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気に入った商品の登録ユーザに値下げや再入荷の通知を「LINE」で自動配信する機能搭載

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マーケティングソリューションのエイジアは、無料通話・メールサービスのLINEが提供する「LINEビジネスコネクト」を活用したパーソナライズメッセージ配信システム「WEBCAS taLk」に、ECサイトで気に入った商品を登録したユーザに値下げ、再入荷などの通知を無料通話・メールアプリ「LINE」で自動配信できる機能を搭載した、と6月7日発表した。LINEビジネスコネクトは、企業が顧客とLINEを介してコミュニケーションできるサービスを指す。

新機能は「トリガー型オートメーション配信」と呼ぶ。WEBCAS taLkの効果を高めるとともに用途拡大を目的に搭載した。ユーザが自ら気に入って登録した商品に関する最新の情報を画像付きでタイムリーに知らせることが可能になり、クリック率やコンバージョン(最終成果)率の大幅な向上が見込まれる。WEBCAS taLkは、企業のデータベースとLINEのアカウントを連携し、属性や行動履歴などでセグメントを抽出し、LINEでメッセージが配信できる。

エイジア
http://www.azia.jp/

WEBCAS taLk
http://webcas.azia.jp/talk/


[ユーザー投稿] JupyterでITと科学技術教育の融合を実現?!

日本最大規模オウンドメディア成功の先にパナソニックが見た、新たな可能性 | 【レポート】アナリティクス サミット 2016

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パナソニックが運営する会員サイト「クラブパナソニック」は、会員数820万人、月間2億2千万PVを誇るオウンドメディアであり、日本の企業サイトでは最大規模だ。しかもその成功で満足することなく、その先の新たな可能性を見据えている。

同社はこの「クラブパナソニック」をどのように位置づけ、顧客とのエンゲージメント向上や販売促進に活用してきたのだろうか。そして、同社のビジネスにとって欠かせないプラットフォームにまで成長したこの「クラブパナソニック」で次にどのようなチャレンジを目指しているのだろうか。共通IDの導入やO2Oへの挑戦など、参考になる事例の目白押しだ。

中村愼一氏
パナソニック株式会社
アプライアンス社
コンシューマーマーケティングジャパン本部
クラブパナソニック運営部 部長 中村愼一氏

パナソニックの中村愼一氏が、4月21日に開催された「アナリティクスサミット2016」の基調講演として「パナソニックの会員サイト CLUB PanasonicのCRM戦略について」と題しプレゼンテーションを行った。

国内屈指のオウンドメディアに成長した「クラブパナソニック」、その目的と役割

「以前から自分たちで自由に発信できるオウンドメディアに注力してきた」と語る中村氏はまず、クラブパナソニックの概要について説明を行った。同社では、企業サイト、宣伝部門が運営する商品の公式サイト、そして中村氏が中心となって運営する会員サイト「クラブパナソニック」と異なる3種類のサイトを相互に連携しながら運営を進めている。中でも、「クラブパナソニック」について中村氏はその目的を次のように語る。

目的は、販売に貢献するということ。新しい売上を作り出すことだ。

この目的を達成するために、「クラブパナソニック」は3つの活動を軸に運営しているという。

  1. パナソニック製品の愛用登録者へのアンケートによる商品力強化
  2. コミュニケーションによる顧客との継続的な関係作り
  3. 全社のネット経由のお客様のワンフェース化

つまり、「クラブパナソニック」を通じて顧客満足度、顧客とのエンゲージメントを最大化させることでロイヤルカスタマー化が進み、新たな購買=新たな売上を生み出す源泉となるのだ。

きっかけは何であれ、まずは会員になってもらう。そして、エンタメ、レビュー、クイズ、キャンペーンなどあらゆるコンテンツを動機として毎日訪問してもらう。こうしたコミュニケーションを通じて顧客にパナソニックのファンになってもらうことで、さまざまな効果が生まれる。

顧客がパナソニックというブランドを好きになってくれることで、愛用者登録、アンケート回答、イベント参加などに積極的になってくれたり、ブランドに毎日接触してくれるので次の商品購入時にはパナソニックが必ず選択肢になる。実際、会員は非会員よりも年間4万7千円多くパナソニックの商品を購入しているのだという。

「クラブパナソニック」の目的
「クラブパナソニック」の役割

また、日経BP社が行ったWEBブランド調査で10位(企業サイトでは3位)、結果を男性に限定すると価格.comやYouTubeよりも高い5位となるなど、日本国内でも屈指のブランド力を誇るサイトに成長。

加えて、愛用者登録を行う顧客の傾向が「高額商品の購入者」で、「世帯主の男性が中心」という特色から、PC向けサイトは「消費意欲が高く高所得なデジタルシニア世代にリーチできるメディア」というユーザー属性の明確化が実現したのだという。

これが、パナソニックが力を入れているシニア向け家電のターゲット層との高い親和性を生み出しており、社内でも「クラブパナソニック」の会員基盤が重要視されているのだそうだ。

「クラブパナソニック」がここまで成長できた要因について、中村氏は「高速PDCA」を挙げている。中村氏によると、「クラブパナソニック」で展開するコンテンツは30個ほどあるというが、それぞれのコンテンツでGoogle アナリティクスを駆使し、KPIを明確にしているのだという。

「会員を増やす」「PVを増やす」「滞在時間を延ばす」……各コンテンツの担当は絶えずそのKPIの達成度をチェックしながら高速PDCAを回している。ダメなものは捨てるという判断も行い、スクラップアンドビルドを繰り返す2007年11月立ち上げ当時に展開したコンテンツはもはや残っておらず、すべて入れ替えた

共通IDによるワンフェイス構造が社内にもたらしたもの

こうして現在に至っている「クラブパナソニック」の820万人という巨大な会員基盤は、自社の事業推進にどのようなメリットを生み出しているのだろうか。

中村氏は次のように説明した。

クラブパナソニックIDができた当時は、ファミリーサイト(パナソニックの各事業部が運営するマイクロサイト)を運営する各事業部に頭を下げて、冷たくあしらわれることもあった。しかし今では、新たに立ち上げるサイトやサービスのほぼ全てで“IDを使わせてほしい”と言われる

今や、パナソニックのコンシューマビジネスにおいて、なくてはならない存在にまで成長したのだ。

社内のさまざまなネットサービスの会員基盤をクラブパナソニックIDに統一

そのメリットのひとつは、パナソニックというブランドに好意的な820万人にもおよぶ会員に無料で告知ができるという点。ある新商品では、数億円という広告宣伝費をかけてもなかなかサービスサイトに会員が集まらなかったところ、クラブパナソニックIDを採用して集客してみたら会員が30倍にも増加したのだという。

もうひとつの理由が、会員基盤を共通化することにより事業部のシステムコストやセキュリティリスクを軽減することができる点だ。会員IDをクラブパナソニックIDすることで、各事業部は顧客の個人情報を保有・管理する必要がない。個人情報を一元化することで、社内で運営する複数のオウンドメディア全体で、セキュリティレベルの平準化が可能になるのだ。

メリットはこれだけではない。中村氏によると、クラブパナソニックIDを活用することによって、商品購入・愛用者登録後の顧客に対するアフターマーケティングの効率が大きく向上したという。

  • 季節家電の点検などを啓発 ⇒ お客様サポートの問合せが大きく軽減した
  • リコールなどの告知 ⇒ 登録された製造番号を元に、対象顧客にピンポイントで通知できる
  • 愛用者アンケートやグループインタビューを実施 ⇒ 次期商品開発に活用できる

中でも、愛用者アンケートやグループインタビューは次期製品開発の大きな参考になっているそうで、社内で意見が割れたときには「会員(現行製品の愛用者)に聞いてみよう」となるのだそう。

アンケートやグループインタビューは年間数百本実施している。今や、パナソニックの製品作りはクラブパナソニックの会員基盤が重要な役割を担っている。

このように製品の愛用者登録に基づいて管理されるクラブパナソニックIDは、社内の複数事業部に横串を刺すかたちでネット上における顧客基盤を一元化できたことにより、見込み顧客へのリーチ、商品購入後のサポート、次期商品のプロダクトマーケティングに至るさまざまなフェイズにおいて、そのコストと手間を大きく軽減することができるようになったのだ。

売上に貢献する会員サービスを目指して行ってきた3つの挑戦

それでは、この「クラブパナソニック」は冒頭に中村氏が挙げた目的である「売上への貢献」をどのように実現してきたのか。中村氏はこれを3つの段階に分けて説明した。

第1の段階は、2008年頃から力を入れてきた「ネットで繋がる」というものだ。現在では、年間数千万人を「クラブパナソニック」から各商品のサイトへと誘導しているほか、商品の紹介動画の視聴回数は年間数千万回。商品に関連するキャンペーンの支援は年数百本にのぼり、「クラブパナソニック」を軸にWebマーケティングを展開することが社内で当たり前になっているという。

こうしたWebマーケティングを支えているのが、データの活用だ。「クラブパナソニック」に登録した際に入力された愛用者登録データや興味のあるカテゴリーに基づき嗜好性やライフスタイルにあわせた商品をレコメンドするアップセルクロスセルを行っているほか、最近では会員のサイト閲覧履歴や行動履歴とプライベートDMPを活用したマーケティングオートメーションも拡大しているという。

登録された商品やカテゴリーは会員の「過去の興味」。最近は、ユーザーが閲覧している「今の興味」に対してメール配信などを通じて興味のある商品の情報を配信している。反響は大きく、メールのクリック率は通常の7倍にものぼっている

会員の行動履歴を元にしたレコメンドで大きな成果を上げている

そして第2の段階として、2013年頃からはリアルでも顧客と繋がる取り組みを実施。具体的には、会員に対する商品レンタルによる体験機会の創出と、「クラブパナソニック」の会員を対象としたリアルなイベントの実施だ。商品レンタルは年間7商品で実施し、10万人が応募して6481名が体験。体験イベントは年間77回実施し、数万人が参加したという。

こうしたCLUB Panasonicのマーケティング活動である「商品開発」の為の商品アンケート、「商品認知」の為の商品サイト誘導、商品動画の視聴促進、「商品体験」のための商品レンタルや商品体感イベントへの誘導O2OをCLUB Panasonicがなかったとして外部への広告出稿でカバーした場合、電通の試算だと年間100億円を超えるコストが必要になるのだそうだ。それを「クラブパナソニック」の会員基盤でカバーしたのだ。

