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「土用の丑の日に鰻」は広告倫理として問題ないのか!? | 編集長ブログ―安田英久

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今日は、「広告倫理」の話題を。「土用の丑の日に鰻を」は、平賀源内がつくった広告で、日本における広告の元祖だともいわれます。でも、夏は鰻の旬ではありません。この広告、倫理的に問題があるのではないかと気になったのです。

「土用の丑の日に鰻」は広告として始まったと言われます

7月25日は、2017年の夏の「土用の丑の日」。この日に鰻を食べるといいというので、日本では土用の丑の日に鰻が大量に売り出されます。

土用の丑の日に鰻を食べる」という風習は、江戸時代に平賀源内が作った広告から生まれたものではないかと言われています。

Wikipediaには次のようにあります(読みやすさのために筆者が改行を追加)。

商売がうまく行かない鰻屋(知り合いの鰻屋というパターンもある)が、夏に売れない鰻を何とか売るため源内の元に相談に赴いた。

源内は、「本日丑の日」と書いて店先に貼ることを勧めた。

すると、その鰻屋は大変繁盛した。その後、他の鰻屋もそれを真似るようになり、土用の丑の日に鰻を食べる風習が定着した

なぜ「本日丑の日」で鰻が売れるのか。その背景には、次のようなことがあったようです。

一説によれば「丑の日に『う』の字が附く物を食べると夏負けしない」という風習があったとされ

つまり、「夏になると鰻が売れなくて困っている」クライアントを助けるために、「う」の字がついた食べ物が喜ばれる丑の日をうまく活用して鰻を訴求したということですね。

これが事実なのかどうかはさておき、この訴求のやり方は「広告倫理」という点で問題がないのか、気になりました。

だって、鰻の旬は夏じゃない

というのも、夏の土用の丑の日に食べる鰻なんて、鰻としてさほど良い状態じゃないわけですよ。

よく勘違いされるのですが、(天然の)鰻の旬は夏ではありません。

本当に鰻がおいしいのは寒くなる秋から初冬にかけてだと言われます。

つまり源内は、わざわざ旬を外れた時期に多くの人が(良い状態ではない)鰻を食べようという気になるように、広告を使ったのだとも言えます。

これは、倫理的に問題ないのでしょうか?

これが、閑散期に客を増やすために中心商材と別軸の体験を用意するような対応方法だったら何の疑問もないわけですよ。

たとえば、スキー場が閑散期である夏場に、パラグライダーやマウンテンバイクのダウンヒルといったアクティビティを提案するような方法ですね。

これなら、スキー場という場所の価値をうまく活かした集客で、振り向いてもらい、楽しんでもらうために、新たな価値を生み出していますから、すばらしい手法だと思います。

では、夏の土用の丑の日に鰻というのは、どうでしょうか。

旬に比べて質が下がっている鰻を、商品をまったく変えずに、いかにも良いものであるかのように舌先三寸で訴求するというのは、いかがなものかと思ってしまいませんか?

商材である「鰻」の観点で言うと、夏の時期にこれを売ろうとするのが微妙なのは確かです。だって、夏じゃないほうが美味しいんですから。

……しかし!

顧客の得る価値を本当に考えると、問題なかった!

実は、よく考えると、この売り込み方は、まったく倫理的にも問題なく、すばらしいものではないかと思えてきました。

というのも、「鰻を食べると、その人にどんな良いことがあるか」の観点から言うと、すばらしい訴求になっていると思うのです。

江戸時代には、今と違って食糧事情がよろしくなく、栄養に関する科学的な研究も進んでいなかったことでしょう。となると、「夏バテ」というのもけっこうあったのかもしれません。

そして、鰻は滋養強壮が期待できる栄養素を含んでいる食べ物だということです。

となるとですよ、体力が衰えて疲れやすくなっている夏の時期に「鰻を食べるといいんじゃないでしょうか」と訴求するのは、理にかなっていますし、価値を提供していますよね。

「そうか、疲れがちな夏に、鰻を食べればちょっと元気になれるかも」と、お客さんがそれまでは気づいていなかった商品の価値を再認識してもらう良いコミュニケーションなのではないかと。

そして、「丑の日に『う』の字が附く物を食べると夏負けしない」という風習(言い伝え)があったということも考えると、おそらく源内も同じように考えて広告を作ったんじゃないかと想像しています。

あくまでも思考実験ですので、本当に源内がキャッチコピーを作ったのか、江戸時代に栄養事情が良くなかったのか、本当に鰻が滋養強壮に効くのか、詳しく裏を取ったわけではありません。

でも、広告やコミュニケーションをどうつくっていくかを考えるときに、「商品そのもの」を訴求するのではなく、「その商品を利用することで顧客が得る価値や体験」に視点を移すことは、非常に大切ですよね。

われわれは、つい「この商品がどんなにすばらしいモノか」を力説するメッセージをつくってしまいがちですが、改めて、「それによってお客さんがどんな体験をするか」も、ちゃんと考えるようにしましょう。

あ、老舗の鰻料理屋さんのなかには、昨今のシラスウナギの不漁をうけて、土用の丑の日にはあえて鰻をアピールしないようにしているというところもあるようです。

個人的には、そういうお店に好感をもってしまいますよね。だって、おいしい鰻をもっと食べ続けたいですから!

この記事の筆者

安田 英久(やすだ・ひでひさ)

株式会社インプレス
Web担当者Forum 編集長

プログラミングやサーバー、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、現在Webサイト 「Web担当者Forum」編集長。ビジネスにおけるWebサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開してい る。

個人としては、技術とマーケティングの融合によるインターネットのビジネス活用の新しい姿と、ブログ/CGM時代におけるメディアのあるべき姿を模 索し続けている。趣味は素人プログラミングと上方落語と南インドカレー。


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マーケティングって何? MBAを取得できるグロービス経営大学院に聞いてきた | 先週のWeb担まとめ記事

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2017/07/08~2017/07/14

Web 担当者 Forum に掲載された情報を毎週一度、まとめてご紹介するこのコーナー、今回は解説記事 22本とニュース記事 21本です。

忙しい人のためのこの記事の使い方:
  • 上のほうから内容をざっとチェックする
    重要なものほど上の方に置いてあります。
  • 背景が黄色の部分をざっとチェックする
    要チェックのものは色を付けてあります。

今週の担当は、池田です。

今回の要チェック記事セミナー | 求人情報 | 人気記事 | 解説記事 | ニュース
グロービス経営大学院に聞くマーケティングの役割

Web担で先週公開された記事の中から、特に人気のあったものを厳選! 読んでおかなければ話題に乗り遅れる?

