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ネットショップの増税は0時ぴったりにすべきか、Web担当者にとっての増税の備え [企業ホームページ運営の心得] | Web担当者Forum

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Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の352

考えれば嫌になるが

近所の大型ホームセンターにでかけると、平日の昼間だというのに黒山の人だかり。レジはお客で溢れかえり、トイレットペーパー、ティッシュペーパー、洗濯洗剤に台所用洗剤、さらにラップやアルミホイルの陳列棚は虫食い状態です。人気商品はすでに「品切れ」と手描きの案内が貼られ、スタッフが端から補充しても間に合わず、配送用のカゴのまま通路に陳列されていました。

増税前の駆け込み購入です。奇しくもこの日は、東日本大震災から3年目にあたり、商品のないガランとした棚に、あの日のコンビニを思い出します。そして簡易コンロ用のガスボンベを、いつもより多めに買いこんだのは「震災の備えは日頃から」。あの日からの教訓です。

さて、増税前の駆け込み需要は、本稿が公開された週末の3連休がピークでしょう。それではその後、つまり「増税」への備えは十分でしょうか。

税率の切り替えタイミングは4月1日の0時ぴったり? ネットショップは一時停止すべきか……

3%から5%へと増税されたときにも、各社がさまざまな工夫を凝らしています。

このタイミングで変更する

まず直面するのが価格の「表記」です。すでにスーパーマーケットなどでは「税抜き価格」の表記が目立つようになりました。そしてこれは正解です。4月1日から、新税率での「税込み価格」で更新を依頼するクライアントもいるのですが、できるかぎり「税抜き価格」に変更するように促しています。その理由は2つ。

まず、税込み価格で表示すると、増税後に「値上げ」した印象が強くなります。頭では「増税」が理由だとわかっていても、目の前の値札の数字が上がっていれば「便乗値上げ」と不審がる感情は、どれだけ説明を尽くしても抑えることはできません。その点、増税前から税抜き価格に変更しておけば、お客は混乱しますが、それは社会全体で起こっていることで、語弊を怖れずに言うならば、

混乱ブーム

に紛れることができます。

次もその次もある

税抜き価格を推奨するもう1つの理由は「次の増税」です。順当にいけば年内に、消費税率を10%に引き上げる決定が下されます。税込み価格を維持し続けると、次の増税のときも同じ懸念が再現されるということです。さらに最低でも消費税率は18%になると断言する識者もいます。

税込み価格では、増税のたびにすべての価格を変更する労力をかけて、お客の不興を買うリスクを背負い続けなければならないのです。だからこの機会に「税抜き価格(本体価格)」のみの表記に切り替えるべきと考えるのです。

そもそも「税込み価格」を強制した総務省に無理があります。消費税は店のコストではなく、消費者が広く負担する税金だからです。今回は「特例」として、税抜き価格の表記を容認するとしていますが、消費税の性質からみたとき「特例」とする発想が「本末転倒」なのです。

価格変更するなら“いま”

税抜き価格表示に切り替えたとしても、原材料費に加算される消費税の増税分から、価格そのものの値上げが必要になることもあります。宅配便大手のヤマト運輸は4月から料金を一斉に値上げすると発表しましたし、牛丼の吉野家も並盛りを20円値上げして300円にします。

価格変更も「混乱に便乗」するため4月1日がベストです。ただし、幾分の選択肢が残されるのは、3月31日までの仕入れに支払った消費税は5%分です。仮にこの仕入れで一定の「在庫」を用意できるなら、店の負担がないまま「価格据え置き」と銘打つキャンペーンを展開できるからです。同様に旧価格のままで「売り尽くしセール」も実施できます。これは増税後の消費落ち込みに備える一手となります。

コンビニはどうする?

定石に従い4月1日に価格を変更するとします。そこで問題となるのが24時間、365日営業している「ネット支店」においての価格更新のタイミングです。「税率」の変更も同じく。そこで日頃から、日付をまたぐ営業をしている、コンビニとファミレスを見てみます。

大手コンビニは午前0時を境に、税率を自動変更するようですが、多くのレジは最初に商品を登録した日時の税率を採用するので、会計の途中に増税されるということはありません。ただし、日付またぎにレジの行列ができていた場合は、前後で税率が変わるケースも想定されます。

ちなみに97年の増税時、レジが2台以上あるコンビニでは、客が途切れるまでは「旧税率のレジ」で会計し、その間にもう1台を「新税率」に更新(簡単なコマンド入力)しておき、落ち着いたところで「新税率レジ」に誘導することで混乱の回避を目指すと報じられていました。

日付が変わった直後の税率変更は、もちろんネットでも可能です。ただし、ネットショッピングモールなどで、各運営者が同時にそれを行えばサーバー負荷が増大し、更新できない可能性があることを考慮する必要があります。

役務の提供が大切

混乱を避ける参考となるのがファミレスです。こちらのレジも、理論上は午前0時に変更できますが、「締め」をもって切り替える企業が多いようです。消費税の適用には「営業日」という考え方があり、深夜2時に閉店する場合、その時刻まで旧税率が認められるケースがあるのです。

24時間営業でも、1日単位の売上を「締める」時刻は社内で規定されており、このタイミングで更新します。詳しくは税務署や税理士に相談していただくとして、必ずしも午前0時の更新にこだわる必要はないということです。

さらに「臨時休業」という方法もあります。増税前後の混乱によるトラブルを避けるために、3月31日の午後11時など適当な時間で一度閉店し、更新作業を完了させます。そして更新作業が完了したのを見計らい、翌日の4月1日から「再開」するのです。

最後にもう1つ、最も注意すべきなのが「代引き」です。商品が届いたときに現金を支払う「代引き(代金引換)」の場合、商品到着時を取引成立(これを役務の提供と呼びます)とする場合もあれば、売掛のように注文時点で取引成立とみなす場合もあり、企業によってケースバイケース。

インターネットでの情報公開が当たり前となった現在、増税への対応はWeb担当者にとっても重要な業務の1つ。ネットショップがなかったとしても、取引にかかわる税の告知は欠かせません。これらの告知準備、増税直前になって慌てないための内部体制作りがWeb担当者にとっての「増税への備え」です。

今回のポイント

取引が完了した日時の税率が適用される

増税は一度だけではない、いざというときの内部体制作りを

この記事の筆者
ユーザー 宮脇睦(有限会社アズモード) の写真

宮脇 睦(みやわき あつし)

プログラマーを振り出しにさまざまな社会経験を積んだ後、有限会社アズモードを設立。

制作、営業の双方の現場を知ることからウェブとリアルビジネスの融合を目指した「営業戦略付きホームページ」を提供し、一業種一社、制作案件は足立区内のみという営業施策をとっている。本業の傍らメールマガジン「マスコミでは言えないこと」を発行。好評を博す。著書に『完全! ネット選挙マニュアル』(Kindle版)、『Web2.0が殺すもの』『楽天市場がなくなる日』(ともに洋泉社)、冷静な視点からのIT業界分析に「週刊ポスト」など、様々な媒体から情報発信を続ける。

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ユーザーを本当に理解していますか? ユーザーの行動・体験から要求を探る「コンテクスチュアル・インクワイアリー」 | Web担当者Forum

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突然ですが、サービスをご担当されている方々に質問です。

最近、自社サービスのユーザーと接したのはいつですか?

そのユーザーの本当の姿を正しく理解されていますか?

今回は、ユーザーの行動や体験から、アクセス解析やアンケート調査などではわからないユーザーが本当に求めていることを探ることで、サイトリニューアルや仕事の改善効果の最大化を図るユーザー調査手法の一つ「コンテクスチュアル・インクワイアリー」を解説します。記事の後半では、コンセントの2つの事例も紹介します。

コンテクスチュアル・インクワイアリーを行うメリット

ユーザーに対するより深い理解と、プロジェクトを進めるにあたっての根拠となる情報を与えてくれるのが、コンテクスチュアル・インクワイアリー

「コンテクスチュアル・インクワイアリー」とは、特別な何かをするわけではなく、わからないことがあれば、手間を惜しまずユーザーに聞くというシンプルなアプローチです。

画期的な何かが見つかるということを保証するものではありませんが、ユーザーに対するより深い理解と、プロジェクトを進めるにあたっての根拠となる情報を与えてくれます。

ユーザーに直接話を聞けばよいとはわかっていても、プロジェクトを進めるにあたり予算やスケジュールが限られているなか、何を聞けば良いのか、どうまとめればよいのかがわからず、聞くまでにいたっていないといった状況は少なくありません。また、さまざまな手法でユーザーの情報を集めていたものの、ユーザーが求めているものに近づけていないという問題を抱えている方もいるでしょう。

そうした状況下で、ユーザーへのヒアリングを効果的に行い有効な情報を得るための手続きとして、「コンテクスチュアル・インクワイアリー」と、インタビュー結果をまとめる「コンテクスチュアル・デザイン」をご紹介します。この記事を読んでみなさんもぜひ一度試してみてください。

ユーザーを理解する調査手法を4つのタイプに分けて理解しよう

コンテクスチュアル・インクワイアリーを説明する前にまず、ユーザー調査の分類について説明します。ユーザー調査は「量的調査」と「質的調査」に分けられます。さらに、「発見を目的とした調査」と「仮説の検証を目的とした調査」に分けられます。

IA100:ユーザーエクスペリエンスデザインのための情報アーキテクチャ設計
出典『IA100:ユーザーエクスペリエンスデザインのための情報アーキテクチャ設計
長谷川敦士 著、ビー・エヌ・エヌ新社 刊、2009年

今回ご紹介するコンテクスチュアル・インクワイアリーは、ユーザーの思考や行動の本質的な発見を目的とした質的調査の代表的なユーザー・インタビュー手法の一つです。

コンテクスチュアル・インクワイアリーは、あらかじめ質問項目が設定された一問一答形式のユーザー・インタビューではなく、ユーザーとの自然な会話により主体的な語りを促し、対象と課題に対する視点や行動を記述・モデル化する、文化人類学から生まれたアプローチです。

コンテクスチュアル・インクワイアリーの他にも、発見を目的とした質的調査には、ユーザーに記録を付けてもらう「日記調査」や、複数人を対象とした「グループインタビュー調査」などがあります。

どの調査も本質的なユーザー理解のために効果的ではありますが、ユーザーの行為や意図を直接的に理解しにくく、かつユーザー自身の理解や意見が周囲の環境によって影響を受けてしまうことから、得られる結果が調査の企画意図に沿わない恐れがあります。そのため調査結果を分析する際にこれらの関係因子を考慮する必要があり、調査する側のすべての関係者の理解が重要になってきます。

コンテクスチュアル・インクワイアリーを4ステップでモデル化

ユーザー・インタビュー調査は、一般的に以下の4つのステップで行われます。

コンテクスチュアル・インクワイアリーの基本的なステップ
一般的なユーザー・インタビュー調査の基本ステップ

この基本ステップをふまえて、コンテクスチュアル・インクワイアリーの詳細を見ていきましょう。

ステップ① 調査内容の設計

ユーザーにインタビューするときに聞く質問項目は、具体的である必要はありません。質問が具体的すぎると得られる結果に制限をかけてしまう可能性があるため、前提を設けずに「ユーザーとの会話」と「ユーザーが日常で行っている作業や振る舞い」を抽出することに専念しましょう。

良い質問:
自由回答形式にする、ストーリーを聞き出すこと、黙って話をきくこと
  • どのような印象を持ちましたか?
  • 困っていることはありましたか?
  • それはなぜですか?
悪い質問:
自身のサービスやプロダクトについて語ること、未来のことを質問すること、特定の答えに誘導すること
  • ◯◯があったら使いますか?
  • ◯◯は使いやすいですか?