なお、こうしたリアルイベントの実施でも、同社はデータを活用して大きな成果を上げているという。中村氏によると、レンタルによる商品体験を実施した際には、体験応募者、体験者限定でキャッシュバックキャンペーンを郵送のDMで告知。すると、レンタル体験者の購入率が未体験者の5倍にのぼったほか、体験者の87%の購入意欲が向上したという。リアルな体験が購入意欲の大きな向上に結び付いた事例だ。

また、街頭イベントの際には「O2O」の取り組みにも挑戦。イベント参加用クーポンを会員情報に紐づけて、リアルイベントで商品を体験した参加者を対象にメールで再度商品やキャンペーンを告知するという試みで大きな成果を上げている。ネット施策で集客を行いリアルな体験に顧客を呼び込み、再びネット施策で購入意欲の向上を促すという構図だ。「O2O2O」ともいえるだろう。

リアルイベントで実施した「O2O」の流れ

加えて中村氏は、商品の認知や購入意欲の向上のために位置付けられてきた体験イベントを、「すぐ購入するための機会」へと変貌させるための試みも行ったという。

具体的には、商品体験イベントの参加者に対して、当日限定のキャッシュバックキャンペーンを実施。事前にキャンペーンを告知し、商品動画や商品の口コミなどの情報を提供して購入意欲を醸成し会場に来てもらうという構図を作り出した。

その結果、「今すぐ購入を検討するために来場した」という人は83%にのぼり、イベント会場近隣の小売店での売上も向上。「いつか買おう」から「よければすぐ買おう」へと意識改革に成功したのだそうだ。

「いつか買おう」から「今すぐ買おう」へと意識改革に成功

オウンドメディアの枠を超えたビジネス展開へ

最後に、2015年から行っている第3段階目が、「金銭で繋がる」ということ。具体的には、電子マネーや航空会社のマイルに交換できるポイントサービス「クラブパナソニックコイン」を2015年2月に立ち上げ、顧客との関係性を更に深めようとしているという。

このクラブパナソニックコインは、既存の商品販売促進施策やO2Oの促進に活用。キャンペーン参加の報酬やキャッシュバックを郵便為替や商品券ではなくコインで行うというものだ。

また、コインの活性化を促進するために、アフィリエイト広告のプラットフォームを活用して他社サイトの利用にもポイントを付与するポイントモールを立ち上げ、約900サイトを掲載しているという。

これまでクラブパナソニックの会員基盤はパナソニックの社内だけで活用されてきたが、他社もポイントモールで成果報酬型の広告が掲載できるようになったのだ。

「クラブパナソニックコイン」を既存の販売促進施策に活用していく

また、コイン流通を活性化するための新たな取り組みも進めている。

それが、中村氏がクラブパナソニックで実施してきた商品認知のための施策スキーム、商品開発のためのアンケート、O2O施策によるリアルの集客施策、商品レンタルなどによる販売促進など、クラブパナソニックの会員基盤を活かしたスキームをオープン化して他の企業に提供していくという。

広告主からの広告収入を会員にCLUB Panasonicコインとして付与することで、コイン利用を促進したい狙いだ。今年上半期のテスト販売を経て、下半期には本格展開を開始する予定だという。

外部の広告主とのコラボレーションを通じて、会員を更に活性化させる

中村氏は、こうした他社とのコラボレーションによる新たなビジネスの創出に、「パナソニックのために行ってきたさまざまな施策を他の企業にもどんどん提供していきたい」と意気込みを語る。「クラブパナソニック」はオウンドメディアという枠組みを超えて、メディアとして新たなステップを踏み出そうとしているのだ。

この記事の筆者

【執筆】
井口裕右

【撮影】
鹿野宏

「10倍優れたコンテンツ」を作成する5つのステップ | Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

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「10倍優れたコンテンツ(10x content)」を作ろうと試みたことがあるだろうか? 当然、簡単にはいかない。多くの場合、最大の障害は、どこから、どのように始めればいいか分からないことだ。この記事では、単なる「独自性のある優良なコンテンツ」がどのように廃れていくのか、そしてどうすれば、それを補って独自の10倍優れたコンテンツを開発できるかについて、ランドが紹介する。

10倍優れたコンテンツの基準
デバイスを問わず、すばらしいUIとUX
高品質で、信頼でき、有益で、興味深く、卓越した要素が組み合わさっているコンテンツ
同じユーザー意図に応える他のコンテンツと比べて、対象範囲や詳細の点でかなり差別化が図れるもの
畏敬の念、驚きや喜び、期待感、感心など、感情的な反応を呼び起こすもの
包括的かつ正確で特別な情報やリソースを提供することで、問題を解決したり、疑問に答えたりする
コンテンツは、独自で、優れていて、期待を超えて楽しいスタイルや媒体で届けられる

ステップ1
なぜ人々がそのテーマに関心があるのかという核心部分について、深い洞察を得る
新作映画で、評価が最も高いのはどれだろう?
ユーザー評価
受賞歴
編集者の評価
メタ評価
人気
目的は、つまるところ……「何を観ればいいか決める手助けをしてほしい」

ステップ2
問題に対して独自性のある見方を考える
映画の評価
まとめ
受賞歴と人気の比較
批評家と観客の比較
上映館の多さを図示
どの評価が信頼できるか

ステップ3
疑問に対して回答を提示でき、効果的で模倣しにくく、質の高い方法を見つける:
有名な評価サイトをすべて比較し、ある映画の統計分析を行う
評価サイトごとの評価の高低
サイトによってジャンルの好みの違いはあるか
他の評価とかけ離れているものはないか
受賞歴や批評家の評価と相関関係があるか
どの評価が信頼できるか

ステップ4
コンテンツを提示するための、効果的で特別な独自の方法を見つける

ステップ5
うまくいくのは5~10回に1回程度
うまくこなせるようになる唯一の方法は、試行錯誤を繰り返すことに尽きる

Mozファンのみんな、こんにちは。ホワイトボード・フライデーにようこそ。今回は、10倍優れたコンテンツを作成する方法について説明しよう。

さて、まずおさらいが必要な人や、10倍優れたコンテンツについて取り上げた以前のホワイトボード・フライデーを読んでいない人のために、確認しておこう。

現在では、コンテンツが多すぎて飽和状態になっていることから、その中で突出するのはきわめて難しい。単に、

このキーワードの検索結果で、上位10件にいる人たちと同じくらいの成果を上げたい

と考えて行動していればいい状況ではない。そうではなく、

現時点でこれらの人たちがやっていることよりも10倍優れたものを作成するにはどうすればいいか?

を考える必要がある。これが「10倍優れた」コンテンツという概念だ。突出するためには、これしかない。

10倍優れたコンテンツを測る基準

実は、僕はGoogleドキュメントで10倍優れたコンテンツの例を60件以上リストアップしていて、今も追加し続けている。

他のどの人がやっていることよりも「10倍優れている」と言える基準は、基本的には次のとおりだ。

  • デバイスを問わず、UIとUXが素晴らしいものでなければならない。

  • 総じて、高品質で、信頼でき、有益で、興味深く、卓越した要素が組み合わさっているコンテンツであること。必ずしもすべての要素を満たす必要はないが、いくつかが組み合わされたものでなければならない。

  • 同じ訪問者の層やユーザーの意図に向けて作られた他のコンテンツと比べて、対象範囲や詳細の点でかなり差別化が図れるものでなければならない。

  • 感情的な反応を呼び起こすものでなければならない。10倍優れていると思われるには、コンテンツに畏敬の念を抱いたり、驚きや喜び、期待感を覚えたり、感心したりできるものであってほしい。

  • 包括的かつ正確で特別な情報やリソースを提供することで、問題を解決したり、疑問に答えたりする必要がある。

  • コンテンツの提供には、独自の優れたスタイルや媒体、それも、期待を超えて楽しい物を利用しなければならない。

これらすべてをクリアすれば、10倍優れたコンテンツになるだろう。ただ、これは至難の業だ。ここが今回のテーマだ。これらすべてのチェックボックスにチェックを入れるには、どういったプロセスをたどればいいだろうか?

10倍優れたコンテンツを作るステップ1
深い洞察を得る。

では、ここから始めよう。まず、何か考えていることがある、たとえばテーマにしたい特定のトピックがあり、作成しようと思うコンテンツがあるとしよう。

ちなみに、そうしたトピックに行き着くまでの方法については今後のホワイトボード・フライデーで取り上げるつもりだ。なおこれまでにも、キーワード調査に関するトピックはもちろん、トピックの選び方などについても紹介したことはある。

いずれにせよ、すでにトピックが決まっているなら、まずは「なぜ人々がそのテーマに関心があるのか」という核心部分について、きわめて深い洞察を得る必要がある。

例として、何かシンプルなトピック、誰もがよく知っているトピックで見ていこう。

評価が最も高い新作映画は何だろう?
ユーザー評価
受賞歴
編集者の評価
メタ評価
人気

こんな風に思っている人がいるとしよう:

評価が最も高い新作映画は何だろう

この場合にはまず、「この人物の頭の中に入り込んで、疑問の核心部分に答えるにはどうすればいいか?」を考える。

この人物の思っていることの本質は、「どうやって判断したらいいのだろう……何を観ればいいか決める手助けをしてほしい」ということだ。

判断材料はさまざまにあるだろう。ユーザー評価かもしれないし、受賞歴かもしれない。あるいは人気という場合もある。最も人気のある映画は何だろう。あるいはメタ評価かもしれない。この人物は、参照できるすべてのデータが集約されたリストが見たいのかもしれない。編集者や批評家の評価かもしれない。実にさまざまな見方があるのだ。

10倍優れたコンテンツを作るステップ2
独自性がなくてはならない。

当然のことながら、独自性があり、特別で、他の誰とも同じでなく、他の誰とも差別化できることが非常に重要だ。

問題に対して独自性のある見方を考える
映画の評価
まとめ
受賞歴と人気の比較
批評家と観客の比較
鑑賞のしやすさ
どの評価が信頼できるか

そこで、このユーザーが抱いている問題の核心部分に対処するさまざまな方法をブレインストーミングしていけば、「映画の評価を総括するのはどうだろう?」という案が浮かぶかもしれない。

だが、これはすでにMetacriticなどのサイトで、すでに行われていることだ。あらゆる要素を集約し、すべてを1か所にまとめて、実に多くのウェブサイトにおける批評家の意見とユーザーの意見を比較して示しているものは、ほかに存在するのだ。

受賞歴と人気の比較もすでに多くのサイトで行われており、売上が最も高かった作品や特定の賞を獲得した作品を比較している。だからこれも、特に独自性があるわけではない。

批評家と観客の比較はどうだろう? これも、基本的にはさまざまなWebサイトで行われている。だれもがユーザーの評価と批評家の評価を比較して見せている。

鑑賞のしやすさはどうだろうか? ううむ、上映館の情報はすでに多くのサイトにあるし、さらにはNetflixやHulu、Amazon、Comcastやオンデマンド、YouTubeで視聴できる作品をそれぞれ紹介している。したがって、これも独自性はない。

では、信頼できる評価はどれかがわかるサービスはどうだろう? 待てよ、これはまだないかもしれない。この問題に対処すれば、優れて独自の洞察になりそうだ。というのも、僕が「何を観るべきか」を考えるときに頭を悩ますことの1つに、「誰を信用し、信じるべきか」という点があるからだ。FandangoやAmazonを訪れてみるべきか、それともMetacriticやNetflixをチェックするべきか? 実際に信頼できるのは、どの評価だろうか?

