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Yahoo!プロモーション広告の始め方 [Yahoo!プロモーション広告 業界情報] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 2 分

この記事は、Yahoo!プロモーション広告 公式ラーニングポータルで公開されているリスティング広告「業界情報」の記事を、ヤフー株式会社の許諾のもと転載しています。オリジナルの記事はYahoo!プロモーション広告 公式ラーニングポータルのサイトでご覧ください。

広告掲載開始の準備

Yahoo!プロモーション広告で広告を掲載するためには、広告の作成とクリック料金の入金が必要です。

プロモーション広告掲載までの流れ

※①※②:クリック料金は、「広告管理:スポンサードサーチ」と「広告管理:YDN」に、別々に入金します。

申し込みと同時に「かんたん広告作成」でスポンサードサーチの広告作成とクリック料金の入金までを行った場合は、「広告管理:YDN」で新規アカウントの作成を行います。YDNのアカウントは必要事項を入力するだけで簡単に作成できます。

広告管理ツールには、「ダッシュボード」「広告管理:スポンサードサーチ」「広告管理:YDN」「権限管理」「運用サポートツール」の5つのタブがあります。クリック料金の入金や広告の入稿は、「広告管理:スポンサードサーチ」と「広告管理:YDN」でそれぞれ別々に行います。

スポンサードサーチの準備(Ⓐ 広告管理:スポンサードサーチ)

スポンサードサーチは、インターネットユーザーが検索を行った際に、検索結果に広告を配信します。

※申し込みと同時に「かんたん広告作成」でスポンサードサーチの広告作成とクリック料金の入金までを行った場合は、次の「YDNの準備」に進んでください。

YDNの準備(Ⓑ 広告管理:YDN)

YDNは、商品やサービスに興味がありそうなインターネットユーザーのコンテンツページに広告を配信します。

審査

Yahoo!プロモーション広告では、広告主様が登録したキーワード、広告、およびウェブサイトに対し、広告掲載ガイドラインに沿った審査を実施しています。

クリック料金の入金について

クリック料金の入金情報は、それぞれのタブの「資金管理」で確認できます。支払い方法はクレジットカードによる支払いと銀行振り込みによる支払いの2種類です。

<スポンサードサーチ専用のクリック料金の入金>

スポンサードサーチの入金情報は、「広告管理:スポンサードサーチ」タブの「資金管理」で確認できます。

お支払い方法の詳細は下記のページでご確認ください。

<YDN専用のクリック料金の入金>

YDNの入金情報は、「広告管理:YDN」タブの「資金管理」タブで確認できます。スポンサードサーチのクリック料金とは別々に入金する必要がありますのでご注意ください。

お支払い方法の詳細は下記のページでご確認ください。

次のステップでは、広告掲載開始後の運用と改善についてご紹介します。

  • 第5回広告運用は「検証」と「改善」が鉄則は近日公開予定です。

オリジナル記事はこちら:Yahoo!プロモーション広告の始め方(2014/03/24)

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オリジナル記事:Yahoo!プロモーション広告の始め方 [Yahoo!プロモーション広告 業界情報] | Web担当者Forum
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iPhoneゲームアプリの売上1位はパズドラ、ダウンロード数1位はLINE ポコパン、売上とダウンロード数の比較から見える傾向は? [スマートフォンレポート] | Web担当者Forum

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この記事を読むのにかかる時間: 約 3.5

この記事は、ドコモ・ドットコムが発行するモバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の一部を、Web担当者Forum向けに特別公開したものです。

スマートフォンレポート

今回は2014年1月に発表された「スマートフォンレポート vol.10」から、調査報告2「iPhoneユーザー調査 ゲームアプリの実際の利用数と、売上及びダウンロード数との比較から見える傾向は?」の調査レポートをお届けする。

iPhoneアプリのゲーム利用数をランキング

現在アプリ市場においては、ゲームの利用が圧倒的に多く、加えて日々様々なタイトルがリリースされており、その中からは「パズル&ドラゴンズ」のようなビッグヒットタイトルも出現している。

課金モデルとしては、ダウンロード無料+追加個別課金といったフリーミアムモデルが主流となっており、またこれとは別に、広告収益や会員の囲い込みを目的とした完全無料アプリも広く展開されている。

一方で初回に課金するモデルは、パチスロアプリなど一部を除くと利用は少ない傾向にある。

当社では、調査モニターの方に許諾を得た上で携帯端末利用ログを集計し、どのようなアプリをどの程度利用したのかを把握した調査データを活用している。今回は2013年10月におけるiPhoneゲームアプリに注目し、当社独自集計にて利用数を計測した上でランキング化してみた(図1)。

図1 2013年10月 ゲームカテゴリ 利用数ランキング
図1 2013年10月 ゲームカテゴリ 利用数ランキング

iPhoneアプリ売上とダウンロード数ランキングを比較

「パズル&ドラゴンズ」や複数のLINE関連ゲームアプリなどが上位に位置しており、実際に多くのユーザーに利用されていることがうかがえる。またそのほとんどがフリーミアムモデルになっていることから、課金モデルにおいてはフリーミアムモデルが現在の主流になっていることが明白となっている。

一方、以前本レポートに寄稿していただいたApp Annie社が保有するデータより、前述と同時期にあたる2013年10月のiPhoneアプリ売上及びダウンロードランキングを抽出したのが(図2)である。前述の図1=実際のユーザー利用と、図2=売上・ダウンロード数を比較すると、どういったことが浮かび上がるのか、以下記載してみたい。

図2 2013年10月 App Store ゲームカテゴリ 売上ランキング(国内)/ダウンロード数ランキング(国内)
図2 2013年10月 App Store ゲームカテゴリ 売上ランキング(国内)/ダウンロード数ランキング(国内)

まず、「パズル&ドラゴンズ」やLINE関連アプリ、「クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ」といったビッグタイトルは、利用頻度も高く、故に売上もダウンロード数も高いことがわかる。

リリースから時間がかなり経過している「パズル&ドラゴンズ」などはダウンロード数がやや落ちているものの、それでも今なお多くのユーザーが新たにダウンロードし、その利用者を増やし続けている模様である。

また、実際のユーザー利用数ランキングで上位に位置しているタイトルにおいては、リリースから時間が経過しているものが多い。そのような場合、売上的には大きいものの、単月のダウンロード数的には上位に入っていないケースも存在する。

このようなケースからは、かつてダウンロードしたのち、プレイ後にハマってしまい、ずっとやり続けている、といったユーザーが多く存在している傾向が感じられる。リリース後すぐに大きな売上をあげるというよりも、徐々にユーザー数を増やしつつ売上も高まっていくといった、長期的な成功モデルケースも多い模様だ。

長期間のプレイは大きな課金収益獲得の鍵

一方、ダウンロード数ランキングに注目すると、比較的最近リリースされたものが多いことに気付く。このことから、話題性の高い新規タイトルについては、とりあえずダウンロードしてみる、といったユーザーの動きがうかがえる。

フリーミアムモデルや無料アプリであればこのような流れが抵抗なく行えるため、ユーザー側も安心してお試し的にダウンロードしてみるのだろう。その上でプレイし、面白いと思ったものはその後長期間に渡って遊び、課金する、といった流れが想定される。

このことから、まずはダウンロードさせる促進活動を行った上で、長期に渡って利用してもらえるようなある種の中毒性を如何にゲームに持たせるかが、長期間のプレイ及び大きな課金収益獲得の鍵と考えられる。

またダウンロード数ランキングには、無料アプリが複数ランクインしている。これらは広告収益や、ユーザーを囲い込み、自社の姉妹課金アプリへ流し込むことを目的として展開されているケースなどと想定されるが、課金型メジャータイトルと同等のダウンロード数を記録している点は注目である。

コンテンツビジネスを展開する際は、ついつい課金収益を如何にしてあげるか、という点に着目しがちであるが、完全無料アプリを上手く活用し、自社ビジネスに如何に寄与させられるか、といった点もコンテンツビジネスの重要な鍵と感じられる。

今回はそれぞれ上位15位までとかなり限った形での表記とさせていただいたが、もう少し幅広いレンジで見ると、より様々な傾向が浮かび上がってくる。掲載している各ランキングの詳細にご興味のある方は、是非お問い合わせいただきたい。

※接触率:指定期間内の有効サンプル(=期間中の全利用者)において、当該ドメイン/サブドメインへ接触した人の割合
※利用数:アプリへの接触を10分単位で計測し、10分間に1度でも視聴があれば1カウントと記録。
※利用数ランキングにおいては、調査モニターの属性傾向が反映されている点をご了承下さい。

■利用者数ランキング
取得データiPhoneユーザーのインターネット経由でのサイト・アプリ接触状況データ
※3G(UQ含む)/Wi-Fi経由とも取得
調査対象関東地区在住のiPhoneユーザー
計815名 男性 445サンプル/女性 370サンプル
集計対象期間2013年10月1日(火)~10月31日(木)
調査実施機関ビデオリサーチインタラクティブ
■2013年10月 App Store ゲームカテゴリ
  • 売上ランキング/ダウンロード数ランキング(国内)
  • 出典:App Annie
App Annieについて

App Annieはアプリストアの分析と世界のアプリ市場に関するマーケットデータの分野におけるリーディングカンパニーです。iOSパブリッシャー上位100社のうちの90%以上がApp Annieのサービスを利用しています。App Annieは、サンフランシスコ、北京、東京、ロンドン、ソウル、香港に拠点があります。35万を超えるアプリで利用されているアプリ解析ツール「App Annie アナリティクス」と、390万以上のアプリに関するランキング推移などの情報データベースである「App Annie ストアスタッツ」を無償で提供しているほか、アプリマーケットに関する最も精度の高いデータ「App Annie インテリジェンス」において、ダウンロード数や売上データの推計値を有償で提供しています。

お問い合わせ:jp.contact@appannie.com

この記事は、ドコモ・ドットコムが発行するモバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の一部を、Web担当者Forum向けに特別公開したものです。

スマートフォンレポート

スマートフォンレポート

「スマートフォンレポート」は、独自調査の分析レポートや、NTTドコモへのインタビュー、またモバイルビジネスを展開する上で鍵となるメールマーケティングや広告展開等についての記事を掲載する隔月発行のモバイルビジネス・マーケティング情報誌です。

専用Webサイトに無料登録して頂ければ、企業や団体に所属する方であればどなたでも無料にて入手・閲覧することが可能です。デジタル媒体(PDF)にてご提供しておりますので、無料会員登録後すぐにダウンロードの上でご利用頂けます。

この記事の筆者

提供:株式会社ドコモ・ドットコム

モバイル(スマートフォン・タブレットおよびフィーチャーフォン)を活用したビジネスに関するコンサルティング事業を軸に、企業プロモーション・マーケティング企画をはじめとした新たなビジネス開発事業を展開。

http://www.docomo-com.com/

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サイバーエージェント、「Yahoo!プロモーション広告正規代理店」において五つ星に認定 [ニュース] | Web担当者Forum

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インターネット広告のサイバーエージェントは、Yahoo!JAPANを運営するヤフーが提供する「Yahoo!プロモーション広告」において、Yahoo!JAPANの定める条件を満たす正規代理店として最高の評価である五つ星(★★★★★)に認定された、と4月7日発表した。Yahoo!JAPANが定めた条件を満たす正規代理店は、広告主のニーズに応じた的確な提案をし、スポンサードサーチやYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)の販売活動を行う。

サイバーエージェントはYahoo!プロモーション広告に関する知識と経験を持つ販売パートナーとして2002年より認定を保有。4月1日に五つ星となった。4月現在、星(スター)の数は五つ星から一つ星までの5種類あり、五つ星を保有する代理店はサイバーエージェントを含む2社で、四つ星は4社、三つ星は7社、二つ星は10社などとなっている。

サイバーエージェント
http://www.cyberagent.co.jp/

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シックス・アパート、本社機能のニューヨーク移転と製品・サービスの海外事業展開の本格化を発表 [ニュース] | Web担当者Forum

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ブログソフトのシックス・アパートは、4月1日付で本社機能を東京からニューヨークに移転し、同社のCMSプラットフォーム「Movable Type(ムーバブル・タイプ)」事業の世界展開を加速し、米国における新規事業の開発・発掘についても、インフォコム・グループ各社と連携していく、と3月31日発表した。本社機能の移転に伴い、シックス・アパートはインフォコムの100%子会社から、米Six Apart, Inc.の子会社になる。

シックス・アパートはインフォコムのグループ企業として、ブログ・ソリューションを提供している。Movable Typeは個人からソーシャルメディアまで、さまざまなシーンでのWebサイト構築・運営・管理を支援。このほか社内システムとの連携機能を強化した「Movable Type Advanced」、ソーシャルメディアを利用した商品キャンペーンを立ち上げる「Lekumo(ルクモ)キャンペーンビルダー」などがある。Movable Typeの開発は今後、米本社主導のもと、日本の開発者と連携を図りながら推進していくという。

シックス・アパート
http://www.sixapart.jp/

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  • 内容カテゴリ:CMS

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ドコモ・インサイトマーケティング、マーケティングプラットフォーム「みんレポ」の企業向けサービスを開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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マーケティングとリサーチ事業のドコモ・インサイトマーケティングは、生活者理解と「共創」を実現するマーケティングプラットフォーム「みんレポ」の企業向けサービスをマーケティングリサーチのインテージを通じて4月4日に販売を開始する、と同日発表した。みんレポは、生活者が見たままの写真、ありのままの気持ちをリアルタイムにレポートしてもらい、参加者同士がレポートをシェアできるスマートフォンアプリ。企業向けサービスは、企業と生活者をつなぐASP型の企業向けサービスとなる。

みんレポの企業向けサービスでは、ASP「みんレポAnalyzer」により、個票の閲覧やワードランキングなどの分析をすることができる。また、たとえば飲み物の新商品開発の場合、みんレポ上のコメントや写真を分析し、会員の利用実態や意識を抽出し、さまざまな角度から分析することでインサイト(本音)を得るヒントの提案が可能。多くの写真をアップしたり、文章力のある発信力の高いユーザーに対し、スマートフォンの動画インタビューや掲示板チャット、アンケートなどを実施することもできる。

ドコモ・インサイトマーケティング
http://www.dcm-im.com/

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テストサイトと本番サイトを間違えてしまわないようにする3つの工夫 [編集長ブログ―安田英久] | Web担当者Forum

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今日は、うっかりテストサイトを触っていると勘違いして本番サイトを触ってしまわないために、サーバー側のHTMLなどには手を入れずに、一目で区別できるようにする方法を解説します。

テストサイトだと思ってCMSの設定を変更したら、実は触っていたのは本番サイトだった、えらいこっちゃ!