  • ルポマンガ「そもそも『マーケティング』って何ですか? グロービス経営大学院で聞いてきた!」が800いいね!と人気です。

    Webの現場でも耳にするようになった「マーケティング」とはそもそも何なのか、そして教育機関のマーケティングとは。

    第一線で活躍する経営人材を多数輩出しているグロービス経営大学院に聞きます。

    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2017/07/14/25682

  • 「トップページの終焉――ウェブサイトのパーソナライゼーション事例」は、月曜マーケコラム「Moz」の記事です。

    企業Webサイトのトップページは、Amazonのようにパーソナライズすべきなのだろうか。

    テストツールのOptimizelyを活用したトップページのパーソナライズ事例から、その考え方やセグメントの分け方、クリエイティブ、成果を紹介します。

    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2017/07/10/26161

  • 「こんな良いコンテンツ作ってるのに、なぜ検索順位が上がらないんだ!?【SEO記事12本まとめ】」も人気です。

    「SEOで大切なのはコンテンツだ」というけれど、良いコンテンツを作っても検索順位が上がらない……。

    そんな悩みを抱える方に「SEOに効く良いコンテンツ」の正しい考え方をお届けします。

    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2017/07/14/26331

  • 「【新機能】今までのGAの参照元は何だったの? “本当の参照元”がわかる『直接セッション』の使いどころ」が430いいね!人気です。

    Googleアナリティクスの正確な参照元(リファラー)は長らくブラックボックスでした。実際のリファラーを確認できる「直接セッション」をどう活用するべきか解説します。

    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2017/07/13/26238

  • SEOとUXの専門家対談「UX最優先がベストなマーケティングとは限らない/SEO土居氏×UX枌谷氏(前編)」が公開されました。

    SEOでもUXの重要性が高まっていますが、ユーザーにとって使いやすく、優れているWebサイトだからといって、ビジネスに貢献するマーケティングとは限りません。

    今週公開の後編と合わせて要チェックです。

    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2017/07/11/26175

  • 「Google Site Search終了を契機に考える『サイト内検索』の重要性とベストな乗り換え先」は、Web担当者Forumミーティングのレポート記事です。

    Googleは、企業向けに有料で提供しているサイト内検索サービスの「Google Site Search」を2018年3月末に終了すると発表しました。サイト内検索の乗り換えの課題とは。

    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2017/07/14/26091

  • 「ネット広告・CRM施策でKPIが伸び悩んでいる……。そんなあなたに、成果が出る“パーソナライズド動画”」が公開されました。

    動画マーケティング活用が拡大するなかで、ユーザー1人ひとりに個別の内容を配信することでOne to Oneを実現する“パーソナライズド動画”が注目されています。

    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2017/07/11/26214

Web担の姉妹サイトもお役に立てるはずです。
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セミナー/お知らせ要チェック | 求人情報 | 人気記事 | 解説記事 | ニュース
UX戦略フォーラム、アドテック東京、Googleアナリティクス徹底解説など、イベント・セミナー情報

※「先週のニュース記事」の「イベント/セミナー」欄ユーザー投稿でのセミナー告知もご覧ください。

リスク対応(7/21)

「インターネットモニタリングを活用したコンプライアンスチェック方法と対応方法」セミナーをホットリンクが7月21日(金)に千代田区で開催します。リスク対応に強い弁護士も講演。参加費は無料。

http://www.hottolink.co.jp/seminar/20170721-1

グローバルWebサイト(7/28)

グローバルWebサイトの「要注意ポイント+個客体験実現」セミナーが7月28日(金)に東京・御茶ノ水で開催されます。サイトコアとLYZONの共催、参加費は無料。

https://www.lyzon.co.jp/ja-JP/news/2017/20170628.aspx

UX戦略フォーラム(8/7)

「ソシオメディアUX戦略フォーラム 2017 Summer」をソシオメディアが8月7日(月)に東京・丸の内で開催します。今回はUXマネジメントがテーマ。参加費は定価20,000円、過去来場者割なども。

https://www.sociomedia.co.jp/7537

体験型マーケカンファレンス(8/30)

体験型マーケティングカンファレンス「BACKSTAGE」が8月30日(水)に東京・虎の門ヒルズフォーラムで開催されます。BACKSTAGE実行委員会主催、チケットはスタンダード10,000円のほか、VIP、早割など。

http://backstage.tours/

Googleアナリティクス徹底解説(9/26)

衣袋宏美氏が教える「Googleアナリティクス『セグメント機能』徹底解説セミナー(第3回)」が9月26日(火)に渋谷区で開催されます。参加費は通常44,800円、7月末まで早割あり。

http://gaseg03.peatix.com/

アドテック東京(10/17~18)

「アドテック東京 2017」が10月17日(火)~18日(水)に東京国際フォーラムで開催されます。スペシャル対談は、ほぼ日 糸井重里氏とJR九州会長 唐池恒二氏。チケットは無料のビジターパスから20名限定のVIPパスまで。

http://adtech-tokyo.com/ja/

Web担当者向け新着求人情報
要チェック | セミナー | 人気記事 | 解説記事 | ニュース

先週の人気記事 要チェック | セミナー | 求人情報 | 解説記事 | ニュース

Web担で先週公開された記事のうち、「今回の要チェック」に次いでアクセスが多かった記事です。

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  • 単発記事
    なぜSEO、UXを考えないとサイトリニューアルは失敗するのか?/SEO土居氏×UX枌谷氏(中編)
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    千趣会も驚いたLINEの集客効果とは? 担当者が語る「LINEショッピング」活用ポイント
    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2017/07/10/26272
    by 瀧川 正実(ネットショップ担当者フォーラム)
  • デジマラボ出張所
    あのユニクロもチャットボットを導入。コンシェルジュbot “UNIQLO IQ” 早速使ってみた
    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2017/07/12/26313
    by BITAデジマラボニュース
  • 稲富滋のWebマスター探訪記
    おもしろいプロモーションでお馴染みのあの企業。Webサイトもスゴい!/日清食品HDの松尾さんに聞いた
  • 企業ホームページ運営の心得
    売れるとはバカに見つかること、ネット時代の折れない心の作り方
    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2017/07/12/26255
    by 宮脇睦(有限会社アズモード)
  • 編集長ブログ―安田英久
    AKB総選挙に税金2800万円、その目的とKPIはおかしいのか正しいのか
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先週の解説記事 要チェック | セミナー | 求人情報 | 人気記事 | ニュース