ステップ② 被験者の選定

コンテクスチュアル・インクワイアリーでは、想定するターゲットの役割ごと10~20名のユーザーにインタビューを実施します。

ユーザー1名あたりのインタビューにかける時間は2時間前後です。インタビューを実施する場所は前述したようにユーザーが日常で行っている作業や振る舞いを再現できる場所であることが必要です。ユーザーの自宅やオフィスが理想ですが、手配が難しければユーザーの日常に近い環境を実施会場で整えます。

ステップ③ インタビューの実施

前述しましたが、コンテクスチュアル・インクワイアリーは他のユーザー・インタビューとは異なり、会話のような形式でユーザーから主体的な語りを促します。質問者と回答者という関係ではなく、インタビューする人がインタビューされる人に弟子入りするような関係で「教える・教わる」という構図を取るため、「師匠と弟子モデル」とも呼ばれています。インタビューする際には語り過ぎに十分に注意し、聞き上手になりましょう。

ステップ④ インタビュー結果のまとめ

インタビューを行った結果は以下の「5つのワークモデル」でまとめることができます。それぞれのインタビューごとにまとめていき、インタビューがすべて終わった後に全ユーザーのワークモデルを軸ごとに統合します。軸となるのは、「役割」、「作業の流れ」、「利用あるいは構築した人工物」、「人間関係」、「物理的な環境」の5つです。

ここでは例として、この記事の公開までにいたった編集作業を執筆者(コンセント)と編集者(Web担当者Forum)をワークモデルとして記載します。

一見、関係がないように見える情報には表面化しない課題が隠れている可能性があるため、新たな発見を促すためにも、見たものや聞いたことすべてを記述することをおすすめします。それでは実際に5つのワークモデルにしたがって具体的にどのようにモデル化するか見ていきましょう。

フローモデル(役割)

コンセントとWeb担当者Forumの役割と作業フロー図です。コンセント内には執筆者が複数名いるため、執筆者同士で記事の共有や更新を行い、広報へ確認を行います。その後、Web担当者Forumへ原稿を提出します。

シーケンス・モデル(作業の流れ)

Web担当者Forumから記事の執筆依頼があった後、コンセント内で執筆を進めていき、Web担当者Forumへ記事を提出するまでの具体的な作業の流れを箇条書きで書き出します。

人工物モデル(利用あるいは構築した人工物)

この記事を執筆するにあたって利用した資料のExcelやPowerPoint、執筆するときに利用するWord、それらを共有するときに利用するファイルストレージなどの人工物をモデル化します。

文化モデル(人間関係)

Web担当者Forumの編集者及び執筆者であるコンセント社における関係図をモデル化します。

物理モデル(物理的な環境)

物理的距離が離れていることを表すモデルです。結果として他モデルにどのような影響を及ぼしているのかを検証することができます。

このように、コンテクスチュアル・インクワイアリーとインタビュー結果を分析する「5つのワークモデル」を組み合わせる手法は「コンテクスチュアル・デザイン」と呼ばれています。インタビューはもちろんのこと、この「5つのワークモデル」にしたがってインタビュー結果をまとめることで文字通り、ユーザーの利用状況や利用文脈(コンテクスト)を理解できます。

コンセント式コンテクスチュアル・インクワイアリーをプロジェクトに活用

上記では、コンテクスチュアル・インクワイアリーの一般的な4ステップを説明しました。ここからは、コンセントで実際にコンテクスチュアル・インクワイアリーをどのようにプロジェクトに活用しているのかを、具体的に説明していきます。

まずは、コンセント式コンテクスチュアル・インクワイアリーの進め方をご紹介します。

  1. 既存の調査データやクライアントのニーズなどに基づいて、調査目的とスコープを決める。
  2. どのようなユーザーがいて、どのような調査観点があるのかを確認するために、身近にいるユーザーにインタビューを行う。
  3. インタビューで出てきた観点を利用して、調査会社を利用したアンケート調査を実施し、該当者を抽出すると同時に、傾向把握とインタビュー対象者抽出のため、利用状況や感想などの回答を集計する。
  4. 該当者の回答内容を精査し、今回の調査対象サービスの利用頻度が高い方や関心のある方に絞り込み、スケジュール調整を経てインタビュー調査を行う。
  5. 結果の分析、モデル化、レポーティングを行う。

※2の部分はスケジュールや予算によっては省略する場合もあります。その場合③は既存調査や資料などを基にアンケートを作成します。

インタビューをするうえでの注意点

4で該当者を抽出後、選定されたユーザーの自宅やオフィスなどを一軒ずつ訪問し、1対1でのインタビューを2時間程度実施します。ユーザーには、調査対象サービスを普段利用している環境と商材を事前に準備しておいていただくようあらかじめ依頼します。

これは、コンテクスチュアル・インクワイアリー調査において、「普段」利用している環境にできるだけ近づけて実施することが不可欠なためです。

また、インタビュー調査ではユーザーとのコミュニケーションが重要になります。コンセントでは、ユーザーがどのような人物なのかを知るため、アンケート調査時に得られた情報を「リクルーティングデータ」としてまとめておき、まずはそのデータをもとにした質問から始めます。

その後、事前に「ヒアリングシート」として用意した基本的な質問(商材についての興味や、その商材に関連するWebサイトを普段見る環境、生活スタイルなど)の中からユーザーとのやりとりに合わせいくつかの項目について聞き、ユーザーに対する理解を深めると同時に、ユーザーにリラックスしてもらえるよう心がけ、対話を進めていきます。

その際、ユーザーの価値観や生活様式をできるだけ理解できるよう、用意した質問だけではなく、その質問から派生した疑問などについても聞くようにします。

事前にアンケートから得られたユーザー情報と基本的な質問項目の例
左:事前にアンケートから得られたユーザー情報(リクルーティングデータ)
右:基本的な質問項目の例(ヒアリングシート)

知りたい情報を一通り得た段階で、調査対象のサービスを普段と同じ状況下で実際に利用してもらい、普段どのような環境や様子で利用しているのかユーザーを直接観察しながらインタビューを行います。インタビュー始めに聞いている情報などを参考にしながら、気になった点や「なぜ」と思った行動などは随時質問し、前述したように、そのユーザーに「弟子入り」するような姿勢でインタビューを進めていきます。

インタビュー調査中の会話の流れの例
インタビュー調査中の会話の流れの例
インタビュー結果のシーケンス・モデルの例
インタビュー結果のシーケンス・モデルの例

このようにユーザーに直接インタビューを行い、普段思っていることから掘り下げて質問したり、実際の利用状況を観察しながら質問することで、以下のようなことがわかり、データの「高/低」だけでは読み取れないユーザーの「意図」を探ることができます。

  • ユーザー自身が普段無意識にとっていた行動
  • なぜこのサービスを利用しているのか
  • どんなところに魅力を感じているのか
  • なぜその機能は利用していないのか
  • その商材に関する興味・関心はどのようなものなのか

コンセントの2つの導入事例、コンテクスチュアル・インクワイアリーをプロジェクトに活用

次に、プロジェクトにはどのように導入しているのか、コンセントにおけるクライアントプロジェクトでの導入事例を2つご紹介します。

事例1:金融系サービスのWebサイトリニューアル
ユーザーが感じるサービスの価値を調査

課題

金融系サービスのWebサイトリニューアルを行うにあたり次のような課題を抱えていて、状況打開策が必要でした。

  • どんな機能を搭載すればよいのか/プライオリティをどのように設定するかについての根拠がないため、プロジェクトの進行が滞っていた

すでにクライアント側ではユーザーへの定量調査を行っていて、どのようなユーザーがいるのかはわかっていました。

  • ユーザーがどんなことを期待しているのか、何ができると嬉しいのかまではわかっていいなかった
  • それを知るためにユーザーに対して何を質問すれば良いのかわからなかった
調査手法

ユーザーがサービスのどのような部分に価値を感じているのかを抽出するため、「コンテクスチュアル・インクワイアリー」を実施しました。

  • 今回のサービスのターゲットとなる層を見極めるため、まずはサービスを日々利用しているユーザー層をターゲットに設定した
調査結果

これらの調査から次のようなことがわかりました。

  • ユーザーはサービスに対して特に期待しておらず、内容がよくわからない不便なサービスだが生活には必須なものとしてあきらめていた
  • 自らが行っている既存のシーケンス・モデル(作業の流れ)が重要であり、サービスに合わせてシーケンス・モデルを変更するのはハードルが高かった
  • サービス側の都合で新しい便利な機能を提供しても、ユーザーには興味をもたれていなかった

調査で得たこれらの文脈は、機能のプライオリティ指標となるユーザー調査報告書やユーザーが受けられるサービス情報、調査の対象となったユーザーに合わせた機能の実装などの機能案にまとめていきました。

事例2:Webサイトのマーケティング施策
競合他社のサービス利用状況を調査

課題

競合他社が新たに始めたWebサイト上でのサービスをユーザーがどのように利用しているのか調べ、自社Webサイトでのマーケティング施策の検討材料の一つとすることを目的に設計されたものです。具体的には、以下の点を明らかにすることを調査の目的としました。

  • 調査対象となる商材とユーザーとの関わり方、興味・関心はどのようなものか
  • なぜこのサービスを利用しているのか、どんなところに魅力を感じているのか

調査対象となるWebサイト上のサービスを実際に利用しているユーザーのサイト利用傾向だけでなく、そのユーザーはどのような価値観を持っていて、普段の生活の流れの中でどのような文脈で利用しているのかを理解することが、サービスの提供価値を検討するために重要と考え、「コンテクスチュアル・インクワイアリー」を取り入れました。

調査手法

調査手法は以下の組み合わせで実施しました。

  • アンケート調査(利用傾向とリクルーティングを兼ねる)
  • 半構造化インタビュー(基本的な質問事項)
  • コンテクスチュアル・インクワイアリー(実際に利用してもらいながら質問を実施)
  • アンケート調査(インタビュー結果を補完するため)

この調査では、対象サービスが始まったばかりの段階で実施しなければならず、サービスの認知が広くいきわたっていない状態でした。そのためインタビュー調査で得られた内容に対し、より多数の利用者でも同じような感想を持つかどうかを把握する必要があると考え、再度アンケート調査を実施し、調査結果を補完しました。

調査結果

今回行った2つの調査手法(量的調査/質的調査)の分析結果から、プロセスの最初に実施したアンケート調査では、まだほとんどの機能が利用されていないことが明らかになりました。しかし、インタビュー調査を通して、実際に利用しているユーザーからは、その機能に対して次のような前向きな意見が得られ、この商材に興味が高いユーザーほどこのサービスに関心を示していることがわかりました。

  • この機能があるなら時間が取れないなか、わざわざ外出しなくていいので助かる
  • 今までよりも興味が広がるきっかけとなった

一方でユーザーにとってそのサービスは興味が高いものの、機能が複雑なために利用を踏みとどまっていることも明らかになりました。これらインタビュー結果を分析し、シーケンス・モデルに起こし、コンテクスチュアル・デザインを通じて「なぜ、利用していないのか」という理由まで探ることができました。

最後に:「なぜ」を知り、ユーザーを正しく理解しよう

ビッグデータ時代の到来とも呼ばれている昨今、自社サービスを利用しているユーザーの多くの情報をツール1つで取得できるようになりました。そのため、数字を介してユーザーの行動を探る機会も増えてきました。でも、ユーザーを「知ったつもり」になってはいないでしょうか?