さて、これで独自の方向が見つかった。独自の見方を備えた、核心部分の洞察が得られた。

10倍優れたコンテンツを作るステップ3
回答を提示するための効果的な方法を明らかにする。

次に、この疑問に対して回答を提示できる、効果的で模倣しにくく、質の高い方法を見つけたい。

この場合は、方法として統計分析が可能だと気づくことにあるだろう。十分な規模のサンプルセットはある。映画に関しては2015年の作品数は150本ほどになるだろうから、数は十分だ。各サービスが提供している評価を見て、パターンがあるかどうか確認しよう。

たとえば、どの評価が高くて、どの評価が低いか。サービスによるジャンルの好みの違いはあるか。どの評価が信頼できるか。受賞歴や批評家の評価と相関関係があるか。他の評価とかけ離れている評価はどれか。これらの要素はすべて、「どの評価が信頼できるか」という疑問に答えようとするものだ。

こうした統計分析を行えば、疑問に答えることができるだろう。まったく手のかかる作業ではあるけれど。

有名な評価サイトをすべて比較し、ある映画の統計分析を行う
どの評価が高くて、どの評価が低いか
サービスによるジャンルの好みの違いはあるか
他の評価とかけ離れている評価はどれか
受賞歴や批評家の評価と相関関係があるか
どの評価が信頼できるか

こういったサイトをすべて訪れなければならない。すべてのデータを集めなければならない。

集めたデータを、統計モデルに組み込まなければならない。組み込んだら、モデルを実行しなければならない。

標本集団の規模が十分であることを確認しなければならない。どんな相関関係があるか見なければならない。異常値や度数分布といった要素をすべてチェックしなければならない。

うんざりしそうだ。とはいえ、いったんこれを行って方法論を明確にすれば、後は次に進むだけだ。

10倍優れたコンテンツを作るステップ4
このコンテンツを提示するための、効果的で特別な独自の方法を見つける。

実は、FiveThirtyEight.comがまさにこれをやっているのだ。

彼らは、この統計分析を行った。これらのさまざまなサイトすべてを調べて、FandangoやIMDb(インターネット・ムービー・データベース)のユーザー、批評家、Metacritic、Rotten Tomatoesなど多くのサイトを比較した。それを上のような1つのグラフにまとめて、評価の平均値を基本的に星で示している。対象は確か146作品だったと思うが、FiveThirtyEight.comは、十分正確に分析できる標本集団数だと判断したのだ。

こうして、FiveThirtyEight.comは10倍優れたコンテンツを作成し、「どの評価サービスを信頼したらいいのか?」という疑問に独自の解釈で回答した。

結論は、基本的に「Fandangoは信用するな」というものだ。ただし、それだけにはとどまらない。Metacriticはかなり信頼できる。他にもまずまずの水準のところがある。

10倍優れたコンテンツを作るステップ5
成功するまでには、5~10回はやってみる覚悟を持とう。

これをうまくこなせるようになる唯一の方法は、試行錯誤を繰り返すことに尽きる。何度も繰り返すことで、どうすれば独自の要素を明らかにして、それを独自の方法で示し、ウェブ上で存在感を発揮できるかについて、第六感を磨けるようになる。

この記事の筆者

この記事は、Moz Blogに掲載された以下の記事を日本語訳したものです。

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原文:「How to Create 10x Content - Whiteboard Friday」 by Rand Fishkin (2016/03/18)

記事セレクション:渡辺隆広株式会社アイレップ
翻訳:株式会社ガリレオ

Facebookが全方位写真の「360写真」機能を追加、全方位カメラやパノラマの写真を投稿するだけ

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Facebookは、全方位写真をアップロード・閲覧できる「360写真」機能を追加したと6月10日に発表した。全方位写真アプリや全方位カメラで撮影した全方位写真、またはスマートフォンで撮影したパノラマ写真を投稿すると、自動的に360写真に変換される。

360写真のイメージ
360写真のイメージ

投稿された360写真は、FacebookのiOS/Androidアプリの最新版、またはブラウザから閲覧でき、スマートフォンを動かしたり、写真をドラッグしたりすることで全方位写真を楽しめる。ニュースフィード上だけではなく、VRヘッドセット「Samsung Gear VR」(Facebook傘下のOculusとサムスンが共同開発)を使えば、対応端末では360写真をVRの形でも楽しめるという。

360写真の投稿方法は、通常の写真の投稿と同じ。投稿された360写真にはコンパスのアイコンが表示される。閲覧はすでに可能だが、投稿機能は数日かけて徐々に利用範囲を広げていく。

VRで最も体験したいコンテンツは「観光」、価格や体験機会の提供が普及のカギ

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動画マーケティング支援のViibar(ビーバー)は、VRに関する意識調査の結果を6月9日に公開した。

同調査は、20代~60代の男女1,207名を対象に行われたもの。VRコンテンツを体験したことが「ある」と答えた人は全体の37%で、まだ体験したことがない人が63%という結果となった。

VRを体験したことがある/ない

VRで体験したいコンテンツは「観光」がトップ。2位以下は「エンタメ」「音楽」「アニメ」と続き、エンタメ性の高いコンテンツに期待していることがわかる。

体験したVRコンテンツ

家庭用VR機器購入の許容価格については、VRを体験したことがある人とない人で差が見られた。両者を比較すると体験したことがある人の方が価格への許容度が高く、VRを経験すればするほど「ハマっていく」傾向がうかがえる。

家庭用VR機器購入の許容範囲(体験したことがある人)
家庭用VR機器購入の許容範囲(体験したことがない人)

VRを使いたいシーンは「自宅」がトップであることから、テレビやパソコン、スマホなどを使って自宅で気軽に楽しみたいと考えられていることがわかる。

VRを使いたいシーン

また、どんなことがあればVRを体験してみたいかについては、「値段が安い、または無料で体験できる」が45%、「近くにVRが体験できる場所や施設がある」が24%で合わせて79%となり、多くの人が体験するきっかけを求めていることが読み取れる。

どんなことがあればVRを体験したいと思うか

[ユーザー投稿] 世界主要企業サイトの約4割が常時SSLに対応

やりたいことや予算が決まっていないのに見積もりを求めるWeb担当者に喝! | 生田昌弘の「Web担当者に喝!」

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RFP(提案依頼書)に予算金額を書かず、やることも決めていなのに概算見積もりを求めてくる担当者に喝!

何を作るかわからないのに、見積もりを提供できるわけがない!

「予算は決まってないんです」とWeb担当者は言うけれど

プロジェクトを立ち上げる前の段階であれば、予算が決まっていなくても何の問題もない。

しかし、外部の制作会社やシステムベンダー、アプリケーションベンダーなどに声をかけるときには、少なくとも決めておかなければいけないことがある。次の3つだ。

  • やること
  • やりたいこと
  • 求める成果や目標

なぜこの3つを決めておかなければいけないのか。これらがなければ見積もりが書けないからだ。

仕事であれば、「予算ありき」が宿命のはず。それが決まってないということは、まだ仕事といえる状況になっていないからだろう。

そもそも、「仕事」「ビジネス」というからには、こんな風に考えるはずだ。

これだけの成果を上げるから、直接的にこれくらい利益が出て、間接的にもこのくらい利益に換算できるメリットがあり、経費もこのくらい削減できる。

だから、このプロジェクトにこのくらい投資をしよう。

こんな当たり前のロジックが、なぜWeb制作には適用されないのだろうか?

制作会社やアプリケーションベンダーは、なぜ「おかしい」と教えてあげないのか?

たしかに、制作会社は「自分たちに何ができるか」を、アプリケーションベンダーは「アプリの機能」を説明はするが、「ここまで決めてきてくれないと有効かどうかわからない」などとはあまり言わない。

成果が見込めなくても、必要なWebサイトも存在する。その場合は、いかにローコストで制作できるかを検討することが有効だろう。

一方、成果や効果が十分に予測できるサイトには、そこで得られる成果を上限として、投資金額を検討するべきだろう。

建築にたとえて言うならば、マンションを建設するのか、それとも一軒家を建設するのか。これを決めないで「家を建てたいので、見積もりを下さい」とは、誰も言わないと思うのだが……。

やることは決まってないんですけど、概算見積もりをください。
Web担当者A
自由に提案してもらうために、あえて金額提示はしていません。
Web担当者B
予算は決めてないので、そこも考えて提案していただけますか。
Web担当者C

「プレゼン前に、御社の予算最適化をしろとでも?」的な困惑を覚えてしまう。

しかも、このような場合は、頑張ってすごい提案をしても「予算がねぇ……」などと言われてしまうのがオチだ。

予算は関係なかったんじゃないのかい!

しかし、Web担当者がこんなことを言うのは、制作会社や業者側の対応にも原因がある。

今のサイトを参考に、見積もりすぐお持ちします!
制作会社A
弊社の価格表をお持ちしますね。
制作会社B
ひとまず、お勧めするツールの機能リストと価格表をお持ちします!
アプリケーションベンダー

これからはWeb担当者もRFPを書こう!

「RFP」(Request For Proposal)とは、提案依頼書のこと。

多くの場合は、情報システム導入時に、発注先選定のために用意される資料を指す。これを何社かの開発ベンダーに渡して、提案書と見積書を提出してもらうことになる。

そろそろ、このRFPをWeb制作でも必須とすべき時代がきたのではないだろうか?