そんな経験、ありませんか?

私は、ちょくちょくそういうミスをしていましたので、「いま触っているのが本番サイトなのかテストサイトなのか」が、一目でわかるようにしました。

とはいうものの、テストサイトのHTMLなどに手を入れて区別していると、今度はそれを間違って本番サイトに公開してしまったりして大変なことになりますし、本番サーバーから中身をもってくるとその工夫が消えてしまいます。

なので、テストサイトの内容には手を入れずに区別できるようにする方法を紹介します。

faviconで区別する

結構わかりやすいです。

区別用faviconは、ファイル名を別にして本番サーバーにもテストサーバーにも両方アップしておいて問題ないです(たとえばfavicon-test-site-black.icoとする)。そして、テストサーバーのApacheでfaviconへのアクセスをリダイレクトすればOKです。

.htaccessで書く場合
<IfModule mod_rewrite.c>
  RewriteEngine On
  RewriteCond %{REQUEST_URI} !^.*favicon-test-site-black.ico$
  RewriteRule ^.*favicon.ico$ /favicon-test-site-black.ico [R=301,L]</IfModule>

ユーザーCSSで区別する

ブラウザごとに設定は必要ですが、サーバーに工夫をする必要はありません。

URLで判断して、テストサイトならそれとわかるCSSを(ブラウザ側の拡張機能で)適用する仕組みです。

FirefoxならStylish、ChromeならStylistなどの拡張機能を使うのが楽です。

たとえばWeb担では、画像を本番サーバーにもテストサーバーにも両方アップしておいて、Stylishで次のように設定しています。

@namespace url(http://www.w3.org/1999/xhtml);
@-moz-document domain("テストサイトのドメイン名") {
  body{
    border-style: solid !important;
    border-width: 20px 0px 0px !important;
    border-color: #ff0000 !important;
    border-image: url("http://web-tan.forum.impressrd.jp/files/images/test-server.png") 20 0 27 fill repeat;
  }
  iframe html body{
    border: none !important;
  }
}

ChromeでのStylistの設定はこんな感じです。

mod_ext_filterでHTMLに自動挿入

テストサイトでだけサーバー側の設定を変更して、サーバーから出力されるHTML自体に、自動的にテストサイトだとわかるHTMLを追加してしまうというものです。

これは、サーバーの設定をすればすべてのユーザーに有効ですが、.htacessではなくhttpd.confを編集する必要があるうえに、テストサイトのサーバーの動作が遅くなるという難点があります。

使うのはApacheのmod_ext_filterというモジュールで、httpd.confで次のように設定します(.htaccessではできません)。

これは、sedというプログラムを使って、「<body>」の直後に「<div style="font-size:2em;color:red;font-weight:bold">TEST SITE TEST SITE TEST SITE</div>」というHTMLを自動的に挿入するものです。

ExtFilterDefine testsite mode=output intype=text/html cmd="/bin/sed 's/<body>/<body><div style=\"font-size:2em;color:red;font-weight:bold\">TEST SITE TEST SITE TEST SITE<\\/div>/g'"<Directory /var/www/main> ←テストサイト用のDocumentRootを指定SetOutputFilter testsite</Directory>
◇◇◇

いかがでしょうか。もちろん、テストサーバーと本番サーバーで使うブラウザを分けるとか、テストサーバー用にHTMLを自動挿入するApacheモジュールを自作するとかする方法はありますが、こんな風にすれば、手軽にテストサーバーと本番サーバーを区別できるようになります。

あなたの使っているもっと便利な区別の方法があれば、ぜひ教えてくださいませ。

この記事の筆者
ユーザー 安田英久(Web担 編集長) の写真

安田 英久(やすだ・ひでひさ)

株式会社インプレスビジネスメディア
Web担当者Forum 編集長

プログラミングやサーバー、データベースなどの技術系翻訳書や雑誌『インターネットマガジン』などの編集や出版営業を経て、現在Webサイト 「Web担当者Forum」編集長。ビジネスにおけるWebサイトの企画・構築・運用と、オンラインマーケティングの2軸をテーマにメディアを展開してい る。

個人としては、技術とマーケティングの融合によるインターネットのビジネス活用の新しい姿と、ブログ/CGM時代におけるメディアのあるべき姿を模 索し続けている。趣味は素人プログラミングと上方落語と南インドカレー。

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ネットショップ総研、EC事業者向けサービス「ファン・リレーション・フルフィルメント」を開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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EC事業者支援のネットショップ総研は、生活提案企業のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)の子会社であるSKIYAKIと、EC事業者向けにフルフィルメントサービス「ファン・リレーション・フルフィルメント(FRF)」を4月2日開始する、と同日発表した。日本のEC市場は急拡大しており、EC事業者からは受注から発送までをアウトソーシングするフルフィルメントサービスのニーズが高まっていることから、サービスを開始することにした。

FRFは、CCCグループのTポイント連携やビッグデータ活用、著名アーティスト公式ファンクラブの運営ナレッジを持つSKIYAKI社のインフラを活用し、能動的顧客育成を行う2社共同のフルフィルメントサービスとなる。戦略と販売プロモーションはネットショップ総研が担当。注文から対応、ファン育成、在庫管理、発送はSKIYAKI社が担当する。対象は月商1000万~1億円の目標値を持つ店舗、費用は都度見積もりとなる。

ネットショップ総研
http://www.netshop-soken.co.jp/

カルチュア・コンビニエンス・クラブ
http://www.ccc.co.jp/

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VRI、日本初の検索連動型広告のデータベースサービス「Listing Ads Report」を開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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インターネット利用状況調査のビデオリサーチインタラクティブ(VRI)は、検索連動型広告のデータベースサービス「Listing Ads Report」を4月中旬からASPで提供開始する、と4月7日発表した。Listing Ads Reportは、検索するワードを設定し、調査することで、競合社の検索連動型広告出稿の状況、インターネット広告キャンペーン全体のトレースなど、広告運用実務のサポートからコミュニケーション活動の検証まで、さまざまなシーンで活用することができる。

Listing Ads Reportは、前日の広告素材収集結果を翌日朝9時には確認できる。PCディスプレイ広告統計に収録された直近の銘柄名で調査しているので、双方をチェックすることで、インターネット広告キャンペーン展開の細部まで把握が可能。調査する「定点ワード」を設定しているので、時系列での追跡ができる。また、検索ワードからの広告抽出や収集した広告素材の中の単語からの広告抽出ができる。

ビデオリサーチインタラクティブ
http://www.videoi.co.jp/

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トランスコスモス、ASEAN最大のE-Bookストア「Ookbee Company Limited」と資本・業務提携 [ニュース] | Web担当者Forum

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ITアウトソーシングサービスのトランスコスモスは、ASEAN最大のE-Bookストア「Ookbee Company Limited(Oookbee=ウークビー)」の発行済株式総数の10%以上を取得することに合意、資本・業務提携した、と4月8日発表した。トランスコスモスはOookbeeに役員などを派遣する予定で、OokbeeのE-Book事業へのデジタルマーケティング、広告事業、データ分析、カスタマーサポートなどのノウハウやシステム導入をしていく。

Oookbeeは2011年のサービス開始後、現在までに550万人以上の会員を獲得し、E-Bookアプリのダウンロード数は650万を超えて、ASEAN各国(マレーシア、フィリピン、ベトナム、シンガポール)でサービスを展開しており、今回の資本・業務提携により、タイを含む各国のオペレーションの拡充を目指す。トランスコスモスは同社の顧客企業に対し、Ookbeeを活用したASEAN市場へのEC進出の支援など、トランスコスモスが推進する「グローバルECワンストップサービス」を加速するパートナーとして連携する予定。

トランスコスモス
http://www.trans-cosmos.co.jp/

Ookbee
http://ookbee.com/

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コンテンツの信頼を裏付けするコピペの活用法、有名人をチョイスするブラック・テキスト術 [企業ホームページ運営の心得] | Web担当者Forum

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Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の355

コピペとは叡智への敬意

ノーベル賞は確実といわれた「STAP細胞」を巡る疑惑が次々と指摘されています。研究リーダーである小保方晴子博士は、「博士論文」における、他者の論文からの「コピペ(コピー&ペースト)」も疑われています。

研究にかかわる真偽はいずれ明らかにされるでしょうが、以前からレポートなどにおけるコピペは問題視されています。しかし、「コピペ」は正しく行えば犯罪でもなんでもなく、むしろ文章の質を高めることができます。

そこで今回は、以前にも紹介した「ブラック・テキスト術」における、正しいコピペ(引用)の活用テクニックをお届けします。

コピペが糾弾される理由

大学の卒論どころか、夏休みの宿題の「読書感想文」まで、コピペで提出される時代となったといいますが、これらのコピペが糾弾されるのは「丸ごと」だからです。「てにをは」を変えても「論旨」が同じであればアウト。それを「盗作」といいます。他人の作品を自分の作品と主張するのは知の「窃盗罪」です。

本稿においての「コピペ」とは「盗作」ではありません。本来の意味である「コピー&ペースト」であり「引用の活用」によって文章のレベルアップを目指すものです。引用とは法律で認められた権利であり、一定の条件を満たせばだれでも利用することができます。

盗作と引用を分けるポイントは大きく分けて2つ。まず、「引用元の明示」です。

引用の大原則

まず、引用元の明記は必須です。書籍においては、注釈として「※」に連番の数字をあてはめて巻末に引用元をまとめて掲載したり、欄外に記載したりする方法があります。Webならば特性を活かし、マウスを重ねることで、ロールオーバーやフロート枠を用意して表示させるという方法もありますが、引用元の雑誌や書籍名を記載し、

≪雑誌名≫によれば「●●」とのこと

とするなり、筆者の名前を入れた、

「●●」と≪筆者名≫は語っていた

とするだけでも基本的にはOKです。長文の引用は段落を変え、背景色を変えるなどして、一目で区別がつくようにするとよいでしょう。どちらの場合も、「引用元のサイト名」「筆者名(団体)」「エントリー」「URL」、いずれか1つ以上は必ず記載してください。

お気に入りの過ち

そして引用とは主従の関係で成り立ちます。引用元は「従」であり、いわば「脇役」や「彩り」だというのが、もう1つのポイントです。Web担当者の作ったコンテンツが「主」でなくてはいけません。

引用元からコピペした箇所を削除しても意味が通じればOKですが、通じないようなら「盗作」の疑いが濃厚です。その発表はあなたの論ではなく、だれかの論であり、著作権に抵触するリスクが高く、本稿ではこうした「コピペ」を推奨するものではありません。

あるいは、

気にいった言葉に引きずられている

可能性もあります。私もときどきやりますが、お気に入りという感情が先に立ち、「コピペ」そのものが主役になってしまうのです。これも先の方法でチェックし、意味が通じないようなら諦めます。あくまで主従の従をお忘れなく。

その他にもいくつかの決まりがありますが、法的な詳しい解説は本サイトの連載「サイト画面などの著作物を正しく引用する方法とは?」に譲ります。

海外のコピペ事情

海外では「引用」のない書籍は評価されないという作家の言葉もあります。もちろん、書籍のジャンルにもよりますが、いまなら21世紀のある時点にのみ存在した個人だけの考えということで、客観性や公平性が保証されていない、とされるためです。端的に言えば「思いこみ」の可能性が否定できず、真理の持つ普遍性が検証されていないと見るのです。

