実店舗や会社の地図や営業時間を示すホームページを、だれでも手軽に無料で作れる「ウェブサイトビルダー」機能が、Googleマイビジネスに追加された。これ以上かんたんにウェブサイトを作れる仕組みがあるだろうか?
ほかにも、「MFI導入は2018年? それ公式発表じゃないよ」「検索ボリュームが少ないキーワードは無価値?」「大規模サイトの常時HTTPS化の事例と詳細解説」「構造化データ3つのSEOメリット」などなど、SEOに役立つ情報をまとめてお届けする。
来週のこのコーナーは、筆者が海外カンファレンス参加のためお休みです。次回7月7日の更新をお楽しみに。
グーグルマイビジネスで、無料で簡単にウェブサイトを作成するツールを利用できるようになった。その名も「ウェブサイトビルダー」だ。
このツールを使うと、5分もたたずに店舗や会社のウェブサイトを作って「http://.business.site/」のようなURLで公開できる。本当にあっという間に自社サイトを構築できる。
テンプレートが数種類そろっており、自社のイメージに合ったものを選べる。
ウェブサイトに表示するヘッドライン(見出し)や説明文には、オリジナルの文章を指定できる。
カバー画像(上部の背景画像)は店舗の写真などをドラッグ&ドロップでアップロードできる。
ページには、Googleマイビジネスに登録している住所や電話番号、営業時間などが自動的に掲載される。Googleマイビジネスの登録情報を更新すれば、自動的にサイト側にも反映される仕組みだ。
そして、サイトはもちろんモバイル対応済みだ(なぜかHTTPSには対応していないのだが)。
インターネットを活用したプロモーションは、ウェブサイトがなければ始まらない。「ウェブサイトビルダー」で作れるサイトは1ページだけで必要最低限のコンテンツしか掲載できないのだが、個人経営の店舗や小規模な会社のローカルビジネスには利用価値があるだろう。
これまでGoogleマイビジネスに登録していなかった店舗や会社も、これを機会にGoogleマイビジネス登録のうえウェブサイトビルダーでページを作れば、さらに検索エンジンからのトラフィックを獲得できるかもしれない。
日本語で読めるSEO/SEM情報
グーグルのモバイルファーストインデックス(MFI)導入時期と対策に関して、こんなやりとりがあった。
(グーグルの中の人A)MFIの導入は、早くても2018年になるっぽいかな。
(SEO関係者たち)2018年までMFIはないっぽいよ。
(SEO関係者たち)じゃMFI対策は急がなくていいよね。
(グーグルの中の人B)いやいや、それ公式発表じゃないよ! ちゃんと準備しといたほうがいいよ!
流れとしては次のような形だ。
米シアトルで今月開催されたSMXカンファレンスで、グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏が、「モバイルファーストインデックスの導入は来年になりそうだ」といったコメントしたのだ。
それに対して業界的には「けっこう遅れるんだね」という反応があったのだが、こうした一連の動きに対して、グーグルの金谷氏がツイッターで補足コメントを投稿している。
「2018年に延びる」というのはグーグルの公式見解ではないと断ったうえで、早めに対応しておくほうがいいと、念を押している。
確かに、MFIの本格導入が2018年になろうが2020年になろうが、いずれしなければいけないのが明らかなことは、早めに準備しておくに越したことがない。
たとえば次のような対応は確実に完了させておこう。
- モバイル向けページの構造化データ設定
- モバイル向けページの画像のalt属性
- モバイル向けページでコンテンツを省略していたらPC向けページと同等にする
- 別々のURL構成なら、アノテーションが正しく設定できていることを再確認(現状からの変更は不要)
別々のURL構成を採用しているサイトで、もし、モバイルファーストインデックス導入にあわせてレスポンシブ ウェブ デザインあるいは動的な配信への移行を決めているなら、これも導入前に完了させておいたほうがいいだろう。
「検索ボリュームが少ない検索キーワードや、そうしたキーワードに対応するコンテンツは、価値が低い(価値がない)」と考える人は、意外と多いだろう。
しかし、本当にそうなのだろうか?
