Quantcast
Channel: Web担当者Forum
Viewing all 19485 articles
Browse latest View live

EC-CUBEがオンライン接客サービスとの連携強化、第一弾は「ecコンシェル」「ZenClerk」「Chamo」

0
0

Eコマース関連ソフト開発のロックオンは、EC向けCMSのEC-CUBE利用店舗の売上向上をサポートするため、EC-CUBEと「オンライン接客サービス」との連携を強化する、と6月20日発表した。オンライン接客サービスは、AI(人工知能)などを介し、Webサイト上で最適な接客ができるデジタルツールで、導入により、顧客満足度の向上やカゴ落ち対策などにより、売上向上を見込むことができる。EC-CUBEとオンライン接客サービスとの連携は現在、NTTドコモの「ecコンシェル」、Emotion Intelligenceの「ZenClerk」、チャモの「Chamo」との連携が完了している。

EC-CUBEは今後、店舗の売上向上を支援するため、積極的にサードパーティとの連携を強化する方針で、エフ・コードの「f-traCTA」など、複数のサービスとの連携を予定している。また、国内では初となるオンライン接客サービス4社がサービス紹介とパネルディスカッションを行うセミナーの実施や、特設サイトの新設など、サービスの導入支援による連携強化を目指していく。


Candeeとマテリアル、デジタルPR動画の企画・制作に特化した「ダブルアドバンス」設立

0
0

動画制作のCandeeとPR事業のマテリアルは、PRとデジタル広告、動画コンテンツ制作の連動性を高めるため、「ダブルアドバンス」を設立した、と6月20日発表した。動画広告の市場規模は成長し続けており、各プラットフォーム、ユーザーに適したPR動画コンテンツが必要なため、ダブルアドバンスを設立することにした。

ダブルアドバンスは、Candeeとマテリアルが連携することで、さまざまなデジタルプラットフォームに適したニュースや報道を起点とした動画コンテンツを提供することができる。「Facebook」「Twitter」「LINE」といったスマートメディアにおけるライブ配信を皮切りに、今後はさまざまなデジタルプラットフォーム上における動画PRコンテンツを展開していく。

シャノンとSCSKサービスウェア、BtoBマーケティングソリューションの提供で協業

0
0

BtoBマーケティング支援のシャノンと、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業のSCSKサービスウェアは、「SHANON MARKETING PLATFORM(シャノン マーケティング プラットフォーム・SMP)」の代理販売を含むBtoBマーケティングソリューションの提供で2017年6月19日から協業を開始した、と同日発表した。BtoBマーケティングの知見や経験が足りず、ツールやサービスをうまく活用できなかったり、デジタルコンテンツの準備が不足していたりと、成果に結びつかない企業も少なくないことから、シャノンのSMPとSCSKサービスウェアのノウハウを行かしたBPOサービスを組み合わせることになった。

シャノンとSCSKサービスウェアの協業によるサービスは「シャノンによる『SHANON MARKETING PLATFORM』の提供」「SCSKサービスウェアによるMAツール導入、各種マーケティング支援サービスの提供」となっている。SCSKサービスによる支援サービスの内容は「マーケティングアセスメントサービス」「SMP初期導入サービス」「SMPエスコートサービス(期間限定運用支援)」「デジタルコンテンツサービス」「マーケティング運用支援サービス」「インサイドセールス」などとなる。

[ユーザー投稿] 【無料セミナー】若者市場のシェアを伸ばすPR施策とは?効果的な若者向けプロモーションの3つのポイント

[ユーザー投稿] サムライズ 競合のウェブサイトを分析する『 競合調査サービス 』を2017年6月21日にリリース

アドビ、プログラマティック・テレビ広告プラットフォーム「Adobe Advertising Cloud TV」発表

0
0

アドビは、データドリブン型テレビ広告のプランニングとバイイングを行うためのソリューション「Adobe Advertising Cloud TV」の提供を開始した、と6月19日発表した。このプラットフォームにより、リニア型テレビのライブストリーミング、アドレサブルTV(広告の取引を自動化するテレビ)、コネクテッドTV(インターネット接続したテレビ)、VOD、OTT(Over The Top=インターネット回線でメッセージや音声、動画などを提供する通信事業者以外の企業)など、あらゆる形態のテレビ広告のバイイングが可能になり、米国の95%以上の世帯にリーチすることができるようになるという。

Adobe Advertising Cloud TVにより、ブランド企業が的確に従来のリニア型テレビ向け広告をターゲティングでき、ファーストパーティ視聴者データ(自社ブランドの視聴者セグメント)を利用することが可能になる。マーケターは、オンライン検索によりすでに興味を示している視聴者に向け、テレビ広告のプランニングと購入を行うことができる。有料テレビ事業者、MRI(Mediamark Research, Inc.)、テレビメーカーから得るデータセットを加えることで、マーケターは個別の視聴者に対するプランニング、ターゲティング、バイイング、測定の能力を向上させることができる。

広告のビューはコンバージョンにどれだけ貢献するのか、AdRollが広告テスト結果発表

0
0

データマーケティングのAdRollは、ホワイトペーパー(報告書)「アトリビューションブレンドを使った効果測定」を公開し、ビューがコンバージョン率に及ぼす影響を測定するための具体的なA/Bテスト事例を6月20日発表した。AdRollが2017年5月に発表した調査では、1,050人のマーケターの85%がアトリビューション(間接効果)を「不可欠」「とても重要」と回答した。2016年の調査が35%だったのと比較すると、アトリビューションへの関心が急激に高まり、広告効果測定への認識が転換点を迎えているのが分かる。

調査結果では、現在主流となっている「ラストクリックモデル」について、それだけに依存するのではなく、他の手法を組み合わせるべきとし、その理由を「『広告をクリックする人』は全体の16%」「ラストクリックでは『広告がなくても購入するようなユーザー』が見つかりやすい」「購入(クリック)前に実施したマーケティング施策の効果が正確に測定できない」と整理した。