日本では戦後、欧米からの「猿まね」という侮蔑に対しての対抗心からか「オリジナル信仰」が普及しました。しかし、適切なコピペ=引用はむしろ欧米では当たり前のことです。もちろん、前述の引用の「鉄則」を踏まえたうえでのことです。

基本的には1つの文章に、1回以上の「コピペ=引用」を推奨しています。それは検証と、ブラック・テキスト術のため。

コピペをすすめる理由

引用できる事例を「ネットで検索」することで、同様の意見はもちろん、反対意見に触れることができます。この作業を通じて「思いこみ」に気がつくことは少なくありません。

また、検索によって引用できる事例を見つければ、それは「第三者」の発言であり、客観性を担保し、演出することができます。「演出」とするところが「ブラック・テキスト術」。自説に都合の良い発言を選択的に「引用」をすることは盗作にはなりませんし、テレビ局でも新聞でも多用しています。ただし、筆者はあくまで「善用」を期待する立場であると添えておきます。

そして客観性の演出は「説得力」につながります。1人の発言より、2人、3人の意見のほうが重要に感じてしまうものだからです。その引用による「説得力」の効果を最大化するためには、できるだけ有名人をチョイスします。学術論文なら「権威」や「実績」が優先されますが、ブログやWebサイトの文章なら、

知名度

を基準とします。ローマ史なら「キケロ」より「カエサル」、ロックバンドなら「アースシェイカー」より「GLAY」、ゴーストライターなら「イケダハヤト」より「堀江貴文」というように、一般的知名度の高い有名人の発言を引用します。

世間では、有名というだけでその人の発言を信じる人が多いのです。テレビのワイドショーや情報番組で、女優や芸人に政治や科学を語らせる理由です。すでに信頼を勝ち得ている大企業には必要ないかもしれませんが、中小の現場では有効な手法です。

一般論として、「公開」されているすべての文章は引用できます。ただし、そのコピペが「引用」の範囲内にある限り……と、最後に繰り返すのはアリバイ作りというブラック・テキスト術であることについては、また機会があれば。

今回のポイント

引用により客観性を演出

コピペは正しく活用すべし

この記事の筆者
ユーザー 宮脇睦(有限会社アズモード) の写真

宮脇 睦(みやわき あつし)

プログラマーを振り出しにさまざまな社会経験を積んだ後、有限会社アズモードを設立。

制作、営業の双方の現場を知ることからウェブとリアルビジネスの融合を目指した「営業戦略付きホームページ」を提供し、一業種一社、制作案件は足立区内のみという営業施策をとっている。本業の傍らメールマガジン「マスコミでは言えないこと」を発行。好評を博す。著書に『完全! ネット選挙マニュアル』(Kindle版)、『Web2.0が殺すもの』『楽天市場がなくなる日』(ともに洋泉社)、冷静な視点からのIT業界分析に「週刊ポスト」など、様々な媒体から情報発信を続ける。

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オリジナル記事:コンテンツの信頼を裏付けするコピペの活用法、有名人をチョイスするブラック・テキスト術 [企業ホームページ運営の心得] | Web担当者Forum
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顧客目線のコンテンツ・マーケティングで営業ゼロでも施工依頼が殺到する塗装店のノウハウとは? [一人でできるWebサイト収益UP術-ウェブ解析士事例集] | Web担当者Forum

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Webマーケティングのプロではない塗装店が下請けからの脱却を目指し、顧客目線でコンテンツ・マーケティングを徹底的に行うことで3か月に1度問い合わせが来るWebサイトから、毎日問い合わせが来るWebサイトに進化。そのノウハウと実際のコンテンツ事例を公開する。

Webサイトのコンテンツ力で下請けから完全脱却
毎日問い合わせが来るサイトを作り上げた塗装店

この記事では、大阪の「永建工業」という塗装店の社長が自らWebサイトのコンテンツ(ページ)を改善することで下請けから完全脱却して、毎日問い合わせが来るWebサイトになった事例を紹介します。

永建工業サイト
大阪の戸建て住宅塗り替え専門店「永建工業」
http://www.eiken-kohgyo.jp/

この会社のWebサイトは2006年からありました。しかし、問い合わせが3か月に1度しかなく実質的に「売り上げに貢献できていない」サイトでした。そこで徹底的にWebサイトのコンテンツを改良した結果、現在では月間20~30件、毎日問い合わせがWebサイト経由で来るようになりました。

Webサイトのコンテンツを改良後、売上高も倍以上に増え、提供できるサービスの質、お客様の満足度が高まり、経営も安定するという成果につながりました。

なぜ下請けからの脱却を目指したのか、塗装業界の事情

Webサイトにどんなコンテンツを作ったのか事例を紹介する前に、なぜ下請けからの脱却を目指したのか、塗装業界の事情について説明します。実は、下請けはデメリットばかりでなく、考え方によってはメリットもあるのです。

下請けであることのメリット
  • 営業を自社でする必要がない
  • 施工内容はほぼ決まっているので、打ち合わせは電話で短時間で終わる
  • 予算の範囲で仕事をすればいい
下請けであることのデメリット
  • 元請けの商売に依存するため、経営が安定しない、利益が上がらない
  • 元請けからの理不尽な要求に対応しなければならない

下請けからの脱却で一番ネックとなるのは「営業」です。直接、施主(一般消費者)と契約をするためには、自社で集客から契約までを行う営業活動が必要です。しかし、もともと職人気質の業界のため、営業が上手な塗装店は少ないのです。

下請けから抜けたいけれども、抜けられない。自社でマーケティングやセールスを行えないという点が大きな課題でした。

顧客目線で他社サイトを研究してノウハウを蓄積

永建工業も営業面で課題を抱えていました。そこで、ダイレクトメールやチラシといったリアルの施策ではなく、Webサイトのコンテンツ(ページ)作りに力を入れたのです。

良いコンテンツを作ってしまえば、アクセスしてきた人に正しい情報を同じように伝えてくれます。小さな会社であれば現場に出ていて、問い合わせ対応ができないこともありますが、Webサイトは24時間いつでもアクセスしてきた人に情報を伝えることができます。

Webサイトに良いコンテンツを作るために社長がまず行ったことは「顧客目線による他社サイト研究」です。他社サイトの研究は、以下のようなことに注意して行いました。

  • どんな業種であれ3分以上見たサイトはすべて「お気に入り」に入れ、「なぜそのサイトを3分以上見てしまったのか」を解剖
  • 解剖した結果を「自社サイトに取り入れるにはどうすればいいか」を考察
  • 「文章の書き方」「ホームページで反応を得るには」といった内容の本を、手当たり次第読んで実践

つまり、お客様の目線に立って、「引き付けられるものは何なんだろう」「どんなコンテンツがどんな構成になっていれば人を引き付けることができて、メッセージを伝えることができるのか」を研究したのです。

自分で研究するという行動は、非常に大事なポイントです。いまは情報が玉石混交であふれているので、次のような行動をとってしまいがちです。

  • ネット上のノウハウだけを取り入れて実行してみる
  • 簡単に実行できそうなことだけを手当たり次第にやってみる
  • とりあえずセミナーなどに出て、その場では「おぉ、良いセミナーだった、実践してみよう」と思うものの、自分の会社では結局何も行えない

もちろんこれらを実践することは大事ですが、それ以上に自分がその意味を考えながら、自分なりにアレンジして実践して、フィードバックを確認することが大切です。ネット上にある「噛み砕かれた情報」だけを摂取していると、自分で噛み砕くことや解析することを忘れてしまいます。

魅力的なサイトに共通する3つのポイントを自社のサイトのコンテンツに取り入れる

社長自ら100サイト以上を研究した結果、魅力的なサイトに必ず存在する共通点を見つけました。それは「信頼感がある」「相手目線である」「理解可能である」ということ。

そしてこの3つのポイントを自社のWebサイトに取り入れていきました。では、具体的にどのように取り入れていったのか? 永建工業の実際のコンテンツを挙げながら説明します。

1.信頼感が伝わるコンテンツ

アクセスしてきた人の信頼感を得るために、代表者の素性をしっかりと書き、適切な写真を掲載する。信頼感を得ることはどんな業界でも大切ですが、最も効果的かつおすすめなのは、人間味を感じさせることです。

コンテンツ作成事例1社長の顔写真を載せてサイトに温かみを演出

永建工業のWebサイトでは代表の永濱社長のプロフィールページがあり、そこでは熱く仕事への思いが語られています。また、サイドバーには笑顔の写真が掲載されています。この写真があることで、サイト全体に温かみを与えています。この温かみが問い合わせのしやすさにつながっています。

温かみを演出することは、基本的にはどの業種でも効果があります(効果が無かったとしてもマイナスになることはありません)。サービスを検討する際に「どんな人が来るんだろう?」と不安になる業種に関しては、お客様(依頼する側)の不安感を取り除く効果があるので、担当者と代表者の顔出しをお勧めします。

特に「何となく不安感が多い・買い手と売り手の距離が近い業種」(リフォーム、不動産系、エステ、マッサージ、鍼灸、書士業、廃品回収)などのB2Cには効果が高いです。

コンテンツ作成事例2お客様からの声をコンテンツにする

「お客様の声」はアクセスしてきた人がサービスに興味を持ってもらって、信頼してもらうためにとても便利かつ効果的なコンテンツです。これは、どの業種でも効果があります。このようなお客様の声がびっしりと掲載されているページが、このサイトには4ページあります。

ここで大事なのは、こういったお客様の声は放っておいても集まらないということ。「集めよう」という気持ちで、仕組みを作ることが必要です。そして大前提として「良い声をもらえるように、お客様の目線で商売をする」ことが必要です。

話は少しそれますが、実際の会社に魅力がないと、Webサイトがどんなに良いものでも安定した商売にはつながりません。「Webサイトで見たら良さそうだったのに、実際に仕事をお願いしたら微妙だった……」と思われてしまえば、お客様の声も集まりません。口コミやリピーターも生まれません。商売はどこまで行ってもやはり人と人とのかかわり合いが重要です。

2.相手目線のコンテンツ

Webサイトのコンテンツはすべて「相手の目線」で書かれていて、主語が「あなた」になるように、相手のベネフィット(利益)に希求していることが重要です。つまり「会社が伝えたいこと」ではなく、「お客様が知りたいこと」にしなければなりません。

コンテンツを社内で作る際に陥りがちなのは「自慢話」ばかり書いてしまうことです。「自慢話」のコンテンツを読んだお客様に、伝えたいことが伝わるでしょうか。お客様にとってのベネフィットを書かないと、共感を得ることはできません。

自慢話を読んだときにお客さんが思うことは

  • ウチはこの技術が凄いんです
    そのすごい技術で、私にはどんなメリットがあるんですか
  • うちは歴史がある
    歴史があるから、どんなところが強いんですか
  • うちはこんなに大きな会社で従業員はこんなにいる
    たくさん人がいることで私にはどんないいことがあるんですか
  • こんなにすごい取引先がある
    取引先が大きいと、私はどんな得をするのでしょうか

お客様は、自分にとってどんなメリットがあるのか、にしか興味は無いのです。

コンテンツ作成事例3コンテンツの主語がお客様(あなた)になっている

永建工業のトップページには塗装工事専門店の長所が4つわかりやすく書かれています。これらの長所はすべて主語が「お客様(あなた)」です。メリット3だけ少し違いますが、お客様にとってのベネフィットになっています。これが「相手目線」のコンテンツの作り方です。サイト全体で、この相手目線が徹底されています。相手目線でコンテンツを作ることは、どの業種でも効果的です。

コンテンツ作成事例4お客様の声を代弁するコンテンツ

お客様の声を代弁してあげるというのもポイントです。これもどの業種でも効果的です。これは顧客リサーチであったり、お客様に対する深い理解が必要です。お客様にインタビューして、お客様の声を聴かせてもらうことも必要です。

「そうそう、そうなんだよ! そこが困っているんだ」とコンテンツを読んだお客様が共感してくれれば、成約率は一気に高まります。自分のことをわかってくれる人を、お客様はいつも探しています。このバナーはまさにそこをピンポイントで突いています。

3.コンテンツが理解可能

お客様が「わかる」「理解できる」ことを追求してコンテンツにする。相手が求めている情報を書いていても、伝わらなければ何の意味もありません。しかもインターネットは、リアルの世界に比べて読み手側の忍耐力は非常に弱いです。比較対象となるサイトもたくさんありますのでなおさらです。

そこで、できるだけスッと相手の頭に入るように、文章をすっきりとさせ、相手がわかる言葉を使い、相手の欲しい情報を出していくことが重要です。以下のことに注意して自社サイトを見返してみてください。

  • 専門用語や業界内でしかわからない言葉ばかりを使っていませんか
  • 曖昧な表現を使っていませんか
  • 読みやすい文章の流れになっているでしょうか

売り手の常識が買い手の常識と一致することはまずありません。お客様に寄り添ってあげることが大切です。「その内容が本当に相手に伝わっているのか」これは、アクセス解析やヒートマップといったマクロな統計データではわかりません。