ユーザーを「知る」ことは「理解する」ことと同じではありません。「理解する」ということは、ユーザーの行動ひとつひとつの背景にある意図や思考、文脈までを把握するということです。

しかし、今や技術に頼る一方で情報閉鎖を自分自身に課してしまい、データは十分でもどう解析したら良いかわからないという事態に陥ってしまいがちです。たとえ量的分析からユーザー理解を強化し続けたとしても、数字で証明される結果の「なぜ」がわからないままになってしまい、改善の段階で行き詰まってしまいます。

結果として引き算をすれば良いのか、足し算をすれば良いのか、明確な方針が定まらないまま小手先の改善のみで終わってしまいます。このような状況を打破するためには、量的分析では理解しきれないユーザーの行動や思考の連続性や文脈性を考慮する必要があります。

そのために、解説してきたコンテクスチュアル・インクワイアリーの手法を活用して、ユーザーの本当の姿を正しく理解してください。

Mixed Methods(ミクストメソッド)-質的・量的相補融合法

今まで解説したコンテクスチュアル・インクワイアリーは質的調査ですが、最近では、多様な専門分野で質的調査と量的調査のどちらか一つを選んだり、対立関係として捉えるのではなく、ユーザーの更なる理解に向けて両者を相互補完または融合させる方法論が発展してきました。それは一般的にMixed Methods(質的・量的相補融合法)とも呼ばれています。

質的調査と量的調査の組み合わせは3つのパターンに類型化できます。

  1. 平行型:量的・質的調査を同時に行うパターン
  2. リレー型:他方で補い引き継ぐパターン
  3. サポート型:量的調査の質化/質的調査の量化を行うパターン
Mixed Methodsのパターン
Mixed Methodsのパターン

前述の2つの事例はパターン2のリレー型にあてはまります。事前にファクトとして抽出された量的調査の結果を補うため、そしてユーザーの理解を促進するために質的調査を引き継いで実施しました。

特徴はそれぞれですが、ニーズが多様化し、情報が複雑化する昨今において、質的分析と量的分析を組み合わせるMixed Methodsの方法を発展させることが今後求められるでしょう。

この記事の筆者

大海 敬大(Takahiro OGAI)
株式会社コンセント プロデューサー

編集プロダクションに就職し、編集からイベント運営、営業、在庫管理、経理など、多くの担当業務に携わる。全ての業務に携わることで、会社という事業体全体の改善や、各業務で使用する基本フォーマットのロジックなどのデザインに興味を持ち、コンセントに入社。クライアントの課題解決のプロジェクトに携わり、必要とされるアウトプットを検討するところから担当する。このため、どんな案件でもゴールまで持って行く能力値には定評がある。

ユーザー 坂田 一倫(株式会社コンセント) の写真

坂田 一倫(Kazumichi SAKATA)
株式会社コンセント ユーザーエクスペリエンスアーキテクト

国内のネット通販最大手企業にて数十もの大規模サービスのリニューアル及び新規事業の立ち上げ支援などを経て、2013年より現職。インターネットメディア企業でユーザーエクスペリエンス設計業務を担当する人が集うコミュニティ「ShibuyaUX」「UX Tokyo」主宰。リーンスタートアップを実践的に学べる短期集中学習型ワークショップ「Lean Startup Machine Tokyo」スピーカー兼メンター。監訳書として『Lean UXーリーン思考によるユーザエクスペリエンス・デザイン(オライリー・ジャパン)』などがある。NPO法人人間中心設計推進機構(HCD-Net)認定人間中心設計専門家。

ユーザー 宮内茂奈(株式会社コンセント) の写真

宮内 茂奈(MoNA Miyauchi)
株式会社コンセント ユーザーエクスペリエンスアーキテクト

広告制作会社にて医薬品広告、販促物のデザインを経験後、メーカーデザイン部門に勤務。事業部サイトの設計/デザイン/制作や、製品関連カタログの編集/ディレクション業務、クライアント企業のサイト画面設計やアプリケーションのUI設計に携わる。ここでの業務でUXD/UCD/IAの考え方に触れ興味を持ち、様々なサイトに携わり経験を積みたいと思い、インターネットマーケティング企業に入社。IAとして企業サイトの情報設計を担当後、株式会社コンセントに入社。現在は主に大規模サイトの情報設計、ユーザー調査の設計/実施を担当している。

株式会社コンセント
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アナグラム、プロの視点で改善策を提案「リスティング広告アカウント無料診断」を毎月3社限定で提供 [ニュース] | Web担当者Forum

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リスティング広告専門コンサルティングのアナグラムは、リスティング広告のアカウントを無料診断して改善プランを提案する「リスティング広告アカウント無料診断」サービスを3月18日に開始した。専用フォームから申し込みを受け付ける。

無料診断サービスでは、リスティング広告のプロである第三者の視点を取り入れ、これまで以上の成果を出すためのポイントをビジネスインパクトに起点をおいて提案する。近年、リスティング広告を活用する企業の増加にともない、獲得単価の高騰や競合他社との競争が激しさを増しており、広告の費用対効果の悪化に悩むケースが少なくない。アナグラムでは、早期に成果を出すことに主眼をおいて提案することで、広告主が迷うことなく、リスティング広告の価値を最大化することにつなげていく。

診断の対象となる企業の業種は問わず(ネット広告代理店、同業他社を除く)、たとえば次のような相談ができる。

  • 獲得単価が高騰してしまったがどうしたらいいか
  • 競合が入札価格を釣り上げてきている気がする
  • 成果が目に見えて良いのに上司が予算を上げてくれない
  • 代理店とうまく付き合うにはどうしたら良いか

無料相談は、診断対象企業が毎月3社に達した時点で締め切りになる。診断の際にはアカウント情報の送付し、その後の電話ヒアリングや改善提案を通じて広告主の課題を解決する。

リスティング広告アカウント無料診断
http://anagrams.jp/services/listingadvertisementaccount_free/

アナグラム
http://anagrams.jp/

この記事の筆者

家電量販店の法人通販から、Web担当者Forumの前身である『インターネットマガジン』(2006年5月号で休刊)の編集部へ。休刊までの半年ほど雑誌編集を経験し、Web坦の立ち上げを機にネットマーケティングにかかわりはじめ現在へ。編集兼Web担当者。

企業のWeb活用が当たり前になったとはいえ、ビジネスの歴史からすればまだ10数年ほど。それを支えるWeb担当者の仕事がもっと世の中に広まり、ユーザーともどもよりハッピーになれれば、と考えている。日朝特撮、海外ドラマ、時代劇、デパ地下好き。一押し平成ライダーはクウガ、ダブル。

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アユダンテ、社外フェローに衣袋宏美氏を迎えGoogle アナリティクス講座を4/18、4/25開催 [ニュース] | Web担当者Forum

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Webマーケティング支援のアユダンテは3月18日、同日付でクロス・フュージョン 代表取締役 衣袋宏美氏を社外フェローとして迎えたと発表した。

衣袋宏美氏は、アクセス解析の業界団体「アクセス解析イニシチブ」の副代表/事務局長であり、企業サイトのアクセス解析に関するノウハウ提供などを積極的に実践。アユダンテでは、今年度から社外フェローに衣袋氏を迎え、同社コンサルタントとともに企業のWebマーケティング担当者がGoogle アナリティクスを用いた「サイト分析」「施策分析」「広告効果検証」などを行うための、知識、情報を提供するアクセス解析セミナーを開講する。

第一弾セミナーは、「Google アナリティクス ビジネス活用 徹底マスター講座」として4月18日と25日に東京で開催。Google アナリティクスの基礎と応用を2日間の講座で学び、企業サイトを深く理解し、施策効果や広告効果などを分析できる技術を身につける。講座2日間の受講料は6万円(税別)。

Google アナリティクス ビジネス活用 徹底マスター講座

  • 日時:4月18日(金)、4月25日(金)、両日13:30~16:30開催
  • 場所:ベルサール飯田橋駅前 Room3(東京都千代田区飯田橋3-8-5 住友不動産飯田橋駅前ビル2F)
  • 対象:企業Webサイト運営者、企業Webマーケティング担当者
  • 参加費:6万円(税別)
  • 定員:20名
  • 詳細・申し込み:https://www.ayudante.jp/release/seminar140418.htm

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家電量販店の法人通販から、Web担当者Forumの前身である『インターネットマガジン』(2006年5月号で休刊)の編集部へ。休刊までの半年ほど雑誌編集を経験し、Web坦の立ち上げを機にネットマーケティングにかかわりはじめ現在へ。編集兼Web担当者。

企業のWeb活用が当たり前になったとはいえ、ビジネスの歴史からすればまだ10数年ほど。それを支えるWeb担当者の仕事がもっと世の中に広まり、ユーザーともどもよりハッピーになれれば、と考えている。日朝特撮、海外ドラマ、時代劇、デパ地下好き。一押し平成ライダーはクウガ、ダブル。

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富士通マーケティング、中堅・中小企業向けクラウド型セキュリティサービス「BSTS」開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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富士通子会社で情報システム・保守サービスの富士通マーケティングは、中堅・中小企業向けのクラウド型セキュリティサービス「BSTS(ビステス)」を3月に始める、と3月19日発表した。従来のマルウェア対策サービスに資産管理、Webフィルタリング、Web改ざん検知を加えた。攻撃の対象が中堅・中小企業まで拡大する中、人的資源の不足やITコスト削減、専門情報の不足といった中堅・中小企業の課題を解決する。

自社運用と違い管理サーバーが不要で導入費用が軽減でき、月額サービスで必要な時に必要なだけ利用可能なうえ、ライセンス更新も不要。マルウェア対策はパソコンやサーバーの不正プログラムの検出・駆除を行い、資産管理ではパソコンやモバイル資産のポリシーを一元管理する。WebフィルタリングはパソコンやモバイルのWebアクセスを制限し、Web改ざん検知はウェブサイトに含まれる不正プログラムを検知する。

富士通
http://jp.fujitsu.com/

富士通マーケティング
http://www.fjm.fujitsu.com/

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電通PR、広報力の調査で業種別は電力・ガスがトップ、次いで金融・証券・保険、食料品 [ニュース] | Web担当者Forum