[ユーザー投稿] 2017年 7月20日(木) 【名古屋】 楽天で「新規のお客様」を継続的に集める検索対策、 広告運用の方法・事例を公開セミナー 開催


[ユーザー投稿] 2017年 7月20日(木) 【名古屋】 アマゾンの「仕組み・コツ」をたった3ヶ月で理解して集客・売上をアップする方法を公開セミナー 開催

[ユーザー投稿] 2017年 7月20日(木) 【大阪】<商材別事例あり> EC物流乗り換え&受注処理アウトソース成功ノウハウセミナー 開催

[ユーザー投稿] 2017年 7月20日(木) 【大阪】【いつも.式】 アマゾンでの売れる手法だけを身に付ける最新の集客・広告完全習得セミナー 開催

[ユーザー投稿] 2017年 7月19日(水) 【東京】 アマゾンの「仕組み・コツ」をたった3ヶ月で理解して集客・売上をアップする方法を公開セミナー 開催

[ユーザー投稿] 2017年 7月19日(水) 【名古屋】 楽天で売れるしくみを効率よく作る、いつも.式楽天EC経営セミナー 開催

[ユーザー投稿] 2017年 7月21日(金) 【大阪】【最新講座】 現在の商品ページよりも「さらに売る」ための手法と 「売れる商品ページ」を作れる人材を育成する方法セミナー 開催

[ユーザー投稿] 成長企業に学ぶマーケティングのノウハウと便利なツール「クラウドサーカスin東京」7月5日開催


RAWデータ撮影&現像の基本――とても便利な記録形式を使いこなす(第11回) | 写真撮影入門(全12回)

0
0

みなさんは普段どのような記録形式で写真を撮影していますか?jpgデータで撮影することが多いと思いますが、「RAW(ロウ)データ」や「RAW現像(げんぞう)」という言葉を聞いた事はありますか?
実はこのデータは、とても便利な記録形式です。

第11回目は、デジタル一眼での撮影にとても有効な「RAWデータ」について解説します。

RAWとはどういう意味なのか?

辞書ではおもに、「RAW」について次のように説明されています。

  1. 料理していない、生(なま)の
  2. 加工していない、未精製の、原料のままの

RAWデータとは「撮影したそのままの画像」ということです。

カメラメーカーのオフィシャルサイト内にある仕様ページ

このようにRAWと書いてあれば、RAWデータで撮影および現像が可能です。
設定によっては、一度の撮影で画質の違うRAWとJPEGの画像を記録できます。
意図した撮影ができた場合はJPEG画像を使用し、特にこだわった処理が必要な場合のみRAW現像をすると時間短縮につながります。

※POINT

JPEGデータは撮影と同時に、カメラ内で完成し保存されたデータです。
RAWデータを、釣りたてのヒラメだとします。ヒラメを調理することで、刺身や煮付け、てんぷらなどに変化させることができますが、一度ムニエルとして仕上げてしまったものを刺身に戻すことはできません。RAW現像とは、生の食材を調理することです。

RAWデータの扱いで注意すること

RAWデータのデメリットは、JPEGデータに比べて写真1枚あたり情報量が多くデータが大きくなることです。そのため記録メディアに書き込める枚数が少なくなったり、パソコンに取り込んだ際、ハードディスクの容量をすぐに消費してしまいます。
メリットは生データであるRAWデータをJPEGデータとして一度調整・保存しても、RAWデータにさかのぼって再調整できる点です。撮影時に「ホワイトバランス」や「露出」に注意したものの、仕上がりに不満が出てしまうことがあります。RAWデータで撮影しパソコンで現像することで、失敗だと思った写真が、使える写真に変わることがあります。
再撮影ができないような緊迫した現場では、とても有効かつ安心材料となることは間違いありません。

では実際に見てみましょう。
今回はAdobe Photoshopに付属している「Camera Raw」というソフトを使います。

Adobe Bridgeから「Camera Rawで開く」を選択

ホワイトバランスを変更する

被写体を照らす光の色は時間や撮影場所によってさまざまで、カメラに描いているアイコンを参考に設定するか、マニュアルモードを使用すると解説しました。(第5回:「色にこだわってイメージUP」参照)

撮影したままの画像
「色温度」を低く(右にスライド)して、室内の雰囲気を暖色へ変える

現像(調整)が終ったら、画像を上書きしましょう。同時にファイル形式をjpgにして保存してウェブサイトにアップします。

※POINT

RAWデータの拡張子は.rawではありません。
各メーカーで独自の呼び方があるので、確認しましょう。

明るさやコントラストを変更する

被写体によってはカメラ任せのTTL測光で撮影した場合、露出がばらけてしまう恐れがあります。(第4回:「被写体が生きる明るさのコントロール」参照)
下の写真の場合は全体的に暗くなったので、RAW現像で明るさを「+」に補正しました。

露出が暗めの写真
明るさを+、コントラストを-に補正しました

明るさをあげても、コントラスト(明暗)の差が強かったため、コントラストを左(-)にスライドし下げました。複雑なうえに色が暗く重たい雰囲気でしたが、軽やかで明るい写真に変わりました。

ハイライトとシャドー部の明るさ調整

RAW現像は明るい部分や暗い部分を中心に、明るさを変えられるという特技を持っています。
下の画像はハイライト(明るい)部分が白とびしてしまい、皿がテーブルクロスがに溶け込んでいます。

商品の輪郭がなくなってしまい、使いづらい画像
中間から濃い色はほとんど変化させずに、明るいところだけ暗く(-)補正しました

次にシャドー(暗い)部分を補正する「補助光効果」で、棚や壁を明るくします。

棚や壁が暗く、色がわかりにくい写真

全体的に暗い写真ですが、特に棚と壁の色が黒くつぶれかかっています。

壁紙の柄、棚の木目が見えてくる

補助光効果のスライダーを右へ動かすと、奥にある植木の色をほとんど変えることなく、黒くつぶれかかっていた部分を明るくすることができます。

「自然な彩度」で全体的な色の濃度を上げる

もう少し商品の色をはっきりと見せたかったので、自然な彩度を+に補正しました。

ゆがみを補正する

写真の仕上がりで問題になる色や明るさの他に、歪曲収差(わいきょくしゅうさ)という画のゆがみの処理にもRAW現像は有効です。
歪曲収差とは、プロカメラマンが使用するようなレンズでは起こりにくく設計されていますが、下の写真のように中心がふくれる(樽型歪曲)、もしくはくぼむ(糸巻き型歪曲)現象を指します。