Web担の解説記事には、ウェブサイトをビジネス活用したい人向けの情報がたっぷり詰まっています。

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  • ユーザー投稿記事 by KAN (株式会社 環)
    【Googleアナリティクスセミナー】事業貢献度を把握したいマーケティング・広報担当者のためのGA基礎研修~実践編
  • ユーザー投稿記事 by 株式会社キノトロープ
    WebリニューアルにおけるRFP(提案依頼書)の作り方【無料セミナー 8/4(金)開催(キノトロープ)】
  • ユーザー投稿記事 by 株式会社アイアクト/星さくら
    「AI×ビジネス=見えてきたAI活用の最適解」
  • ユーザー投稿記事 by 株式会社パワー・インタラクティブ
    『BtoBサイトのための、Googleアナリティクスを商談創出に活かすPDCAサイクル設計講座』を8/25東京
  • ユーザー投稿記事 by 株式会社メンバーズ
    【残席わずか!無料セミナー】ユーザー視点で見直す日本企業のグローバルサイト ~リクルートなど企業サイトの事例から~
  • ユーザー投稿記事 by NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社
    【無料セミナー】オムニチャネルを成功に導く 最新の顧客データ管理とは? ~カスタマー・アイデンティティ・マネジメント~
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    5秒で19%が離脱? 自社スマホサイトの読込時間と離脱率をさくっと調べられるGoogleのサービス登場

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大手のニュース媒体では紹介されない、ホームページの企画・構築・運営や、ウェブマーケティング関連のニッチなニュース記事ならWeb担で。

背景色が薄く黄色になっている項目はWeb担編集部のお勧め記事。

編集後記

会社から徒歩1分の小諸そばが設備故障で休業に入ってしまいショック。まあ神保町には3店舗あるのですが、夏期メニューが終わる前に復帰を!(池田)

Web担の編集後記も毎月末に更新してますので、よろしければご覧ください:
http://web-tan.forum.impressrd.jp/editors_note

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[ユーザー投稿] 【7/25無料セミナー】MA効果を最大化し、成功に導く3つのポイントとは?

「トレタ」と「スマレジ」がデータ連携、会計情報と顧客情報を一元管理

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予約/顧客台帳サービスのトレタは、同社の予約/顧客管理サービス「トレタ」とタブレット型POSレジのスマレジが提供するPOSレジ「スマレジ」とのデータ連携を開始した、と7月18日発表した。トレタが開発したPOSシステム連携API「トレタPOSコネクト」を活用することで実現したもので、スマレジが持つ注文内容や会計情報などと、トレタが持つ予約情報や顧客情報が一元化できるようになる。

トレタとスマレジの連携により、顧客ごとの嗜好の把握や利用金額の蓄積など、細かな顧客分析が可能になり、顧客満足度の向上や来店頻度の上昇、売上向上につながるという。連携により、スマレジの注文履歴や会計情報をトレタに自動保存し、スムーズな予約対応が実現する。トレタの予約情報をスマレジのオーダーエントリーシステム「ウェイター」で表示できるので、細やかな気遣いが可能になる。

TIS、統合マーケティングツール「TIS MARKETING CANVAS」に3つのソリューションを追加

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ITソリューションのTISは、統合マーケティングツール「TIS MARKETING CANVAS」の提供範囲を拡大し、顧客データの一元管理や複数チャネルでの一貫性のあるコミュニケーション施策などを実現するソリューションを追加する、と7月18日発表した。今回追加したソリューションは「Contents(Web、モバイルフロント)」「Commerce(ECフロント)」「Contact(電話、チャット、SMS)」の3つで、データ活用から顧客接点(チャネル)の構築までの一連の施策を実行するための基盤を提供できるようになった。

TIS MARKETING CANVASは、「散在するデータ資産を統合的に管理し、顧客理解を深めマーケティング施策に活用できる仕組みづくり」や「市場変化のスピードに呼応したマーケティング機能の早期の立ち上げ」が、企業のマーケティング業務で重要な課題となっていることから、ソリューションを追加することになった。TISはインテグレーション技術・ノウハウや業務知識と、システム運用のノウハウを活用したTIS MARKETING CANVASを提供することで、企業のマーケティング業務の高度化を支援していく。

アライドアーキテクツ、ユーザー生成コンテンツのマーケティング活用を支援する「UGC事業部」発足

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ソーシャルメディアマーケティングのアライドアーキテクツは、SNS上に投稿したUGC(User Generated Contents=ユーザー生成コンテンツ)を活用したマーケティングを支援する「UGC事業部」を発足した、と7月13日発表した。スマートフォンの普及で膨大な量の画像・動画がSNS上で生成され、消費行動にも大きな影響を及ぼしつつある。アライドアーキテクツは、今回、顧客企業に最適なUGCのマーケティング活用を提案・支援することを目的に、UGC事業部を発足することにした。

アライドアーキテクツは、UGCのマーケティング活用ニーズの拡大に着目してきた。UGC事業部は、アライドアーキテクツのUGCを活用したSNS広告クリエイティブプラットフォーム「Letro(レトロ)」をはじめとする関連サービスの拡販やセミナー、情報サイト、ニュースレターなどを通じて効果的な事例や情報を発信し、UGCマーケティング領域という市場の発展を牽引していく。


AIで流入を改善!? ビズリーチが初めて挑んだメディア事業が目標の430%に急成長した秘密

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(左から)ビズリーチ BizHint事業部 大森厚志氏、執行役員 関哲氏、Faber Comapany 取締役CRO 副島啓一、エグゼクティブマーケティングディレクター 月岡克博
(左から)ビズリーチ BizHint事業部 大森厚志氏、執行役員 関哲氏、Faber Comapany 取締役CRO 副島啓一、エグゼクティブマーケティングディレクター 月岡克博

転職サイトを運営するビズリーチは、人事担当者のための専門メディア「BizHint HR(以下、ビズヒント)」を2016年8月にスタートした。コンテンツマーケティングは同社にとって初めての取り組みだったが、オーガニック検索(自然検索)からの流入数が当初予定していた430%という急成長を見せている。

誕生したばかりの専門メディアが、なぜ急成長できたのか? その秘密は、ユーザーの検索意図を分析し、コンテンツ制作現場の意思決定を助けるツールと人工知能(AI)の活用にあった。ビズヒント事業部長の関哲氏と現場責任者の大森厚志氏、そしてコンテンツ施策を指南したFaber Companyの副島啓一、月岡克博に聞いた。取材・執筆はFaber Campanyに所属する筆者が行っている。

人事向けメディア「ビズヒント」
人事向けメディア「ビズヒント」サイトで見る

量産したコンテンツではなく「質の高さ」で勝負したかった

――「ビズヒント」はどのようなメディアなのですか?