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広報支援を手掛ける電通パブリックリレーションズ(PR)の研究組織、企業広報戦略研究所は、上場企業を対象にした広報力の調査結果を3月18日発表した。8項目の視点から独自指標で分析し、業種別では電力・ガスがトップで金融・証券・保険、食料品と続いた。調査は各市場に上場している3503社に1月6日~2月10に郵送・訪問で実施し、479件の回答があった。

8項目は、情報収集、情報分析、戦略構築、情報創造、情報発信、関係構築、危機管理、広報組織の各力となり、各領域で過不足なく活動することで広報力が高いと評価する。全体では情報発信力が高く、次いで情報収集力、広報組織力で、広報活動は情報収集と広報体制の整備を基本にしながら情報の発信に注力する、と考えている企業が多いことがうかがえた。

反対に情報創造力、関係構築力、危機管理力、情報分析力が低く、情報収集力に比べて情報分析力が低いことから、収集情報が活用できていないことが分かった。業種別で最も評価が高い電力・ガスは情報発信力、情報収集力、2位の金融・証券・保険は危機管理力と広報組織力が高く、3位の食料品は情報発信力、情報収集力が高い半面、情報分析力に課題があった。

業種別順位は次の通り。
(1)電力・ガス(2)金融・証券・保険(3)食料品(4)電気機器(5)運輸・倉庫(6)輸送用機器・精密機器(7)機械・化学・医薬(8)その他(9)その他製品(10)情報・通信(11)鉄鋼・非鉄金属(12)卸売・小売(13)機械(14)サービス業(15)建設(16)不動産

電通パブリックリレーションズ
http://www.dentsu-pr.co.jp/

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日本新聞協会、「2013年全国メディア接触・評価調査」で新聞を読んでいる層は83.6% [ニュース] | Web担当者Forum

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新聞各社で組織する一般社団法人の日本新聞協会は、「2013年全国メディア接触・評価調査」の結果を3月18日発表した。新聞を読んでいる層は83.6%で、テレビを見ている98.0%に次いで多く、雑誌を読んでいるのは68.2%、インターネットを利用しているのは66.8%、ラジオを聞いているのは52.4%だった。調査は住民基本台帳から無作為抽出した全国15~79歳の男女に訪問留め置きで2013年11月20日~12月15日に実施した。回答数は3801。

新聞を読む理由は「世の中の動きが知りたい」「テレビ欄が見たい」の順で接触時間は朝刊が1日26.1分、休日は29.3分で夕刊は15.7分。電子版は49.2%が知っているものの、登録・購読していているのは7.7%で、登録・購読したいと思わない層が半数を超えていた。各メディアの印象・評価では、新聞が「社会に対する影響力」「知的」、テレビのNHKは「社会に対する影響力」「安心できる」、民放は「親しみやすい」「楽しい」が多かった。

インターネットの利用状況については「検索サイトのニュースを読む」が81.2%とトップ。「動画共有サイトを見る」の63.2%、「クチコミサイト、比較サイトを見る」の59.3%と続いた。広告の印象・評価では、新聞は「情報が信頼できる」、テレビは「手軽に見聞きできる」が最も多かった。インターネットはパソコン、モバイルとも「知りたい情報が必要十分に得られる」が最多で、次いで「必要な情報を改めて確認できる」となった。

日本新聞協会
http://www.pressnet.or.jp/

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24時間パルコ=オムニチャネルをテナントと協同で構築 [DIGITAL&DIRECT NEWS] | Web担当者Forum

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この記事はD2Cが発行するDIGITAL&DIRECT NEWSの一部をWeb担当者Forum向けに特別公開したものです。

showcase

昨今、流通各社のO2O、あるいはオムニチャネルへの取り組みが注目を集めている。そのためのキーコンセプトは何か、確実な送客を実現することに加え、単なる送客を超え顧客の生涯価値を高めるためにはどうしたらいいのかという点が重要な要素となる。

そこでパルコが掲げたコンセプトは“24時間パルコ”。テナントショップとの連携を強化し、ディベロッパーとして、かつ一つの大きなブランドとして、どのようにオムニチャネルをとらえ、構築しようとしているのかについて聞いた。

商品・サービスのターゲット層

ファッションなどのショッピングを好む顧客

背景と目的

ECを活用したパルコらしい、オムニチャネルの実現

特徴や訴求ポイント
  • テナントショップブログの開設
  • 全国のPARCOでSNSの公式アカウントを開設
  • PARCO SHOW WINDOWのスタート(テナントショップのECサイトとの連携)
  • PARCO Digital Information「P-WALL」の導入
  • スマートフォン向けアプリ「WEAR」を使った実証実験

テナントブログをサイトの主要コンテンツに

林 直孝 氏
林 直孝 氏
株式会社パルコ WEBコミュニケーション部 部長

パルコでは2012年、若手を中心にあるプロジェクトが発足した。Webを用いたプロモーション戦略を大きく見直すためのプロジェクトだ。パルコのWebサイトの閲覧は、すでに7割がスマートフォン経由となっている。

そのため、スマートフォンを通して的確な情報をしっかりと顧客に届ける仕組みを構築し、コミュニケーションを密にすることが重要だと考えた。さらに、巷でささやかれ始めていたオムニチャネルを意識して、Webと店舗の融合を急ぐ必要があると思われたからだ。

パルコというブランドで直接お客様とコミュニケーションして、お客様に店舗に来ていただくということが重要なわけですが、そのこと以上に、テナントの情報をより直接、お客様に伝える、そのために、テナントの方々に自主的に活用していただけるプラットフォームを提供することが必要だと考えました(林 直孝氏)

それまで宣伝部門が主管していたWeb業務を独立させ、Webコミュニケーション部を設立し、プロジェクトの事務局を担っていた林氏が部長に就任した。まず取り掛かったのが、全国に19あるパルコの店舗、それぞれのWebサイトのリニューアルだ。

パルコのスマートフォンサイトTOPページ
パルコのスマートフォンサイトTOPページ
パルコのテナント「JUNRed+」のブログTOPページ
パルコのテナント「JUNRed+」のブログTOPページ
「JUNRed+」のブログ
「JUNRed+」のブログ

ショップ単位でそれぞれのテナントさんのブログのアカウントを開設しました。ショップさんの日々のブログ更新をWebサイトのメインコンテンツとしたのです。2013年4月から取りかかって、10月末で全店舗のリニューアルが終了しました。約3,000のショップのブログアカウントを開設。現在、ファッション関連を中心に、1,000以上のショップが実際にブログを日常的に更新しています(林氏)

ブログの主な内容は、スタッフが商品を着用して撮影されたコーディネート例の紹介など。それぞれ、SNSでの拡散が可能なボタンを付けた。一方的な商品紹介ではなく、あくまでも肌感覚のあるコミュニケーションを日々行っていくためのプラットフォームを構築した。

それと並行して行ったのが、全19店舗のパルコ側のスタッフが運用するSNS(Facebook、Twitter、LINE@、Google+の4つのアカウント)の公式アカウントの開設。この導線によって、パルコとしての情報発信はもちろん、各テナントの発信するブログ情報を選択して、顧客に確実に広めることを目指した。

先行してFacebookやTwitterのアカウントを開設していた店舗もありましたが、一昨年の時点で合計10万人ほどのフォロワーなどを獲得していましたが、昨年11月末の時点には、その数は合計60万人を超えました。極めて重要な導線になったと思っています(林氏)

業界の常識を超えたSHOW WINDOWの完成

オムニチャネルを整備するためには、商品の在庫情報をこうしたプラットフォームから発信する必要がある。その際、店舗にある商品は店舗で購入していただくのが基本だが、店舗にない商品、あるいは店舗までこられないお客様も、24時間いつでもECサイトから購入できるというのが、“24時間パルコ=オムニチャネル”を構築するにはどうしても欠かせないサービスだ。そこでパルコでは、それまでの業界の常識にとらわれないチャレンジに踏み切る。

各ショップさんの持っているECサイトとつながることで、EC上の在庫情報をパルコのWebサイトに反映できるようにしました。つまり、パルコのサイト上で、各ショップのEC、そしてブログによって更新される店頭情報を発信することで、ディベロッパーとしてのオムニチャネルの一つの形ができるのだろうと考えたわけです(林氏)

パルコの各店舗のWebサイトには各ショップのECサイトへの窓があり、たとえばブログで紹介しているコーディネート商品が紹介されている。その商品をタッチすると、それぞれのECサイトに飛ぶ。

これは、各ECサイトに送客することになるので、流通業の考え方にはなかった取り組みである。オムニチャネル化を図る際に、常に大きな壁として立ちはだかる問題だ。それをパルコは難なくブレークスルーしてしまった。

各テナントさんのECサイトで詳しい情報を調べて、写真を見て、気にいったら店頭に来ていただきたいというのが、あくまでも趣旨です。しかし、そのままECサイトで購入されることを阻むものではありません。そこで導入したのがアフィリエイトの仕組みです。パルコのWebサイトという導線から各ECサイトに送客して、そこで購入が成立した段階で、フィーを発生させていただくという契約です。この仕組みを一部のテナントから始めて、徐々に広げています(林氏)

顧客は、場所や時間にとらわれずに、スマートフォンなどのデバイスを使って、24時間、いつでもパルコの、いわば接客を受けられる。その意味を込めて、このサービスは「PARCO SHOW WINDOW」と名付けられた。来店前に見ることのできるショーウインドウだ。

まだまだ広がるパルコ流接客の場

このSHOW WINDOWには、各テナントのECサイトからの情報に加え、オンラインモール「パルコシティモール」の商品情報も網羅されている。16万点以上の商品が紹介されていて、アイテムごとに、色や価格帯などで商品を絞り込むこともできる。たとえば”赤いセーター“という指定で、パルコにある商品の中から好みに合う商品を絞り込んでいけるわけである。

渋谷パルコのデジタルサイネージ「P-WALL」
渋谷パルコのデジタルサイネージ「P-WALL」

こうしたショーウインドウは、店頭にも用意された。渋谷パルコに登場したデジタルサイネージ「P-WALL」だ。デザイン性にもすぐれたこのサイネージには常時1,000種類に及ぶ、店舗ごとのテナントの商品が表示される。気になった商品をさわると、その写真が大きくなるとともに、ショップの場所などを閲覧することもできる。さらに、その商品が赤いセーターであれば、ショップに関係なく、同じようなアイテムの情報も閲覧できるという優れものだ。

さらに実験を始めたのが「WEAR」というスマートフォン・アプリ。これは、スタッフが投稿するコーディネート情報を見ることができ、さらに商品タグのバーコードをスキャンすることで、詳細な商品情報などにアクセスできるというものだ。

「店頭での接客だけでなく、Web上でのブログを通じた接客で来店促進を行っているショップさんは多数あります。私たちはそうした方々に学び、それをその他のショップさんに広げようとしています。これまでも、日々さまざまな研修会やロールプレイングコンテストを行っていますが、その1メニューとしてWebでの接客スキルも加えました。