今回はゆがみ具合がわかるように、縦横に線の入ったブロック塀を撮影しました。

中心がふくれているように見える写真

今回使用したレンズはプロユースのものですが、それでも少し中心がふくれているように写っています。

「レンズプロファイルを使用」にチェック

ふくれたお腹のようになっていたブロックが、ワンクリックでまっすぐになりました。

「レンズプロファイルは、15社ものメーカーから選択
多数のレンズから選択

レンズプロファイルは各メーカーの各モデルから選べ、ゆがみに対し最適な処理が行われます。

手動でも調整可能

レンズプロファイルを指定した処理の後、さらに気になるゆがみや回転は手動で処理できます。
少し右側に向かってすぼんでいたので、右側が広がるように処理しました。
半時計方向に0.2度回転させ画像を保存しました。

今回は線の入ったブロックを使いましたが、風景や人物、食品など被写体を問わずこの現象は起こります。
特に垂直水平の被写体が写っている写真のRAW現像では、歪曲収差や回転をしていないか確認しましょう。

まとめ

今回解説したRAW現像は、画作りをよりクリエイティブに、安全に行うための有効な手法です。
撮影現場によっては、色や明るさに難しい判断を迫られます。
その場合は慣れ親しんだ「撮影モード」に設定、「露出」や「ホワイトバランス」をオートで撮影することで対応し、細かい画作りはパソコンで行うといいでしょう。

RAW現像ソフトは、各カメラメーカーから純正品が販売されています。
また、今回使用したAdobe Systems社のCamera Rawという製品のように、サードパーティー製品も複数あります。体験版などを使用し、使いやすいと思った製品を購入することをおすすめします。

RAW現像の基本操作は、調整したい項目を選択しスライダーを左右に動かすか、数字を入力するという、とても直感的な作業です。撮影した画像を確認しながら、意図した明るさや色をになるまで画作りをしていきます。ただし、真っ白に白とびした画を真っ黒にするようなことはできませんので、撮影時にはミスショットにならないよう十分に注意し、基本操作の確認を忘れず行うようにしましょう。

最終回となる第12回目は、複数人で撮影するメリットについて解説します。

このコーナーのコンテンツは、KDDI提供の情報サイト「はじめてWEB」掲載の「エキスパート(専門家)コラム」の情報を、許諾を得てWeb担の読者向けにお届けしているものです。

「はじめてWEB」掲載のオリジナル版はこちら:
写真撮影入門(全12回)「第11回:RAWで撮影し現像にチャレンジ」(2013/02/06)

この記事の筆者

鍋坂 樹伸(なべさか・しげのぶ)
コマーシャルフォト サン・スタジオ 所属

1975年、兵庫県姫路市生まれ。中央学院大学商学部商学科卒業。香川県高松市在住。東京都内の印刷会社営業職を経て、2003年に実家が運営する「コマーシャルフォト サン・スタジオ」入社。広告写真家として活動し、食品・洋服・人物・風景など、さまざまなジャンルの撮影に対応。

2012年より専門学校 穴吹デザインカレッジにて非常勤講師をつとめるかたわら、企業や団体が主催するセミナーでも講師をつとめる。

CSS Nite in TAKAMATSU オフィシャルフォトグラファー。

著書『Web制作と運営のための写真撮影&ディレクション教本~段取りから準備、撮影テクニック、実践ポイントまで~』(マイナビ)。

モバイルサイトの離脱率を劇的に減らしユーザー体験を向上させる「クラウド配信 (CDN)」の表示高速化効果とは | 【レポート】Web担当者Forumミーティング 2017 Spring

0
0

予算や人的リソースが限られるなか、リッチ化するコンテンツに対応しつつ、モバイルとPC双方で“最適なデジタル体験”を提供するためには、どうしたよいか。

北 かおり氏
アカマイ・テクノロジーズ合同会社
ウェブ&セキュリティ マーケティング本部
プロダクト・マーケティング・マネージャ
北 かおり氏

「Web担当者Forum ミーティング 2017 春」においてアカマイの北氏が、「ベストのデジタル体験を届けるために! サイト&アプリの高速化”+α”でモバイル対応ノウハウをご紹介」と題して講演した。

売上に貢献する顧客エンゲージメントを実現するための「モバイルサイトとアプリのパフォーマンス高速化」のポイントを、同社のクラウド配信サービス(CDNサービス)の事例を交えて紹介した。

「モバイルファースト」実現にはサイトとアプリ高速化が不可欠

スマホが普及し、「モバイルファースト」が叫ばれて久しいが、Googleのモバイルファーストインデックスの発表により、企業のモバイル最適化はいよいよ本格化のフェーズに入ったといえる。

北氏は、クリテオ(Criteo)が発表したモバイルコマースレポート(2016年第4四半期版)の数字から、日本のECにおけるトランザクションのうち、モバイルが占める割合が51%に達したことを示した。

日本よりもEC購入におけるモバイルの割合が高いのは英国だけで、それ以外の国は半数に達していない状況です。しかし、今後、モバイル購入の比率が増えることはあっても、減ることはないことは明確です

また、2017年1月に行われたGoogleの検証によれば、モバイルユーザーはサイトのパフォーマンスに非常に敏感であることが分かる。

この検証では、たとえばページの読み込みにかかる時間が1秒から6秒に延びると、サイトの離脱率は106%増加しています。

世界中の90万サイト以上を調査した結果、36%以上のサイトはページ容量が2MB以上ありました。一方で、3G回線でアクセスした場合、7秒待っても1.49MBしかダウンロードできないのです

つまり、コンテンツをリッチに作りすぎた結果、離脱率が2倍に悪化する6秒を超えてもページ読み込みが完了しないサイトがあるのが現状だ。

しかし、Webサイトにおけるビジュアルの重要性は高く、画像の質を落とさずに、パフォーマンスを向上しなければならない。そして、企業サイトにはモバイルだけでなく、PCサイトもある。Web担当者の運用負荷の軽減という課題も解決していく必要があるのだ。

そこで北氏は、まず、自社のモバイルサイトの状況を把握してほしいと呼びかけた。

サイト来訪者の何%がモバイルユーザーか?