Webサイトが、企業の事業活動に有効な成果をもたらすツールやメディアであることは、すでに十分認知されている。

成果を上げるためには、長期的な運用も視野に入れた構築が必要なことはもちろんのこと、企業が持つ顧客情報や技術情報との連動が必要とされることも多くなっている。

情報システムと同じように、きちんとしたRFPが必要になってしかるべきだ。

とはいえ、いきなりRFPを書くのは敷居が高いと感じる人も多いだろう。

情報システムのRFPのように機能がすべて入っている必要はないし、なんなら制作会社にRFPそのものから依頼するのも悪いアイデアではないと思う。

もしあなたが、プロジェクトを効率的に立ち上げて成功させたい、またWebサイトで成果を出したいと考えるのであれば、RFP制作にチャレンジすべきだ。

Web構築におけるRFPとは?――「目的・目標」「予算」「納期」は忘れずに

同じ発注でも、Web制作会社とシステム開発会社では、それぞれ求めるものが違う。

システム開発を依頼するためのRFPは、やりたいことが記載されていることはもちろんのこと、必要な機能もすべからく明記されている必要がある。しかしWeb制作においては、そこまで詳細なRFPを要求してくる制作会社は少ないはずだ。

以下の3つが、Web制作におけるRFPの最低限度の項目になる。

  1. 成し得たいこと(目的・目標)
  2. 予算
  3. 納期

特に「1. 成し得たいこと(目的・目標)」は重要で、より具体的に、たとえば定量的な成果(コンバージョン数/率、制約数/率など)や定性的な成果(ブランド価値向上、お客さま満足度向上など)を明確にすれば、その手法自体を提案してもらうことが可能になる。

RFPを作成する前の段階で予算や納期を決めるのは、難しいかもしれない。あなたがWeb制作に詳しくなければなおさらだ。でも、自分の会社のことなのだから、多少はわかるだろう。

こう考えてみるのはどうだろう。

会社に「これだけの成果を出します」(「1. 成し得たいこと(目的・目標)」で決めた成果)と宣言したら、その企画に会社はどの程度の予算を付けてくれそうか。

つまり、いくらかかるかではなく、いくら払えるかという発想だ。

2. 納期」に関しても同様で、「この成果のために、自分の会社はどのくらいの時間を与えてくれるだろうか?」と考える。

納期がわからないからWeb制作会社に聞くのではなく、自社のかけられる時間を提示するのだ。それが、とんでもない納期であれば、普通の制作会社であればRFPを見た瞬間、やんわりと教えてくれるはずだ。これは、「3. 予算」についても同様だ。

RFPに書かれているのがプロジェクトの納期や予算ではなく自社の都合だとしても、制作会社の人は少しも気にしない(たぶん)。むしろ、予算や納期なしに提案を求められるほうが辛い

そもそも、依頼する側としても、予算と納期がない提案書では定量的な比較ができないだろう。

Web担当者の皆さまへ

お互い楽になる方法を模索しませんか?

皆さまからの明確な情報提供があればあるほど、制作側は頑張れます。

漠然とした、雲をつかむような話をされても、混乱して時間とコストを無駄に費やすことになるだけです。

採用される可能性のある提案なら、もしくはそう思える提案なら、制作会社は頑張れるのです。

わからなければ、無理しないでそのタイミングで相談してください。

一緒にRFPを作りましょう。

ただし、コンペに10社も集めるのは不毛です。

2~3社くらいまで絞り込んだうえで選定すると、お互いにハッピーだと思います。

(制作会社の心の叫び)

より良い提案を引き出すRFPの書き方

より良い提案を引き出すために、RFPに記載すべき内容と構成例を示すので、RFPを書く際の参考にしてほしい。

RFPに記載すべき内容

まず、RFPに記載すべき内容を具体的に明記しておく。

ポイントは、「より良い提案を引き出すための必要情報」をまとめること。必要な要素は、以下とおりだ。

RFPに記載すべき内容

  1. 現状を明確にする(現状サイトの定量的な定義)

    • サイト構成、コンテンツボリューム
    • 利用しているアプリケーション/ASPとその範囲
    • 現状の訪問者数、他アクセス状況
    • 現状の編集者数、更新頻度、運用スタッフのスキルレベル
    • 実施されているSEOなど、集客施策
    • 外注の有無と量、範囲、年間発注金額
    • サーバー構成、インフラ環境
    • 現在の公開までの業務フロー(ワークフロー) など
  2. 構築するWebサイトの規模感を明確にする(スケーラビリティの定義)

    • 対象ページ、閲覧者の規模
    • 運用者、承認者の人数
    • ドメインの数、ドメイン間でのデータ一元化の有無
    • 共通化するデータの量
    • 多数のデバイスへの動的出し分けの有無
  3. データ移行の有無と内容を明確にする(種類、内容、量と重要性の定義)

    リニューアルは、多くの場合、現状ページの棚卸しも兼ねて行う。現在あるページのうち、リニューアルで不要なページや、逆に拡充したいページ(コンテンツ)を明確にしておくと、見積もりの精度もより高まる。

  4. 個別要望を明確にする(具体的な要望/要求の定義)

    例:
    • 多言語対応(フロント、管理)
    • データベース連動、基幹連動
    • アクセス解析
    • SNS利用
    • 対象ブラウザ、対象機種
    • セキュリティ
    • 教育、導入サポート
    • 体制(構築時、サポート時) など

RFPの構成例

次に、RFPの構成例を示す。可能な部分だけ拾って、制作してみてほしい。

RFPの構成例

  1. 前提項目

    1. NDA
    2. 提供資料
    3. 提案にかかる費用
  2. プロジェクト概要

    1. リニューアルの目的
    2. 背景・理由
    3. 求める成果
    4. 予算
    5. 納期
  3. 現状のWebサイトについて

    1. 管理サイトとサイト規模
    2. アクセス等現状データ
    3. サイト運用体制・フロー
    4. 外注範囲
    5. インフラ構成
    6. 保守費用
  4. 提案依頼事項

    1. 対象範囲
    2. ターゲット
    3. コンテンツ要件
    4. 機能要件
    5. インフラ要件
    6. セキュリティ要件
    7. 移行要件
    8. 導入・保守要件
    9. その他要望
  5. 提案と選定

    1. 提案手続き・スケジュール
    2. 提案に関する問い合わせ先
  6. 契約事項

    1. 発注形態
    2. 検収
    3. 支払条件
    4. 保証年数(瑕疵担保責任期間)
    5. 機密保持
    6. 再委託
    7. 著作権等
    8. その他

本日のまとめ

Webサイト構築は、お客様へのサービス提供。

「成し得たいこと(目的・目標)を明確に!」それが最初の一歩。

予算と納期は、そこからしか導き出せない。

すべては、お客さまの問題解決のために!

この記事の筆者

生田 昌弘(いくた まさひろ)

株式会社キノトロープ
代表取締役社長

1959年生まれ。岡山県出身。1985年に生田写真事務所を設立し、カメラマンとして活動を開始する。1993年12月にキノトロープを設立し、代表取締役に就任。以後、一貫した方針で数々のWebソリューションを築き上げる。現在もネットエバンジェリストとして布教活動を実践中。

主な著書に『Webブランディング成功の法則55』(翔泳社)、『CMS構築成功の法則』(技術評論社)、『Webサイト構築ワークフロー』(ソフトバンククリエイティブ)、『アクセス解析からはじめる Webサイト運用 成功の法則』(ソフトバンククリエイティブ)、『次世代Webサイト構築ワークフロー』(インプレスジャパン)など。

【イラスト】
北上 諭志(きたがみ さとし)


マーケティングオートメーションで失敗しない3つのポイント | 先週のWeb担まとめ記事

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2016/06/04~2016/06/10

Web 担当者 Forum に掲載された情報を毎週一度、まとめてご紹介するこのコーナー、今回は解説記事 40本とニュース記事 22本です。

忙しい人のためのこの記事の使い方:
  • 上のほうから内容をざっとチェックする
    重要なものほど上の方に置いてあります。
  • 背景が黄色の部分をざっとチェックする
    要チェックのものは色を付けてあります。

今週の担当は、安田です。

【札幌セミナー】ツイッター+ヤフー登壇
ツイッターとヤフーの人が登壇するEC&Webのセミナーを、札幌で7月8日に開催します。ネットショップ担当者フォーラムとWeb担のイベントで、参加無料です。
https://netshop.impress.co.jp/event/201607sapporo

[今回の要チェック記事]↓セミナー/お知らせ | ↓人気記事 | ↓解説記事 | ↓ニュース
マーケティングオートメーションで失敗しない3つのポイント

Web担で先週公開された記事の中から、特に人気のあったものを厳選! 読んでおかなければ話題に乗り遅れる?

  • 「マーケティングオートメーション(MA)で失敗しない3つのコツとは?」の記事が240いいね!と人気でした。

    マーケティングオートメーションの導入検討が各所で進んでいるものの、どうしたら円滑に導入できるのでしょうか。だれがどのように仕切ったらいいのでしょうか。もしWeb担当者のあなたが、MA導入のプロジェクトマネージャになったとしたら……。

    Web担当者Forumミーティングのセミナーレポートです。

    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2016/06/08/22887

  • 「グーグルのAMPがSEOやマーケティングに及ぼす8つのマイナスの影響とは?」は、Mozの記事。

    AMPは、SEOやオンラインマーケティングマイナスの影響を及ぼさないのでしょうか? リード獲得、ECサイト、PPC、ドメインオーソリティなど、8つの影響を紹介しています。

    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2016/06/06/22964

  • 「オウンドメディアの文章作成で押さえておくべき基本5ステップ」は、「10社の事例でわかるオウンドメディア運営の『企画』『構築』『成果』ノウハウ」の記事。

    「記事を作る」というと、文章を書くことばかりを考えていませんか? オウンドメディアの記事作成では、文章を書くだけでなくネタ決めやタイトル作り、そして第三者チェックも大切なステップです。

    この記事では、オウンドメディアの記事を作る際の5つのステップを紹介しています。

    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2016/06/07/22641

  • 「顧客ステータス・タイミングに合わせた施策とマーケティングオートメーション」は、「Web担当者Forumミーティング 2016 Spring」のレポート記事。

    デジタル化・デバイスの進化によって顧客側のタイミングで容易に情報収集が可能な時代です顧客の可視化・顧客タイミングに合わせた事例とその仕組みを実現するマーケティングオートメーションが望まれるようになっています。

    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2016/06/10/22889

  • 「Webの運用オーバーヘッドを減らして、エクスペリエンス向上に予算を回せ!」は、「Web担当者Forumミーティング 2016 Spring」のレポート記事。

    Webでの多言語展開は、重要な顧客体験のひとつ。SDLジャパンの小松賢志氏が、多言語展開と新たなマーケティング施策による上質な顧客体験を両立する方法を、事例を取り上げつつ紹介しています。