ブログに長けた方にお越しいただいて、運用の仕方、さらにそのメリットなどをパルコ各店舗のWeb担当者にレクチャーしてもらって、その担当者が各店舗でその内容を広める。私たちも各店舗に出向いて、各ショップさんに説明するなど、地道な啓蒙活動を続けていますが、どのテナントさんも熱心で、こうした私たちの施策については、皆さん喜んでいただいています。そうした意味では、今後、集約される情報は増え、実際の購入情報や閲覧情報を加味することで、更に営業に役立つビッグデータとして活用することも可能だと考えています」と林氏は今後の展望を語った。

この記事は、株式会社D2Cが発行する小冊子 『DIGITAL&DIRECT NEWS』 Vol. 47のコンテンツの一部を、許諾を受けてWeb担当者Forumの読者さん向けに特別公開したものです。

DIGITAL&DIRECT NEWSについて

モバイルを活用する企業のマーケティング活動全般におけるモバイル活用の「いま」を凝縮し、企業の明日のマーケティング活動のヒントとなる情報を提供しています。年4回(4、7、10、1月)発行。

この記事の筆者

提供:

株式会社D2C

NTTドコモ、電通、NTTアドの3社合弁で設立された、世界初のモバイル広告/マーケティング会社。
「No Wireless, No Marketing」をスローガンに掲げ、統合デジタルマーケティングの提案・実施までをワンストップで提供している。

http://www.d2c.co.jp/

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ぶっちゃけ、ユニバーサル アナリティクスはどこがスゴイのか?(第93回) [衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座] | Web担当者Forum

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本連載も今回でいよいよ最後だ。「Google アナリティクス入門講座」というコーナーだったが、時には少し難しい内容だったかもしれない。

さてユニバーサル アナリティクスが公開されて約1年が経つが、まだ一部の機能で標準のアナリティクスに追いついてないため、本連載ではほとんど触れることはなかった。連載の最後を締めるにあたって、ユニバーサル アナリティクスの魅力についてお伝えして幕を閉じたいと思う。

いつユニバーサル アナリティクスへ移行すべきか?

ユニバーサル アナリティクスへの移行をいつすべきかについてまず述べておこう。移行に関しては大規模サイトと個人ブログで同じ対応になるはずもないので、自分の事情に合わせるのが基本だ。現在標準のアナリティクスで提供している機能がユニバーサル アナリティクスではまだすべてリリースされていない。すべてリリースされた段階で、本格的に移行のスケジュールを考えても遅くはないだろう

Googleは標準のアナリティクスから早くユニバーサル アナリティクスへの移行を進めたいと考えているようだが、ユーザーの事情を無視して無理やり拙速に移行を強制するようなことは考えにくいので、自分のタイミングで準備を進めておくのがよいだろう。

現在のユニバーサル アナリティクスの状態

ユニバーサル アナリティクスとはその名前が示すとおり、「ユニバーサル」な分析ができるというのが本質だ。つまり、最大の「売り」は次のようなことだ。

  • オンラインもオフラインも一元的にデータを扱えること

  • オンラインでもcookieでしか紐付けられなかった「ユーザー」を、デバイス間でも同一の「ユーザー」と判別できるような仕組みを提供すること
    (つまり、ブラウザが違えば違うユーザーとして判定していたのを、同一ユーザーと判定できるようにする)

しかしその機能のフルリリースがなかなか見えてこない。

ユニバーサル アナリティクスのリリースから1年経った今でも、標準のアナリティクスで提供している機能に追いついてない部分がある。図1は新しいプロパティを作成するときの画面だ。

図1:新しいプロパティ作成画面

「トラッキング方法を選択」の部分では、「ユニバーサル アナリティクス」と「標準のアナリティクス」を選択でき、デフォルトでは「ユニバーサル アナリティクス」が選択されている(図1赤枠部分)。

しかし、標準のアナリティクスで提供していて、ユニバーサル アナリティクスが提供できてない機能がまだあるのが現状だ(図1青枠部分)。

具体的にどの機能が使えないか、あるいはレポートを見ることができないかをピックアップしたのが下のリストだ。標準のアナリティクスでこれらの機能を1つでもよく利用している場合は、当然ユニバーサル アナリティクスへの移行はできないだろう

  • トラッキングコードのカスタマイズがまだ用意されていないために、使えないレポート(2013/3/13時点):
    • [ユーザー]>[ユーザーの分布]>[サマリー]レポート
    • [ユーザー]>[ユーザーの分布]>[年齢]レポート
    • [ユーザー]>[ユーザーの分布]>[性別]レポート
    • [ユーザー]>[インタレストカテゴリ]>[サマリー]レポート
    • [ユーザー]>[インタレストカテゴリ]>[アフィニティ カテゴリ]レポート
    • [ユーザー]>[インタレストカテゴリ]>[購買意向の強いカテゴリ]レポート
    • [ユーザー]>[インタレストカテゴリ]>[他のカテゴリ]レポート
    • [行動]>[ウェブテスト]
  • 機能がまだ用意されていないもの:
    • AdSenseデータとの連携(管理画面上は連携できるように見える)
    • AdWordsのリマーケティング機能との連携
    • DoubleClick for Advertisersとの連携

ユニバーサル アナリティクスが拓く新しい世界、3つの魅力

そんな現状は押さえたうえでも、ユニバーサル アナリティクスが今後見せてくれる素晴らしい世界について触れておく必要があるだろう。

これから述べる新しい機能で1つでもおおいに活用する価値があるようなら、ユニバーサル アナリティクスへの移行を今から準備しておくべきだろう。

筆者が考える素晴らしい機能を3つだけ簡単に紹介しておきたい。それが下記だ。

  • Web以外のデータもイベントなどに取り込む機能
  • マルチデバイス利用をユーザー単位でつなげる機能
  • 外部データ連携機能

簡単に1つずつ解説していこう。

Web以外のデータもイベントなどに取り込む機能

技術的なことは詳しく述べないが、ユニバーサル アナリティクスでは「Measurement Protocol」というデータ収集手順に準じたデータを取り込むことができる。インターネットにつながったデバイスでの何らかの行為を、このMeasurement Protocolに則ったデータで飛ばすことで、Webサイト以外の行動データなどを取り込むことができるというものだ。もちろんデータ収集のためのシステムを作らないといけないので、ハードルは決して低くはないが。

公式サイトで2つの事例を紹介しているので、興味のある方は以下を読んでみるとよいだろう。

マルチデバイス利用をユーザー単位でつなげる機能

Google アナリティクスでは、ユニークなユーザーを特定するために、cookieに付与した匿名のIDを記録しておくことで、同じユーザーを特定(cookieはブラウザに紐づくものなので、厳密には同じブラウザが特定できるだけ)する仕組みだ。これは標準のアナリティクスでもユニバーサル アナリティクスでも基本的には同じだ。

しかしこれだけでは、同じユーザーが同じサイトを別のブラウザから見たり、別のデバイスから見たりしても、その閲覧履歴が同じユーザーであることをつなげるキーがない。そこで共通のキーを与えて、従来バラバラだった同じユーザーのデータをつなげる仕組みが「User ID」だ

ユニバーサル アナリティクスでは、通常のcookieベースの匿名IDに付与するパラメータは「cid」と呼ばれるもので、それをつなげる「User ID」に付与されるパラメータは「uid」と呼ばれる。図2で説明しよう。

図2:cidとuidの関係

通常cookieベースの計測だと、同一人物が利用するパソコンXのブラウザAもブラウザBも、タブレットCも相互関係性はない。cidパラメータの値が、それぞれブラウザA、ブラウザB、タブレットCと別々だからだ。

そこに共通のキーであるパラメータuidが付与されたら、同一人物の閲覧がつながるということだ。あまりにも当たり前でシンプルだが、仕組みは以上のようにいたって簡単だ。

しかし、このuidを利用するトラッキングコードのカスタマイズに関しては、まだ正式リリースされていない。実際のカスタマイズの記述としては、ログインIDなどの情報を動的に取得して、上記uidの値に取り込むようなJavaScriptを追記するのだ。

この紐付けができるようになって利用できるようになるとアナウンスされているレポートに、デバイス間の重複レポート(Device Overlap)や、コンバージョンに至るまでのデバイス間の接触パスレポート(Device Paths)、コンバージョン値のデバイス別レポート(Acquisition Source)といったものがある。詳しくは、下記公式情報を参照してほしい。

しかしこの仕組みはトラッキングコードのカスタマイズが必要で、キーとなるuidを指定しなければならない。つまり、Googleが天才的なアルゴリズムで同一ユーザーを自動的に判別してくれるわけではなく、同じユーザーであることを、サイト運営者の側で指定する術がなければならないということだ。

具体的には、cookieに代わる共通のキーを持っている必要がある。たとえばログインIDなど、どのブラウザやデバイスからでも、それなりの頻度でログインするようなサイトでないと、共通のキーになるIDなどは当然ないので、「ユーザー」をつなげることはできないということだ。

つまりEコマースサイトや会員サイトなどでないと、残念ながらこの仕組みは享受できないと考えた方がよいだろう。ブログをやっている個人が、計測のためだけにわざわざログインを強制させる仕組みを導入するのは本末転倒なので、この機能は一部のハイエンドあるいは特殊なサイトのためにあると考えた方がよい。

外部データ連携機能

最後は「外部データ連携機能」だ。標準のアナリティクスでは、広告費用データの取り込みなどの外部データの取り込みはすでに可能だが、既存の指標やディメンションに準じたものしか取り込めない。図3は標準のアナリティクスのプロパティの設定項目の1つである「データのインポート」(図3赤枠部分)だ。

図3:標準のアナリティクスの外部データのインポート機能

データセットのタイプで「費用データ」を選択すると、メディアと参照元の指定は必須(図3青枠部分)で、それ以外に指定できる指標やディメンションもGoogle アナリティクスが標準で用意しているもの(図3緑枠部分)しか選択の余地がない。

一方、ユニバーサル アナリティクスでは、Google アナリティクスが標準で用意しているディメンションではない新しい分析軸を持った外部データを取りこむことが可能になっている。

じつは「データのインポート」(図4赤枠部分)は標準のアナリティクスでもユニバーサル アナリティクスでも図4の画面になるのだが、標準のアナリティクスでは「ディメンションの拡張」を選択(図4青枠部分)すると、既存のディメンションのデータを破壊して、取り込むデータを上書きするという荒業を行うことになるので、決してお勧めできない。だからユニバーサル アナリティクスの機能としてしか紹介したくない所以でもある。

ユニバーサル アナリティクスで取り込むデータに新しいディメンション(や指標)を割り当てて、カスタム ディメンション(や指標)(図4緑枠部分)を作成するのとセットで設定するのが王道だ。

図4:ユニバーサル アナリティクスの外部データのインポート機能

外部データを取り込む場合、もともとGoogle アナリティクスのデータとデータ連携することになるので、取り込むデータの中に、Google アナリティクスにもすでにある共通のデータが存在する必要がある。それがキーとなるディメンションということになるのだ。概念だけではわかりにくいと思うので、実例で解説しよう。