モバイルサイトのページ容量はどの程度か?

モバイルユーザーのページ読み込みは何秒くらいかかっているか?

そういう点をまず把握することが大事です

クラウド配信(CDN)によりモバイルサイトのパフォーマンス向上を実現した3つの事例

そのうえで北氏は、モバイルサイト高速化の解決策として、アカマイのクラウド配信サービスを利用した企業の事例を紹介した。これは、Webサイトのコンテンツをアカマイがキャッシュし、サイト閲覧者からのリクエストに応じて代理配信する、いわゆるCDN(シーディーエヌ、Contents Delivery Network)サービスだ。

ページ閲覧のスピードが高まるだけでなく、Webサイト側のトラフィック負荷を軽減し、高速性や信頼性を含めたWebサイトのパフォーマンスを大きく改善することが期待できる。

事例 1 EC企業によるモバイルサイト最適化と信頼性向上

事例の1つ目は、EC企業によるモバイルサイト最適化のケースだ。

たとえば、楽天では、スマホユーザーの体験向上に積極的に取り組む企業の一つだ。その一環として、アカマイのCDNを導入し、画像の表示高速化を図った結果、「ページ表示速度にも、CV率にも向上が見られた。」という。

また、これまでは「スーパーセール」開催時など、ピークに併せてサーバーのスケールアウトなどの準備を行う必要があった。この点も、クラウド配信(CDN)の代理応答による負荷分散により、事前準備等にかかるITリソースや人的負担の軽減が図られた。

そして、アパレルEC「.st」を運営するアダストリアホールディングスは、ユーザーのPV数、滞在時間向上を目的に、数年前からアカマイのCDNを導入している。モバイルユーザーの表示速度が大きく改善し、導入前との比較でPVは最大1.2倍、ページ滞在時間も数十秒アップするという効果を得た。

北氏は次のように述べた。

モバイルECサイトは、CDNによるパフォーマンス改善は確実にKPIに影響を及ぼす。そして、ピーク時対応などの運用負荷軽減にもつながる

事例 2 PC、モバイルサイト双方のパフォーマンス向上

2つ目の事例は、PC、モバイルサイト双方のパフォーマンスを向上させた製造業のケースだ。

モバイル最適化の手法にはさまざまあるが、最近では、1つのページソースでさまざまなスクリーンサイズに対応する「レスポンシブWebデザイン(RWD)」と、ページソースをPC、モバイルと複数用意し、デバイスごとにページを振り分ける「アダプティブ」が主流だ。

たとえば、ブリヂストンでは、グローバルのブランドサイトにRWDを採用。アカマイのCDNを導入し、海外からのアクセスに対し、ページ表示速度を6倍に高速化することに成功した。また、モバイル向けに画像サイズを最適化する「画像オプション」により、自動的に(サイト運用側に作業が発生することなく)画像サイズを約50%削減させることができた。

また、アダプティブでの事例としては、ホンダのケースが挙げられる。アカマイのCDNには、デバイス判別、ページの出し分けを自動化する機能がオプションで備わる。

ページ側に記述等の必要なく、ユーザーごとにデバイスに応じて画像の自動出し分けが可能になるため、PC、モバイルで、別々のページソースでサイトを運用していても、運用負荷を抑えてデバイス多様化に対応することができる。

ホンダの事例では、「モバイルアクセスで約3倍の高速化ができ、さらに、運用担当者の負荷軽減」が実現されたという。

北氏は、次のように述べた。

RWDでもアダプティブでも、CDNを使うことで、パフォーマンス改善と、運用担当者の負荷軽減を実現することが可能になる

事例 3画像コンテンツの最適化・高速化によるパフォーマンス向上

3つ目の事例は、画像コンテンツの最適化・高速化によるパフォーマンス向上の事例だ。

ページ容量のうち、画像コンテンツが占める割合は大きい。また、多様化するデバイスやスクリーンサイズにも対応しなければならない。Android端末の数は2015年の段階ですでに、約2万4000種類を超えていた(OpenSignal調べ, 2015年)。

こうした状況に対し、画像の最適な配信に悩むWeb担当者は多い。

「PC用」「モバイル用」と画像ファイルを複数作り、サーバーにアップロードし、さらに、デバイスごとに最適な画像を表示させるHTMLにすることを、すべて人的リソースで対応するのでは、まったく間に合いません

そこで、アカマイが用意する画像オプションサービスが「Image Manager」だ。これは、工数のかかる画像変換プロセスから配信までを自動化するもので、利用企業側は、オリジナル画像1枚を用意するだけでよい。

ポリシーに沿った画像フォーマットの変換や、モバイル向けの最適な圧縮率の決定と圧縮、デバイスごとに最適な画像の配信は、すべてCDN側で自動化される。

このImage Managerを利用するANAでは、画像サイズが最大で60%削減され、ページの読み込み時間は最大で25%短縮された。また、画像の管理工程をシンプル化、省力化する効果が得られた。

また、恋愛・婚活マッチングサービス等を提供するエウレカでは、サービスの特性上、会員がアップする画像点数が多く、容量も大きい。Image Manager導入により、画像がCDN側で最適化されるため、結果的に「クラウドデータセンターへのトラフィック削減(コスト削減)という効果がもたらされた」という。