サイトを身内やお客様などの第三者に定期的にチェックしてもらうと、思いがけないことが見えてきます。遠隔ユーザーテストなども有効です。費用を抑えつつ、効果の高いユーザーテストを行えます。そういう観点で永建工業のサイトを再度、見てみると発見があるのではと思います。

短期的な売上げ増以外に「顧客視点」のサイト改善で得られた成果

コンテンツを徐々に増やした結果Webサイトが「営業資産」になった

このようにWebサイトの改善を続けるなかで、サイトにはどんどんコンテンツが増えていきました。また、売り込みでは無いお客様目線のコンテンツは、自然とナチュラルリンクが集まっていき、「地域キーワード + 外壁塗装」などのキーワードで検索結果の1~3位をキープできるようになりました。

Webサイトは自社で更新できるようにCMS(コンテンツ管理システム)を入れました。これによってページの追加や修正を、自社でローコストかつ柔軟に対応できるようにしました。

その結果「リスティングなど含めた広告なし」「アウトバウンドの売り込みなし」で問い合わせが増え、しかも、元請け会社からの引き合いでは無く、施主本人が電話をかけてきてくれるようになりました。下請けから脱却し、元請け100%になることができ、他社に依存しない経営ができるようになりました。「じっくり育ててWebサイトをネット上の営業資産にした」のです。

客質が大きく改善された

小さい会社であればあるほど重要なことがあります。それは「客質」です。たとえば「高圧的で、自分の思い通りに進めようとする」「ひたすら値切りをしてくる」「言ってもないことを言ったと言いはる」など、企業としては避けたいお客様は、残念ながら存在します。

しかしこうやってWebサイトで自社のことをしっかりと表現していると、自然とそういったお客様は減っていきます。また、Webサイトに「◯◯な方には当社はおすすめできません」と明確に記載することも、客質の向上に効果的です。

商談がスムーズに進むようになった

Webサイトのコンテンツを読み込んでから問い合わせしてくるお客様がほとんどですので、すでに信頼関係がある程度できていることが多く、商談が非常にスムーズに進み、気持ちよく仕事もできます。

永建工業のサイト内にある「月々雑感」というブログに、商談がスムーズに進んだエピソードが記載されていますので、それを紹介します。

永建工業「月々雑感」(2014/2/8)
http://www.eiken-kohgyo.jp/category/1991313.html

外壁塗装は、実はかなり高額です。たとえば「2F建て延床面積30坪の場合」でも安くて70万円程度、良いものであれば100万円はゆうに越えます。その100万円前後のものが、ポンと30秒で売れるんです。電話とフォームでの問い合わせコンバージョンレート(成約率)は1%を超えています。これはWebサイトを通じてすでに信頼関係ができ上がっているからです。

最後に:コンテンツは将来のあなた(企業)を支える

この事例は2009年の話です。この時代からこの塗装店は、

Webサイトというオウンドメディアへの集客 →
サイト内での見込み客育成(リードナーチャリング) →
問い合わせ

といういわゆるインバウンド・マーケティングを実践していました。インタラプト型マーケティングは一切行っていません。

つまり、リアルとネット両方からお客様をWebサイトに集客し、Webサイト内のコンテンツを読んでもらい、自然に「技術力の高さ」や「信頼感」を感じてもらう。そして、サービスに魅力を感じてもらい、結果として、問い合わせの電話やメールをしてくれるという流れです。

この仕組みが回ったことで「テレアポ」や「お伺い営業」のような、興味のない人に嫌がられるような営業活動をする必要はなくなり、下請けからも脱却できました。

Webサイトの成約率(CVR)を上げるには、今回紹介したコンテンツの改善や作成以外にもさまざまな方法があります。その中で、手間がかかり、スキルを手に入れるために労力と経験が必要なものの1つがコンテンツです。しかしコンテンツは他の手段と異なり、一度作ってしまえば、長期的に効果を発揮してくれます。「売り上げに繋がるコンテンツを作ることができる能力」と「作り上げられたコンテンツ」は企業にとって大きな営業資産なのです。

また、お客様のために商売をしている企業が、その魅力やメッセージをWebサイトできちんと発信していくことは、自社だけではなく、その業界、そして社会を良くしていくことにつながっていくはずです。この塗装店業界では、共感する企業で「日本塗装名人会」を立ち上げ情報を発信し、業界全体の健全化と消費者のサポートを行っています。消費者が自分に合った企業と出会えるように、情報発信をしています。

今回の内容を踏まえて、顧客視点でWebサイト全体のコンセプトから見なおしてみてはいかがでしょうか。社内でアイデア出し(ブレインストーミング)など行ってみてはいかがでしょうか。きっと、アクセス解析からはわからないような問題点が見つかります。

その観点で、Webコンサルタント・Web解析スキルを持った人材を養成するウェブ解析士講座も、業務の合間を縫って少人数制で定期的に開催しています。まだまだ埋もれている素晴らしい企業やサービスがたくさんあると、中小企業専門のコンサルをやっていて思います。今回の内容は決してこの業界に限られたことではありません。すべての業界の方に、さらにもう一歩、Web活用への道を踏み出して頂きたいです。

この記事の筆者
ユーザー 中山陽平(ラウンドナップ・コンサルティング代表) の写真

中山 陽平
1981年8月福島県双葉生まれ。中小企業・小規模企業専門WEBコンサルティング事務所「ラウンドナップ・コンサルティング」代表

470社49業種の実績で、中小企業がウェブを活用して勝ち続けるための「仕組みづくり」と「人材育成・ノウハウ蓄積」を支援。

マーケティングコンサルタントをメインに、常時営業無しで10〜15社の顧問と、スポット案件を2〜3社受注し続けている。ヒト・モノ・カネが割けない士業を、広告無しで2週間で問合せ発生させ、平均月20件の問合せを毎月受ける状況に持って行く、あるいはWebサイトの改善にて新築一戸建て受注件数を年間11棟(2億円程度の売上)アップさせる、また、内的SEO見直しのみで集客を20%改善するなど、中小企業の予算感とリソースの中で結果を出すことに注力している。

また、WACAウェブ解析士マスター所持者として、担当者育成、企業研修も行う。(ウェブ解析士講座・企業研修についてはこちらから

サイト「Web戦略ラウンドナップ」にてノウハウ・情報発信を2005年〜継続中。Google Analytics Qualified Individual、Google Adwords Professional、2009年初認定・更新中。

チワワと息子と嫁には勝てない。

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ECもリアル店舗も使うコア顧客に「私だけのおもてなし」を提供してファンを増やそう [予算200万円から始めるOne to Oneマーケティング] | Web担当者Forum

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200万円から始めるOne to Oneマーケティング 連載アイコン

予算200万円からトライアルとして実行できるOne to Oneマーケティングのアイデアを紹介し、スモールスタートの可能性を探っていく本連載。第3回となる今回は、リアル店舗とECサイトを併用する「オムニチャネル顧客」に向けて、データに基づいた個別のおもてなし=パーソナライズド・エクスペリエンスを提供する方法について解説する。

2014年は「オムニチャネル元年」になると見られており、デジタル&リアルチャネルでのシームレスな購買利便性が大手小売業を中心に構築されつつある。

そんな中、ECとリアル店舗の両チャネルを利用する「オムニチャネル顧客」の存在が注目されている。

  • リアル店舗 → 地理的に近い顧客
  • ECサイト → リアル店舗から遠い顧客

この一見妥当に思える図式は、先進的な小売業で得られた知見によると「誤解」として否定されつつある。むしろ、リアル店舗を利用している顧客がECサイトも同時に利用しており、そうした顧客のブランドや売上に対する貢献度は相対的に高い。

オムニチャネルが本格化し、複数のチャネルが利用されるようになると、接触・購買データを企業に提供する「オムニチャネル顧客」も増加する。このような顧客がシームレスな購買利便性の次に求めるものは、データに基づいた「私だけのおもてなし」となる可能性は高そうだ。

そこで今回は、予算200万円程度から始めることができる「オムニチャネル顧客へのパーソナライズド・エクスペリエンス」について考えてみたい。

ブランドや売上に貢献する「オムニチャネル顧客」

アマゾンと大手小売業(米国ではウォルマート、国内ではイオン、セブン&アイなど)との競争激化を背景に、商品の「認知」「検索」「注文」「支払」「受取」をデジタル&リアルチャネルでシームレスに実現するオムニチャネル化が進行している。また、スマートデバイスの普及により、商圏顧客をGPSで特定し、リアルタイムで来店促進を図るO2O施策も行われている。その結果、デジタルチャネルとリアルチャネルを行き来する顧客データも把握・分析できる環境が整備され始めている。

ここで気になるのが、リアル店舗を有する複数の大手企業から聞かれる次のような声だ。

ECとリアル店舗を併用する顧客(オムニチャネル顧客)は、片方しか利用しない顧客よりも、ブランドへの愛着や売上貢献度が高い。

たとえばウォルマートは、ECで注文した顧客のうち、店舗での商品受け取りを選択した顧客の60%が、来店したときに平均60ドルの付加購買(ついで買い)をしている事実を発見した。

また、別の大手小売業担当者も「リアル店舗=距離的に近い顧客、EC=距離的に遠い顧客という図式は思い込み。実際に検証してみると、リアル店舗もECも利用する顧客セグメントが明確に存在し、売上貢献度も高くブランドファンになる」と語っている。

「パーソナライズド・エクスペリエンス」で顧客の心をつかむ

このような「オムニチャネル顧客」は、特に国内市場で人口減少が加速するなか、企業が持続的成長を図るうえで非常に重要な存在だ。それでは、シームレスなチャネル接触を経験したオムニチャネル顧客が次に求めるものは何だろうか?

こうした顧客は、すでに複数のチャネルで自らの時間と金銭を投資し、さらに自らのサイト行動データや購買データを企業に提供しているので、データに基づいた「私だけのおもてなし」を求める可能性が高い。先進事例として、すでにアルゼンチンのホームセンターRibeiroがオムニチャネルでのOne to Oneを実践し、前年同期比600%の売上を達成している。具体的には、次に挙げる3つのパーソナライズド・エクスペリエンスが求められそうだ。

  1. 商品・サービス

    顧客データ(属性・購買・位置データ等)に基づくパーソナライズド・レコメンド。

    たとえばリアル店舗内の位置データを把握し、顧客のスマホアプリ上や店内貸出タブレット上で商品・サービスを自動レコメンドして「ついで買い」を促進するといった施策が考えられる。

  2. プロモーション(販売促進)

    顧客データに基づくパーソナライズド・プロモーション。

    たとえば一定期間で複数のチャネルを利用するほど、より有益なポイント・クーポン・各種優遇を個別に提供して、オムニチャネル利用を維持・向上させる施策が考えられる。

  3. コミュニケーション

    顧客データに基づくパーソナライズド・コミュニケーション。

    たとえばリアル店舗内での位置情報や商品バーコードと連動したスマホアプリ上での各種情報・ストーリー閲覧、リアル店舗で親しくなった販売員によるECサイト上での遠隔接客・自動メールなどによるエンゲージメント促進施策が考えられる。また、店頭ならではのタイムセール・イベントなどの様子を顧客の好みに合った形で動画配信し、リアル店舗のライブ感をECサイトでも体感できる仕組みも考えられる。

特に日本の小売業においては、人口ボリュームの多いシニア層でどれだけオムニチャネル顧客を創出できるかがポイントとなるのではないか。そうであれば、シンプルな使いやすさをともなうパーソナライズド・エクスペリエンスをすべてのチャネルで提供することが求められると考える。

早期のパイロットプロジェクトで有効性を見極め
さらなる投資と全体施策への足がかりに

それでは、前述のようなオムニチャネルにおけるパーソナライズド・エクスペリエンスを実現するにはどうすればよいのだろうか。具体的には、顧客データの統合はもとより、たとえば次のような機能が必要となる。

  • 顧客データ分析・ターゲティング
  • 各種コンテンツ・プロモーションの最適化
  • モバイルを含めたマルチデバイス対応

これらは、単機能であれば低価格CMSや外部ツール・サービスを利用することで200万円程度の予算からでも導入できる

たとえば、クッキーベースによるWeb上でのコンテンツ出し分けやメール個別配信などが可能だ。しかし、これだけでは施策レベルのパーソナライゼーションのため、個別のKPIは改善できるかもしれないが、売上などのKGI(最終的な成果指標)へのインパクトまでは証明しにくい。

理想は、購買ファネル全体を見据えたシナリオ自体のパーソナライゼーションである。そのためには、すべての機能が統合された高性能CMSを導入することが有効であり、そこで初めて単なるコンテンツマネジメントを超えた真のエクスペリエンスマネジメントが実現できる。

しかし、導入規模とコストが大きくなればなるほど、動きは遅くなってしまいがちだ。

そこで、小規模でもよいので「オムニチャネル顧客」をECサイト会員、リアル店舗会員のフラグなどを用いて特定し、その顧客データとCMSを連携しながら、パーソナライズド・エクスペリエンスの有効性を確かめるパイロットプロジェクトを立ち上げることをお勧めしたい。