    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2016/06/06/22879

Web担の姉妹サイトもお役に立てるはずです。
ECの現場で売上アップを目指す方には
ネットショップ担当者フォーラム
データセンター(iDC)に携わる方には
データセンター完全ガイド
企業内情報システムのお仕事をされている方には
IT Leaders
ソフトウェア開発者の方には
Think IT

[セミナー/お知らせ]↑要チェック記事 | ↓人気記事 | ↓解説記事 | ↓ニュース記事
BtoB、UX、サイトリニューアル、マーケ、ユーザーテストなど8セミナー情報

※「先週のニュース記事」の「イベント/セミナー」欄ユーザー投稿でのセミナー告知もご覧ください。

データ・サイエンティスト(6/15+16)

データ・サイエンティストとデータ・エンジニアが一堂に会して学ぶコミュニティーイベント「Datapalooza Tokyo(データパルーザ)」を、日本IBMが6月15日(水)+16日(木)に秋葉原で開催します。参加無料。

http://www-01.ibm.com/software/jp/events/analytics2/index.html

BtoBのUX(6/17)

「BtoBにおけるUX設計 ユーザーニーズの顕在化と課題発見のプロセス」セミナーを、ロフトワークが6月17日(金)に代官山で開催します。参加無料。

http://www.loftwork.jp/event/2016/20160617_designingapproach2/summary0617.aspx

企業サイトのリニューアル(7/1)

「コーポレートサイトリニューアル『Before & After』~Web担当者が押さえておくべき5つのポイント」と題したセミナーを、ビッグローブが7月1日(金)に大崎で開催します。参加無料。

http://business.biglobe.ne.jp/pattern_style_cms/seminar/20160701.html

マーケティング(7/6)

「マーケティングのイノベーションがここに」をテーマに、デジタルマーケティングの大規模セミナーイベント「THE MARKETING NATION SUMMIT 2016」を、マルケトが7月6日(水)に六本木で開催します。参加無料。

https://jp.marketo.com/summit-2016/

ユーザーテスト実践(6/22)

「課題発見から再設計までを一日で完了する 高速ユーザーテスト実践セミナー」を、NOKIOOが6月22日(水)に東麻布で開催します。参加費は1万2,000円。講師は利用品質ラボの樽本氏。

http://peatix.com/event/168603/

マーケティングフレームワーク(6/22)

「マーケティングを成長させる5ステップ! 最短距離で目標達成するための実践型マーケティングフレームワーク」セミナーを、シナジーマーケティングが6月22日(水)に六本木で開催します。参加無料。

https://www.synergy-marketing.co.jp/academy/training/marketingcommunication_framework_160622/

Web人材育成(7/5)

「デジタルマーケティング人材育成の投資が急務!~3年後も主力部署であるために必要な人材育成とチーム作りとは」と題したセミナーを、メンバーズが7月5日(火)に晴海で開催します。参加無料。

http://go.pardot.com/l/131631/2016-05-31/d441w

AdWords認定資格(6/28+29)

「2日間で取得完了! AdWords 認定資格セミナー」を、グーグルが6月28日(火)+29日(水)の2日間、六本木で開催します。参加無料。

https://events.withgoogle.com/2016-0628-0629-2day-adwords-gcp-seminar/

先週の人気記事 ↑要チェック記事 | ↑セミナー/お知らせ | ↓解説記事 | ↓ニュース記事

Web担で先週公開された記事のうち、「今回の要チェック」に次いでアクセスが多かった記事です。

背景色が薄く黄色になっている項目はWeb担編集部のお勧め記事。

  • 編集長ブログ―安田英久
    Webデザイン:アイコンや装飾に標準フォントで使えるUnicode文字455個まとめ
    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2016/06/07/23018
    by 安田英久(Web担 編集長)
  • 海外&国内SEO情報ウォッチ
    Search Consoleに複数サイトをまとめて集計できるプロパティセットが登場! などSEO記事まとめ10+4本
  • ネットショップ担当者フォーラム ダイジェスト
    【ネッ担独占取材】楽天が9月から始める「レビューへの傾聴施策」「違反点数制度」って何?
    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2016/06/07/23030
    by 中川 昌俊(ネットショップ担当者フォーラム)
  • ホームページを育てるための"心得帳" ~ほったらかしのホームページを救え!~(全6回)
    ホームページを作るときに最初にすること(第2回)
    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2016/06/10/23056
    by 山本 和泉・藤川 麻夕子(株式会社エフシーゼロ)

先週の解説記事 ↑要チェック記事 | ↑セミナー/お知らせ | ↑人気記事 | ↓ニュース記事

Web担の解説記事には、ウェブサイトをビジネス活用したい人向けの情報がたっぷり詰まっています。

背景色が薄く黄色になっている項目はWeb担編集部のお勧め記事。

  • 衣袋教授の新・Googleアナリティクス入門講座
    Googleアナリティクスの解析に使うビュー(データ集計の単位)を新しく作成する[第3回]
    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2016/06/09/22979
    by 衣袋 宏美(株式会社クロス・フュージョン)
  • ネットショップ担当者フォーラム ダイジェスト
    アフィリエイト運用の成功を左右する!? 「承認」の落とし穴
  • ネットショップ担当者フォーラム ダイジェスト
    フェリシモ猫部が人気を集める理由。カタログ通販大手が生んだ「顧客に愛される部活」
  • 企業ホームページ運営の心得
    トランプ大統領候補式、悪党の交渉術
    http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2016/06/08/23010
    by 宮脇睦(有限会社アズモード)
  • ユーザー投稿記事 by エクスペリアンジャパン株式会社
    メルマガの「開封率」を上げるには「本屋さん」に行け!両者の意外な関係とは?
  • ユーザー投稿記事 by Pierry Software Japan(ピアリソフトウェアジャパン)
    マーケ担当がたった1人で7つのソーシャルメディアを運用できた理由…(7月11日大阪開催決定!)
  • ユーザー投稿記事 by コマースリンク株式会社
    【参加無料】ヒートマップ×ABテスト×データフィード実践活用セミナー:コンバージョン率のあがった成功事例・失敗事例
  • ユーザー投稿記事 by 株式会社ミツエーリンクス
    企業担当者向けWebアクセシビリティ入門セミナー 2016
  • ユーザー投稿記事 by (株)ランドスケイプ
    マーケティングオートメーションとDMPでシームレスなマーケティング基盤を実現する!!
  • ユーザー投稿記事 by 株式会社フィードフォース
    広告配信プラットフォーム「Feedmatic」がEC商品検索・レコメンド最大手のゼロスタートが提供する「ZERO ZONE」と接続開始
  • ユーザー投稿記事 by 株式会社ミツエーリンクス
    デザインガイドライン活用セミナー
  • ユーザー投稿記事 by 株式会社パワー・インタラクティブ
    【MA導入のボトルネック、コンテンツ力をアップ!】『「コンテンツがない」からの脱却!商談創出のためのコンテンツ設計力強化セミナー』7月7日東京、7月8日大阪
  • ユーザー投稿記事 by 株式会社エイジア
    無料セミナー『大量のテキストデータをマーケティングに活かすには? ~人工知能、自然言語解析の第一人者が語る、感性分析の技術と活用事例~』6月29日(水)
  • ユーザー投稿記事 by ナビプラス株式会社
    【大阪セミナー】TIS EC最新ソリューション『AI・動画・カゴ落ちメール・越境EC・電話連動・そして再構築~今取り組むべきオムニチャネル時代のEC強化策~』
  • ユーザー投稿記事 by ビジネスサーチテクノロジ株式会社
    成功するO2O戦略セミナー ~ネットとリアルの連携で売上倍増!~【7月20日開催】
  • Web担人気記事ランキング
    資生堂のWeb担当者が実践! 失敗しないWebプロジェクトの進め方
  • 先週のWeb担まとめ記事
    失敗しないWebプロジェクトの進め方 ~Web担当者に求められる折衝力とは

先週のニュース記事 ↑要チェック記事 | ↑セミナー/お知らせ | ↑人気記事 | ↑解説記事

大手のニュース媒体では紹介されない、ホームページの企画・構築・運営や、ウェブマーケティング関連のニッチなニュース記事ならWeb担で。

背景色が薄く黄色になっている項目はWeb担編集部のお勧め記事。

編集後記

家で餃子を作っても、外でステーキを食べても、以前は完食していた量を食べきらずに残すことが……年ですかね。その割には、考え方とか処世術とか、成長してる気がしないのですが。(安田)

Web担の編集後記も毎月末に更新してますので、よろしければご覧ください:
http://web-tan.forum.impressrd.jp/editors_note

[ユーザー投稿] 【大阪開催】EC最新トレンドセミナー~オムニチャネル戦略から集客拡大・ウェブ接客まで~(7/13)

[ユーザー投稿] Ruby技術者認定試験に合格しよう! ~ゴールド編②~

イノーバ、ツール+入門セミナーセットの「NPOオウンドメディア立ち上げ支援サービス」提供開始

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マーケティング支援のイノーバは、非営利団体を支援するため、Webサイトの構築・運用ツールとWebのノウハウを提供する入門セミナーをセットにした「NPOオウンドメディア立ち上げ支援サービス」の提供を開始する、と6月13日発表した。サービスの提供により、社会貢献性の高い活動をしている非営利団体が、自分たちの力で情報を発信し、活動を広げることができるようにサポートしていく。

NPOオウンドメディア立ち上げ支援サービスは、人手や予算に限りがあり、Webでの情報発信が十分にできない非営利団体を支援するため、提供を開始した。サービス導入の第一弾は、NPO法人フローレンスのオウンドメディア「スゴいい保育」となる。保育に対する関心が高まるなか、「スゴいい保育」の立ち上げにより、保育の現場、保育と近接領域の挑戦者、海外の保育事情などの情報を発信して保育の問題の認知拡大に取り組む。イノーバでは、非営利団体の情報発信をテーマにした共催イベントも企画しているという。

イノーバ
https://innova-jp.com/

NPOオウンドメディア立ち上げ支援サービス
https://innova-jp.com/npo-ownedmedia/

Web担当者とジョブローテの難しい関係 ―― 悪いことだとは限らない | 編集長ブログ―安田英久

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今日は、Web担当者の「ジョブローテーション」に関するお話を。数年でWeb担当者が入れ替わるのは、なかなか悩ましいことなのですが、実は良い側面もあるのではないかと。キーワードは「岡目八目」です。

Web担当者のジョブローテ、よろしくないですよね

Web担当者のジョブローテーションの話を聞くことが増えてきました。早いところは2年~3年でWeb担当者が入れ替わり、それまで別の業務をしていた人がWebやマーケを担当するようになるというやつですね。

Web担当者が一人前になるのに、少なくとも2~3年はかかる。数年で強制的に入れ替えるなんて、よろしくない!