ビズリーチ 執行役員 BizHint事業部長 関哲氏
ビズリーチ 執行役員 BizHint事業部長
関哲氏

関哲氏(以下、関)今は「働き方改革」「ダイバーシティ」などが話題ですが、終身雇用から多様な働き方へシフトするなかで、「人事担当者の苦労が増えた」という現象が起こっています。そこで、「ここに来るだけで人事の悩みが解消できる」ニュースサイトを立ち上げようと、2016年8月にスタートしたのが「ビズヒント」です。

――コンテンツマーケティングに本格的に取り組んだのは初めてだったそうですね。

はい。当社の集客はリスティング広告中心でしたが、採用・転職市場が盛り上がるなかで、広告の単価もどんどん上がってきていました。「このまま広告にコストをかけ続けるよりも、オーガニック検索(自然検索)からの集客に腰を据えて取り組もう」と考えたのです。

しかしSEOに詳しい人に相談しても、当時はまだ「SEOで成果を出したいなら、大量に記事を作れ」というアドバイスが主流でした。そんなときにFaber Campanyさんの「ユーザーの検索意図に寄り添って、質の高いコンテンツを作る」という話を聞いて、すごく腹落ちしたんです。

Faber Company エグゼクティブ・マーケティング・ディレクター 月岡克博
Faber Company エグゼクティブ・マーケティング・ディレクター
月岡克博

月岡克博(以下、月岡)関さんのところへお伺いしたとき、「どうやってユーザーの検索意図を読み解くのか」についてお話していたら、「そうですそうです」とすごく共感してくださったのを覚えています。

人事領域は昔から、アカデミックに研究されてきた分野です。それだけに「数打ちゃ当たる」の姿勢で量産したコンテンツでは、プロフェッショナルの人事担当者に納得してもらえません。「記事の本数は絞っても、情報感度の高い人事担当者に満足してもらえるような、質の高い読み物が常に手に入るメディアにしたい」という思いがあったので、なおさらでした。

コンテンツマーケティングは1回仕込んでおしまいではなく、継続的な改善が必要です。だから内製がいいと考えていたのですが、検索意図を調べる「MIERUCA(ミエルカ)」は職人向けの道具箱みたいなツールで、素人がすぐに使いこなせるわけではありません。しかし提供元であるFaber Companyのサポートがあれば、その「職人」を社内でも育てられると思いました。

半年で自然検索の流入数が26倍に。良質なコンテンツと出会える「場」が求められていた

――その「職人」に選ばれたのが大森さんだったと。

ビズリーチ BizHint事業部 大森厚志氏
ビズリーチ BizHint事業部
大森厚志氏

大森厚志(以下、大森)はい。私は多少リスティング広告の経験はありましたが、コンテンツ制作やSEOの領域は初めてでした。最初は右も左もわからなくて。

わからないから最初は副島さんたちの指導についていくだけでも精いっぱいですし、コンテンツは最初の1、2か月ですぐに効果が出るわけではありません。しかし、半年こらえて続けると成果が出始めて、そしてノウハウも自社に蓄積できはじめました。

――成果というと、サイトの流入数ですか?

はい。そのなかでも自然検索からの流入数を見ています。

具体的には、ミエルカを導入した2016年11月当時を100とすると、2017年5月が2600ぐらい。「6か月で6倍」を目標にしていたのですが、実際は約26倍も自然検索流入が増えました。当初の目標からすると430%にあたり、素晴らしい成果だと考えています。

最初の1、2か月は動きがなかったが、半年後に自然検索の流入が26倍に増加した
最初の1、2か月は動きがなかったが、半年後に自然検索の流入が26倍に増加した

オーガニック検索からの流入だけではなく、ビズヒントの新規会員登録数も成果を測る指標として見ています。2017年内に3万人、来年には8万人が目指せるほどの手応えを感じています。しかも、特に情報感度が高い人事担当者の方に来ていただいている印象があります。

――ビズヒントは他社メディアの人事関連のニュースも紹介しています。オリジナルコンテンツと他社メディアのニュースで、流入に差はありますか?

ビズヒントでは、オリジナルコンテンツのほかに他サイトの人事組織・採用関連の優良記事も1か所にまとめてお届けする役割も担っています。こうした他社メディアのニュースは、あくまで「ユーザーのリテンションのためのもの」と位置付けていて、検索エンジンにクローリングさせていません。オーガニック検索からの流入は、すべて社内で制作しているオリジナルコンテンツ経由のものです。

他社メディアのニュース紹介については、掲載許可をいただいた企業様やビジネス系メディア様からも喜びの声をいただいています。発信する側の立場でも、「常に人事領域の良質なコンテンツと出会える」という場所を、潜在的に求めていらっしゃったのだと感じました。

「届けるべきコンテンツは何か」を共有する軸としてツールを利用

――具体的にどのようにコンテンツを制作しているのかを教えてください。

大森まずはツールを使ってコンテンツの構成案を作ります。たとえば「人事考課(メンバーの貢献度・業績などを一定の基準で査定し、人事に反映すること)」についてのコンテンツなら、サジェストキーワードから「人事考課とは何か」「必要性」「人事評価との違い」などを知りたがっているユーザーニーズを抽出できます。さらに関連するテーマ・トピックを分析して、必要な情報を精査したうえで、執筆に取り組んでいます。

グーグルの「人事考課」に関するサジェストキーワードを分析したネットワーク図。ユーザーの検索意図がグルーピングされている(ミエルカで作成)
グーグルの「人事考課」に関するサジェストキーワードを分析したネットワーク図。ユーザーの検索意図がグルーピングされている(ミエルカで作成)

――コンテンツマーケティングにはオリジナリティも重要です。それはどのように取り組んでいますか?

