞄の製造販売もスタート。ネット通販もその頃に開始し、現在はWebサイトと全国の実店舗で販売中です。

なめらかな革の感触と美しいステッチにうっとりです。
店舗 ランドセル
西新井本店ではランドセルの見本がズラリ。店頭やWebで注文を受け付け、できあがったランドセルからお客さまの元へ届けられます。
ランドセル工房1
店舗の一角からはランドセル工房が見学できます。これは子ども用の小さなのぞき窓。「職人さんがみんなのランドセルをつくっています。そーっと見学してみよう」と張り紙が。
ランドセル工房2
注文を受けたランドセルは実際にこの工房で1つ1つ職人の手仕事で製造され、子どもたちのもとに届けられます。
店舗 レディース
店舗のおよそ半分は大人向けライン。大人向け製品は購入後持ち帰ることができます(一部注文販売の製品もあり)。
店舗 革のエイジング
土屋鞄製造所のバッグの特徴の1つは革。上質な革が時を経て変化し、持ち主になじんでいく過程も楽しみの1つ。

話題の製品は大人用ランドセル「OTONA RANDSEL」。創業50年を記念し、デザインチームが「ランドセルで始まった土屋鞄が、50年目の今だからこそ作れる鞄ってなんだろう?」と考えたそうです。手作りなので量産はできず、毎回告知をするとすぐに完売してしまうほどの人気。

OTONA RANDSEL
細部までため息が出るくらいきれいに作り込まれています。ふわっとした背負い心地に、ランドセルの懐かしい感触が背中でよみがえりました。

販売企画本部 販売促進部 KABAN販促企画課の金子里美さんと、広報室の前田由夏さんにお話を伺いしました。

株式会社土屋鞄製造所 販売企画本部 販売促進部 KABAN販促企画課 主任 金子里美さん
株式会社土屋鞄製造所 販売企画本部 販売促進部 KABAN販促企画課 主任 金子里美さん
株式会社土屋鞄製造所 広報室 前田由夏さん
株式会社土屋鞄製造所 広報室 前田由夏さん

InstagramのCEOから突然のメッセージ

今年の7月にInstagramの共同創業者でCEOのケビン・シストロム氏がこんな投稿をしました。

訳:「今日、1,500万以上の企業がInstagramを使用して物語と個性を共有していることを、我々は発表しました。私は土屋鞄が共有している物語が大好きです。土屋鞄はInstagramを使ってブランドのコミュニティを構築しています。その投稿には、製品の伝統、細部への気遣い、デザインが感じられる点が際立っています。土屋鞄、そして全世界の企業の方々がInstagramを通じて、情熱とインスピレーションを分かち合ってくださっていることに感謝します」

CEO自らが特定の、しかも日本のメーカーを取り上げることは珍しいそうです。この投稿を知ったときはどうだったのでしょう?

社内で「君たちががんばっているからこうなったんだね」って認めてもらったこともあって、すごくモチベーションが上がりました。

この仕事は成果がすぐに目に見えるものではなく、コツコツとした積み重ねだと思っているので、それが1つの形としてフィードバックされたことはとても嬉しいです。(金子さん)

撮影も文章も社内のスタッフが担当

金子さんが所属する販売促進部は2011年からFacebookページを、2012年からInstagramアカウントを運営しています。

販売促進部の中にSNSの担当のメンバーがいて、InstagramとFacebookで分かれていています。カメラマンもライターも社員。金子さんはディレクションすることが多い立場ですが、自ら撮影やデザインをすることもあるとのこと。

自社製品以外の投稿も心がけているんですが、季節を感じる写真など、そのときの流れに乗っているものの方が感情移入しやすいと思うんです。

例えば、最近急に暑くなってきたなっていう時期には冷たいアイスティーの写真を載せて、「ちょうど冷たい飲み物が飲みたい季節ですね」っていう投稿をしてみる。それを目にした人が「あ、そうそう。自分もちょうどそんな気持ちだったな」って、暮らしの中でのちょっとした共感みたいなものが積み重なっていくように心がけています。(金子さん)

こだわりは投稿内容だけではありません。プロフィールページで一覧したときの写真のバランスにも気を配っているそうです。

Instagramのプロフィール画面
土屋鞄製造所Instagramのプロフィールページ。製品をはじめ自然や食品、日常の風景、人物などが単調にならないバランスで並んでいます。

InstagramとFacebookで同じ投稿をしている企業が多いと思いますが、土屋鞄製造所ではそれも変えています。その理由は?