「API高速化」によりモバイルアプリのパフォーマンス向上にも寄与

また、モバイルアプリのパフォーマンス高速化も重要なテーマだ。モバイルサイトとモバイルアプリの役割の違いについて、北氏は次のように述べる。

Webでは新しいユーザーにリーチする役割を担い、ファン化したユーザーに対して、アプリでエンゲージを高める企業が多い

エンゲージメントを高め、ユーザーに「選んで、使ってもらえる」ためには、モバイルアプリの体験を高める必要がある。しかし、北氏は次のように指摘する。

アプリ高速化の成功パターンは、まだ確立されていないのが現状だ

そこでアカマイが提示するのが「CDNによるAPIの高速化」だ。APIは「レスポンスの種類によってキャッシュが可能だ」と北氏は述べる。

たとえば、「記事」「商品説明」「定価」といった頻繁には更新されないコンテンツや、「今週のアクセス数TOP10」などのように定期的にデータを取得するAPIの呼び出し結果は、CDNによるキャッシュが可能です

また、キャッシュできないAPIであっても、ルート最適化やAPIを優先配信することなどで、データ取得の高速化が可能だ。北氏は次のように会場で訴えた。

エンジニアの人的努力以外でも、アプリ高速化やサーバー負荷軽減は可能だということを知って欲しい

実際にモバイルアプリの高速化に取り組んだ事例として、アミューズメントパーク運営を手がける米国Six Flagsの事例が挙げられる。同社の来園者向けのモバイルアプリは、園内のマップをインタラクティブに見せる機能や、アトラクションなどの待ち時間をチェックする機能、パレードなどのイベント時間をインタラクティブに提供する機能などがある。

アカマイの「API配信高速化」により、APIコールの50%以上をキャッシュし、レスポンスが大幅に改善された結果、遊園地という限られた空間で、多くの来園者がアプリを集中利用する状況下でも、高速でインタラクティブな情報提供が可能になった。

最後に北氏は、CDNの適用ポイントとして、次の4点を改めて示した。

  • まず、モバイルサイトへの適用
  • RWDやアダプティブによるPC&モバイル対応時のオプション機能活用
  • 画像の表示パフォーマンス向上
  • モバイルアプリ・API高速化

モバイルサイトにクラウド配信(CDN)を適用することで、顧客体験を向上させるだけでなく、ピーク時対応やシステム安定稼働といった運用面でのメリットがあります。特に、手軽にスタートできるのもこのサービスの特長。まずは体験することから始めてみてほしいです

この記事の筆者

【執筆】

阿部欽一(キットフック)
【ライター/ディレクター】

「キットフック」の屋号で活動するフリーランスのライター/ディレクターです。社内報の編集、編集プロダクション等を経て2008年より現職。

「難しいことをカンタンに」伝えることを信条に、「ITソリューション」「情報セキュリティ」「コンプライアンス」などをテーマにした解説記事やインタビュー記事等の執筆のほか、動画やクイズ形式の学習コンテンツのシナリオ制作や、イラストレーターやFlash技術者と協業し、マンガやアニメーションを使ったユーザー参加型の集客キャンペーンなどを企画から制作までワンストップで多数プロデュースしています。

kithook
Twitter:@kithook
Facebook:阿部 欽一

【撮影】

鹿野宏

お店や会社のホームページを無料・5分で作れるグーグルの新サービス登場【SEO記事12本まとめ】 | 海外&国内SEO情報ウォッチ

0
0

実店舗や会社の地図や営業時間を示すホームページを、だれでも手軽に無料で作れる「ウェブサイトビルダー」機能が、Googleマイビジネスに追加された。これ以上かんたんにウェブサイトを作れる仕組みがあるだろうか?

ほかにも、「MFI導入は2018年? それ公式発表じゃないよ」「検索ボリュームが少ないキーワードは無価値?」「大規模サイトの常時HTTPS化の事例と詳細解説」「構造化データ3つのSEOメリット」などなど、SEOに役立つ情報をまとめてお届けする。

来週のこのコーナーは、筆者が海外カンファレンス参加のためお休みです。次回7月7日の更新をお楽しみに。

今週のピックアップ

お店や会社のホームページを無料・5分で作れるグーグルの新サービス登場
シンプル・イズ・ベスト? Googleマイビジネスの新機能(グーグル 広告主コミュニティ)

グーグルマイビジネスで、無料で簡単にウェブサイトを作成するツールを利用できるようになった。その名も「ウェブサイトビルダー」だ。

このツールを使うと、5分もたたずに店舗や会社のウェブサイトを作って「http://.business.site/」のようなURLで公開できる。本当にあっという間に自社サイトを構築できる。

ウェブサイトビルダー

テンプレートが数種類そろっており、自社のイメージに合ったものを選べる。

ウェブサイトに表示するヘッドライン(見出し)や説明文には、オリジナルの文章を指定できる。

カバー画像(上部の背景画像)は店舗の写真などをドラッグ&ドロップでアップロードできる。

ページには、Googleマイビジネスに登録している住所や電話番号、営業時間などが自動的に掲載される。Googleマイビジネスの登録情報を更新すれば、自動的にサイト側にも反映される仕組みだ。

そして、サイトはもちろんモバイル対応済みだ(なぜかHTTPSには対応していないのだが)。

インターネットを活用したプロモーションは、ウェブサイトがなければ始まらない。「ウェブサイトビルダー」で作れるサイトは1ページだけで必要最低限のコンテンツしか掲載できないのだが、個人経営の店舗や小規模な会社のローカルビジネスには利用価値があるだろう。

これまでGoogleマイビジネスに登録していなかった店舗や会社も、これを機会にGoogleマイビジネス登録のうえウェブサイトビルダーでページを作れば、さらに検索エンジンからのトラフィックを獲得できるかもしれない。

★★★☆☆
  • スモールビジネスの経営者

日本語で読めるSEO/SEM情報

導入が遅れたとしてもMFI対応はお早めに
グーグル社員がアドバイス(金谷 武明 on ツイッター)

グーグルのモバイルファーストインデックス(MFI)導入時期と対策に関して、こんなやりとりがあった。

(グーグルの中の人A)MFIの導入は、早くても2018年になるっぽいかな。

(SEO関係者たち)2018年までMFIはないっぽいよ。

(SEO関係者たち)じゃMFI対策は急がなくていいよね。

(グーグルの中の人B)いやいや、それ公式発表じゃないよ! ちゃんと準備しといたほうがいいよ!