大森ビズリーチの社内は独自情報の宝庫なので、詳しい社内の人間に取材して記事を作ることも多いですね。社会保険労務士など、専門家の監修や知見が必要なケースは、有資格者自身に書いてもらったりしています。記事で提供するコンテンツの質はメディアの信頼性にもかかわるので、内容のチェックは企業として特に責任をもって行っています。

月岡その企業でしか作れないような独自性のあるコンテンツに仕上がると、再訪率が高くなる傾向があります。結果、「サイトとユーザーのエンゲージメントが高まり、コンバージョンにつながりやすい良質なリードに転換する」という好循環が生まれますよね。

そうですね。とはいえ、おのおのが勝手にオリジナリティを発揮してもダメです。「このサイトの対象者に届けるべきコンテンツは何か」という物差しを全員で共有しなければなりません。そこを明確にできているのはツールのおかげです。ユーザーの検索意図を基準として全員で共有しているからこそ、コンテンツ投入後のリライト施策でもぶれずに成果が出せるようになりました。

リライト施策にはAIを活用。タイトルと内容を分析して改善

――リライトではどんな対策をされていますか?

大森ミエルカの「AIで改善」という機能を使っています。先ほどの「人事考課」のページでは、タイトルと本文を変更した結果、検索順位が4位から1位に改善しました。

  • 2月6日: 以下のタイトルで記事を投入
    「人事考課の意味とは?評価の違いと、ポイントをわかりやすく解説」
  • 4月13日: ミエルカのAIから以下2つの指摘
    1. タイトルに「能力」「項目」というキーワードを追加してみては?
    2. 記事本文にフィードバック方法についての内容を追加してみては?
  • 4月26日: AIの指摘に従って以下のタイトルに変更し、フィードバック方法についても記事本文に追加
    「人事考課の意味とは?能力で判断?評価との違いと、項目・ポイントを解説」
  • 6月7日: 「人事考課」の単ワードで検索順位が4位から1位に上昇
公開済みの記事を分析して、どう改善すればユーザーが知りたい内容になるのかをAIが提案してくれた
公開済みの記事を分析して、どう改善すればユーザーが知りたい内容になるのかをAIが提案してくれた

大森提案をもとに実際に検索結果画面(SERPs)を調べると、検索ユーザーの「能力によって考課が変わるのか? ということを知りたい」というニーズが見えてきました。それで分析結果をもとにしてタイトルと内容を改善したところ、キーワードの検索順位をスコア化した「ファインダビリティスコア(検索エンジンでの『見つけやすさ』を表す数字)」が徐々に上がり、2か月後には「人事考課」の単ワードで検索順位が1位になりました(2017年6月現在)。

AIが提案した改善案で流入が250%に。ちょっとした差に人は気付けない

別の例だと、「リファラル採用」のページでは、もっと明確に効果がありました。リファラル採用とは、社員やその知人などからの紹介・推薦を採用活動につなげる方法のことです。AIが提示したとおりにタイトルを変更しただけで、セッション数が改善前の250%になったのです。

「リファラル採用」ページタイトル変更後の検索順位(5位→1位)とセッション数(250%改善)の推移
「リファラル採用」ページタイトル変更後の検索順位(5位→1位)とセッション数(250%改善)の推移

――AIはどのような提案をしたのですか?

大森リファラル採用は人事領域におけるホットワードなので、注力したいキーワードでした。ただ、コンテンツを投入してもなかなか検索上位に上がらない。この壁を何とか突破したいと、「AIで改善」で分析したのです。

このときあぶり出された問題点は、「せっかく本文に『リファラル採用という言葉の意味』や『リファラル採用をやるメリット』が含まれているのに、タイトルに「意味」や「メリット」が入っていないせいで、ユーザーがクリックしていない」という点でした。

言われてみれば「ああ、確かに!」と納得でしたね。下記のようにタイトルを変え、半月後には検索順位が1位になりました(2017年6月現在)。

「意味」や「メリット」がタイトルに入っていないという指摘に従い改善した
「意味」や「メリット」がタイトルに入っていないという指摘に従い改善した
Faber Company 取締役CRO 副島啓一
Faber Company 取締役CRO
副島啓一

副島啓一(以下、副島)このちょっとした差に、人間は気付けないんですよね。「AIで改善」は、現在のページに欠けている「ユーザーが知りたいであろう特徴的なトピック」をAIが勝手に分類して集めてくれる機能です。メリットとしては、「今現在のユーザーの検索動向」に合わせて最新の結果を出してくれる点、そして改善後のCVや流入数までAIが予測できるので、「費用対効果」を見極めやすい点があります。

月岡「今現在の」というのがポイントです。たとえば言葉が世の中に浸透する前は、ユーザーは「リファラル採用って何?」ということを知りたい。でも、世の中で認知された後では、知りたい情報が変わります。「AIで改善」は、その瞬間に必要な改善案を提示できるので、機会損失も防げるかと思います。

それは大きいですね。もしその提案がなければ、「流入が稼げそうだから」という理由で不本意なトピックを追加してしまうかもしれません。それでも成果が出ないと、施策の打ちようがない。僕らが正しくやり続けてこられた理由は、ミエルカが的確に「打ち手」と「ゴール」を教えてくれるからだと思います。

AIは「気付きのきっかけ」。分析を自動化すればメディア運営が楽しくなる

――ちなみに「AIで改善」の提案が当たる確率はどの程度なのでしょうか?

副島今のところ、7勝3敗ぐらいです。現状の流入数や順位といった「状況観測」ができるツールは多いのですが、そのデータをもとに施策を意思決定するのは非常に難しい。なので、分析はある程度自動化し、担当者のスキルによらず「意思決定」と「アクション」ができるようにと、ミエルカの開発を続けています。

大森当社でも、AIは「気付きのきっかけ」となる情報を提示してくれる存在ととらえていて、そのうえでビズヒントが目指す世界観を見据えて、意思決定をしています。

月岡膨大なデータの調査・分析は機械に任せて、「このメディアがどうやったら魅力的になるか?」という人間にしかできない企画に頭と時間を使えると、メディア運営が楽しくなりますよね

ヒートマップでUI改善の取り組みも開始。注目は「読了率」

大森最近はビッグワードでも検索上位になることが増えました。「面談」のページも、「AIで改善」で抽出した「面談と面接の違い」を図解で追加して、1位になっています(2017年6月現在)。

文章が続いている部分でユーザーが離脱していたら、図解に変える。「どこまで読んでもらったか」「飽きていないか」を確かめてUIを改善する。こうした指標も今後は施策に影響すると考え、今はヒートマップも活用し始めました。

副島読んでもらえたかどうかも大事ですね。たとえば「ソーシャルから1万人集めたけれど、全然内容を読んでくれなかった」では意味がありませんし。実は今、ミエルカで「読了率(最後まで読み終わったユーザーの割合)」も掛け合わせた新しい指標を開発中なんです。