そんな風にずっと思っていたのですが、最近、実はそうとは限らないと思うようになってきました。

それは、「新しい考え方」「岡目八目」といった側面からです。

悪いこともある「ずっとWeb担当者」

1人や少数の人がずっとWebサイトや広告を担当していることには、良い面と悪い面があります。

良い面は、次のとおり:

  • 中長期でプランできる
  • 効率良く仕事を進められるようになる
  • 以前からの知識があるので、新しいことを理解しやすい
  • 外部パートナーと良い関係をつくれる

いっぽう、悪い面もあります:

  • 「今までやってきたこと」にこだわってしまい、変える機会を作りにくい
  • 「自分が作ってきたサイトや仕組み」にこだわってしまい、変えるべきタイミングになっても変えられないことがある
  • 付き合いが長く考えを理解してもらいやすい外部パートナーを優先してしまう

ジョブローテが価値をもつのは、後者の悪い面に対してですね。

愛着があるからこそ、新しい視点で取捨選択を

Web担当者さんって、自分のサイトに愛着がありますよね。

そりゃそうですよ。自分が判断して、制作会社さんと一緒に作り、コンテンツをつくって運用してきたサイトですからね。

デザインやコンテンツに関しても、なぜそれがあるのかを理解していますし、自分が頭をひねって苦労して作ったものは、大切にしたいですよね。

でもいっぽう、Webやマーケが対象とする「お客さん」は、常に変わり続けています。会社が置かれている環境やステージも、変わり続けています。

どれだけ苦労して作ったものでも、捨てなきゃいけないときもありますし、変えるべきときはきます。

ずっと担当してきた人だと、自分の愛着もあいまって、なかなかその判断をしづらい場合があります。

でも、ジョブローテーションで回ってきた新しい人なら、そういう「事情」はあまり気にせずに、「よし、変えよう」と判断しやすいんですよね。

ジョブローテーションが生み出す岡目八目

私はここ数年岡目八目をテーマにしています。「当事者よりも、第三者のほうが正しく判断できる」ことを表した言葉です。

当事者が、「ずっとやってきたから」「そういうものだと思っているから」「工数や他の事情を知っているから」「愛着があるから」と、気づかなかったり無意識のうちに無視してしまったりすることは、よくあります。

でも、そういうことでも、第三者の目でみると「なんでこんなのやってるの、こうするべきじゃん」「ここ、こう変えればいいじゃん」とすぐ気づくことが多いんですよね。

そして、ジョブローテーションで新しくWeb担当者になった人は、もちろん当事者ではあるのですが、こうした「岡目八目」の効果を出しやすいんですよね。

もちろん、ジョブローテがなくても、外部の助けを借りたり、自分が意識を改めたりして、変化を進めることはできます。でも、それはなかなか難しいものです。

「短期間のジョブローテーションはWeb担当者には適していない」という考え方は、私は今でも変わりません。

でも、変化し続けることが大切なWebやマーケの仕事は、もしかしたら強制的に脳みそを入れ替えるジョブローテーションの仕組みがないと、「変わらない=想定的に退化する」という組織も多いんだろうな、と思うようになってきました。

結論のない、つらつらと思いを綴った文章ですいません。

この記事の筆者

安田 英久(やすだ・ひでひさ)

株式会社インプレス
Web担当者Forum 編集長

プログラミングやサーバー、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、現在Webサイト 「Web担当者Forum」編集長。ビジネスにおけるWebサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開してい る。

個人としては、技術とマーケティングの融合によるインターネットのビジネス活用の新しい姿と、ブログ/CGM時代におけるメディアのあるべき姿を模 索し続けている。趣味は素人プログラミングと上方落語と南インドカレー。

[ユーザー投稿] ECサイトのスマホ経由売上・運用改善セミナー《売上211%の秘訣!》2016年7月6日(水)開催のお知らせ

[ユーザー投稿] vCloud Airを使った災害復旧


[ユーザー投稿] Webサーバサイドプログラミング言語シェア80%強となったPHPの試験がITスキル標準に登録されました

[ユーザー投稿] ホームプロ様、みんなのウェディング様、エス・エム・エスキャリア様登壇!第5回GinzaMetrics OPEN SEOセミナー7月6日(水)開催

パナソニックのブランドサイトUI改善事例:ヒートマップでPDCA効率化 | 【レポート】Web担当者Forumミーティング 2016 Spring

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顧客の商品購入行動に占めるインターネットの割合は大きくなり、企業にとって商品のブランドサイトは重要な顧客接点の一つとなっている。 ブランドサイトに来訪した顧客が商品に興味を持ち、理解を深めるために、求められる情報をわかりやすく伝えるにはどうしたらよいか。また、新たな顧客層を開拓するのはどうしたらよいか。そこで注目されるのが、ヒートマップ解析が導き出す「ユーザー視点の」UI改善だ。

「Web担当者Forum ミーティング 2016 春」には、パナソニック株式会社で、主にテレビ商品やオリンピック関連のプロモーションを担当する鐵 祐子氏と、ヒートマップを用いたアクセス解析ツールを手がける株式会社ユーザーローカルの嶋田 彩野氏が登壇。パナソニックのブランドサイトで行った、ヒートマップを用いたサイト評価、UI改善事例について語った。

嶋田 彩野氏鐵 祐子氏
株式会社ユーザーローカル コーポレートセールス リーダー 嶋田 彩野氏(左)と
パナソニック株式会社 アプライアンス社 日本地域コンシューマーマーケティング部門 コンシューマーマーケティング ジャパン本部 コミュニケーション部 WEB&宣伝課 主務 鐵 祐子氏(右)

統一されたブランド体験を提供するよう、サイトのUI改善とスマホ最適化に着手

パナソニックの鐵氏は、デジタル機器や生活家電などを扱うアプライアンス社にて、商品の宣伝やプロモーションを担当している。

家電商品関連のWebサイトは、私たちが担当するブランドサイト(個人向け商品情報サイト)の他に、ECサイトと会員サイトがある。ブランドサイトは、商品ごとに担当者がおり、全体で約2万品目、130ディレクトリを擁している

テレビ商品のプロモーションを担当する鐵氏は、ブランドサイトについて以下のような課題を抱えていた。

店頭来店前に、9割のお客様は、すでに商品の比較、検討と購入の意思決定を終わらせているといわれる。私たちのブランドサイトは、お客様の知りたい情報は提供できているか、商品の魅力は伝わっているのか、そして、スマホ最適化はできているかという課題があった

顧客が関連情報を見てサイトを回遊しながら、しっかりとしたブランド体験を提供できるよう、ブランドサイトを改善していくことが急務だ。そこで、ヒートマップとユーザー属性、組織分析を活用し、効率的にサイトを改善することにした。利用したのは、ユーザーローカルの提供する「User Insight(ユーザーインサイト)」だ。

ユーザーローカルは、年間1000億PVのアクセスログと、60億件のSNSデータの調査、分析に基づくWebサイト分析、ソーシャルメディア分析を手がけている。同社が提供する解析サービス「User Insight」は、ヒートマップに対応し、ユーザーの行動と属性をマルチデバイスで可視化することが可能で、700社以上の導入実績がある。

同社の嶋田氏は、次のように語る。

ページのどこが熟読されたか、エリアごとの閲覧率、完読率、クリックされた場所など、訪問者のページ内の動きを細かく分析可能だ。また、企業名、男女比など、訪問者の組織や属性を可視化できる

ヒートマップ分析を活用したブランドサイトのUI改善

では、パナソニックでは、具体的にどのようにヒートマップを活用したのだろう。たとえば、テレビ端末の「VIERA」という商品は7シリーズあり、それぞれにインデックスページと配下のページがある。鐵氏は、インデックスページの改善ポイントとして「直帰率を下げること」を挙げた

インデックスページは、広告やパナソニックのトップページ、比較サイトなどからランディングされる。従って、インデックスページの直帰率をできるだけ下げる必要があった

アクセス解析の結果、インデックスページには価格比較サイトからの流入が多く、詳細スペックを知りたい人が多いとの仮説が得ることができた。

そこで、ヒートマップを用い、「どこまで表示されたか(終了エリア)」「どのあたりがよく見られたか(熟読エリア)」「離脱ポイントはどこか(最終クリックエリア)」を詳しく分析した。

  • データ分析の結果、インデックスページの目的である「次のページへのリンク」は、50%以上のユーザーに表示されているのに、クリックされていないことがわかった。
  • 仮説テキストが多く、画像が大きく、お客様がどこを見ていいのかわかりにくいことが問題だ。
  • 改善施策テキストをコンパクトにし、一覧性を高め、よく見られクリックされているコンテンツを上部に配置した。
  • 結果次のページへ移動するお客様が増えた。
  • データページ後半に配置されたのにも関わらず、商品のスペック表は、見られて、クリックまでされている。
  • 仮説比較サイトからの流入が多いことなどからも、スペック表が訪問の目的になっている
  • 改善施策ファーストビューに簡易スペック表を移動し、クリッカブルにした
  • 結果次のページへの移動を促すことができた。
  • 仮説 スペックに関する情報を求めるお客様が多い。
  • 改善施策 新たに、スペックに関する情報を画像化した。これは、たとえば、「テレビの転倒防止の機能、パネル背面の端子、足元のデザイン」などといった、数字にできないスペックを図解で紹介するものだ。
  • 仮説 スペック重視のお客様には、今見ている機種の上位や下位の機種にも興味があるはずだ。
  • 改善施策 ページ下部に、上位・下位機種へのリンクを設置するなどの改善を行った。

一方、スマホサイトは、レスポンシブ対応にし、デスクトップサイトとURLを同一にした。そして、デバイスをセグメントし、スマホページのヒートマップを確認した。

  • データ スマホページを分析してわかった2点
    • SNS経由のアクセスは、ほぼスマホページにランディングする
    • 店頭での閲覧はスマホがほとんどで、土日や夜間は、スマホからのアクセス比率が高い
  • 改善施策 スマホページの改善点は次の4点
    • 商品の特徴をシンプルにまとめ、一覧性を高めた
    • 簡易スペック表をページ上部に移動した
    • スペックをイメージできる画像と、上位・下位機種への誘導を追加した
    • 「カルーセルパネル風に横にスクロールする」機能などでスペシャルコンテンツを見やすくした
  • 結果 これらの改善により、デスクトップ、スマホ全体で、離脱率が18.4%から14.4%と改善され、インデックスページの滞在時間も1分7秒が49秒へと短縮、ユーザーが迷わず次のページに移動できていることがわかった。