流れとしては次のような形だ。

米シアトルで今月開催されたSMXカンファレンスで、グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏が、「モバイルファーストインデックスの導入は来年になりそうだ」といったコメントしたのだ。

それに対して業界的には「けっこう遅れるんだね」という反応があったのだが、こうした一連の動きに対して、グーグルの金谷氏がツイッターで補足コメントを投稿している。

「2018年に延びる」というのはグーグルの公式見解ではないと断ったうえで、早めに対応しておくほうがいいと、念を押している。

確かに、MFIの本格導入が2018年になろうが2020年になろうが、いずれしなければいけないのが明らかなことは、早めに準備しておくに越したことがない。

たとえば次のような対応は確実に完了させておこう。

  • モバイル向けページの構造化データ設定
  • モバイル向けページの画像のalt属性
  • モバイル向けページでコンテンツを省略していたらPC向けページと同等にする
  • 別々のURL構成なら、アノテーションが正しく設定できていることを再確認(現状からの変更は不要)

別々のURL構成を採用しているサイトで、もし、モバイルファーストインデックス導入にあわせてレスポンシブ ウェブ デザインあるいは動的な配信への移行を決めているなら、これも導入前に完了させておいたほうがいいだろう。

★★★★☆
  • すべてのWeb担当者 必見!

検索ボリュームが少ないキーワードは無価値? それは間違っている!
検索の数と役割と重要度は別もので考える(Takahiro Watanabe on ツイッター)

「検索ボリュームが少ない検索キーワードや、そうしたキーワードに対応するコンテンツは、価値が低い(価値がない)」と考える人は、意外と多いだろう。

しかし、本当にそうなのだろうか?

渡辺隆広氏の連投ツイートを紹介する。深夜の投稿なので見逃してしまった人もいるかもしれないが、ウェブサイトの運営に役立つアドバイスだ。

トラフィックや集客だけを考えるのではなく、カスタマージャーニー全体のなかでどういう位置づけなのか、ビジネス成果に対してどういう貢献をするのか、そうしたことを考えていくことは、非常に大切だ。

★★★★☆
  • すべてのWeb担当者 必見!

大規模規模サイトのアメブロpixivはどのようにしてHTTPS移行を成功に導いたのか?
大規模サイトならではの困難を乗り越えた(サイバーエージェント デベロッパーズブログ & pixiv inside)

常時HTTPS化の「事例」「意外なトラブル」「技術的な解説」などがふんだんに盛り込まれた記事を2つ紹介する。

日本でもトップクラスの大規模UGCサイトである、アメーバブログとpixivが常時HTTPSへの移行を完了させた際のことを解説した記事だ。

ユーザーが作ったコンテンツで構成されるサイトで、かつ規模が大きいので、移行はそう簡単にはいかなかったようだ。そうせずに済むなら、HTTPのままでいたかったというのがともすれば本音かもしれない。

それでも、どうしてこの2大サイトがHTTPSへの移行を決断し、どのように移行を進めたのかに興味があれば、ここで紹介する記事を読むといい。

特にあなたが同じような大規模サイトのウェブ担当者なら、参考になるだろう。

内容には、かなり技術的なものが含まれているが、実際に複雑なサイトを常時HTTPS化する際に参考となる情報だ。エンジニアや制作会社の人などにも紹介して読ませるといいだろう。

★★★☆☆
  • HTTPS移行していない大規模サイトのすべてのWeb担当者 必見!
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

AMPが第2四半期にやったこと、これからやること
静的サイトからの脱却に向けて(Google Developers Japan)

AMPプロジェクトが、2017年 第2四半期に達成したことと直近で取り組んでいくことを「ロードマップ」として報告した。

AMPというと「ニュース記事のように静的なコンテンツにしか向いていない」というイメージが強いかもしれない。

しかしグーグル(を中心としたAMPプロジェクト)は、AMPをどんどんと進化させている。たとえば、ライトボックスやパララックスなど動きのある画像表示が可能になったり、ECサイトでよく使われる機能のサポートを始めたりとダイナミックな仕組みが次第に整いつつある。

またAMPで作られたページは「デザインがそっけない」という印象もあるかもしれない。

しかしデザイン性に優れたAMP HTMLのテンプレートを配布するAMP Startというサイトが公開されている。これも第2四半期中の成果だ。

あなたがAMPに積極的に取り組んでいる人なら、AMPの現状を知るためにロードマップをチェックしよう。

★★★☆☆
  • AMPがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

海外SEO情報ブログ海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ

JSサイトの構成と、MFIに関する記事を今週はピックアップ。

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
  • 構造化データを設定する3つのSEOメリット
  • Search Consoleの時間は太平洋時間だって知ってた?
  • HTTPS移行後の内部リンクは相対パスと完全URLのどちらがいいの?
  • ページの一番下にある小さなh1タグはSEOにプラス? マイナス?
  • IPアドレス地域判定でのリダイレクトはSEOにもUXにもよくない

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ

構造化データを設定する3つのSEOメリット
リッチスニペット・カルーセル・コンテンツ理解の手助け(Google Webmaster Central office-hours)