渡辺隆広氏の連投ツイートを紹介する。深夜の投稿なので見逃してしまった人もいるかもしれないが、ウェブサイトの運営に役立つアドバイスだ。
トラフィックや集客だけを考えるのではなく、カスタマージャーニー全体のなかでどういう位置づけなのか、ビジネス成果に対してどういう貢献をするのか、そうしたことを考えていくことは、非常に大切だ。
大規模規模サイトのアメブロとpixivはどのようにしてHTTPS移行を成功に導いたのか?
大規模サイトならではの困難を乗り越えた(サイバーエージェント デベロッパーズブログ & pixiv inside)
常時HTTPS化の「事例」「意外なトラブル」「技術的な解説」などがふんだんに盛り込まれた記事を2つ紹介する。
日本でもトップクラスの大規模UGCサイトである、アメーバブログとpixivが常時HTTPSへの移行を完了させた際のことを解説した記事だ。
ユーザーが作ったコンテンツで構成されるサイトで、かつ規模が大きいので、移行はそう簡単にはいかなかったようだ。そうせずに済むなら、HTTPのままでいたかったというのがともすれば本音かもしれない。
それでも、どうしてこの2大サイトがHTTPSへの移行を決断し、どのように移行を進めたのかに興味があれば、ここで紹介する記事を読むといい。
特にあなたが同じような大規模サイトのウェブ担当者なら、参考になるだろう。
内容には、かなり技術的なものが含まれているが、実際に複雑なサイトを常時HTTPS化する際に参考となる情報だ。エンジニアや制作会社の人などにも紹介して読ませるといいだろう。
★★★☆☆
- HTTPS移行していない大規模サイトのすべてのWeb担当者 必見!
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
AMPプロジェクトが、2017年 第2四半期に達成したことと直近で取り組んでいくことを「ロードマップ」として報告した。
AMPというと「ニュース記事のように静的なコンテンツにしか向いていない」というイメージが強いかもしれない。
しかしグーグル(を中心としたAMPプロジェクト)は、AMPをどんどんと進化させている。たとえば、ライトボックスやパララックスなど動きのある画像表示が可能になったり、ECサイトでよく使われる機能のサポートを始めたりとダイナミックな仕組みが次第に整いつつある。
またAMPで作られたページは「デザインがそっけない」という印象もあるかもしれない。
しかしデザイン性に優れたAMP HTMLのテンプレートを配布するAMP Startというサイトが公開されている。これも第2四半期中の成果だ。
あなたがAMPに積極的に取り組んでいる人なら、AMPの現状を知るためにロードマップをチェックしよう。
★★★☆☆
- AMPがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ
JSサイトの構成と、MFIに関する記事を今週はピックアップ。
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ- 構造化データを設定する3つのSEOメリット
- Search Consoleの時間は太平洋時間だって知ってた?
- HTTPS移行後の内部リンクは相対パスと完全URLのどちらがいいの?
- ページの一番下にある小さなh1タグはSEOにプラス? マイナス?