データインポートの手順詳細などは省略するが、たとえば図5がインポートする外部データのCSVファイルになる。

図5:データ連携のためにインポートしたデータ

Google アナリティクスのディメンションにすでに存在している「ページ」名に相当する部分が一番左の列(図5赤枠部分)で、これがデータ連携のキーになるのだ。それぞれのページに対応して取り込む外部データが、その右側の2つの列(図5青枠部分)で、真ん中が「カスタム ディメンションの3つ目の枠」に指定し、一番右側が「カスタム指標の1つ目の枠」に指定したうえで、外部からデータを取り込む処理を行った例だ。

この例は、ページの執筆者情報と1ページビュー見られたらいくら払うかという原稿料を外部データとして保持しておいて、それをインポートした例になる。ページの執筆者情報は「カスタム ディメンションの3つ目の枠」に指定し、1ページビュー見られたら支払う原稿料単価を各ページのカスタム指標に指定して取り込むのだ。

データをインポートしたうえで、図6のようなカスタム レポートを作成できるようになる。「作成者」というディメンション(図6赤枠部分)が該当ページを作成した執筆者(カスタム ディメンション)で、執筆者別の閲覧ページビュー数や執筆者に払うべき原稿料(カスタム指標、図6青枠部分)といった集計まで可能になるということだ。

図6:原稿執筆者別の指標

他の応用例としては、たとえば次のようなものが考えられるだろう。

  • ネットワークドメイン(アクセスしてきた利用者のexample.co.jpなどのドメイン情報)をキーにして、アクセスしてきた企業の業種や本社所在地、従業員数などをカスタム ディメンションや指標に指定して潜在顧客の特徴を把握する

  • ログイン(顧客)ID情報などを取り込む外部データと共通のキーにして、実際の顧客の性、年齢、居住地域などを統合して分析する

次のような応用例も考えられるが、今のところ、集客系や地域、期間ディメンションなどは共通のキーにできないので、まだ実現できない。

  • 北海道/東北などの地域ブロックを新たに作って分析できるようにする

  • 人口データをカスタム指標に指定して、任意に作成した地域グループや人口規模カテゴリ別に分析する

  • 気象データ(天気、気温、湿度)を指定して、気象と集客や成果との関連性を分析する

地域をキーにできるようになったら1つ目と2つ目が、期間をキーにできたら3つ目が実現できるだろう。

◇◇◇

長い間ご愛読いただき、ありがとうございました。

2014年4月からは、同じく衣袋宏美氏による新連載「Googleアナリティクス セグメント100選」がスタートします。引き続きご愛読のほど、よろしくお願いします。

筆者の『ユニバーサルアナリティクス版Googleアナリティクス完全マニュアル(PDF)』が発行されました。(2014/02/15)

筆者が講義を行うGoogle アナリティクス徹底講座(2014年5月開催)を行います。  → Google アナリティクス ゼミナール

この記事の筆者
ユーザー 衣袋 宏美(株式会社クロス・フュージョン) の写真

衣袋 宏美(いぶくろ ひろみ)

1960年東京都生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。大手電気メーカー勤務後、日経BP社インターネット視聴率センター長を経て、2000年ネットレイティングス入社、視聴率サービス立ち上げに参画、2006年ネットレイティングス社(現ニールセン株式会社)フェローに就任。株式会社クロス・フュージョン代表取締役。またデジタルハリウッド大学院客員教授、米Digital Analytics Association会員、アクセス解析イニシアチブ副代表。

著書など:
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GoogleアナリティクスをDMP化して使うための具体的方法 [Web担アクセス数上位ランキング] | Web担当者Forum

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【プレゼント】『成功する ネットショップ集客と運営の教科書』 | Web担当者Forum

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※20:00 誤って閉じていた申し込みフォームを公開しました。

ネットショップの集客と運営に必要な考え方や概念、具体的な方法論を解説した書籍『成功する ネットショップ集客と運営の教科書』(SBクリエイティブ)を3名様にプレゼントいたします。

『成功する ネットショップ集客と運営の教科書』

成功する ネットショップ集客と運営の教科書
  • 著者:染谷 昌利、鈴木 珠世
  • 価格:2,200+税
  • ISBN:978-4-7973-7366-0
  • 発行:SBクリエイティブ

ネットショップのことは、これ1冊で十分!

商品選択とお客様のコミュニティ化で、あなたの活動が収益に変わる。人とお金が集まる成功の要点を、61のポイントとともに解説。

この本を読むことであなたが手にする価値は、「ビジネスの原理」と「自分の頭で考える能力」です。ビジネスの原理を理解して、自分の状況にあてはめる応用力と実践力こそが重要になります。そしてなによりも必要なのは、利益を上げ続け、生き残ること。だからこそ、この本ではあえて事細かな具体的方法ばかりを載せることを避け、アイデアを喚起するさまざまなヒントを提示するスタイルを採っています。

目次
  • 序章 本書の読み方
  • 第1章 【成功のためのポイント(1)】 「準備」で決まる、成否の8割
  • 第2章 【成功のためのポイント(2)】 ユニークな商品を選択する
  • 第3章 【成功のためのポイント(3)】 お客様と価値観を共有する
  • 第4章 【成功のためのポイント(4)】 ショップや商品のタイプを認識する
  • 第5章 【成功のためのポイント(5)】 小さく産んで大きく育てる
  • 第6章 開業までの流れ
  • 第7章 自分のお店のウェブサイトを作る
  • 第8章 集客して商品を売る
  • 第9章 購入後の対応とフィードバックの収集
  • 第10章 コミュニティの作り方
  • 第11章 ショップや商品の価値を高める、値段の付け方
  • 第12章 利益が出たらすべきこと

応募要項

  • 応募締切:2014年3月28日(金)23:59
  • 当選者数:3名様
  • 応募方法:下記応募フォームに必要事項をご記入して応募をお願いします。当選者の発表はプレゼントの発送をもって代えさせていただきます。

※フリーの方や自営業の方はその旨をご記入ください。

プレゼント発送先

※勤務先への発送をご希望の方は、会社名をご記入ください。

※勤務先への発送をご希望の方は、部署名をご記入ください

「はい」にチェックをすると、Web担のコンテンツをサマリで紹介するメールマガジンを毎週月曜日にお送りします(すでに購読されている方は改めてチェックしなくても大丈夫です)。メルマガについて詳しくはWeb担メルマガについてをご覧ください。Web担の編集長が毎週の日曜日に家族サービスをサボって書いているメルマガで、編集長コラムがほかよりも一足先に読めます。

現場ですぐに役立つノウハウが多いのがよいです」のようなWeb担をおすすめする言葉や、「会社で毎日チェックして情報共有しています」「上司から見るように言われて見始めましたが、マンガが楽しくてついつい全部読んじゃいました」のようなあなたがWeb担をどう使っているかの声などをお書きください。

いただいたお言葉は、編集者が読んで喜んだり困ったりするほか、Web担のサイト上で紹介させていただいたり、Web担の宣伝などで掲載させていただく場合があります(個人や所属を特定できる形にはいたしません)。たとえば、

アクセス解析やSEOでつまずいていたあの頃、Web担に出合って助けられました」(東京都、マーケティング担当)

のような形です。編集者が「おぉっ」と思うコメントを残していただいた方には……。

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    7分でわかるWebサイトのスマホ・タブレット対応 ―― “イチから知りたい” Web担当者向け | Web担当者Forum

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    Webサイトのマルチデバイス対応は
    企業にとって急務

    ここ数年でスマートフォンやタブレットを持つ人が急激に増え、さまざまな新製品が登場しています。その画面サイズや解像度もまちまちです。さらに将来的には、スマートTVやウェアラブルPCなどの新たなデバイスも普及してくるでしょう。

    果たしてあなたのサイトは、多様なデバイスを利用してアクセスしてくるユーザーに、きちんと適したコンテンツを提供できていますか?

    「まだ対応していない」「どうやって対応したらよいのかわからない」というWeb担当者のために用意した、「7分でわかるWebサイトのマルチデバイス対応~マルチデバイスに適した環境の選び方~」のホワイトペーパーを無料でダウンロードいただけます。

    多様化するデバイスへの対応は今や必然/スマートフォン、タブレットに加え、スマートTVなど新たな潮流も/「レスポンシブWebデザイン」と「User-Agentによる振り分け」/2種類の対応方法それぞれのメリット・デメリット/では、どのようなCMSを選べばいいのか/Webサイトのインフラからマルチデバイス対応までを一本化する
    資料の掲載内容

    当ホワイトペーパーでは、Webサイトのマルチデバイス対応をどのように行えばいいのか、いくつかの対応方法とそのメリット・デメリット、CMSの選び方などのポイントをメディアプローブ代表取締役の渡辺泰氏に解説していただきました。

    せっかくサイトにアクセスしてもらえても、閲覧するデバイスによってコンテンツが見づらいようでは、ユーザーがすぐに興味を失ってしまいます。そうならないためにはマルチデバイス対応が必須と言えます。

    渡辺氏は「将来的なデバイスの多様化に対応するためにも、今のうちにマルチデバイスに対応したCMSを導入しておく必要がある」と言います。では、そのCMSの選び方のポイントは……? ぜひこの資料で確認してみてください。

    ホワイトペーパーダウンロードはこちら

    7分でわかるWebサイトのマルチデバイス対応
    ~マルチデバイスに適した環境の選び方~

    Webサイトをマルチデバイスに対応させるいくつかの方法や、それぞれのメリット・デメリット、CMSの選び方のポイントなどを、初心者にもわかりやすく紹介するホワイトペーパーです。

    全8ページ、7分程度でご覧いただけるホワイトペーパーです。

    ホワイトペーパーの掲載内容
    • 多様化するデバイスへの対応は今や必然
    • スマートフォン、タブレットに加え、スマートTVなど新たな潮流も
    • 「レスポンシブWebデザイン」と「User-Agentによる振り分け」
    • 2種類の対応方法それぞれのメリット・デメリット
    • では、どのようなCMSを選べばいいのか
    • Webサイトのインフラからマルチデバイス対応までを一本化する
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    電通、コンテンツビジネスを世界的に進める「電通メディア・クリエーティブ・コンテンツ」発足 [ニュース] | Web担当者Forum

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    電通は、広告主と生活者、メディア企業を結ぶコンテンツビジネスを世界規模で推進する専門組織「電通メディア・クリエーティブ・コンテンツ(DMCC)」を4月1日付で立ち上げる、と3月20日発表した。電通グループのグローバルネットワークブランドの1つ「電通メディア」を活用する。アジアを中心に13ヵ国・地域の22拠点で事業展開している電通メディアのネットワークを生かし、日本のコンテンツの輸出、海外コンテンツの他国への輸出、新コンテンツの開発や、コンテンツのマネジメント、人材育成などを総合的に行う。