新たな顧客層の開拓の効果測定にもヒートマップ分析が威力を発揮

鐵氏はオリンピック関連のプロモーションサイトも担当する。これは、「Beautiful JAPAN towards 2020 (ビューティフルジャパン)」というサイトで、47都道府県をめぐり、2020年の東京オリンピックを目指す若きアスリートを応援、日本の美しさを再発見し、これを4K映像で公開するプロジェクトだ。

テレビCMやWeb広告、屋外広告、店頭でのデモ映像などを組み合わせ、地域に根ざしたマーケティングに取り組んでいる。各地での撮影の際に地元の新聞やテレビ局の取材を受けたり、特色のある屋外広告を実施している。

そこで、新たなファンの獲得や、地域に根ざしたマーケティングの効果をどう評価するかという課題があった。これに対し、「User Insight」は、属性の判定機能を用い、男女比や年齢分布、ネットリテラシー、企業名、学校名などの組織が分析可能だ

ブランドサイト全体の属性は、30代、40代の男性が中心だが、ビューティフルジャパンの属性は、10代、20代の若い層の属性を確認した。たとえば、奈良では出身校など近隣の大学からのアクセスが、熊本では20代女性のアクセスが、徳島では保護者層と思われる30代女性のアクセスがそれぞれ多かった

このように、新たなユーザー層の獲得が確認でき、地域創生コミュニケーションの効果も検証ができた。

解析だけじゃないヒートマップの利用法

「User Insight」の機能は、サイト改善だけにとどまらない。たとえば、リニューアル公開前に、サイトを見たこともない上層部に報告、アドバイスをもらう際に困った経験を持つWeb担当者はいないだろうか。

スマホページの画面キャプチャを取って資料化するのは手間がかかるが、「User Insight」ヒートマップ画像は、「視覚的で、解析に詳しくない人にもわかりやすく伝える資料が簡単に作成できる」という。とくに、ヒートマップの機能は、改修前後の検証資料にも使えるということだ。

数字だけでは見えない「ユーザーの行動」を視覚的に把握できるツールとして、鐵氏は、日々の改善に加え、ツールの活用方法の共有や社内のトレーニングを行うことが今後の課題と語った。

Web担当者の業務が増えているなかで、社内理解や工数確保を進めていくために、ヒートマップを活用し、数字だけでは見えないユーザーの行動を視覚的に把握し、効率的にPDCAを回していきたい

また、嶋田氏は、サイトの評価を可視化する指標は、数字以外にもあると指摘した。とくに、ブランドサイトでは、「だれに」「どれくらい」読まれたかということも、重要な指標になる。たとえば、ブランドのこだわりを伝えることがサイトのゴールだという場合、「コンテンツを最後まで読んだかどうか」が重要な指標の一つとなる。

こうした指標は、ヒートマップを用い、ページのどこまで表示されたか(終了エリア)を分析すれば可視化することができる

嶋田氏は、「サイト全体のユーザー属性を評価することで、施策によってターゲットユーザーが獲得できているかを評価することができる」と語り、ブランドサイトにおけるアクセス解析は「サイト改善だけでなく、サイトをポジティブに評価して、貢献度を社内に理解していただくためのツールとしても利用可能だ」と話した。

最後に、「Webサイトの具体的な改善施策を知りたい、サイトの評価指標を可視化したいという方は、ぜひヒートマップを活用してもらいたい」と語り、セッションを締めくくった。

この記事の筆者

【執筆】

阿部欽一(キットフック)
【ライター/ディレクター】

「キットフック」の屋号で活動するフリーランスのライター/ディレクターです。社内報の編集、編集プロダクション等を経て2008年より現職。

「難しいことをカンタンに」伝えることを信条に、「ITソリューション」「情報セキュリティ」「コンプライアンス」などをテーマにした解説記事やインタビュー記事等の執筆のほか、動画やクイズ形式の学習コンテンツのシナリオ制作や、イラストレーターやFlash技術者と協業し、マンガやアニメーションを使ったユーザー参加型の集客キャンペーンなどを企画から制作までワンストップで多数プロデュースしています。

kithook
Twitter:@kithook
Facebook:阿部 欽一

【撮影】
鹿野宏

「今どきのワカモノ」は数年後の顧客かも? 企業が知っておくべき若者の6つのセグメントとは | イベント・セミナー

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  • 今どきの若者は何を考え、どう行動しているのか?
  • 企業は若者とどのように接点を持ち、アプローチすればいいのか?
ひと研究所セミナー2016「ワカル?ワカモノ。~枠からはみ出したくない若者たち~」
6月7日開催「ひと研究所セミナー2016」

「今どきの若者は何を考えているかわからない」そう考えてはいないだろうか?

6月7日、ビデオリサーチの「ひと研究所」が「若者」をテーマにしたセミナーを東京・丸の内で開催し、「企業がどのように若者にアプローチしていけばいいか」が語られた。

第一部では同社の若者研究チーム「VRわかものラボ」リーダーの石倉裕大氏が研究成果を発表。第二部では資生堂ジャパン、日本コカ・コーラ、ディー・エル・イー3社の事例紹介が、第三部では「若者」をテーマにしたパネルディスカッションが行われた。

ここでは、第一部の内容を中心に「企業が若者にアプローチする方法」をお伝えする。次の図は、石倉氏が第一部で紹介した「若者の6つのセグメント」を表したものだ。

若者の6つのセグメントの図
若者の6つのセグメントの図

若者が普段のマーケティング対象ではない企業の担当者にとっても、新しい視点を得るきっかけとなるのではないだろうか。

若者は自ら「枠」を作り、その中で生活している

ビデオリサーチ 石倉裕大氏
ビデオリサーチ VRわかものラボ リーダー 石倉裕大氏

第一部はビデオリサーチの石倉裕大氏が登壇。石倉氏は、まず若者の定義を「自分の意思で消費を始め、価値観を形成する18歳~24歳」と定めたうえで、「今どきの若者が見えにくくなっている」と語った。

その理由は、次の要因による「同調圧力による自由度の低下」にあるという。

  • 目に見える差が減った「消費社会の成熟」
  • 「社会保障不安」による無理して背伸びしない考え
  • 競争を避けて調和を優先する「ゆとり教育」
  • SNSに行動や発言のログが残る「デジタルネイティブ世代」

その結果、若者の間では「空気の読み合い」が強まり、「若者は自らマナーや不文律の「枠」を作ってその中で生活している」とした。枠の中であれば仲間から後ろ指をさされる心配がなく、逆にその枠から外れる行為や枠外にあるものは嫌う傾向があるという。

若者が自ら作る「枠」
若者が自ら作る「枠」

若者が作った枠を外からの力で動かすことは難しく、それゆえに企業から若者へのアプローチは難しい。しかし、5年や10年という長い目で見たときに、今から若者と接点を持っておくことや若者にファンになってもらうことは無駄ではないはずだ。

石倉氏は、企業が若者にアプローチするには、外から力をかけるのではなく「枠の中に入り込む」ことが必要だと説明。

若者のスタイルをきちんと理解して枠の中に入ることで、枠の内側からその枠を拡げたり、越えたり、壊したりできるようになる。それぞれ、次の例を挙げて説明した。

  • 枠を拡げる:「あまり飲めない」人の枠を少し拡げたサントリー「ほろよい
  • 枠を越える:イベントを理由にそのときだけいつもの枠を少し越える「ハロウィン」
  • 枠を壊す:見たら発言が消えるという安心から枠を少し壊した「Snapchat

しかし、遠目で見ると同じ枠の中にいる若者でも、近寄って見ると均一とは限らないと補足。一人一人を見ると若者は多様化しており、企業から画一的にアプローチするだけでは枠を動かすことはできないという。

多様化する若者を分類する6つのセグメント

それでは、企業はどう若者にアプローチすればよいのか? 石倉氏は、興味・関心や物事のとらえ方を軸に若者は6つのセグメントに分類でき、それぞれ響くアプローチ方法が異なると語る。

若者の6つのセグメントの図
若者の6つのセグメントの図

前向きオープンマインドタイプ

自分に対する意識が高く、上昇志向も高め。自分の意見や考えを持ち、発信力もある。消費も活発で、新商品に対する興味もある。

このタイプに響くアプローチ
「東洋経済で紹介された」など、自分を高めてくれる「権威」のアプローチ

ノリノリオープンマインドタイプ

コミュニケーションが活発で、自分と周囲が楽しいかどうかを重視。話題のイベントで盛り上がるのが好き。おしゃれや美容にこだわりがある。

このタイプに響くアプローチ
USJやオクトーバーフェストなど、自分と周囲が楽しくなれそうな「ノリ・勢い」のアプローチ

優等生オープンマインドタイプ

何でもそつなくこなす優等生。環境に恵まれており、ガツガツしていない。消費力はあるものの、ブランドに関する意識は低め。大きな変化に対して積極的ではない。

このタイプに響くアプローチ
自分の地位をしっかり固める「老舗・手堅さ」のアプローチ

リアリスト協調タイプ

周りにうまく合わせて行動し、良い意味で現実的。他の人がどのようなことをしているのか気になり、流行などの情報を追いかける。友人にすすめられたものやことが好き。

このタイプに響くアプローチ
周囲の意見を取り入れるので、オープンタイプが動けばこのタイプも協調する。

もやもや協調タイプ

周りに合わせてはいるものの、自分の現状に満足できていない。どこかもやもやしているが、行動力はあまり高くない。商品やサービスを比較はするが、自分で明確な基準は持っていない。

このタイプに響くアプローチ
明確な基準を持っておらず周囲に合わせざるを得ないので、オープンタイプが動けばこのタイプも協調する。

マイウェイタイプ

自分の好き嫌いが判断基準で、趣味にお金をかける。インターネット上の同じ趣味のコミュニティには積極的に参加するが、全体に向けての発言力は低め。物事を自分の意思で選択・判断する。

このタイプに響くアプローチ
周りに流されにくいタイプだが、オープンタイプと協調タイプが行動を起こせば「判断する基準」を作ることはできる。

企業が若者にアプローチするには、まず興味・関心が広く発言力がある3つのオープンマインドタイプを動かすことが重要だと石倉氏。オープンマインドタイプが動けば、2つの協調タイプもそれに合わせてついてくるという。