パーソナライズド・エクスペリエンスによって、顧客は両方のチャネルでシームレスな体験を得られる。最近は汎用タブレットを使ったPOSシステムなどが登場したことで、低価格で導入&オンラインとのシステム連携が可能だ。

スピードを重視する理由は、現時点ではオムニチャネル顧客の数はそれほど多くないという状況がほとんどだと思われるからだ。顧客規模の小さなうちにPDCAを回しつつ、顧客規模の拡大を見越した知見=マーケティング・インテリジェンスを競合に先んじて蓄積することが強力なアドバンテージになるわけだ。

そして、パーソナライズド・エクスペリエンスの有効性や妥当な投資対効果が得られることが証明されれば、より本格的な全体施策に取り組みやすくなる。

将来的に数千万円~数億円のインパクトが期待できる事業であれば、200万円というコストは決して高くはないはずだ。それ以上の成果が期待できる事業規模や成長可能性があるなら、さらなる投資として高性能CMSを導入することで「高度なパーソナライズド・エクスペリエンスの提供」→「オムニチャネル顧客の愛着と売上アップ」→「売上アップ」という好循環をもたらすことになる。

パーソナライズド・エクスペリエンスの有効性を実感し、いち早く投資してすぐに取り組むことこそ、競合に差を付けるために今すべき賢明な意思決定といえるだろう。

この記事の筆者
田島 学(アンダーワークス株式会社代表取締役社長)の写真

田島 学(たじま まなぶ)

アンダーワークス株式会社
代表取締役社長

早稲田大学政治経済学部卒。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)にてeCRM戦略立案等に従事したのち、独立コンサルタントを経て2006年にアンダーワークス株式会社を創業。金融、情報通信、ヘルスケア、製造業などのWeb戦略/デジタルマーケティング戦略立案、顧客分析、テクノロジー活用、CRMなど多くのプロジェクトに携わる。

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楽天、11社との提携で「楽天スーパーポイント」の共通ポイント事業を本格的に展開 [ニュース] | Web担当者Forum

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楽天は、秋に開始を予定している「楽天スーパーポイント」の共通事業において、出光興産、J.フロント リテイリング、サークルKサンクスなど計11社と提携した、と4月9日発表した。楽天スーパーポイントは、楽天のロイヤリティ・プログラムで、「楽天市場」をはじめ楽天グループのサービスで商品を購入するたびにポイントを付与し1ポイント1円相当で利用できる。提携により、全国約1万3400の実店舗で楽天スーパーポイントの付与・利用が可能になる。

楽天スーパーポイントの共通ポイント事業は、ポイント流通量が多いため利用価値が高く、全会員のメールアドレスが登録済みであること、会員のセグメント化ができているなどが特長。加盟企業は自社および他社の共通ポイントとの併用も可能で、約9000万人の楽天会員を対象とした送客・マーケティング施策が展開できる。楽天スーパーポイントの共通ポイントサービス参画企業と店舗は、出光興産の出光サービスステーション、J.フロント リテイリングの大丸と松坂屋、サークルKサンクスなどとなっている。

楽天
http://corp.rakuten.co.jp/

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KDDIウェブコミュニケーションズ、クラウド電話API「Twilio」で料金プランの改定と0120番号の提供を開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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ホスティングサービス事業のKDDIウェブコミュニケーションズは、クラウド電話API(アプリケーションプログラミングインターフェース=ソフトウェアが相互にやり取りするための仕様)「Twilio」で、050番号の料金プラン改定および着信者課金番号(0120番号)の提供を開始する、と4月9日発表した。インターネット上から電話やSMSの送受信ができるTwilioは、APIをWebサイトやアプリに実装すれば利用できる。2013年4月から提供しているTwilioのトラフィック急増により、料金プランの改定(値下げ)が実現した。

Twilioの050番号に関する新料金プランでは、これまで税込み490円だった月額料金を税別100円で提供。また、固定電話あての受着信料金を税込み9円/分から税別5円/分に、携帯電話あての受着信料金を税込み19円/分から税別15円/分に値下げするほか、SMSやアプリの受発信料金も2.8%値下げする。新サービスの0120番号は税別1500円で提供。発信者には通話料金は発生せず、着信者に税別20円/分の料金が発生する。

KDDIウェブコミュニケーションズ
http://www.kddi-webcommunications.co.jp/

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マクロミル、「オンライン・デプスインタビュー/オンライン・パラレルインタビュー」のサービスを開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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インターネット調査のマクロミルは、オンライン・インタビュー「オンライン・デプスインタビュー/オンライン・パラレルインタビュー」のサービスを4月8日開始する、と同日発表した。サービスは、調査モニターから対象者をリクルーティングし、オンラインでインタビューを行う定性調査サービスで、通信環境とテレビモニタまたはプロジェクターがあれば、自社オフィスの会議室からもインタビューできるため、地方や希少なターゲットにもインタビューができる。

オンライン・デプスインタビューは、1人の対象者に1人のインタビュアーがインタビューを行う。対象者は自宅などリラックスした環境でインタビューを受けるため、よりプライベートな内容や率直な意見を聴取できる。オンライン・パラレルインタビューは、1人のインタビュアーが複数の対象者にインタビューを行う。対象者同士もモニタ画面を通して顔や声を見聞きできるため、擬似的な座談会形式を取ることができる。

マクロミル
http://www.macromill.com/

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広告運用は「検証」と「改善」が鉄則 [Yahoo!プロモーション広告 業界情報] | Web担当者Forum

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この記事は、Yahoo!プロモーション広告 公式ラーニングポータルで公開されているリスティング広告「業界情報」の記事を、ヤフー株式会社の許諾のもと転載しています。オリジナルの記事はYahoo!プロモーション広告 公式ラーニングポータルのサイトでご覧ください。

広告運用のステップ

インターネット広告を運用する上で重要なのは、広告に対するインターネットユーザーの反応を正しく把握し、それをもとに運用改善してより効果の高い広告を配信することです。広告の効果を高めることで、同じ期間、同じ広告費でも、より多く売り上げを伸ばすことが可能です。

広告効果を最大化するためには、次の図で示すような広告運用のステップを継続的に繰り返していくことが鉄則です。

STEP 1 広告を考える

誰に対して何を伝えるのか、広告の目的を決めます。目的が決まったら、それに適した広告の導入を検討します。

STEP 2 広告を出す

導入する広告サービスや広告掲載方式の組み合わせが決まったら、広告で伝えたいメッセージや飛び先となるランディングページ、訴求対象となる人の条件を考えて、広告管理ツールに登録します。

<スポンサードサーチ>

<YDN>

  • 広告の掲載フォーマット(テキスト・ディスプレイ)
  • 広告の「タイトル」「説明文」「表示URL」(※テキスト広告の場合)
  • リンク先URL(広告をクリックした際の飛び先)
  • キャンペーン予算
  • ターゲティング設定(広告を掲載する「デバイス」「属性」「地域」「曜日・時間帯」など)

掲載後に広告の効果が確認できるように、広告掲載前にウェブサイトにタグを設定いただくことをお勧めします。これにより、基本的な指標だけでなく、広告改善につなげるためのさまざまな指標やウェブサイト上でのインターネットユーザーの動きも把握できるようになります。Yahoo!プロモーション広告では、タグを簡単に設定し、一元管理できる「Yahoo!タグマネージャー」を用意しています。

- Yahoo!タグマネージャー

Yahoo!タグマネージャーを導入すると、すべてのウェブページに利用できる「共通タグ」を発行し、各タグの編集・更新などはツール上で一元管理できるようになります。これまで煩雑になっていたタグの管理も驚くほど効率化できます。

STEP 3 効果を調べる

広告が掲載された後、「どれくらい広告が見られたか」「どれくらいクリックされたか」「広告経由でどれくらい商品が購入されたか」を示す指標から広告効果を調べます。Yahoo!プロモーション広告では、さまざまな広告指標の計測はもちろん、サイトを訪問したインターネットユーザーの属性・行動なども多角的に分析できるウェブアクセス解析ツール「Yahoo!アクセス解析」を無料で利用できます。

-Yahoo!アクセス解析

Yahoo!アクセス解析の導入により広告運用・ウェブサイトの運営による多様な指標を測定できます。高機能でありながら、直感的に操作できるインターフェース、インターネットユーザーの動きに即座に反応できるリアルタイム性が特長です。

STEP 4 広告を改善する

広告効果の測定結果をもとに、より効果的な広告にするにはどうするかを考えます。テキストや画像の変更、配信対象範囲の見直し、予算や入札価格の調整など、広告を最適化していきます。

次のステップでは、指標に基づく改善のポイントについてご紹介します。

  • 最終回 「効果的な広告の改善例」は近日公開予定です。

オリジナル記事はこちら:広告運用は「検証」と「改善」が鉄則(2014/03/24)

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パソコンからとスマホからのトラフィックを比較するセグメントを作成する(第2回) [Googleアナリティクス セグメント100選] | Web担当者Forum

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スマホなどモバイル環境とPC環境とを分けて、比較しながらアクセス解析したい

最近多くのクライアント企業でよく聞くのは、モバイルからのWebサイト利用が増えているという話だ。eコマースサイトでも取り扱い商材によっては、モバイルの方が、利用や購入が多いということもある。

モバイルからのWebサイト利用シーンは、パソコンのそれとはずいぶん違うことは容易に想像できる。

移動中に見ているのであれば、利用時間帯に違いがあるだろうし、じっくり時間を掛けて見ている余裕もないだろう。であれば、

  • 訪問別ページビュー(1訪問あたりの平均ページビュー数)は相対的に少ない
  • 滞在時間も短い

といったことが考えられるだろう。

パソコンとモバイルからをごちゃ混ぜにしたWebサイト利用をざっくり把握しても、ユーザー体験に近づくことは難しいだろう。そこでモバイル環境からの利用を分離するセグメントが必要になるわけだ。

モバイルからの利用が数%にとどまっているサイトではあまり必要性は感じないかもしれないが、モバイルからの利用が一定割合以上含まれるサイトであれば、つねにこのセグメントを掛けてデータを見ることが、今後ますます重要になっていくことは間違いない。

そこで今回は、モバイル環境からの利用状況を把握するためのセグメントの使い方を説明する。

標準レポートを使って利用環境別のデータを比較するには?

まずはセグメントを使わず、標準で用意されているレポートを使って、単純に利用環境別に主要指標を比較してみよう。[ユーザー]>[モバイル]>[サマリー]レポート(図1)を見ればよい。

操作手順
  1. 画面上部グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
  2. 画面左側にあるメニューで、[ユーザー]をクリックする
  3. メニューが開くので、[モバイル]、[サマリー]を順にクリックする
図1:[ユーザー]>[モバイル]>[サマリー]レポート

「デバイスカテゴリ」というディメンションで、「desktop」「mobile」「tablet」という3分類がある(図1赤枠部分)。これがそれぞれ、パソコン、スマートフォン、タブレットからの利用を意味する。それぞれの訪問ベースの割合(図1青枠部分)は簡単に確認できるので、このデータは時系列でも定点観測しておくのがよいだろう。

「mobile」にはガラケーは含まれない

モバイル計測について補足しておくと、モバイルサイトといっても大きく2種類ある。「ガラケー」用サイトとスマートフォン用サイトだ。いわゆる「ガラケー」と言われている旧来型の携帯電話端末からは、専用の携帯用サイトを見ることになるが、スマートフォンからはPCサイトを見ることになる。

Google アナリティクスの計測もこの2種類のサイトでは、データ収集は別の方法になる。

「ガラケー」用サイトの計測は、標準のアナリティクスの計測方法(JavaScriptとクッキー)とは異なるので、Googleアナリティクス上に別のプロパティで計測することになるだろう。よって、PCサイトの計測における「mobile」とは、スマートフォンからの利用を意味することになる。

モバイルとPCなど利用環境別のデータをセグメントを使って比較するには?