新機能、楽しみですね。ビズヒントでは「何回も再訪してくれるようなユーザーとの関係構築」が今後の課題です。「再訪率が高いユーザーは、何割が最後まで読んでいるのか?」「会員登録を促すコンテンツは、何%スクロールしたところで表示するのが適切か?」そういうデータも蓄積して、ユーザー体験向上に生かしたいですね。

――ありがとうございました。

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この記事の筆者

井田奈穂(いだなほ)

早稲田大学卒業後、記者、ライターとして活動。大手英会話教材のWeb担当を経て、株式会社Faber Company所属。

株式会社Faber Company

10年以上経験を積んだ、コンテンツマーケティングのノウハウを「ミエルカ」にてシステム化。「ミエルカ」では、人工知能(AI)の一分野である「自然言語処理」を応用し、クラウド上で「自社サイトの改善すべきページの抽出」「ライバルサイトとの差異の発掘」などを簡単に行うことができる。開発陣には、ウェブアナリストでCAO(Chief Analytics Officer)・小川卓に加え、国立大学豊橋技術科学大学情報・知能工学系の吉田光男助教、明治大学理工学部情報科学科・高木友博教授、東京大学情報基盤センター・中川裕志教授らも加わる。ソフトウェア特許を申請中。

10年コラムを書き続けられた理由、自分ファーストで身につける継続力 | 企業ホームページ運営の心得

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心得其の512

プロフェッショナルが持っている力

Rawpixel Ltd/Thinkstock

本連載のカラータイマーがゼロになるまであとわずか。とはいえ、実感が湧かないのは、他の連載の締め切りにも追われ、心の余裕がないからだけではなく、本連載の執筆がない、これからの1週間をすっかり忘れてしまっているからです。

自己啓発とかポエティックな表現ではなく、強制的に生活の一部に組み込む術を続けてきた結果です。

何をやっても長続きしない。こんな悩みをもっているWeb担当者もいるかもしれませんが、安心してください。とっても簡単な方法で「継続力」は身につきます。

会社員を経て独立し、さまざまなジャンル、階層の人を見てきて、私が身につけなければならないと痛感したのが継続力です。独立当初の私にこの機能はなく、直感力と反射神経だけで生きていました。しかし、付け焼き刃が永遠に通じるほど社会は甘くはありません。

そして、プロフェッショナルな人ほど継続力を持っていることに気づき、継続力を求めて試行錯誤して、ある方法にたどり着きました。それは「当たり前」。10年の週刊連載を続けた私が身につけた拍子抜けするほど簡単な方法です。

ニワトリと卵の議論

あらかじめ断っておきますが、「継続することより、中身が重要だ」との指摘はその通り。しかし、そもそも継続できなければ、質を高める機会も失ってしまいます

これは鶏が先か卵が先かの議論に似ていますが、学生時代に反省文しか書いたことのない私が、新聞社発行の論壇誌に連載を持ち、なにより本サイトで10年もの間、末席に居座り続けることができたのは、身につけた継続力があってこそ。

もちろん、読者の皆様のご厚情と、編集部のフォローがあってのことですが、継続とは武道における「量稽古」のようなもの。これが執筆に限ったことでないのは、言うまでもないでしょう。

簡単だけど難しいコト

どうすれば継続できるのか、拍子抜けするほど簡単な方法を紹介します。それは「時間の確保」です。

  • ブログの執筆は毎週水曜日の14時から15時
  • ツイッターなら毎朝9時から15分間

などと予定に組み込み、時間を確保します。とても簡単で当たり前のことですが、長続きしない人は、その時間を確保していません。

ブログが普及する以前から、Webサイトは定期的な更新が重要だと言われてきました。その昔、「日記型掲示板」による手軽な更新が喧伝されたころ、その実装を自慢するサイトオーナーに日記更新のタイミングを尋ねたことがあります。

彼は「ネタが浮かんだときに、ぱぱっと書く」と胸を張りました。裏返せば、ネタが浮かぶまで作業に取りかからないということ。更新されない「廃墟物件(サイト)」になるまでの時間はわずかでした。

ルーティンの大切さ

時間の確保にもコツがあります。できるだけ同じ曜日、同じ時間で確保することです。これは本連載の執筆を生活の一部に取り込んだ方法、すなわち「習慣化=ルーティン」という奥義です。

人間は、できるだけ同じルーティンで過ごしたいと願う生き物です。ルーティンの変化はストレスになるため、曜日、時間を揃えて自分自身に日常だと錯覚させ「習慣」にしてしまうのです。

習慣化は周囲への波及効果も期待できます。決まった曜日、いつもの時間に同じ作業を繰り返すことで、上司や同僚が行動を容認し、ときには尊重してくれるようになることがあります。

これは変化を嫌う人間の習性の裏返しでもあり、ルーティンにすることで周囲の人々がそれを平時と上書きしてしまうのです。

本稿は毎週水曜日の午後に執筆しており、それを知っているお客のなかには、水曜日の午後は電話どころかメールすら遠慮してくれる人がいます。

自分ファーストの意味

予定が入るかもしれない。毎週、同じ時間は難しい。

そんな声もあるでしょう。しかし、時間を確保すること、すなわちスケジュールを立てるときの極意は「エゴイスト」になることです。傲慢に自分の都合を優先する、すなわち「自分ファースト」で時間を確保していきます。未確定の予定は無視して結構です。「予定(仮)」にあわせる必要はありません。

継続力の乏しい人は、周囲の状況に合わせる傾向が強く、言い換えれば「振り回される人」だということ。望んでいるのではないかと疑うほどです。

確かに未来には不確定要素が多く、決めかねることが多いのも事実ですが、周囲という外的要因に自己決定権を委ねる姿と自分ファーストは正反対の考えです。未来を決めるのは誰かではなく、自分が決めると宣言するのです。

時間を決めたらやるしかない

予定は未定との軽口もあるように、別の予定が割り込みそうになることは多々あること。そのときは必ず、別の日時にならないかを交渉します。あくまで「自分ファースト」とエゴを通すのです。

少々、余談に流れますが、ビジネスのTipsを紹介しておきます。打ち合わせなどの日時の取り決めは、何度かやり取りをするなり、いくつかの候補をあげてから決めるといった、「交渉」を経た方が、信頼関係を構築しやすい傾向があります。

相手の人間性にもよりますが、言われるがままリクエストに応える相手を軽く見る人がいるからです。これも「自分ファースト」をすすめる理由の1つです。

時間を確保したなら、やる(書く)しかない。そうして続けるうちに、いつの間にか継続力が身につき、10年間書き続けてきました。

次回はいよいよファイナル。まだ、ネタを考えていません。継続力は身につきましたが、計画性はまだまだのようです。

今回のポイント

なにより時間を確保し

自分本位でルーティン化する

この記事の筆者

宮脇 睦(みやわき あつし)