両方同じ写真を使うこともありますが、基本的にFacebookとInstagramって同じSNSでもユーザー層が少し違うと考えています。フィードの見え方も違うので、チャネルごとのコミュニケーションの仕方は意識的に変えています。(金子さん)

9月13日現在、土屋鞄製造所のInstagramのフォロワーは574,000人、Facebookは294,306人(ランドセルはInstagramが296,000人、Facebookが108,689人)。結局、良いものを出していればフォロワーは増えるんですよね……。

Web、店頭、パンフレット、トータルで土屋鞄を体験してもらう

SNSだけではありません。店舗のVMD(ヴィジュアル・マーチャンダイジング)にも関わっているほか、新製品のパンフレット作りも販売促進部の仕事。パンフレットと言っても単純なカタログではありません。

2017年秋冬限定製品を紹介するツールでは、限定カラー「シナモンブラウン」にちなんで、シナモンを使った飲み物のレシピなどを紹介。さらに、シナモンなどのスパイスやチャイでひと息つく様子の写真がカレンダーになって同封されています(ちなみに販売促進部は「シナモンブラウン」といったネーミングにも関わっているそうです)。

2017秋冬パンフレット
ピンで止めるための穴まで開いているから壁に飾りたくなります。「お送りするとSNSにアップしてくださるお客さまもいらっしゃるんですよ」(前田さん)。

ただ製品のお知らせが届いたというよりも、もらって嬉しいものを作りたい。私たちも“自分だったらこれをもらってどうかな”と考えているので、何かプラスの要素があったり、見ていてワクワクしたりっていうことを意識しています。(金子さん)

「土屋鞄らしさ」を共有できる理由

スタッフが少なければもちろんSNSの運営は大変ですが、多いと今度はブランドの世界観を共有するのが難しくなってきます。土屋鞄製造所のアカウントは同じトーンで発信できていると感じます。その理由を金子さんは、「昔からのスタッフが積み上げてきたものを新しく入ったメンバーも大事していることと、社内でコミュニケーションを密に取っているから」と言います。

入社すると自社製品を使うことが日常的にあるんですが、デザイナーが使う人のことをすごく真剣に考えて鞄をデザインしている姿や、職人が一生懸命に作っている姿を間近で見ているので、より愛着がわきます。

愛情が込められた製品で、使っていただければ魅力が伝わると自分たちが実感しているので、販促部はそれをちゃんとお客さまに伝えなきゃいけない。その、製品の魅力を届ける使命みたいなものが、販促部はすごく強いですね。(金子さん)

今後については、「SNSツールも日々変化しているので、しっかりと時流はつかんでいきたいと思っていますが、ものすごく新しいことをして驚かせたいはとは思っていません。一緒に楽しんでいきたいです」と語ってくれました。

物語が生まれる食堂

本社の2階には広いスペースがあります。

昼食時はお昼ご飯を食べたりするスペースなんですけど、日頃1階で仕事をしている職人たちもお昼休みには上がってきて、カスタマーセンターや販促、広報など、全然違う職種のスタッフと同じテーブルでご飯を食べるんです。お互いの仕事を知ることで、製品愛とか会社愛みたいなものが深まりますね。(前田さん)

2階食堂
お昼時以外は仕事をしたり打ち合わせをしたり、販売促進部が撮影にも利用できるスペース。

土屋鞄製造所のSNSアカウントでは、職人がプライベートで作ったものも紹介されています。

最近だと、お子さんが生まれたスタッフに、職人が革のベビーシューズをプレゼントしたんです。Facebookに載せたらすごく反応がよくて「ぜひ商品化を」というようなコメントをいただいたりもしました。職人たちはものづくりがすごく好きなので、プライベートでもいろいろ作るんです。

それを知るためにひと役かっているのが食堂です。交流する時間があるからこそ「あの人、エプロンにこの間と違うカスタマイズをしてる」って気付いたり、職人から「最近こういうのを作ったんだ」って聞いたりするんです。(金子さん)