では次に、実際のデータにセグメントを掛けてみよう。

まず多くのレポートの左上にある[v]のようなマーク(図2赤枠部分)をクリックする。

図2:[v]マークをクリックする

これまでに自作のセグメントを作成したことがない場合は、標準で用意されているセグメント22個が表示される(図3)。

図3:標準で用意されているセグメントの一覧
注:一覧表示(図3赤枠部分)を選択している場合や、自分ですでにカスタムセグメントを作成している場合などでは、図3と同じ見え方にはならない。

これら22のセグメント中に、パソコン、スマートフォン、タブレットからの利用に関連するセグメントがすでに4つほど用意されている。図3青枠部分がそれだ。

  • タブレット トラフィック
  • タブレットとPCのトラフィック
  • モバイル トラフィック
  • モバイルとタブレットのトラフィック

前述したとおり、モバイルとはスマートフォン(iPhoneを含む)と読み替え、PCはパソコン(ノートパソコンを含む)と読み替えればよい。

タブレット、PC、モバイルという3つの項目の組み合わせで4種類がデフォルトで用意されている。しかし、「タブレット」「モバイル」はそれだけのトラフィックを見るセグメントがあるのに、「PC」のトラフィックだけを見るセグメントは用意されていない。

素直に「PCのトラフィック」というセグメントがあれば、「タブレット トラフィック」「モバイル トラフィック」「PCのトラフィック」の3つのセグメントで比較するというのが、単純でわかりやすいだろう。そこで「PCのトラフィック」というセグメントをまず作成してしまおう。

「PCのトラフィック」セグメントを新規作成する

セグメントの新規作成は、セグメント機能の左上にある「+新しいセグメントを作成」(図3緑枠部分)をクリックする。

図3(再掲):標準で用意されているセグメントの一覧

すると図4のようなセグメントの新規作成画面になるので、ここでセグメント名(図4赤枠部分)とセグメント内容(図4緑枠部分)を設定すればよい。

図4:「PCのトラフィック」セグメントを作成

セグメント名は、たとえば「PCのトラフィック」と入力する(図4赤枠部分)。

セグメント設定内容の指定は、図4緑枠部分のように「デバイス カテゴリ」というディメンションの項目が「desktop」であるセグメント条件を指定して[保存](図4黒枠部分)すればよい。

操作手順
  1. 「条件」(図4青枠部分)をクリックする
  2. 「訪問」を選択する(図4緑枠部分)
  3. 「含める」を選択する(図4緑枠部分)
  4. 「デバイスカテゴリ」を選択する(「ユーザー」>「デバイスカテゴリ」)(図4緑枠部分)
  5. 「完全一致」を選択する(図4緑枠部分)
  6. 「desktop」と入力する(図4緑枠部分)

設定を保存すると、今作成したセグメントが新しく登録されている(図5赤枠部分)。青枠部分をクリックすると、「リスト」という一覧形式で表示される。

図5:3つのセグメントを選択

それほど難しい設定ではないので自分でもこのセグメントを簡単に作成できると思うが、下記をクリックすれば、自分のGoogle アナリティクスに取り込むことも可能だ。

このセグメント機能の画面で該当セグメントをクリックすれば、新しく作成したセグメントも標準で用意されているセグメント同様に選択できる。前出の図5は、今作成した「PCのトラフィック(図5赤枠部分)」「モバイル トラフィック(図5では見えていない)」「タブレット トラフィック(図5緑枠部分)」の3つを選択した状態になっている。

セグメントを選択すると、選択されたセグメント名が上部に並ぶ(図5黒枠部分)ので、この状態で左下の[適用]ボタン(図5茶枠部分)をクリックすれば、現在表示しているレポートにこのセグメントを適用できる。

時間別訪問数のグラフに、3つのセグメントを掛けてみる

冒頭に「利用時間帯に違いがあるだろう」と書いたので、たとえば[ユーザー]>[サマリー]レポートで、ある平日を選択、時間別にグラフ表示を選択(図6赤枠部分)したうえで、この3つのセグメントを掛けてみたのが図6だ。

図6:[ユーザー]>[サマリー]レポート

このサイトでは、タブレット トラフィック(図6緑色の折れ線)が量的には少ないので、この3つのセグメントの中では傾向がはっきりとは読み取りにくいが、仮説どおり利用時間にはそれぞれ特徴を見出すことができる。

スマートフォンはつねに身近に携帯していることを考えると、モバイル トラフィックは、通勤時間帯はもちろん、職場で勤務中にも、家でくつろいでいる時間にも、すべての時間帯で比較的にフラットに利用されていても驚かないだろう。

一方PCのトラフィックは、昼休みのピークと夜のピークの2つの山が顕著に見えるが、朝にはピークがないといった特徴が見て取れる。

皆さんのサイトではどんな利用がされているだろう。同じような傾向が見れるサイトもあれば、異なるパターンの閲覧傾向があるかもしれない。

他にもこのセグメント軸で見たいレポートは沢山あるだろう。

  • スマートフォンからのアクセスの場合に見られているコンテンツに特徴はあるのか?
  • 集客チャネルに大きな違いはあるだろうか?
  • コンバージョンの有無にも違いが見られるのではないだろうか?

サイトによって関心事は異なると思うので、気になったものはひととおり見ておくのがよいのではないだろうか。

ページごとに、PCトラフィックとモバイルトラフィックの寄与度を比較する

たとえば図7は[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポートで、PCのトラフィックとモバイル トラフィックの2つのセグメントを掛けたケースだが、ページビュー数のランキングの順位は、スマートフォンからの閲覧とパソコンからの利用では当然違いがある。

図7:[行動]>[サイト コンテンツ]>[すべてのページ]レポート

図7赤枠部分は、2番目のページの「ページの価値」の指標だ。これを見ることでコンバージョンした訪問時に寄与したページを知ることができる。PCのトラフィックでは40円だが、モバイル(スマートフォン)のトラフィックは0円である。つまり、スマートフォンからの訪問の際には、このページを閲覧することが、コンバージョンには結びついていないということになる。他にもこのサイトでは、逆にPCのトラフィックではページの価値がゼロのページももちろんある。それぞれ、なぜなのだろうという理由は追求すべきだろう。

図7の出力形式は目的に応じてソートしやすいわけではないし、セグメント数が3つ以上あると一覧性も低くなる(図7は2つのセグメントしか掛けていないが、それでも直感的にわかりやすいとは言い難いだろう)ので、ピボット形式で表示できるとよいのだが、残念ながらピボット表示形式を選択(図8赤枠部分)して、デバイス カテゴリと組み合わせることができない。

エクセルなどのファイルに出力してデータを見やすく加工したい場合は、図8のようにセカンダリ ディメンションにデバイス カテゴリを指定(図8青枠部分)するとエクセルなどでの作業がしやすくなるのではないだろうか。

図8:セカンダリ ディメンションにデバイス カテゴリを指定

筆者の『ユニバーサルアナリティクス版Googleアナリティクス完全マニュアル(PDF)』が発行されました。(2014/02/15)

筆者が講義を行うGoogle アナリティクス徹底講座(2014年5月開催)を行います。
 → Google アナリティクス ゼミナール

この記事の筆者
ユーザー 衣袋 宏美(株式会社クロス・フュージョン) の写真

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社インターネット視聴率センター長を経て、2000年ネットレイティングス入社、視聴率サービス立ち上げに参画、2006年ネットレイティングス社(現ニールセン株式会社)フェローに就任。株式会社クロス・フュージョン代表取締役。またデジタルハリウッド大学院客員教授、米Digital Analytics Association会員、アクセス解析イニシアチブ副代表。

著書など:
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UX侍 × Google マップ UXデザイナー「ユーザーにフォーカスをあてれば結果は後からついてくる」 [UXサムライ] | Web担当者Forum

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左からGoogle マップ UX チーム:フー ピーター氏、石塚 尚之氏、片山 まどか氏 UX侍:深津 貴之、森田 雄
Google マップ アプリ

Google Mapsアプリ
価格:無料

行きたい場所へナビゲート
新しく生まれ変わった Google マップ、もっと便利に行きたい場所を探したり、リアルタイムの交通状況を確認したり、美しい街並みを見ることができます。

「無くなって困るサービスは?」と聞かれれば、多くの人がこれを挙げるのではないか。2012年から現在にかけて、そのデザインが大幅にアップデートされた「Google マップ」だ。当たり前過ぎて「空気のようなアプリ」と森田氏が表す、12年の歴史を誇るサービスがどのようにして生まれ変わったのか。「ユーザーにフォーカスをあてれば結果は後からついてくる」と宣するGoogleのデザインアプローチの実態を探る。

森田 雄
森田 雄

ユーザーは「Google マップ」と「ストリートビュー」で世界中を旅できますが、中の人たちもグローバルなチームのリサーチとフィードバックで、まさにマップをつくりながら世界中を旅していました。

深津 貴之
深津 貴之

Google系デザインのA/Bテスト至上主義は都市伝説でした(笑)。利益を無視してユーザーの利便性に集中してよいとか、むしろUIデザイナーには天国ではないかと……予想外の話に驚きです。

三度のメシより地図、12年目にして生まれ変わった「Google マップ」

石塚 尚之氏
石塚 尚之氏
グーグル株式会社 ユーザー エクスペリエンス デザイナー

深津:今年の2月に講演されていた様子を動画で拝見しました。そこで、Google マップのコアチームに日本の方がいることを知って、今回インタビューをお願いさせてもらいました。

石塚:日本にもデザインや開発をしている人がいることによく驚かれますが、Googleの開発チームはすごくグローバルなんです。デザイナー、エンジニア、プロダクトマネージャなど世界中のメンバーが密にコミュニケーションを取りながら一つの開発チームとして動いています。

深津:それはGoogle マップに限らず、ですか。

石塚:全体的にそうですね。

森田:最近、Google マップを大幅にアップデートされたんですよね。

石塚:はい、2012年から2013年にかけて大きなアップデートをしました。Google マップには12年という長い歴史があり、ストリートビューやナビなどさまざまな機能を追加してきました。それぞれの機能は今でもすごく便利ですが、社会の状況やユーザーのニーズに変化があるなかで、1つのアプリケーションとして本当に使いやすいのか。優れたユーザーエクスペリエンスを提供できているのか。最初に立ち返って、もう一度地図アプリとしてのデザインを作り直すことになりました。

深津:今までのものを一回リセットして、再定義してみたということですね。端末がだんだんモバイルにシフトしているといった状況の変化もありますよね。

石塚:もちろんです。私たちが最初にGoogle マップを出したときは、まだモバイルやタブレットは存在していなかったですし。今まで築き上げてきた歴史も長いので、大きなアップデートに取り組むに際して、僕たち自身も勇気がいりました。でも、ここで一度立ち返ることが必要だと感じました。

――過去数年のバージョンと新しいバージョンで、大きくコンセプトを変えた部分はありますか。

フォームとサーチ、現在地のボタン、左から取り出す画面

石塚:とにかく地図を中心としたデザインにしました。これまでメニューがたくさん表示されていましたが、地図をメインにしてそのうえに操作に必要な必要最低限の項目だけを置くようにしました。今現在、モバイルは3つのボタンだけで構成されています。

深津:3つのボタンというのは具体的にどれですか。

石塚:「フォームとサーチ」「現在地のボタン」「左から画面を取り出すボタン」の3つですね。

森田:左から画面を取り出すやつ、なんていうんでしたっけ。僕は「ピョロ」とか呼んでるんですけど(笑)。

深津:「三本線」とか「ハンバーガー」とかいろんな呼び方がありますよね(笑)。正式名称ってあるんですか。

石塚:決まった名称は特にないですね。

――アップデートして、駅とかビルなどでフロアが出るようになりましたよね。

左:6階フロアマップ 右:B2階は駐車場
例:六本木ヒルズの「インドアマップ」右の階数を押すとフロアマップが出る

石塚:はい。Android 版では以前からお使いいただけましたが、iOS 版はアップデート以降に追加された機能です。「インドアマップ」と呼んでいて、たとえば複数フロアがある駅やビルなども地図でナビゲーションできるようになりました。施設から地図情報をいただいてGoogle マップに追加しています。

周辺スポット

深津:僕は、新しいマップにある「周辺スポット」に興味があります。基本は、ユーザーが探すという能動型がベースなのに対して、この部分だけGoogleが提案するプッシュ型になっていて全体の文脈の中では独特かなって思います。

石塚:いいデザインというのはUIに留まった話ではなく、テクノロジーで補える部分を人に代わってサポートすることだと思っています。その例として「Google Now」がありますが、それと同じ感覚で、Google マップでも近くのおすすめのお店を、検索しなくても自動的に提案しています。

森田:最終的なゴールを明確に持ってロードマップを刻んでいるのでしょうか。すでに10年以上もGoogle マップがあるなかで、どういうタイミングで一度立ち返ろうってなるんですか。

石塚:2005年に初めてグリグリ動かせる地図を出した瞬間から、デジタルの地図に取り組んできました。「我々がその先駆者である」という想いを持って、ブライアン・マクレンドンなどが引っ張ってきたチームです。三度のメシより地図のほうが好きなんじゃないかっていうくらい日々地図のことを考えているので、自然と沸き上がってくるんだろうなって気がします。

A/Bテストよりディスカッション主導で作る
世界で使われる1つの地図UI

――どんなメンバーでデザインしているのでしょうか。横断的にデザインをする人はいますか。

石塚:地図チームのデザイナーやUIデザイナーは、それぞれ担当する地図をメインにデザインしています。ただ入れ替えは激しく、僕自身も地図のチームに入る以前は、Android版Google日本語入力のキーボードのデザインを担当していました。また、チームはすごくグローバルです。僕は乗り換え検索をメインに担当していますが僕が出したアイデアに対して、それがロンドンやシドニーその他の国ではどうか、という話になってきます。

深津:地下鉄の電車の到着時間の正確性は、国によって違いますからね。僕もロンドンに2年くらいいましたけど、30分経っても来ないとかありましたね。日本は秒単位ですもんね。

石塚:そうですね。他国の担当者から指摘を受けた内容を最初はなかなか受け止められませんでした。そのためにデザインを直すのはいいことなのか。それとも自分の信念を貫くべきなのか。悩んだことがあります。