プログラマーを振り出しにさまざまな社会経験を積んだ後、有限会社アズモードを設立。

制作、営業の双方の現場を知ることからウェブとリアルビジネスの融合を目指した「営業戦略付きホームページ」を提供し、一業種一社、制作案件は足立区内のみという営業施策をとっている。本業の傍らメールマガジン「マスコミでは言えないこと」を発行。好評を博す。著書に『完全! ネット選挙マニュアル』(Kindle版)、『Web2.0が殺すもの』『楽天市場がなくなる日』(ともに洋泉社)、冷静な視点からのIT業界分析に「月刊正論」など、様々な媒体から情報発信を続ける。

Amazon侵攻開始!AWS AI ソリューション『Polly』『Rekognition』が安すぎてスゴすぎた | デジマラボ出張所

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さて皆様、やや今更感もありますが、『Amazon AI』ってご存じですか?

2016年の12月の『AWS re:Invent』で公開されたAmazon謹製のAIソリューション群なんですが、今回はこの中から音声認識・解析系の『Polly』、画像解析系の『Rekognition』に触ってみました。

で、実感として 『おいこれ安いな…』と改めてビックリしたので以下レポートしてみたいと思います。

Amazon AIて…とりあえず何ができる何なのこれ?


とりあえず全部揃ってるらしい

ざっくり『できること』ベースで書いてしまうと、『頑張れば大体なんでもできるでっかいプラットフォーム』で話が終わってしまいます。

なので、今回はそのソリューション群の中から特に分かりやすいやつをピック。 既に学習済みで、サービスとして提供されている以下を試してみました。

  • 自然言語理解と対話を可能にする『Amazon Lex
  • 24ヶ国語に対応し多言語文章を音声で読み上げる『Amazon Polly
  • 画像内の物体やシーン、顔を検出し分析できる『Amazon Rekognition

※Amazon Lexについてはまだ対応が英語オンリーで、加えて以前デジマラボで思いっきり細かくレポートしたことがあるので今回は割愛。

24ヶ国語に対応し多言語文章を自然な音声で読み上げてくれる『Amazon Polly』

https://aws.amazon.com/jp/polly/

  • 無料枠:最初のリクエストから12ヶ月間、500万文字/月 まで無料
  • 料金:以降は100万文字あたり0.02ドル~4ドル(従量課金制)

もう見出しで全部いいきっちゃってますが、要するに読み上げツールの1つです。

今のところ24の言語に対応し、言語によっては(日本語は1パターンのみですが)複数のキャラクター選択も可能。もちろんアプリやWebからの呼び出しもカンタンという便利なサービス。

仕組みとしては以下のような感じ

つまりテキストを意味分類し、指定言語において『その文脈で読み上げるには何が適切か』をまず判断。

さらにそこから『この文節の並びならこんな抑揚になるはず』という音韻を学習データから作成。調整して出力するイメージらしいですね。

この仕組みなら、例えば日本語特有の『かなカナ仮名&アルファベット混じり』のテキストでも割となんとかしてくれたりしちゃいます。

これは既存テキストを上手く活かしたい場合にかなり有用ですね。安すぎるほど安いですし。

実際のデモ例


別タブで再生する場合はこちら

リップシンクに使える?スピーチマークデータ出力も

なんとこのPolly、返ってくるデータにスピーチマークと呼ばれる『その文節しゃべる時の唇の形』『語句と文を切り分けるポイント』をセットにしたデータ出力が可能だったりします。

以下がその一例。

{"time":0,"type":"sentence","start":0,"end":54,"value":"音声の再生音韻は日本語だとまだまだ。"}
{"time":6,"type":"word","start":0,"end":6,"value":"音声"}
{"time":6,"type":"viseme","value":"o"}
{"time":105,"type":"viseme","value":"k"}
{"time":194,"type":"viseme","value":"s"}
{"time":306,"type":"viseme","value":"@"}
{"time":455,"type":"word","start":6,"end":9,"value":"の"}
{"time":455,"type":"viseme","value":"t"}
{"time":534,"type":"viseme","value":"o"}

例えばLive2Dとかのキャラと合わせて、妙にリアルに口と動きがシンクロするキャラの作成…とかもまぁ可能っぽいですね。(何に使うのかはイマイチ思いつかないですが;;)

もちろん以下のように 文単位オンリーのデータ出力も可能なので、音声データからの形態素解析専用APIとして活用。みたいなこともできるかもです。

{"time":6,"type":"word","start":0,"end":6,"value":"音声"}
{"time":455,"type":"word","start":6,"end":9,"value":"の"}
{"time":594,"type":"word","start":9,"end":15,"value":"再生"}
{"time":1136,"type":"word","start":15,"end":21,"value":"音韻"}
{"time":1521,"type":"word","start":21,"end":24,"value":"は"}
{"time":1661,"type":"word","start":24,"end":30,"value":"日本"}
{"time":2068,"type":"word","start":30,"end":33,"value":"語"}
{"time":2178,"type":"word","start":33,"end":36,"value":"だ"}
{"time":2326,"type":"word","start":36,"end":39,"value":"と"}

実際にWebサービスやアプリから利用する際にはこの辺のサンプルソースを参照。

さらに(機能的にはまだ微妙な感じなので深掘りしないですが)レキシコンを用いた言い換え指示も可能。要するに『www』をワールドワイドウェブと読ませたりする指定ができる機能みたいです。※参照

将来的に『声色データをこっちでアップして学習 ⇒ 出力』なんてこともできるように…なったりするんですかね?楽しみです。

画像内の物体やシーン、顔を検出し分析できる『Amazon Rekognition』

https://aws.amazon.com/jp/rekognition/

  • 無料枠:最初のリクエストから12ヶ月間、画像5,000枚/月 まで無料
  • 料金:以降は画像1000枚あたり0.4ドル~1ドル(従量課金制)※詳細

これまた妙なほど安いですが、こちらはAPIで利用できる画像解析ソリューション。

物体とシーンの検出、顔の分析、顔の照合(この写真の人とこの写真の人は同一人物化否か)、顔認識などなどに使えるらしく、GoogleのCloud vision APIと近いコンセプトのツールみたいですね。