「お父さん」が見守っているから裏切れない

土屋鞄製造所を語る上で欠かせないのが創業者の土屋國男さん。社員から「お父さん」と呼ばれているそうです。79歳の現在も、社員に請われれば大阪や名古屋のイベントにも出向きます。

 

創業者が作り出す社内の雰囲気の良さがあり、同時にひたむきにものづくりと向き合ってこられた姿勢も伝わって来ます。お父さんに見守られているっていう感覚もあるので、「裏切れないな」って思うところがあるんですよね。(前田さん)

◇◇◇

土屋鞄さんのInstagramをずっと見ていて、その世界観にいつも癒されていました。流れてくる1つ1つの投稿に何度も励まされてきたので、その伝え方には裏技があったり、何か特別なことがあったりするのかな? とドキドキしながらお邪魔しました。

そこには「どうすれば製品の良さが伝わるか」「どうすれば見る人に喜んでもらえるか」をただただ考え抜き、偽りなく、真剣に心を尽くして仕事に取り組む皆さんの姿がありました。

「作る」ことから「伝える」までを1つの物語のように届けてくれる土屋鞄製造所さんの魅力は、創業者のお父さんをはじめ、大家族のような従業員さんたちから生み出される愛情の結晶なのでした。

オリジナル記事はこちら:土屋鞄製造所、ファンを魅了するSNS運営の裏側(2017/10/11)

この記事の筆者

はぴさや

福島生まれ東京在住。わくわくすること、人との出会いを愛して世界中を旅する旅ガール。

東北を元気にする応援を続け、チャリティイベントの主催や、ベルギーで行われた日本政府主催の「Japanese Week」でEUの大臣や市民の前でスピーチをする機会を得た。

自分が発信することで誰か元気になる人がいるならばと、フォトエッセイスト、イラストレーターとして活動する他、“はぴさや”として芸能活動を再始動している。

[ユーザー投稿] 参考にしたい!アーティストのサイトから学ぶWebデザインのトレンド


[ユーザー投稿] 【12/15セミナー】「利益」に繋げるアクセス解析!改善のためのGoogleAnalytics活用セミナー 株式会社ヴィクシア

悪魔のアドフラウド14の手法まとめ ―― いまのネット広告は落とし穴だらけ! | [コラム] Web担のなかの人――編集部ブログ

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アドフラウド(広告詐欺、不正な広告)は、広告主が広告費を支払ったにもかかわらず、求めていた成果を得られない結果になる仕組みのことを指す。

コンバージョンを増やしたりブランディングを進めたりするためのネット広告の活用が進んでいるが、その成長にともない、企業の支払う広告費をかすめ取ろうとする「アドフラウド」も増加していると言われる。

実際には何の成果もないのに「広告が表示された・クリックされた」と広告配信システム上はレポートされる状態を作り出す、悪意をもったアドフラウドの手法を14種類、整理して解説する。

「アドフラウド」は英語では「ad fraud」で、本来ならば「アドフロード」が近い表現だ。しかし日本ではカタカナ表記としてすでに「アドフラウド」が定着してきている傾向があるため、ここではその表記を使う。

アドフラウド14の手法

  1. 隠し広告(Hidden Ads)

    広告システム上は表示されていることになって課金されるが、実際にはユーザーの目に触れていない広告。

    「小さなインラインフレーム(iframe)内に押し込めて表示」「透明な状態で表示」「ピクセル状態で表示」などの手法がある。

  2. 過度な広告の詰め込み(Ad Density)

    ページ内に広告を大量に詰め込んで表示することで、実際には個々の広告がちゃんと見られない状態。ページ内に広告しか表示されない状態もある。

    グーグルのクローラーに対してはコンテンツを表示することで検索結果に表示させトラフィックを獲得し、人間がアクセスした際には広告だけの表示にする場合も。

  3. 自動リロード(Auto Refresh)