- IPアドレス地域判定でのリダイレクトはSEOにもUXにもよくない
海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
構造化データを設定する3つのSEOメリット
リッチスニペット・カルーセル・コンテンツ理解の手助け(Google Webmaster Central office-hours)
構造化データを実装することで得られる3つの主要なメリットを、グーグルのジョン・ミューラー氏が説明した。次の3つだ。
リッチスニペット
構造化データをページに設定しておくと、そのページがグーグルの検索結果に表示された際に「リッチスニペット」を表示できる。構造化データによる最も代表的な機能だ。
ランキングにはまったく影響しないのだが、レビューや評価、価格などの付加的な情報を視覚的に掲載できるため、検索結果ページ内でクリック率の上昇が見込める。
カルーセル
検索結果内で複数のコンテンツがスライド形式で並べられる特別な枠が「カルーセル」だ。ここに掲載されるには、通常は構造化データが必要だ。
通常のオーガニック検索とは独立しており、オーガニック検索結果とは別に掲載される。(オーガニック検索の)ランキングには影響しないのだが、カルーセルは検索結果の上部に表示されることが多いため、実質的には上位に表示されるのと同じ効果があると考えてもいいだろう。
コンテンツ理解の手助け
構造化データを実装したからといって、検索エンジンがそのページの評価を直接的に上げることはない。しかしながら、検索エンジンがページに書かれているコンテンツを理解するにあたって、構造化データがその助けとなることもある。コンテンツが適切に評価されれば、結果的に検索結果(の上位)に表示されるチャンスが増すことがありうる。
順位アップに直結しないため、構造化データは後回しに
なりがちだ。だが、自分のビジネスのメリットになると考えるなら積極的に実装するといいだろう。
★★★★☆
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- 技術がわかる人に伝えましょう
検索アナリティクスを含め、Search Consoleが提供するデータはすべて太平洋夏時間(PDT、日本より16時間遅れ)でレポートされるということは、意外と知られていない。
Search Consoleのヘルプにもきちんと書かれている。
検索アナリティクスでは、太平洋夏時間(PDT)に基づいて毎日のデータをトラッキングしています。
Googleアナリティクスはタイムゾーンを設定できるが、Search Consoleは一律に太平洋夏時間でデータが集計される。そのため、日本時間と時間が合わないことがあるので知っておくといい。
注意してほしいのが、冬でもPDTであり、PST(太平洋標準時)ではないということだ(ややこしくなるので、サマータイムは無視しているのだろう)。
なぜ太平洋時間なのかというと、米グーグル本社があるカリフォルニア州のタイムゾーンだからだ。
ちなみに、ジョン・ミューラー氏はこの時刻の扱いを「GMT(Google Main Time)」と表現しているが、これは技術に明るい人向けのジョークだ。というのも、「GMT」というのは「グリニッジ標準時」を表す略語であり、本来ならばタイムゾーン調整をしていない時刻(とほぼ同じこと)を示す言葉だからだ。
★★★☆☆
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
常時HTTPSを進めようとしていたサイト管理者が、HTTPS化のために必要な作業に関して次のような疑問を抱き、SEOフォーラムで質問した。
内部リンクのURLは相対パスと完全なURLのどちらにすべきだろうか?
内部リンクのURLを相対パスにするべきなのか完全なURLにするべきなのかというのは、よくある質問だ。そしてたいていの場合、SEOにはどちらが有利かという意図が含まれている。
念のためにおさらいしておこう。
「相対パス」とは、現在表示しているページのURLを起点として場所を示すURLの記述方法だ。同じディレクトリにあるpage1.htmlというページへリンクするなら、次のようになる。
そのページがあるディレクトリの中にある「2017」サブディレクトリ内のURLへリンクするなら次のようになる。
「完全なURL」は、文字どおり「http:」や「https:」などのプロトコル名、サーバー名を含め、サーバーのルートディレクトリから順にパスを示すURLの記述方法だ。
さて本題に戻ろう。
内部リンクが相対パスで書かれていても、完全URLで書かれていても、検索エンジンにとっては何の違いもない。したがってSEOの観点から決める必要はまったくない。また、HTTPSだからどちらが適しているということもない。
ただし、これまで完全なURLで内部リンクを指定していたのならば、移行後はそのリンク先URLを「http:」から「https:」へと書き換えたほうがいい。リダイレクトを設定していればユーザーはアクセスできるが、リダイレクトが発生する分、スピードが遅くなる(もっとも体感するほどではないだろうが)。
また万が一再びHTTPに戻すことがあったとしたら、リンク先を「http:」に書き換える作業が再度発生する。
相対パスと完全URL(と、絶対パス)のメリット・デメリットについてはかなり以前にこのコーナーで解説したことがある。興味があれば読むといい。
グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏に、ツイッターのフォロワーが次のように質問した。
フッターに書かれているテキストにh1タグが表示されているサイトを見つけました。ですが、HTMLのコードでは先頭にあって、CSSで表示上は、ページの下に配置しているようです。
これは問題になりますか?