    コミュニケーション環境の変化に伴い、流通する情報量が世界市場で急激に拡大する中、メディアを通した広告主と消費者のコミュニケーションで質の高い魅力的なコンテンツの開発・管理が重要になっていることから、DMCCを発足させる。DMCCによって、電通グループの強みとなるエンターテインメント、スポーツ関連コンテンツなどのプロデュース業務を従来以上に世界展開する。13ヵ国・地域は、インド、インドネシア、韓国、シンガポール、タイ、台湾、中国、日本、フィリピン、ベトナム、香港、マレーシア、ロシアとなる。

    電通
    http://www.dentsu.co.jp/

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    ヤフー、「iPhone」用検索アプリ「SmartSearch」公開、わずかな時間の調べものを便利に [ニュース] | Web担当者Forum

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    ヤフーは、「iPhone」用の検索アプリ「SmartSearch(スマートサーチ)」を3月19日公開した、と同日発表した。簡単にすぐ情報を知りたいとするユーザーのニーズに応えた。スマートフォンの普及によって、電車での移動中に話題の言葉を検索したり、テレビを見ながら有名人の情報を探すなど、日常のわずかな時間で調べものをする場合の検索をより便利にすることを目的に開発した。ユーザーの声を素早く機能に反映させるため、アプリ内に「twitter」を通して要望が投稿できるメニューを搭載した。

    SmartSearchは、検索すると最初にキーワードに関する代表的な画像や、要点がまとまった辞書情報、関連ニュース、「NAVERまとめ」の記事リンクなどを表示。大まかな内容がひと目で分かるようにした。詳しく検索した時は、各サイトのプレビュー画面を並べた検索結果を示し、サイトの内容や雰囲気が視覚的に把握できる。アプリのトップ画面には検索数が急上昇している40ワードを表示し、最新のネット上の話題と概要をスライド操作だけで知ることができる。今後「iPad」「Android」用も公開する。

    ヤフー
    http://www.yahoo.co.jp/

    SmartSearch
    http://promo.search.yahoo.co.jp/smartsearch/

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    カスタマージャーニーマップで顧客の心を見つめてサイトを改善、5つの作成ステップと7つの実例 [実践! プロも使うラピッドUX手法] | Web担当者Forum

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    このコーナーでは予算を掛けず、お手軽にUXプロセスを社内導入するためのテクニックを紹介していく。

    実践! プロも使うラピッドUX手法

    今までカスタマージャーニーマップなんて作らなくてもウェブサイトを構築してサービス提供できている。マップを作ったところで何がわかるようになるの? それに素人には作れないんでしょう?

    顧客体験をカスタマージャーニーマップ化する」というフレーズを、商品・サービス開発の事例やウェブマーケティング関連の記事などで最近よく耳にすると思う。近年さまざまな分野で注目されつつあるカスタマージャーニーマップだが、上記のようなこのような疑問をもつWeb担当者の方は多いのではないだろうか。

    カスタマージャーニーマップのサンプル
    あるウェブキャンペーンを想定したカスタマージャーニーマップ。社内作成用のパワーポイントをダウンロードする

    確かに経験ゼロの状態からカスタマージャーニーマップを作るのは難しいが、簡易的なマップであれば、5つの基本ステップを押さえることで、社内のメンバーだけでも作ることができる。

    今回は、カスタマージャーニーマップがなぜ注目されているのか、その背景を知識として知ってもらうだけでなく、実際のプロジェクトに活かす方法について紹介する。記事で解説する5つの作成ステップや事例を参考に、ウェブサイト改善に役立ててもらいたい。

    この章のポイント
    • 複雑化したUX(ユーザーエクスペリエンス)を一枚のマップとして俯瞰することで、ユーザー理解が容易になり、多くの関係者にインサイトを共有できるツールとなる。
    • アンケートやインタビューなどの調査結果を基に、顧客が事実としてどのような体験をしているか、複数名による付箋を利用したブレストで洗い出し、マップの原型を作る。
    • AS-IS(現状)とTO-BE(あるべき姿)の2段階のカスタマージャーニーマップを理解する。
    • ゼロから作るのは難しいが、5つのステップを押さえれば比較的簡単に作成できる。

    消費者行動を可視化し、顧客の気持ちを見つめなおそう

    まず、どのようなアウトプットなのかを知ってもらうため、第3回で掲載したカスタマージャーニーマップを再掲する

    カスタマージャーニーマップの構成内容

    これは仮想のウェブキャンペーンのカスタマージャーニーマップだ。キャンペーンの対象ユーザーがどのようなタッチポイントで情報に接触し、どんなことを考え感じながら行動しているのか、アンケートによって調査し、マップ化したサンプルである。

    一昔前までは、AIDMAやAISASのような消費者行動モデルを基礎として、もっとシンプルな企画展開図を書くことが多かったが、現在のようにチャネルを横断し、スマホなどのモバイル利用とSNSを絡めたようなキャンペーンとなると、従来の行動モデルで絵を描いても通用しなくなっていることは多くの方が感じているだろう。

    キャンペーンに限らず、ウェブサービスの機能やコンテンツあるいはプロモーションが、リアル店舗での販売促進と連携するO2O戦略とつながったり、日常的なソーシャルメディアで顧客接点を拡大する施策も加わったりする昨今では、戦略や施策に応じて顧客体験はさまざまに変化するため、個別の行動モデルを組み立てる必要がでてきた訳である。

    それを図式化するフレームワークとして、主に時間軸で利用シーンを順に追い、複数のチャネルやタッチポイントのなかで顧客がどのようにアクションしてゴールまで到達するのか、その過程でどんな気持なのかを表現するのが「カスタマージャーニーマップ」の基本形だ。

    百聞は一見に如かず! マップを中心にしてコンセンサスをとろう

    カスタマージャーニーマップには、顧客体験や行動モデルを可視化する以外に、もう1つ重要な役割がある。

    第3回に挙げた典型的な例は、キャンペーンを企画立案して上司に提案した際、「ユーザーは、想定した企画の通りに動くものなのか?」という問いに対する、ファクトベースの説得材料という位置付けでカスタマージャーニーマップを利用するものだった。

    この上司との問答はたとえ話だが、Web担当者は上長だけでなく相当数の関係者や部門との折衝を行うことになる。たとえばチームを組んでいる営業企画やマーケティング担当、媒体やプロモーションを統括している宣伝担当、自社サイト運用や顧客情報を管理する情報システム担当など、さまざまなステークホルダーが関係する。

    企画の目的・目標、成果の数字など企業側のベネフィットを伝えるには企画書だけでもよいのだが、さらにUXを考慮し、ユーザー側が「喜んだり」「楽しんだり」「満足できる」企画であることを一枚のマップで示すことで、だれが見てもインサイトを得やすく、コンセンサスを持続させる効果を発揮するのである。

    カスタマージャーニーマップはインサイト共有ツール

    また企画が承認された後に、代理店や制作会社などの社外関係者と共同で企画を実現していく際にも、カスタマージャーニーマップを示すことで顧客視点を第一に考えるスタンスを共有できる。

    カスタマージャーニーマップ作成5つのステップ

    カスタマージャーニーマップの作成は、自社または競合など含めた「商品・サービス」やウェブサイトの「利用前・利用中・利用後」の行動文脈を、5W1H化して調査することから始まる。

    簡易カスタマージャーニーマップ(AS-IS)作成までの流れ
    カスタマージャーニーマップ作成5つのステップ
    1. 企画立案
      ウェブサービスの機能・コンテンツ検討、キャンペーンなどの企画
    2. 5W1H分解
      ユーザーの体験を5W1Hに分解し、利用シーン毎の行動や気持ちを想定する
    3. 定量調査/定性調査
      5W1Hの想定のうち不確かな体験の状況をユーザーから引き出し、具体化する
    4. ラフマップ化
      調査データをもとにメンバーで議論し、ユーザー行動の文脈やモデルを明らかにする
    5. マップ化
      AS-IS(現状)の行動モデルをマップ化し、関係者との共有・合意形成の場で利用する

    第3回では、上記の流れに沿って、キャンペーンの「企画立案」「5W1H分解」「定量調査(アンケート設計)」までの詳しい進め方を紹介した。

    調査方法については、前回はWeb担当者が日頃から利用する「アンケート設計を工夫したユーザー行動調査」を取り上げたが、アクセス解析ツールを導入していれば、ウェブサイト内の行動パターンを分析して類推することも可能だ。

    アンケートやアクセス解析のような定量調査だけでなく、実際のユーザーを観察することも大切だ。たとえば、第2回で紹介した「フォトダイアリー」のように、消費者目線で利用状況や体験を把握したり、ユーザーが商品・サービスを利用する様子を行動観察するなどの定性調査によって、顕在化していないニーズや本音を発見できる場合があるからだ。

    もし、調査の時間もコストも余裕がない場合は、社内の想定ユーザーに当たってみよう。ターゲット属性にマッチする社員を探し、30分でも構わないので数名に“ヒアリング”することをオススメする。インタビューというと堅苦しい感じもするが、普段どのように該当する商品・サービスやそのウェブサイトを利用しているかを5W1Hで根掘り葉掘り聞き取るだけでも十分な収穫がある。

    社員へのヒアリングなら簡単にできる

    アンケートやアクセスログデータからは得られない対話による実話のエピソードに耳を傾けると、カスタマージャーニーマップの感情面がとても現実的になり説得力が高まる。社内ヒアリングは、調査に掛ける予算がない案件の場合に弊社でもよく実施している(属性条件にあう同僚や知人などを調査対象にする方法を「機縁法」といい、標本抽出法の1つとして成立している)。

    付箋を使ったブレストで、ラフマップを作りあげよう

    調査が終わったら一足飛びにマップ化に進みたいところだが、まずはチームでブレストを実施する。チームメンバーを3~4名ほど誘い、社内の会議室を予約して、ペンと付箋5色程度と、模造紙を貼る養生テープなどを準備するだけでOKだ。規模にもよるが、3~4時間ほどのまとまった時間を使って進める。

    ポストイットの強粘着タイプ5色パックと、プロッキーが最適

    なお、付箋は“強粘着”タイプがホワイトボードに貼っても落ちにくいのでオススメだ。また、シャープペンやボールペンは字が読みにくいので使用しないこと。裏写りしない太めのペンが付箋ブレストには適している。準備ができたら、下記の手順のように付箋ブレストを進めてみよう。

    ラフマップ作成のための付箋ブレスト手順例
    1. ホワイトボード左側に、「ステップ」「チャネル/タッチポイント」「行動」「思考」「感情」「課題」の区分けを作る。
    2. ターゲットユーザー像を簡単にまとめて、ホワイトボードの「行動」の下に貼る。
    3. 「行動」の領域に、アンケートの自由記入や社員ヒアリングで聞き出した“事実”を、時間軸が右に流れるように貼っていく(あくまでも“ターゲットユーザー像”の行動にフォーカスを当てること)。
    4. 行動の流れが少し見えてきたら、その個々の行動の出来事を総称する「ステップ」を書いていく。
    5. 行動に登場する人やモノ、お店、ウェブサイトのような「タッチポイントやチャネル」を書き出していく。
    6. ターゲットユーザー像である人物が考えていることを「思考」に書いていく。
    7. ターゲットユーザー像である人物の感情の起伏をイメージし、曲線的に「感情」を描いていく(曲線の山や谷に、その気持ちを足すとよりよい)。
    8. サービス提供側に対する直接的な不平不満、ビジネス上の問題など「課題」を洗い出す。