構造化データを実装することで得られる3つの主要なメリットを、グーグルのジョン・ミューラー氏が説明した。次の3つだ。

  • リッチスニペット
  • カルーセル
  • コンテンツ理解の手助け

リッチスニペット

構造化データをページに設定しておくと、そのページがグーグルの検索結果に表示された際に「リッチスニペット」を表示できる。構造化データによる最も代表的な機能だ。

ランキングにはまったく影響しないのだが、レビューや評価、価格などの付加的な情報を視覚的に掲載できるため、検索結果ページ内でクリック率の上昇が見込める。

リッチスニペット

カルーセル

検索結果内で複数のコンテンツがスライド形式で並べられる特別な枠が「カルーセル」だ。ここに掲載されるには、通常は構造化データが必要だ。

通常のオーガニック検索とは独立しており、オーガニック検索結果とは別に掲載される。(オーガニック検索の)ランキングには影響しないのだが、カルーセルは検索結果の上部に表示されることが多いため、実質的には上位に表示されるのと同じ効果があると考えてもいいだろう。

カルーセル

コンテンツ理解の手助け

構造化データを実装したからといって、検索エンジンがそのページの評価を直接的に上げることはない。しかしながら、検索エンジンがページに書かれているコンテンツを理解するにあたって、構造化データがその助けとなることもある。コンテンツが適切に評価されれば、結果的に検索結果(の上位)に表示されるチャンスが増すことがありうる。

順位アップに直結しないため、構造化データは後回しに なりがちだ。だが、自分のビジネスのメリットになると考えるなら積極的に実装するといいだろう。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
  • 技術がわかる人に伝えましょう

Search Consoleの時間は太平洋時間だって知ってた?
GAとは異なり一律(John Mueller on Twitter)

検索アナリティクスを含め、Search Consoleが提供するデータはすべて太平洋夏時間(PDT、日本より16時間遅れ)でレポートされるということは、意外と知られていない。

Search Consoleのヘルプにもきちんと書かれている。

検索アナリティクスでは、太平洋夏時間(PDT)に基づいて毎日のデータをトラッキングしています。

Googleアナリティクスはタイムゾーンを設定できるが、Search Consoleは一律に太平洋夏時間でデータが集計される。そのため、日本時間と時間が合わないことがあるので知っておくといい。

注意してほしいのが、冬でもPDTであり、PST(太平洋標準時)ではないということだ(ややこしくなるので、サマータイムは無視しているのだろう)。

なぜ太平洋時間なのかというと、米グーグル本社があるカリフォルニア州のタイムゾーンだからだ。

ちなみに、ジョン・ミューラー氏はこの時刻の扱いを「GMT(Google Main Time)」と表現しているが、これは技術に明るい人向けのジョークだ。というのも、「GMT」というのは「グリニッジ標準時」を表す略語であり、本来ならばタイムゾーン調整をしていない時刻(とほぼ同じこと)を示す言葉だからだ。

★★★☆☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

HTTPS移行後の内部リンクは相対パスと完全URLのどちらがいいの?
どちらでもお好みで(WebmsterWorld)

常時HTTPSを進めようとしていたサイト管理者が、HTTPS化のために必要な作業に関して次のような疑問を抱き、SEOフォーラムで質問した。

内部リンクのURLは相対パスと完全なURLのどちらにすべきだろうか?

内部リンクのURLを相対パスにするべきなのか完全なURLにするべきなのかというのは、よくある質問だ。そしてたいていの場合、SEOにはどちらが有利かという意図が含まれている。

念のためにおさらいしておこう。

相対パス」とは、現在表示しているページのURLを起点として場所を示すURLの記述方法だ。同じディレクトリにあるpage1.htmlというページへリンクするなら、次のようになる。

そのページがあるディレクトリの中にある「2017」サブディレクトリ内のURLへリンクするなら次のようになる。

完全なURL」は、文字どおり「http:」や「https:」などのプロトコル名、サーバー名を含め、サーバーのルートディレクトリから順にパスを示すURLの記述方法だ。

さて本題に戻ろう。

内部リンクが相対パスで書かれていても、完全URLで書かれていても、検索エンジンにとっては何の違いもない。したがってSEOの観点から決める必要はまったくない。また、HTTPSだからどちらが適しているということもない。

ただし、これまで完全なURLで内部リンクを指定していたのならば、移行後はそのリンク先URLを「http:」から「https:」へと書き換えたほうがいい。リダイレクトを設定していればユーザーはアクセスできるが、リダイレクトが発生する分、スピードが遅くなる(もっとも体感するほどではないだろうが)。

また万が一再びHTTPに戻すことがあったとしたら、リンク先を「http:」に書き換える作業が再度発生する。

相対パスと完全URL(と、絶対パス)のメリット・デメリットについてはかなり以前にこのコーナーで解説したことがある。興味があれば読むといい。

★★★★☆
  • すべてのWeb担当者 必見!

ページの一番下にある小さなh1タグはSEOにプラス? マイナス?
昔流行ったテクニック、今は効果なし(Gary Illyes on Twitter)

グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏に、ツイッターのフォロワーが次のように質問した。

フッターに書かれているテキストにh1タグが表示されているサイトを見つけました。ですが、HTMLのコードでは先頭にあって、CSSで表示上は、ページの下に配置しているようです。

これは問題になりますか?

イリェーシュ氏はこう答えた。

グーグルは、そんなの気にしないね。

一般的に言えば、セマンティックのルールに従うのはいいことだ。だけど従っている人はとても少ない。もし僕たちが気にかけたとしたら、大きな問題になってしまうだろう。

こうした「小細工SEO」のテクニックが使われていたのは、10年ほど前のことだろうか。もう知らない人も多いのかもしれない。

ご存じのとおり、h1タグは大見出しに使うタグだ。はるか昔のグーグルでは、h1タグに含まれるキーワードはランキングに目に見えるほどに影響を与えることもあった。

h1タグは大見出しなので先頭に来るべきだ。しかし、望むようにキーワードを入れると見出しとしてふさわしくなくなることもある。

そこで、HTMLコードでは最初に登場する見出しとて記述するのだが(もちろんキーワードを含んでいる)、CSSで表示位置を下げて文字サイズを小さくする、こんなテクニックが流行った時代があったのだ。

その名残を質問者は見つけたに違いない。

こうしたテクニックは、今はまったく通用しないので、真似しても意味はない。というのも、グーグルはすでに「HTMLを分析」するのではなく、「実際のユーザーが見る表示」を判断するようになってきているからだ。