    広告表示を(1秒間に1回など)何度も自動的に更新(リロード)することで、広告の表示回数を水増しするもの。ページ自体をリロードする場合もある。

    自動でリロードする場合と、ユーザーの行動(スクロールなど)に応じてリロードする場合がある。

    動画などの滞在時間が長いページで見えない領域に広告を掲載し、1動画を見ている間にどんどん広告を切り替えて1000広告インプレッション超を発生させることもある。

  4. 第三者からのトラフィック獲得(Sourced Traffic):広告経由

    広告掲載サイトに対して、第三者のサイトから安価な広告を使ってトラフィックを獲得するもの。

    通常のメディアがスポンサードコンテンツ(タイアップ広告)を掲載した際に、広告主と握ったインプレッション数に満たないため第三者からトラフィックを獲得しようとする場合など、安価なCPCで獲得したトラフィックにはbotが含まれる場合がある。

  5. 第三者からのトラフィック獲得(Sourced Traffic):トラフィックエクスチェンジ経由

    コンテンツ閲覧を目的としていないユーザーやbotによるトラフィックを、いわゆる「トラフィックエクスチェンジ業者」から獲得するもの。

    たとえば、小遣い稼ぎをしたいユーザーなどが指定されたページを表示するのだが、実際には見ていない状態。

    また、業者は「自動サーフ」と呼ばれる類のツールを提供しており、広告掲載サイトを業者に登録すると、小遣い稼ぎユーザーがツールを利用して登録サイトを巡回(自動ロード)する。これによりトラフィックが発生したことになり、広告が表示されたことになる。

  6. オークションのURL偽装(Falsely Represented)

    悪意をもったSSPがインベントリを偽装し、入札時とは異なるサイトに広告が掲載されるもの。悪意をもっているため、多くの場合は掲載先のコンテンツは不適切なもの。

    ブラックリスト化されてしまったドメイン名のコンテンツを悪用して広告表示を稼ぐ目的で行われる。

  7. データセンターからのトラフィック(Data Center / Proxy)

    データセンターやレンタルサーバーのIPアドレスからのトラフィック。

    人の利用するコンピュータやスマートフォンなどのデバイスのIPアドレスからではないため、多くの場合、人間が広告を目にするわけではない。

    また、実際には広告配信対象ではない地域のサイトに広告を表示するために、データセンター内でプロキシを利用していることもある。

  8. クッキー汚染(Cookie Stuffing)

    (広告インプレッションではなく)ブラウザに保存されているCookieを上書きし、あたかも(悪意を持った者の)サイトを訪れたかのように見せかけるもの。

    高単価なリターゲティング広告を表示させるために利用する場合や、不正な成果(コンバージョン)を獲得するために利用することがある。

  9. 不正な広告挿入(Ad Injection)

    (メディア側が被害者)

    ブラウザのツールバーや拡張機能などを使って、ユーザーがブラウザで見ている他人のサイトに、(悪意をもった者のサイトに表示されているかのようにシステムからは見えるように)広告を表示するもの。

  10. ウイルス・マルウェア・アドウェアなどによる個人端末の乗っ取り(Malware, Adware, Hijacked Device)

    (PCでもスマホアプリでも存在)

    マルウェア(ウイルス)などを使って一般ユーザーのコンピュータなどのデバイスに侵入し、自動的にブラウザを立ち上げて広告を表示するもの。

    コンピュータの画面ではブラウザが立ち上がっていないよう見える状態で通信を行う場合もある。

    スマホの場合、ロック画面状態でも裏で広告表示が行われていることもある。

  11. ブラウザを自動で動かして広告閲覧を生成(Imp/click Bot, Retargeting Fraud)

    (PCでもスマホアプリでも存在)

    ブラウザ機能(表示部分がない「ヘッドレスブラウザ」と呼ばれるものの場合も)をプログラム(bot)によって自動的に動かしてページ閲覧を偽装するもの。

    botプログラムによっては、広告表示だけでなくクリックを偽装したり、企業のサイトをあらかじめ自動訪問しておいてリターゲティング広告を表示させたりするものもある。

  12. 不正クリック発生によるアトリビューションの汚染(Click Stuffing)

    (アプリ広告)

    スマホアプリの起動時に、ユーザーが意図していないクリックを不正に発生させておくことで、アトリビューションを不正に操作するもの。

    Google PlayやApp Storeをアトリビューションが付いた状態で自動的に表示させておくことで、その後ユーザーが(自分で)何らかのアプリをダウンロードした際に、その業者のCPI(インストールごと報酬)成果となる。