日本の乗り換え案内サンプル
ロンドンの乗り換え案内サンプル

深津:日本のマップとロンドンのマップで機能をローカライズするのではなく、1つのUIを保つのは方針なんですか。

石塚:基本的にはそういうコンセプトです。

森田:最終的に時間の表示はどうしたのですか。

石塚:今は、何時何分に乗り換えるって書いてあります。 電車が時間通りに来ないで、少し遅れてくるということもありますので、表示している時間を目標に動いてもらうという考えで表示しています。

――普段のデザインプロセスってどんな感じなんでしょう。みんなが一番知りたいところだと思うんですけど。

石塚:そうですね。たとえば、僕は乗り換え検索をメインに担当していますが、地図のなかでそれぞれ担当のデザイナーがいるので、その人たちが責任を持ってデザインします。そのデザインが本当にいいのかどうかを確かめるときは、マップチーム全体のデザイナーやプロジェクトマネージャが集まって話し合います。みんながこれでいけるだろうと同意をして話が進んでいく感じです。

森田:その話し合いというのは、あくまで話し合いなのか、それともお互いのプロトタイプを見せ合う感じなのでしょうか。

石塚:いろんな分野に分かれたチームですので、ある程度の形に落とし込んでから集まります。たとえば、乗り換えチームはチームとしてベストだと思うデザインを提案していく感じです。

深津:勝手なイメージですが、日本とかアメリカとか各国の乗り換え案内チームがいろんなバージョンを出して、それをA/Bテストとかで決めるのかなと思っていたんですけど。

石塚:地図チーム全体にデザインを提案して見てもらう理由は、自分たちが思いもしなかったところで使い勝手が他のページと違ってしまったり、同じボタンなのに異なるページで動作が違ったりといったズレを防ぐことが大きいですね。また、ユーザーが困らないかをみんなで確認する意味合いもあります。

深津:「ブックマーク」と「履歴」を並行して作ったら、行ったり来たりしてしまいそうですよね。では、あまりA/Bテストとかはしないんですか。

石塚:A/Bテストという言葉が適切かどうかわからないですが、数パーセントのユーザーに向けてテストを行うことはたまにあります。ただ、すべてのデザインがそのプロセスを経ているわけではありません。

森田:外から見たイメージでは、どんどん自動でテストが実行されていそうな感じがありますけどね。

深津:そうですよね。A/Bテストをクリアしないとデザイナーは1ピクセルも動かせない企業、という都市伝説がありますね。

石塚:(笑)そこまで厳しくはないですね。特に今回Google マップのデザインの大きな作り直しに関しては、比較する対象がなく、一から作っていきました。作り直したユーザーインタフェースを不便に感じる人がいなくても、チームのみんなが自信を持てるものかどうかをひたすらディスカッションしてたどり着いたものを出した感じです。

デザイナーも初期からコミット、アグレッシブなアイデアを出せ

石塚 尚之氏

森田:ユーザーの要望はどのくらい聞きますか。それともまったく気にしないんですか。

石塚:ユーザーの意見はとても大切にしています。またユーザーの意見だけでなく、実際にリリースする前に社内で使ってもらう「ドッグフード」と呼ばれるシステムがあり、社内の人たちにまず使ってもらうことで、問題点を発見しています。

森田:マップに限った話でなく、Googleのサービスがアップグレードを行っているとき、以前のバージョンと新しいバージョンが並行する期間が必ずありますよね。どうなったら完全に切り替えるとか、トリガーみたいなものってあるんですか。

石塚:Google マップは去年からユーザーに選択してもらうオプトイン型で使っていただいています。今まさに丁寧に新しいマップを出していっている最中です。技術的にもかなりエッジの効いたことを試そうとしているため、利用環境が異なるユーザーの方にどう受け入れられるのか。モバイルに関しては驚くような変更はなかったので、全面切り替えという形をとりました。

森田:アプリのほうは「あれ、変わったのかな」って感じであまり気にならないくらいですよね。

石塚:気にならないで新しいものを普通に使っていただけるってすごく大切です。

――プロトタイピングはどのようにしていますか。特定の手法を使ったりしていますか。

深津 貴之

石塚:特別な手法というのはありません。ブレインストーミングをしてアイデアを練ったうえでいくつかプロトタイピングしています。

深津:作るときは、3種類くらい作ってみて一番良さそうなものをさらに伸ばしていくのか。ある程度こちらが納得できる物を出してみて、テストしてブラッシュアップしていくのか。どのようにしているんですか。

石塚:数を準備するとその分工数もかかりますから、僕たちが自信を持てるものを作って、という感じですね。そして、それが本当に機能するかをディスカッションする。やはり何より難しいのは、さまざまな地域にいるメンバー間のコミュニケーションですね。

深津:遠隔で、しかも普段会わない人にプレゼンテーションするんですもんね。

石塚:そうですね。コミュニケーションはデザインするのと同じくらい大変です。育ってきた環境も、考えていることも違うのに、同じ方向を向いて進んでいかなくてはいけない。

森田:おっしゃるとおりです。

石塚:自分が作ったデザインに納得してもらうためには、まず信頼関係を築くことが必要です。ただ、ミーティングはきっちり1時間と決まっていて、あくまで掲げた議題に集中して議論する場です。そこで人間関係を築くのは難しいので、別途カジュアルに話す「バーチャルコーヒータイム」という場を設けています。

深津:ミーティングというのは、マップチーム全体の会議なのか、それとも乗り換えにコミットするチームの会議なのか、どちらですか。

石塚:マップチーム全体ですね。どこかに詳しくなり過ぎているだけではダメなので、必ずマップチームの一員として全体のことを把握することが求められます。

深津:デザインチームはどのタイミングからコミットすべきかという話についてどう考えていますか。世間的には、「仕様や実装が決まってから、じゃあかっこよくして」みたいな感じで降りてくることが多いと思うんですけど。

石塚:僕たちは開発プロジェクトが始まるときに、デザイナーだけではなく、UXチーム、UXリサーチャーも含めてどんなプロジェクトにするかを話し合います。デザイナーとして最初のアイデアを考えることも重要です。「もっとアグレッシブなアイデアを出してくれ」って言われますね。

深津:最初の段階でプロダクトチームと同格でフラットなディスカッションをする。世の中がもっとそうなるといいですね。

収益のことは考えずに、ユーザーのことだけを考えてデザインする

石塚:僕たちデザイナーは、入社したときから「収益のことは考えてはいけない」と言われています。とにかくユーザーのことを考えて、ユーザーがハッピーになるようにデザインすることだと。

深津:デザインで収益の問題を解決するんじゃないんですね。

石塚:UXに限らず、すべての製品に関して単体でのROIは全く考えていません。ユーザーにとっていいものを作らないと使ってもらえないからです。

森田 雄

森田:なるほど、他に向く方向がないということですね。

石塚:新しいデザインや新しいテクノロジーを、どうすればもっと便利にできるか。どんなことができたらユーザーにとって便利になるのかを、まず考えますね。

森田:それってすごくキャッシュフロー的に恵まれている会社だとしかいいようがないんですけど、収支のことを個別に考えても意味がないって話ですよね。

深津:調べ物をするときに、とりあえずGoogleを起動するという世の中になれば、あとは稼ぎやすい部署が稼いでくれるでしょって感じですね。

石塚:僕たちが入社して言われたのは、ユーザーにフォーカスをあてれば結果は後からついてくるってことでした。そういう意味では本当に恵まれた環境ですね。

バックボタンの不在:プラットフォーム間のつじつまあわせ

――AndroidとiOSは、同時に作っているんですか。

石塚:すべてのプラットフォームに優れたUXを提供したいので、基本的には同時です。バックエンドの問題などでローンチのタイミングが少しズレることはありますが、ほぼ同時期にデザインしています。

森田:Google マップというプロダクトにプラットフォームごとの担当者がいるのか。一人ひとりがAndroidとiOSの乗り換え案内を両方担当しているのか。どのようにしていますか。

石塚:もちろん両方担当しています。今は家ではタブレット、外ではスマホ、会社にきたらパソコンなどデバイスの使い方もさまざまです。どのデバイスやプラットフォームでも同じように使えるように共通性を持ってデザインしています。Androidにはバックボタンがありますが、iPhoneにはバックボタンがないといった違いがあるので、そこはそれぞれのプラットフォームでユーザーが慣れている方法を考えて作り直したりしますね。

森田:実際、違和感を覚えないですよね。それってすごいですよね。

石塚:ありがとうございます。

深津:あのつじつまを合わせるのとか大変そうって思いますもん。

――いちばん苦労したことはありますか。

石塚:そうですね。作り上げるスケジュールはかなりタイトだったと思います。世界共通で1つの画面で実装する。日本でもアメリカでもヨーロッパでも動く乗り換え検索を作るので、現地の人が便利に感じる画面を作ることの難しさを感じましたね。

深津:ショートサイクルでやっていると、フィードバックが戻ってくるまでの時間もないですよね。

石塚:そうですね。普段、日本でマップを使っている私が他の国へ行き同じマップを使っても、土地勘のない旅行者の使い方になってしまいます。それでは現地の人の毎日生活する中での使い方を知るのは難しいです。

深津:デザイナーとリサーチャーは分業されているんですか。デザイナーが自分でリサーチしないと気が済まないとか、そういうのはありませんか。

石塚:それは決してないですね。新たにリサーチをお願いしたり、過去のリサーチ結果を参考にすることもあります。もちろん、出張がてら行ってみて使ってみることもあります。

空気のようなアプリにほどこす攻めのアップデート

森田:今ではGoogle マップは空気みたいになっていますよね。便利なんだけど、当たり前過ぎて「あぁ良かった」っていう感覚は少なくなってきていますよね。

深津:当たり前すぎてスマホの電源が切れたとき、圏外だったときに急に困る(笑)。

森田:昔、いい大人になのに地方で本気で迷子になったことがあって。当時はガラケーの頃だったので、iアプリ版のGoogle マップで使いにくかったけど、それでも自分の現在地がわかって救われたことがあります。便利なものは、ユーザビリティの良し悪しに関わらずとも劇的なエクスペリエンスを提供できるんだなって実感しました。

深津:僕は下調べをしないで国内旅行に行って、電池が切れて、カレンダーとマップにアクセスできなくなったときの、急に自分がぐわーって縮小していく感を覚えています(笑)。Gmailとマップとカレンダーはもう身体の一部に含まれているんですよね。

森田:そうそう。それを勝手に自分の処理能力の一部として錯覚しちゃっているんですよね。しかし実は電池がないと何もできない(笑)。

深津:Googleの話というよりはご自身の話かもしれないですが、地図に目指すものは何だと思いますか。俺と地図みたいな(笑)。

石塚:そこまで壮大に語っていいのかわからないですが(笑)。どういう地図が本当にいいものかは難しいですが、地図を作っていて嬉しいのは常に皆さんのポケットの中にいて生活に役立っていることです。また、困ったときに助けられる。非常時でも人の生活を支えられるのはとてもやりがいのあるプロダクトですね。

深津:Google マップを見ていると、わりと変化を恐れないでアップデートしている感じが攻めているなと思いますね(笑)。たとえ機能改善だとしても、習慣をチェンジすると瞬間的にユーザーの満足度がぐんと下がる可能性があります。大きな会社だと普通は怖がっちゃうんですけど、その攻めの姿勢はすごいなと思いました。

この記事の筆者
ユーザー 森田雄 の写真

森田 雄(もりた ゆう)

東芝EMI、マイクロソフト、ビジネス・アーキテクツなどを経て、現在はツルカメ代表取締役社長、ネコメシ代表取締役CEO、KDDIウェブコミュニケーションズ顧問。IA/UXデザイン、アクセシビリティ、ユーザビリティのスペシャリスト。趣味は料理とカメラ。
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(インタビュー)

ユーザー 深津貴之 の写真

深津 貴之(ふかつ たかゆき)

インターフェースデザイナー、株式会社THE GUILD代表。スマートフォンのアプリやウェブを中心に、使い易さと気持ちよさを追求している。ネット上ではfladdict名義で活動。
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(インタビュー)

ユーザー 三橋ゆか里 の写真

三橋 ゆか里(みつはし ゆかり)

ITライター・編集者。ECショップ、UIコンサル会社などを経て2009年に独立。Markezine、The Bridge、Japan Timesなどで執筆。Hanakoなどのウェブ・スマホ特集なども手掛ける。
techdoll.jp(ブログ)
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(執筆)

撮影:永友 啓美

協力:イマジカデジタルスケープ

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毎月4000人以上がアンケートに参加、ワコールに聞くオウンドメディア作りのコツ [Web担アクセス数上位ランキング] | Web担当者Forum

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アクセス数上位ランキング

2014年4月2日~2014年04月08日の、Web担でアクセス数の多かった記事のランキングを発表! 見逃している人気記事はありませんか?