イリェーシュ氏はこう答えた。
グーグルは、そんなの気にしないね。
一般的に言えば、セマンティックのルールに従うのはいいことだ。だけど従っている人はとても少ない。もし僕たちが気にかけたとしたら、大きな問題になってしまうだろう。
こうした「小細工SEO」のテクニックが使われていたのは、10年ほど前のことだろうか。もう知らない人も多いのかもしれない。
ご存じのとおり、h1タグは大見出しに使うタグだ。はるか昔のグーグルでは、h1タグに含まれるキーワードはランキングに目に見えるほどに影響を与えることもあった。
h1タグは大見出しなので先頭に来るべきだ。しかし、望むようにキーワードを入れると見出しとしてふさわしくなくなることもある。
そこで、HTMLコードでは最初に登場する見出しとて記述するのだが(もちろんキーワードを含んでいる)、CSSで表示位置を下げて文字サイズを小さくする、こんなテクニックが流行った時代があったのだ。
その名残を質問者は見つけたに違いない。
こうしたテクニックは、今はまったく通用しないので、真似しても意味はない。というのも、グーグルはすでに「HTMLを分析」するのではなく、「実際のユーザーが見る表示」を判断するようになってきているからだ。
そもそも、h1タグにキーワードを入れれば検索順位が上がるような単純なアルゴリズムでないのも、ご存じのとおりだ。
では、こうした名残によってグーグルの評価にマイナスはあるのだろうか? おそらく、マイナスの影響もないだろう。
実際のところ、大見出しがページの最後に小さく表示されるというのは、おかしな話ではある。「主要な内容を示す」ためのHTMLタグであるh1の役割をまったく果たしていないからだ。
しかしながら、ウェブにあるサイトのすべてがタグの本当の意味を正確に守って使われているはずがない。よって、グーグルはおかしな使い方をしていても、それをマイナス要因として評価したりはしないのだ。
★★★★☆
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
多言語・多地域サイトにおいて、アクセスしてくるユーザーのIPアドレスに応じて、適切だと思われる言語版のページへ自動でリダイレクトすることができる。こうした構成を採用しているサイトの管理者に、グーグルのジョン・ミューラー氏は次のように助言した。
ほとんどの場合、IPアドレスの位置情報によるリダレクトは使わないほうがいいだろう。(グーグルの)インデックスを妨げたりユーザーをいらいらさせたりしがちだ。
IPアドレスに基づく強制リダレクトは、SEOの観点からも、ユーザー体験の観点からも、推奨できない。
Googlebotは、原則的にアメリカ(のカリフォルニア州マウンテンビュー)からアクセスする。強制リダイレクトすると、他の言語や地域向けのページを適切に認識できないことがある。
米国以外からもクロールする地域分散クロールという仕組みをグーグルは実装しているが、これに完全に頼るべきではない。
また、ある国にいるユーザーが必ずしも、その国の言語のページを閲覧するとは限らない。
たとえば、ドイツ人ユーザーが日本に旅行中だとする。日本に滞在中なのだが、ドイツに帰国してから仕事で使うレンタカーを予約しようと考えた。使いなれたドイツのレンタカーサイトを見に行ったら、IPアドレスが日本のものだったので、自動で日本語ページに連れて行かれた ―― これは良い体験だろうか? 日本語を解釈できなければ、途方に暮れるだろう。
このように、SEOとUXの観点からIPアドレスに基づくリダイレクトは多言語・多地域サイトではお勧めできない。
一方的に判断して強制的に特定の言語ページを開かせるのではなく、ユーザーが任意で選択できるようにすることが望ましい。
※このコンテンツはWebサイト「Web担当者Forum - 企業ホームページとネットマーケティングの実践情報サイト - SEO/SEM アクセス解析 CMS ユーザビリティなど」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:お店や会社のホームページを無料・5分で作れるグーグルの新サービス登場【SEO記事12本まとめ】 | 海外&国内SEO情報ウォッチ
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