  13. 不正クリックによるコンバージョンの乗っ取り(Click Injection)

    (アプリ広告)

    (Androidのみ)アプリの初回起動時にインストール経由を判定してCPI(インストールごと報酬)を発生させるタイプの広告向けの不正。ユーザーが(自分でインストールした)新規アプリを初回に起動する直前に、不正なアプリを経由してそのアプリを起動させ、不正な業者のCPI成果とするもの。

  14. バックグラウンドでの広告閲覧による収益の水増し(Background)

    (アプリ広告)

    アプリがバックグランド状態や非利用状態のときに広告を読み込むもの。

    バックグラウンドで動画広告などを自動的に表示しており、さらに不正プログラムによりクリックの偽装を行う場合もある。

アドフラウドのキホンと広告主が考えるべきこと

この内容は、10月10日にSupership(スーパーシップ)社とMomentum(モメンタム)社が開催した、アドベリフィケーション関連のメディアラウンドテーブルで、Momentum代表の高頭氏が解説したものをベースとしている。

高頭氏は、米国TAG(Trustworthy Accountability Group)によるアドフラウドの定義と手法をもとに各種法をコンパクトに説明していた。上記解説は、その内容をもとに編集部でまとめたもの。

※TAGは、AAAA(米国広告代理店協会)、ANA(米国広告主協会)、IAB(インタラクティブ広告協議会)の3団体によって作られた団体で、デジタル広告業界のビジネス活動と商取引の透明性を確保し、説明責任を明確化するプログラム。

高頭氏によると、アドフラウドには、大きく分けて次の2種類のものがあるという。上記に挙げたのは、後者の「意図的な要因」に属するものを、さらに具体的に示したものだ。

  • システムの仕様上どうしても起こってしまう「偶発的な要因
    • 各種システム管理のためのクローリング
    • セキュリティソフトによる自動アクセス
    • 掲載サイトのスタイル崩れのために広告が適切に表示されない状態
    • などなど
  • 人が悪意をもって引き起こす「意図的な要因
    • スパムサイトによる不正水増し
    • 個人ブロガーによるトラフィックエクスチェンジ
    • 小遣いかせぎ目的のインターネットユーザーによるトラフィックエクスチェンジ
    • botによる不正表示・不正クリック
    • 掲載先サイトによる意図的な広告隠し
    • などなど

日本ではアドフラウドは少ないといわれるが、実際にはスマホアプリ広告関連のアドフラウドは多いとみられているという。というのも、日本には有力なゲームパブリッシャーが比較的多く、そうした企業は広告費を多く使っているため、そうした広告費を狙った不正が世界中から集まっているためだとみられる。

広告主が、自分たちが出稿した広告をこうしたアドフラウドから守るには、アドフラウド対策をしっかりと行っている広告システムを利用するか、Momentumなどが提供しているような「アドベリフィケーション」のサービスを利用する必要がある。

なお、ここではアドフラウドの詳細を解説したが、広告主が意識すべき「広告取引の透明性」「ビジネス推進のさまたげとなる広告の問題」には、それ以外も含め次の3点があることは、あわせて理解しておきたい(そして、これら全体から広告を守るためにもアドベリフィケーションサービスを利用できる)。

アドフラウド コンピュータープログラムなどを使い、無効なインプレッションやクリックによって広告費用を騙し取る不正広告(広告詐欺)のこと
ブランドセーフティ 広告が不適当な掲載場所に表示されることによるブランド毀損を防ぐこと
ビューアビリティ 配信されたデジタル広告のうち、ユーザーが閲覧できる状態にあったインプレッション比率のこと、また、その状態をさす
同社のラウンドテーブル資料から
この記事の筆者

安田 英久(やすだ・ひでひさ)

株式会社インプレス
Web担当者Forum 編集長

プログラミングやサーバー、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、現在Webサイト 「Web担当者Forum」編集長。ビジネスにおけるWebサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開してい る。

個人としては、技術とマーケティングの融合によるインターネットのビジネス活用の新しい姿と、ブログ/CGM時代におけるメディアのあるべき姿を模 索し続けている。趣味は素人プログラミングと上方落語と南インドカレー。

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