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※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

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毎年4月4日は「404エラーの日」!?(グーグル公式) など10+4記事 [海外&国内SEO情報ウォッチ] | Web担当者Forum

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タイトル画像:国内&海外SEO情報ウォッチ

「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、
国内と海外の検索マーケティング関連情報を
さらっとまとめて毎週金曜日にお届けします。

今週のピックアップ

毎年4月4日は「404エラーの日」!?(グーグル公式)
★★★★☆404エラーについて再確認する日(Google Webmasters on Google+)

挿絵

「4月4日」にちなんで404エラーのTIPSを、グーグルのウェブマスター公式アカウントがGoogle+で投稿した。すでに4月4日は過ぎてしまっているが、おもしろいので紹介しておく。

サイトに発生しているクロールエラーをすべてチェックしてみましょう。そのURLが、404を返すべきURLだったり知らないURLだったりするなら無視してかまいません。

404ページが「ソフト404」になっていないように十分気を付けてください。存在しないページは正しい404または410を返さなければなりません。

404についてのさらに詳しい情報はヘルプセンターを参照してください。
https://support.google.com/webmasters/answer/2409439

ポイントを整理すると次のとおりだ。

  • アクセスできるはずのページが404を返していたら、それは問題だ。すぐに対処しなければならない。

  • コンテンツが存在しないURLならば、404を返すのは当然だ。

  • さらに言えば、コンテンツが存在しないURLならば、正しくHTTPステータスコードで404(または410)を返さなければならない。見た目はエラーページであっても200を返す状態を「ソフト404」と呼ぶ。検索エンジンはソフト404を好まない。

  • 存在しないことがわかっているURLに対してウェブマスターツールでクロールエラーが大量に発生していたとしてもそれは正常なことなので何も心配いらない。逆に404としてレポートされていないほうがおかしい。

404に関するヘルプページも見て、404について再度確認しておこう。

来年の4月4日は、エイプリルフールに負けずに404エラーの日として盛り上がる……のだろうか。

日本語で読めるSEO/SEM情報

成功事例から学ぶコンテンツマーケティングの極意
★★★★★ノウハウを惜しげもなく公開(知らないと損をするサーバーの話)

コンテンツマーケティングといわれて、

とりあえず、面白そうなコンテンツをつくっておけば良いんでしょ?

と思っている方に向けた、松尾茂起氏によるコンテンツマーケティングのハウツー記事。松尾氏自身がコンテンツマーケティングで数々の実績を収めており、そのノウハウを惜しげもなく公開したものだ。

「コンテンツマーケティング」とは何かについて、松尾氏はごく簡単に次のように定義している。

「ユーザーにファンになってもらうためのコンテンツを展開する」ということ

そして、コンテンツマーケティングを実行するステップとして、次の6つのステップで進めるようにアドバイスしている。

  1. ターゲットの想定(プロファイリング&ペルソナ作成)
  2. 露出経路の準備(SEO、検索連動広告など)
  3. コンテンツの作成
  4. コンテンツの継続的なブラッシュアップ
  5. 見込み客の育成(リードナーチャリング)
  6. 販売(セリング)

わかりやすい例を挙げながら、松尾氏が実践してきたコンテンツマーケティングを手取り足取り教えている(この記事自体が同社のコンテンツマーケティングになっている)。

長い記事であるが、何度も読み直して、ぜひ自分のものにしたい。

手動対策の自動解除や重複コンテンツの解消法など、グーグル社員が解説
★★★★☆有用なQ&Aが多いオフィスアワー(ウェブマスター オフィスアワー on Google+)

グーグルジャパンのサーチクオリティチームが主催する、Google+のハングアウトオンエアを利用したウェブマスター向けオフィスアワーを、今回も紹介する。

「手動対策の自動解除」や「重複コンテンツの解消法」など、前回に続いて多くの質問に対して田中氏と長山氏が回答している。3月19日に開催したものだが、情報として古くなってはいないので安心してほしい。まだ視聴してなければチェックしておこう。

次のオフィスアワーは、4月16日(水)17:00~17:30の予定だ。参加できなかったとしても、質問を事前に書き込んでおけば当日答えてもらえるので、後日録画で確認すればいい。

イベントのマークアップが重要に? グーグルマップで表示される可能性も?
★★☆☆☆今のうちに仕込んでおくといいかも(Yuko Oshima on Google+)

アーティストのコンサート情報などをナレッジグラフに表示できる機能をグーグルが導入したことを、前回お伝えした。

多くの読者にとっては興味がわくトピックではなかったかもしれないが、グーグルの社員がGoogle+でこんな推測を投稿していた。

こうした情報が、ナレッジグラフだけでなく、グーグルマップ上でも施設の情報として表示されてくるということだ。

コンサート以外のさまざまなイベントに対応することもありえる。日本武道館や幕張メッセといった種々のイベントが開催される専門の施設はもちろんのこと、顧客を対象にしたあなたの会社でのセミナーやレストランの特別フェアなどを表示することだってできそうだ。

イベントを開催する場合は、将来の可能性も考えて、イベントの構造化データで関連情報をあなたのサイトでマークアップしておくと、ひょっとするといいことがあるかもしれない

ユニバーサルアナリティクスがついに正式公開
★★★★☆そろそろ移行を真剣に考え始めましょう(アナリティクス 日本版 公式ブログ)

Googleアナリティクスの新しい計測方式「ユニバーサルアナリティクス」が正式版として公開された。ベータ版では使えなかった「リマーケティング」「ユーザー属性レポート」などの機能も、正式版では使えるようになっている。

新しい機能や特徴について、アユダンテさんが公式アナウンス以上に詳しくまとめているので、参照してほしい。

正式リリースされたとはいえ、すぐに移行できない組織も多いだろう。では、いつまでにユニバーサルアナリティクスに移行すればいいのだろうか。ヘルプセンターには、ユニバーサルアナリティクス以前のタグのサポート期間について、次のように書かれている

こうしたデータの処理は、Universal Analytics が新しい運用基準となってから最大 2 年後までは続行されますが、その段階で Universal Analytics 以外のデータ収集手法はサポートが終了し、機能しなくなります。

言葉どおりに受け取るなら、遅くとも2016年3月には以前のバージョンは機能しなくなりサポートが終了する。至急ではないにせよ、ユニバーサルアナリティクスへの移行を真剣に検討し始めるタイミングだと言っていいだろう。

Web担で衣袋氏が最近寄稿したユニバーサルアナリティクスへのアップグレード方法も参考にしてほしい。

さくらインターネットのサーバー利用者に重要なお知らせ
★★★★☆Googlebotを弾いているかもしれない(さくらインターネット公式サポートサイト)

このコーナーの読者には、「さくらインターネット」のサーバーを利用している方も多いのではないかと思う。さくらインターネットが最近実施した設定変更によりグーグルのインデックスに支障が出ている。

というのも、国外からのアクセスをブロックする機能が追加されたからだ。Googlebotは、米Googleの本社があるマウンテンビューからアクセスしてくる。つまり国外からのアクセスをブロックしていると、Googlebotのアクセスも弾いてしまうのだ。

この変更によって、クロールエラーの多発やFetch as Googleの失敗、ウェブマスターツールのサイトの確認の失敗、インデックスの消滅などさまざまな悪影響が出ている。

公式ヘルプフォーラムでのさくらインターネットのトラブル
グーグル公式ヘルプフォーラムでは、さくらインターネット利用者からトラブル相談が殺到している。

最近になってクロールやインデックスに何らかのトラブルが発生している場合は、さくらインターネットの発表をよく読み、該当していそうであれば「国外IPアドレスフィルタ」を無効化して様子を見るといい。

海外SEO情報ブログ海外SEO情報ブログの
掲載記事からピックアップ

検索アルゴリズムに関するトピックとschema.orgに関するトピックを今週はピックアップ。

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ
  • グーグル、アプリ内のコンテンツを検索結果に表示するApp Indexingを世界規模で展開
  • 不適切なリダイレクトでスマホサイトのランキングが大幅ダウン
  • リンクの否認ファイルを更新するときは古いファイルを削除しなくていい
  • ついに日本のリンク販売業者にも公開制裁が来た
SEO Japanの掲載記事からピックアップ
  • ロングテールSEOで売上を劇的に増やすための3ステップ
  • 無料で使えて便利すぎる29のウェブマーケティングツール

海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ

グーグル、アプリ内のコンテンツを検索結果に表示するApp Indexingを世界規模で展開
★★★★☆ただし英語のみ。日本語対応はいつ?(Inside Search)

Androidアプリ内のコンテンツをインデックスし検索結果に表示する「App Indexing」という仕組みを、昨年の秋からグーグルは試験的に導入している(このコーナーでの紹介記事/日本版公式ブログでの翻訳記事)。

米グーグル(google.com)だけでの提供だったが、英語のコンテンツを対象に世界中で利用可能になった。また、TripAdvisorやTumblr、Zagat、Zapposなど24種類のアプリに新たに対応した。

日本語への対応が気になるところだが、日本語版のヘルプページができあがっていることから、期待していいのではないだろうか。

なおWebmaster Centralブログも関連情報を公式アナウンスしており、こちらは日本語版ブログで翻訳記事を読むことができる

不適切なリダイレクトでスマホサイトのランキングが大幅ダウン
★★★★☆なんでもトップページにリダイレクトするのはNG(The Internet Marketing Driver)

スマートフォンからのアクセスに対して不適切なリダイレクトを実行しているサイトのモバイルでの検索順位が、PCから検索した時よりも大幅に下がっている事例を、こちらの記事がレポートしている。

問題となったサイトは、次のようなミスをしていた。

問題点:

スマホからアクセスすると、どのページであろうとモバイル向けサイトのトップページに302リダイレクトするように構成されていた。

スマホユーザーは目的のページに辿りつけずに、否が応でもトップページに連れて行かれてしまうのだ。

あなたのサイトでは、スマートフォンのクロールエラーに誤ったリダイレクトが大量に記録されていませんか?

ユーザーの意図に合わないリダイレクトを設定してしまうのは、モバイルサイトにありがちな構成ミスの1つである。

こうした不適切なリダイレクトに対して、モバイル検索に限定してランキングを下げるアルゴリズムをグーグルは導入している。スマホユーザーの検索体験を損ねるからだ。

リダイレクトを構成する場合は、PCページに対応したモバイル向けページにリダイレクトしなければならない。

なお、グーグルの社員からの次のようなコメントも掲載されている。

不適切なリダイレクトが修正されたならば、Googlebotがそのページを再クロールし、再インデックスし、再処理した後に、順位低下は解消される。

順位を下げるのも元に戻すのもアルゴリズムによって自動化されているということだ。

リンクの否認ファイルを更新するときは古いファイルを削除しなくていい
★★★☆☆上書きで大丈夫(Matt Cutts (mattcutts) on Twitter)

否認ツールの使い方に関するちょっとしたアドバイスを、グーグルのマット・カッツ氏がツイートしてくれた。

否認リンクの新しいファイルをアップロードする前に、古いファイルを削除する必要はない。新しいファイルをアップロードするだけでいい。

「すでにアップロードしているファイルを削除しないと、新しいファイルが有効にならなかったり古いファイルに記述されているリンクが否認の対象のままになってしまったりする」と認識している人がいるかもしれない。

しかしそうではなく、最新の否認ファイルだけが有効だと理解しておこう。

ついに日本のリンク販売業者にも公開制裁が来た
★★★★☆7つとはどこだろう?(Matt Cutts (mattcutts) on Twitter)

米グーグルのマット・カッツ氏は、リンクネットワーク(リンク販売業者)に制裁を与えたときにしばしばツイッターで公にする。多くの人の目に晒すことで警告する目的も込めているのであろう。

公開制裁の対象は、ヨーロッパ諸国のリンクネットワークがこれまでは中心だった。しかしついに日本も、マット・カッツ氏のツイートの対象になった。

日本のウェブスパムチームのことをものすごく誇りに思う。過去数か月にわたり、彼らは7つのリンクネットワークに対策してきた。これにより、条件をより公平にできる。

残念ながら7つのリンクネットワークがどの業者なのかまではマット・カッツ氏は明らかにしていない。また最近のことではなく数か月前に実行したとのことだ。

とはいえ、これで終わりではなく2度目、3度目があるかが気になるところだ。

SEO JapanSEO Japanの
掲載記事からピックアップ

ロングテールを狙ったSEO記事と便利なツールの紹介記事を今週はピックアップ。

この記事の筆者
ユーザー 鈴木 謙一 の写真

鈴木 謙一(すずき けんいち)

フリーランスのインターネットコンサルタント。アメリカを中心としたSEO/SEMのコアな情報を日本に持ち込み、「海外SEO情報ブログ」で“海外SEO”のブランドを確立。サーチエンジンマーケティング専門ソーシャルニュースサイトSphinn(スピン)の公式日本版であるサービス「Sphinn Japan」立ち上げメンバーでもある(Sphinnの本家はMarketing Landとなり編集記事中心へと路線変更している)。

現在は、株式会社セルフデザイン・ホールディングスの取締役コンサルティングアドバイザーとして、SEOの情報収集やトレーニング、海外のSEOカンファレンス参加などを通じて正しいSEOの普及に取り組んでいる。

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