実際幾つか試してみましたが、例えばこんな感じ。


家具、机、紙、など。基本的なオブジェクト認識は得意っぽい

実際この機能についてはそこまで細かな分析はできないっぽいですが、それでも机の上というシーン検出はできてるっぽいです。

さらにビックリなのは人間の顔分析。こちらは既にかなりの精度。


わかりにくい微妙な表情から『笑顔』『幸せそう』などのタグ付けができています。

目の開き方や口角の上がり方などから感情タグを返してくれたり、大量の写真の中から特定の人物の写真だけを選択したり。

あるいは『2つの写真の似てる度合いを自動判別』したり…などなど。


複数の顔を検出しつつ、対象の顔との類似度を返してくれる。画像類似度ではなく顔検知からの類似度検出なので、顔以外には現状使えない。

他にもいわゆるいかがわしい画像かどうか?の判別機能も提供されているので、この辺のSDKを活かして例えば…

  • サービスに組み込んでの投稿画像自動バリデーション
  • 表情分析を使って店頭設置カメラからのユーザー態度変容調査
  • 同一人物の写真を抜粋する機能提供

などなど。なんとも『あったら嬉しい』な機能をライトに試せそうな印象でした。

枚数によってはCloud vision APIより相当お安く?

もちろん使い方しだいって話ではあるものの、同様の機能を持つGoogle Cloud vision APIと比べてもかなり割安な価格設定です。やっぱり。

Amazon Rekognition 料金表

Google Cloud vision API 料金表

月1000枚以内とかって小さな用途であれば無料のGCPには叶いませんが、ある程度本格的に使おうと思ったらAmazonのほうが思いっきり安くなる…といった設定。

お得意の『安価で殴り込む』スタイルは健在っぽいですね。

ガンガン廉価化が進む各種AIソリューションの利用料と、僕らの考えるべきこと

ちょーどクラウドが流行りはじめた頃に似ていますが、案の定『世界中で使える安いやつ』を大手がガンガンリリース ⇒ それらを上手く活用しつつ本業のビジネスに取り入れる流れ。なんかまた来てる感じがしていますね。

誰もが基本的な部分についてはラクラク組めるようになっていく中で、では自分たちはどこにどうこだわっていくべきか。どんな価値を生み出していくべきか。

ようやく『AIでなんかやった実績』ではなく本質的な部分が求められるようになっていく…んですかね。楽しみです。


何かやりたい!でもまだ何から考えればいいのかも分からない!という方は、ぜひともお気軽にデジマラボチームへご相談を。

世界中のあっちゃこっちゃで起こるAI導入成功・失敗事例と、各ベンダーの特性を把握しているからこそ提供できるプランと設計が(多分)あります。

ではまたー。

中村 健太 by
数多くのメディアコンサルとコンテンツクリエイティブに関わってきた経験を持つ株式会社ビットエーのCMO。KaizenPlatformのグロースコンサルとしても知られ、2014年より一般社団法人日本ディレクション協会の会長を務める。主な著書に「Webディレクターの教科書」「Webディレクション最新常識」など。

「BITA デジマラボ」掲載のオリジナル版はこちらAmazon侵攻開始!AWS AI ソリューション『Polly』『Rekognition』が安すぎてスゴすぎた

この記事の筆者

AI(人工知能)やbotなどの最新技術とデジタルマーケティングの現場をつなぐデジマラボの出張所です。

BITAが運営する「デジマラボ」の情報を、許諾を得てWeb担の読者向けにお届けしています。

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EC・オムニチャネルを学ぶ2日間・高知e商人 高知合宿

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「高知e商人養成塾」は9月9日、10日の2日間、高知県香南市のリゾートホテル「海辺の果樹園」で「第11回 高知e商人 高知合宿・変革」を開催する。

ランディングページのライティングやアフィリエイト広告の活用法など、6講演を2日間で受講する。

スケジュール

9月9日(1日目)

【セミナー①】市場規模マイナス98%における戦略
 株式会社徳田銘木 徳田 浩氏

【セミナー②】身のすくむ逆境の中、己を奮い立たせるものは?
 有限会社かんこめ 玄米おむすび「玄むす屋」 菅 圭一郎氏

9月10日(2日目)

【セミナー③】インターネットを使った商取引(電子商取引)の鍵は何かを経済学的な観点から考察
 日本銀行高知支店 支店長 大谷 聡氏

【セミナー④】理論があれば文才は要らない! CVRが必ず高まるランディングページ作成方法
 SEO検索エンジン最適化 住 太陽氏

【セミナー⑤】アフィリエイターを味方につけて売上を拡大する集客方法
 鈴木 珠世

【セミナー⑥】実店舗、EC、アプリの強みを活かすオムニチャネル戦略
~苦境から這い上がってきたEC運営やオムニチャネルのメソッドと取り組み事例を公開~

 株式会社メガネスーパー デジタル・コマースグループ ジェネラルマネジャー 川添 隆氏

開催概要

  • 第11回 高知e商人 高知合宿・変革
  • 日程:2017年9月9日(土)〜9月10日(日) 11:30 受付開始
  • 会場:高知県香南市夜須町手結山506-1 リゾートホテル「海辺の果樹園」[地図
  • 主催:e商人養成塾
  • 参加費:23,000円(税込)〜 ※宿泊料・食事・懇親会費込

申し込み・詳細

オリジナル記事はこちら:EC・オムニチャネルを学ぶ2日間・高知e商人 高知合宿(2017/07/18)

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アイレップ、Twitter広告のハンドルターゲティングの質と量を高める「Handle M@p」提供開始

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検索エンジンマーケティングのアイレップは、Twitter広告のハンドルターゲティング(指定したアカウントのフォロワーに広告を配信するターゲティング)におけるオーディエンスプランニングツール「HandleM@p(ハンドルマップ)」の提供を開始した、と7月19日発表した。従来のハンドルターゲティングと比べ、特定の趣味・嗜好の共通点をもつユーザーをより多く捉え、配信ターゲットの拡大とパフォーマンスの改善に貢献するという。

HandleM@pは、膨大なハンドル(アカウント)から特定の趣味・趣向を持つオーディエンスを捉え、適切なユーザーに広告を配信できる。HandleM@pは、プロモーションのターゲットに合わせ、著名なハンドルだけでなくTweet内容やハンドル間に共通するハンドルの傾向を加味して、独自にカテゴライズしたオーディエンス群を生成する。HandleM@p導入後、CPA(顧客獲得単価)が約23%改善し、CVR(顧客転換率)も約28%上昇、CTR(クリック率)も約9%上昇と効果改善がなされたケースがあるという。

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