そもそも、h1タグにキーワードを入れれば検索順位が上がるような単純なアルゴリズムでないのも、ご存じのとおりだ。

では、こうした名残によってグーグルの評価にマイナスはあるのだろうか? おそらく、マイナスの影響もないだろう。

実際のところ、大見出しがページの最後に小さく表示されるというのは、おかしな話ではある。「主要な内容を示す」ためのHTMLタグであるh1の役割をまったく果たしていないからだ。

しかしながら、ウェブにあるサイトのすべてがタグの本当の意味を正確に守って使われているはずがない。よって、グーグルはおかしな使い方をしていても、それをマイナス要因として評価したりはしないのだ。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

IPアドレス地域判定でのリダイレクトはSEOにもUXにもよくない
ユーザーに任せる(John Mueller on Twitter)

多言語・多地域サイトにおいて、アクセスしてくるユーザーのIPアドレスに応じて、適切だと思われる言語版のページへ自動でリダイレクトすることができる。こうした構成を採用しているサイトの管理者に、グーグルのジョン・ミューラー氏は次のように助言した。

ほとんどの場合、IPアドレスの位置情報によるリダレクトは使わないほうがいいだろう。(グーグルの)インデックスを妨げたりユーザーをいらいらさせたりしがちだ。

IPアドレスに基づく強制リダレクトは、SEOの観点からも、ユーザー体験の観点からも、推奨できない。

Googlebotは、原則的にアメリカ(のカリフォルニア州マウンテンビュー)からアクセスする。強制リダイレクトすると、他の言語や地域向けのページを適切に認識できないことがある。

米国以外からもクロールする地域分散クロールという仕組みをグーグルは実装しているが、これに完全に頼るべきではない。

また、ある国にいるユーザーが必ずしも、その国の言語のページを閲覧するとは限らない。

たとえば、ドイツ人ユーザーが日本に旅行中だとする。日本に滞在中なのだが、ドイツに帰国してから仕事で使うレンタカーを予約しようと考えた。使いなれたドイツのレンタカーサイトを見に行ったら、IPアドレスが日本のものだったので、自動で日本語ページに連れて行かれた ―― これは良い体験だろうか? 日本語を解釈できなければ、途方に暮れるだろう。

このように、SEOとUXの観点からIPアドレスに基づくリダイレクトは多言語・多地域サイトではお勧めできない。

一方的に判断して強制的に特定の言語ページを開かせるのではなく、ユーザーが任意で選択できるようにすることが望ましい。

★★★☆☆
  • 多言語・多地域サイトのWeb担当者 必見!
この記事の筆者

鈴木 謙一(すずき けんいち)

「海外SEO情報ブログ」の運営者。株式会社Faber Companyの取締役Search Advocate(サーチ・アドボケイト)。

海外SEO情報ブログは、SEOに特化した日本ではもっとも有名なSEO系ブログの1つ。米国発の最新のSEO情報を中心に、コンバージョン率アップやユーザーエクスペリエンス最適化のための施策も取り上げている。

正しいSEOをウェブ担当者に習得してもらうために、ブログでの情報発信に加えて所属先のFaber Companyでは、セミナー講師や講演スピーカーを主たる役割にしている。

日本郵便がECサイトとシステム連携する配送「e発送サービス」提供、メルカリ、ヤフオク!などが導入

0
0

日本郵便は、フリーマーケットアプリやオークションサイトとのシステム連携による新サービス「e発送サービス」を6月20日に開始する、と6月19日発表した。フリーマーケットアプリやオークションサイトなどECサイトの個人間取引である「CtoC EC」は、スマホの普及や手軽に売買できることにより成長している一方、送り状への手書きの記載や発送時の配送料金の現金払いなどが出品する側の負担となっている。日本郵便は、ECサイトとシステム連携し、ECサイトでの出品から配送までが簡単で便利になる新サービスe発送サービスを提供することにより、ECサイトでの取引の利便性を高めていく。導入予定ECサイトは、メルカリ、モバオク、ヤフオク!など。

e発送サービスは、ゆうパック、ゆうパケットを対象とし、各ECサイト運営者が配送料金の一部を負担した料金設定となる。料金決済はECサイト上で完結し、送り状の発行・差出は、「ゆうプリタッチ」設置郵便局1,000曲と、Loppi設置のローソン約1万2,300店舗で可能となる。互いの氏名や住所を知らせることなく商品を配送できる「プライバシー配送」や、コンビニエンスストア、郵便局、宅配ロッカー「はこぽす」での拠点受取は付加サービスとなる。なお、ゆうプリタッチ設置郵便局は、2017年内に5,000局に拡大する予定。

Kaizen Platformと電通・電通デジタルが業務提携、Facebook動画広告の制作運用改善「P動CA」提供

0
0

Webのユーザーインターフェースを改善するKaizen Platformと電通、電通デジタルは、「Facebook」動画広告のクリエイティブで業務提携し、動画広告のクリエイティブ改善ソリューション「P動CA」の提供を6月22日開始した、と同日発表した。Facebookは、他のメディアに比べ、より精度の高いターゲティングが実現できるという利点がある一方、同じ広告を何度も表示することによる「Ad Fatigue(広告疲れ)」が問題となっている。P動CAはFacebook動画広告制作と運用を簡単・安価・スピーディーに改善し、広告のパフォーマンスを最大化する。

P動CAは、電通デジタルのデータ・AIとクリエイティブの融合を目指して設立した「アドバンストクリエーティブセンター」が設定した訴求軸に基づき、Kaizen Platformの認定クリエーターに動画広告の制作や改善を依頼すると、短期間でさまざまな広告クリエイティブを制作し、配信する仕組みを構築する。掲載中の各広告のパフォーマンスを速やかに分析し、効果の下がってきた広告クリエイティブをローテーションし、パフォーマンス向上に向けた対応を迅速に行うことができる。

Viewing all 19485 articles
Browse latest View live




Latest Images