タイプごとに反応するアプローチが異なるので、どのタイプからどういう反応を引き出すか、その工夫が必要だとした。

3社の事例紹介とパネルディスカッション

第二部は、若者へのアプローチを実践した3社の事例を紹介。各社の担当者が成功事例を語った。ここでは、事例のみを簡単に紹介する。

第二部 事例1: 資生堂「High School Girl?」は940万回再生

資生堂ジャパンの仙田浩一郎氏が登壇し、YouTubeに公開した「High School Girl?」と、MixChannelで行った「メイクでヘンシン! コンテスト」の2つの事例を紹介した。

High School Girl? メーク女子高生のヒミツ(YouTubeで見る

High School Girl?」は、若者のメイクへの興味・需要喚起を狙ってしかけたもの。当初は100万回再生を目標にしていたが、ネット媒体での掲載やマスメディアでの紹介というプロセスを経て最終的に940万回再生となった。

メイクでヘンシン! コンテスト」は、若者自身の「投稿」をきっかけに若年層とのファンコミュニケーションを狙ったもの。期間を学生が参加しやすい冬休みに設定し、トンマナも若者の文脈に合わせることを意識して、1万以上の投稿、総再生回数2000万以上、UUで72.5万人という結果となった。

第二部 事例2: 日本コカ・コーラ「コールドブリュー」で若者の投稿を創出

日本コカ・コーラの井田孝氏が登壇。俳優の山田孝之氏を起用したジョージアのLINEスタンプ、ジョージア プレミアムエールとかけてTwitterで若者に直接エールを送る試み、そしてまさに若年層をターゲットにした新製品「ジョージア コールドブリュー」の3つの事例を紹介した。

ジョージア コールドブリュー
ジョージア コールドブリュー(サイトを見る

ジョージア コールドブリューは、雑味のない澄みきった味わいが特徴の、ボトルのデザインにこだわった新製品。インフルエンサーとなる有名人に先行試飲をしてもらい、それに反応したファンにインフルエンサーから直接先行試飲の案内をすることで、活発なやりとりが生まれたという。

また、デジタルだけでなく実店舗でもしかけを用意。5月に原宿で4日間限定のコールド ブリューカフェを開設し、訪れた若者から1,400以上のSNSへの投稿を創出した

第二部 事例3: DLEの「貝社員」は日テレ「ZIP!」のレギュラー番組に

秘密結社 鷹の爪」や「パンパカパンツ」などを制作し、IP(知的財産)ビジネスを手がけるディー・エル・イーの松本淳氏が登壇。若者の心をとらえて、日本テレビ「ZIP!」のレギュラー番組になった「貝社員」の事例を紹介した。

貝社員
貝社員(サイトを見る

「小さく始めて大きく育てる」ことを狙い、貝社員はTOHOシネマズの幕間の放送からスタート。最初に反応したのはコアな若者で、肯定的なツイートをした人の中から10代の若者をピックアップして、特性とペルソナを徹底的に分析。何度もPDCAサイクルを回してチューニングすることで、日本テレビの朝番組ZIP!でレギュラー放送される人気コンテンツになったという。

第三部: パネルディスカッション

第三部では、登壇者4名にファシリテーターの亀田憲氏(ビデオリサーチ ひと研究所 所長)が加わり、第二部の事例を6つのセグメントに当てはめて分析しながら「若者」をテーマにディスカッションが行われた。

パネルディスカッションの様子
パネルディスカッションの様子

最後の「若者にアプローチするコツをひと言で表すと?」という質問に対しては、それぞれ以下のように回答。

「若者にアプローチするコツをひと言で表すと?」
  • DLE 松本氏: いい波を探して乗りこなす「波ノリ
  • 日本コカ・コーラ 井田氏: 若者に気付いてもらうための「何これ? を創る
  • 資生堂ジャパン 仙田氏: 若者とコミュニケーションをとる「聴く→反応する
  • ビデオリサーチ 石倉氏: 若者と「真剣に向き合う

石倉氏は、若者の文脈をきちんと理解すること、そして、若者自身がワクワクして自ら動いてくれるようなアプローチを考えることが大切だと述べてディスカッションを締めくくった。

プログラミング必修化に欠けている才能という視点 | 企業ホームページ運営の心得

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心得其の459

議論されない問題点

dolgachov/iStock/Thinkstock

文科省が小学校のプログラミング教育必修化を掲げました。2020年には小学校で必修となり、中学高校へと拡大していく予定です。有識者会議のとりまとめが公表されるごとに、マスコミは好意的にこれを報じます。ところが、一連の議論で「プログラム」や「プログラミング」の本質における問題点が指摘されていません。

ロジカル思考を身につけるために、Web担当者がプログラミングについて学ぶことをおすすめする立場です。そして、小学生からプログラミングに親しむことには賛成です。プログラミングの指導で儲ける人がいても、それは日本経済にとって良いこと。問題とするのは「必修化」。Webに接続する領域として「プログラミング必修化」をめぐる議論の問題点を指摘しておきます。

プログラミングの才能

まず、すっぽり抜け落ちているのが「プログラミングは才能」だという身も蓋もない事実。小学生から野球を始めても、イチローのように活躍する人もいれば、一度もレギュラーになれずに終わる野球人生もあるように、プログラミングにもそれに適した才能が必要です。

プログラミングの才能とは、「読解力」「文章力」「構成力」といった国語の力とほぼ同じ。なぜなら、プログラミングは、ロジック=論理の構築だからです。プログラムの「目的」「仕様(条件)」を正しく理解し、最適解をプログラミング言語に置き換える作業がプログラミング、つまりは「作文」です。

ただし、模範解答はあっても、揺るぎない正解の存在しない「読書感想文」などと違い、プログラミングは正しい文法はもちろん「:(コロン)」と「;(セミコロン)」を間違えても動作しません。つまり、プログラミングの必修化とは、誤字脱字のない正しい文法に従った「作文」の作成を、すべての児童生徒に強いるようなものです。

創造力はオプションじゃない

必修化を礼賛する側に目立つ誤解に「創造力」があります。読売新聞は2016年5月17日の社説の見出しを、

プログラミング 必修化を創造力育てる一助に

と掲げます。

プログラミングを買いかぶりすぎです。プログラミングを学んだから創造力が生まれるのではありません。プログラミングを経験することで、新しい視点を得ることもありますが、それはすでに得ている知識や経験が変化したものに過ぎません。

創造する技術がプログラミングであって、油絵を書くために絵筆の使い方や減法混色を学ぶのと同じ。なによりプログラミングは、プログラマが持つ知識と経験の枠を越えることができません。

うるう年の概念

カレンダーのプログラムを作るためには、「うるう年」の正しい知識が必要です。こうして書くと当たり前のことですが、2008年1月末、NTTの公衆電話が次々とダウンした理由は、電話機に搭載されたソフトウェアの不具合で、4年に一度訪れる「うるう年」を正しく処理できなかったためだと報告されています。

ヤフー知恵袋でも、同様のカレンダーを作成する「プログラム実習」の答えを見つける呼びかけ(カンニングです)が、2013年の日付でありましたが、そのベストアンサーにも「うるう年」の処理はありませんでした。

これらは、プログラミングがプログラマの脳のスペックに限定されることを証明するエピソード。「創造力」でこの穴を埋めるというのなら、教育ではなくファンタジーです。

通販番組化する報道

すでに熱を帯びていると「プログラミング教室」が、新聞やテレビで繰り返し紹介され、目を輝かせて取り組む子供の姿が映しだされますが、それはバレエ教室でも、サッカー教室でも同じ。興味をもった対象に目を輝かせる好奇心と探究心は、「子供らしさ」そのものです。

そもそも「プログラミング教室」が、その有効性をとうとうと語る姿は、「ワンダーコア」のシェイプアップ効果を喧伝する通販番組と同じ。必修化をめぐっては、報道の「ショップチャンネル化」を多数確認します。

趣味や習いごとの1つとしての「プログラミング」なら私も推奨派。私自身、小学校5年生でBASICに触れ独習しました。しかし、同じタイミングで始めた級友の大半は脱落しました。それは才能に大きく左右される技術だからで、貴重な授業時間を削り、公費を投じることに首をひねるのです。

まず解決すべきこと

プログラミング必修化に厳しい意見を投げかける、唯一にも近い有識者が、国立情報学研究所の新井紀子博士です。人工知能による東大合格を目指す「東ロボくん」プロジェクトを指揮する新井博士は、その研究過程で、昨今の中高生の読解力の低下に気づきます。読解力があれば解ける四択問題の正答率が、入試を経験した公立高校生でも3割だったのです。新井博士は、2016年5月25日の読売新聞の取材にこう答えています。

英語教育の充実やプログラミング教育の導入を言うならば、まず日本語を何とかするべきです。(中略)プログラムに求められる機能を記した仕様書が読めなければしょうがないですよね

これ以上ない正論です。

いまの状況は

プログラムやプログラミングにまつわる、最も問題視すべき誤解が「最先端」という幻想です。すでにプログラムはコモディティ化しており、オープンソースをかき集めてくれば、パラメータを変えるだけでそれなりのシステムを利用できる時代になりました。

すでにコンピュータ・プログラミングは、最先端を意味しないのです。ましてや加速度的に進化、普及すると見られるAIによって、「情報処理」の分野は人間を不要とするという見立ては、分野を問わない統一見解と言っていいでしょう。そうなれば、必修で身につけた程度の平凡なプログラマに出番はありません。

さらに、最も重要な「才能」については一切議論されていません。プログラミングは孤独だということ。ロジックは1人で考え、だれもデバッグを助けてはくれません。己とむきあう哲学者のようであり、引きこもりと紙一重です。プログラマ時代、出社から退社まで、だれとも口を開くチャンスがないとこぼす同僚もいました。この「孤独に耐える才能」を、万人に求めるプログラムの必修化は残酷すぎます。

今回のポイント

プログラムは知識と経験の枠を越えない

一律の必修化に馴染まない

この記事の筆者

宮脇 睦(みやわき あつし)

プログラマーを振り出しにさまざまな社会経験を積んだ後、有限会社アズモードを設立。

制作、営業の双方の現場を知ることからウェブとリアルビジネスの融合を目指した「営業戦略付きホームページ」を提供し、一業種一社、制作案件は足立区内のみという営業施策をとっている。本業の傍らメールマガジン「マスコミでは言えないこと」を発行。好評を博す。著書に『完全! ネット選挙マニュアル』(Kindle版)、『Web2.0が殺すもの』『楽天市場がなくなる日』(ともに洋泉社)、冷静な視点からのIT業界分析に「週刊ポスト」など、様々な媒体から情報発信を続ける。

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