    この付箋ブレストの肝は、ある人物の行動をトレースするように事実を組み立てる点にある。そのため、ターゲットユーザー像を必ず考えたいのだが、最もやりやすいのはヒアリングした社員の簡単なプロフィールと特長を10項目程度挙げることだ。簡易ペルソナとまではいかなくても、そこに写真を貼ったりイメージイラストを描いたりすることで、ブレスト参加メンバーの意識をあわせられる。

    簡易なプロフィールと、そのサービスに関連するその人の特長などを箇条書き

    このように付箋を利用したブレストを実践してみると、複数の目を通しながら事実をつなげていったほうが、担当者1人でラフマップを考えるよりも客観性が高くなり、より取りこぼしのないマップができあがることがわかるはずだ。また、メンバー同士がお互いに意見を交わすことで、チーム内の一体感も醸成される。このブレストはマップ作りだけでなく、チームマネジメントとしての効能も持っているのだ。

    最後に、ブレストが終わったらスマートフォンでも携帯でもいいので写真を取り、そのデータをパソコンに取り込みパワーポイントなどに貼り付けよう。そして、その付箋ブレスト写真の上から、「ステップ」「チャネル/タッチポイント」「課題」などの分類を書き込む。

    次にステップごとの「行動」について、順序よくまっすぐ物ごとが運ぶ場合であれば「矢印」や「直線」で、繰り返しや複数回のサイクルがあれば「円状」に、目的はあるが道草を食ったり脇道に逸れるのであれば「曲線」で表すなどしてみよう。

    こうして、顧客行動の流れを俯瞰して再定義する作業を経れば、もはやAS-ISのカスタマージャーニーマップの下書きはできたのも同然である。これをサンプルのパワーポイントデータなどを利用して清書すればよい。

    一連の顧客体験を俯瞰することで、改善点も浮き彫りに

    カスタマージャーニーマップに顧客の体験を描きだすと、現状の“AS-IS”が良い体験ばかりではなく、良くない体験も混在していることが往々にしてある。あるいは、顧客は良い体験だと現状で満足しているため、実はもっと良い体験ができる可能性を見逃していることもある。そのような直接的に見えてこないニーズというものが、点と点でしかなかった接点ごとの行動を「線」として文脈化することで顕在化する場合も多い

    付箋ブレストの最下部には“サービス提供側の「課題」”も浮き彫りになっており、感情のポジティブ/ネガティブの度合いを線状にプロットすることで、課題や問題を含んだネガ体験の箇所も特定されている。次の“TO-BE”のカスタマージャーニーマップでは、それらの課題が改善された状態の“理想的なシナリオ”を模索していくことになる。

    カスタマージャーニーマップの形はさまざま、7つの実例&サンプル

    最後にカスタマージャーニーマップのバリエーション例を紹介したい。

    顧客体験は、対象とする商品・サービスの業種業態、ウェブサイトの機能やコンテンツによって多種多様で1つの型には収まらない。たとえば、数年に一度しかないようなクルマの購入や保険選びの体験と、毎日消費するような飲食物の購入やニュースの閲覧の体験では、時間軸やサイクルが相当異なる。

    今回の記事では、時系列による標準的なカスタマージャーニーマップを事例として挙げているが、いくつもの表現スタイルがある。下記にいくつかの例を挙げたので、読者の方が関わる提供サービスが今回取り上げたマップ形式に適合しない場合は、いろいろなカタチへ柔軟に変化させてみるとよいだろう。

    タイムライン型

    Sarah's Broadband Provider Journey

    制作:effective UI Inc.(出典元

    女性が引越しによってプロバイダを変更する体験をマップ化している。

    上段では主な思考を文字でシンプルに記し、中段では感情の起伏を曲線によって表現することで、サービスへの満足や不満足につながっていることを明示している。そして、下段ではその体験のサマリーと改善方向性を示している。人物イメージ写真を添えてあるのも効果的で、顧客体験に占める心境の変化を視覚的に表わした好例である。

    Exploratorium Visitor Experience Map

    制作:Adaptive Path(出典元1、出典元2

    博物館への来館前、来館中、来館後までの一連の体験を、複数の利用者属性を観察し総合的にマップ化している。1つ目のマップには、タッチポイントの詳細とそれぞれの段階における行動と思考(疑問)が記述されている。

    一方、2つ目のマップでは、「地元民」「旅行者」「家族」のようなターゲットごとのアイコンで示し、それぞれの属性の特長的な行動や思考を別記している。複数のターゲット層が利用するサービスやサイトのマップ化には、このようなまとめ方も参考になるだろう。

    Customer Experience Map :
    Completing a tax return for the first using the online channel(current state)

    制作:desonance(出典元

    体験に多くの事象や手順がある場合は、タイムラインは横方向に進むが、フェーズごとの展開は縦に進ませて多くの情報を一覧化してもよい。

    この例では、税金の払い戻しをネットで行うという体験がまとめられている。上段ではフェーズごとに細かな手続きが書かれており、フローチャート的に矢印で進む/戻るなどの表現も記されている。

    中段では、感情のポジティブ/ネガティブをプロットしており、下段ではネットや冊子、人などのタッチポイントの詳細が書かれている。かなり広範囲で詳細な体験を、一枚の縮図にまとめた例である。

    Social Gamer Experience Map

    制作:nForm User Experience Consulting Inc.(出典元

    これも体験に多くの事象や手順がある場合の例だ。こちらはタイムラインを横方向へどんどん伸ばした例である。

    この例では、ソーシャルゲームの体験について、ゲームの購入前の過程から、購入、ゲーム中、ゲーム後の共有まで詳細化しており、ネットやクチコミによるタッチポイントなどをアイコンで示している。タイムライン型ではあるが、フェーズによっては円状のサイクルで途切れており、必ずしも一直線ではない行動や体験の表現の参考になる。

    ホイール型

    Designing the Experience - Example WOW

    制作:LEGO(出典元

    これはLEGOが社内で体験(WOW)を定義・設計するために利用しているテンプレートだ。これまでに挙げた、横方向のタイムライン型のマップと異なる、ホイール型のマップである。

    このサンプルではロンドンからニューヨークに行くまでの旅程の体験が記述されている。円の中心部には、対象となる人物の概略が書かれており、その周囲は「体験前」「体験中」「体験後」というフェーズに分けられている。また、それぞれのフェーズで起きるできごとが一文で書かれており、そのときの感情を顔アイコンで示している。

    旅程の行き帰りのように、循環するような利用サイクルを持つサービスやサイトの場合には、このようなマップ表現も可能だ。

    Customer touchpoint map

    制作:Trainiac(出典元

    もう1つのホイール型マップは、顧客の体験をイラストで示した例だ。

    空港を利用する旅客のオンライン予約から始まり、チェックイン、荷物検査、待ち時間、搭乗、到着、荷物受取など、それぞれの過程の個々のタッチポイントに焦点をあて、顧客の利用シーンをイメージできるようになっている。一回転した最後に顧客からのフィードバックが入り、次のサイクルに向けて改善していくスタンスもわかる構造だ。このマップは、航空会社の社内教育用に利用されており、部門ごとに顧客体験を向上させるために役立っているという。

    スペース型

    P2P CAR SHARING : The Borrower's Customer Journey

    制作:Mark Simmons(出典元

    スペース型は、まさにマップを擬似的な地図として表し、顧客が移動する体験も含めて俯瞰的に見られるようにしたものだ。

    この例では、個人間カーシェアリングサービスの入会から予約支払い、利用、返却などの手順を追って、借り手と貸し手のタッチポイントごとの顧客体験を記述している。屋外や街中の移動をともない、タッチポイントが物理的な店舗やビル、またはクルマや交通手段のような施設の場合は、地理的な表現がわかりやすい場合もある。

    今回のポイント
    • カスタマージャーニーマップによって顧客行動や心理を「文脈」として捉え、その一連の体験のなかの「顧客価値」を洞察し、アイデアや戦略を生むための土台とすること。
    • プロジェクトチームや関係者内で、顧客体験を一枚のマップとして作成・共有することで、「顧客中心」の方針共有や合意形成が図れること。
    • カスタマージャーニーマップには標準的な構成内容が定義されているが、業態や分野、顧客の利用サイクルなどによってマップの表現方法は多様にあること。
    この記事の筆者
    ユーザー 佐藤哲(IMJ) の写真

    佐藤 哲(さとうてつ)

    株式会社アイ・エム・ジェイ R&D室 UXD unit
    マネージャー/アートディレクター/UXアーキテクト
    HCD-Net認定 人間中心設計専門家

    株式会社リクルートにて様々なウェブサービスのUI設計・改善に従事。コンサルティング会社、ウェブデザイン会社を経て、現在に至る。

    • 株式会社アイ・エム・ジェイ
    • マルチデバイスLab.
    • UXD/HCDワイワイCAFE
      企業や組織の垣根を超え、UXデザイン(User Experience Design)、HCD(Human Centered Design)の普及・啓蒙を目的とした、「UXD/HCD ワイワイCAFE」を定期的に開催しております。「第一線で活躍する講師、フランクな場」のセミナー・ワークショップを企画しており、ウェブ担当者の方の継続的な学び、交流を深める場となっております。
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    オリジナル記事:カスタマージャーニーマップで顧客の心を見つめてサイトを改善、5つの作成ステップと7つの実例 [実践! プロも使うラピッドUX手法] | Web担当者Forum
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    コンテンツの将来:2014年の4つのトレンド(後編) ―― マルチチャネル統合と今までなかったメディア [Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報] | Web担当者Forum

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    この記事を読むのにかかる時間: 約 4 分

    「コンテンツマーケターを待ち受けるトレンド」と「コンテンツマーケターが組織で果たす役割」を、役に立つ資料を参照しながら細かく見ていくこの記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。後編となる今回は、前回に引き続き残る2つのトレンドを紹介する。→前編を読んでおく

    トレンド3:コンテンツ統合への関心が拡大
    (コンテンツは複数のチャネル向けに制作されるようになる)

    コンテンツをめぐる大きな課題のなかには、コンテンツと関連がないものが数多くある。当社の顧客にとって最も難しいのは、適切なリソース配分をどう決定するかにかかわる問題であることが多い。次のようなことがあるからだ

    • すべての目標を実行する時間がない
    • 戦略を理想的な形で実行する予算がない
    • 優先項目の見直しをのべつ迫られる

    こういった厳しい制約によってマーケティングは難しさを増しているうえに、多数のチャネルが発展してデジタル革命が非常な速度で進む現状ではとりわけ困難になっている。

    こうした問題に対する完全な解決策はないものの、次善の策として、統合手法を改善し、リソース上の厳しい制約と、絶えずイノベーションを求めるニーズのバランスを取ることが大切だ。

    最高マーケティング責任者(CMO)を対象としたある調査では、代理店に求める最も重要なものとして「統合型マーケティングコミュニケーション」があげられており、これが効果的な広告への要望より上回っている。

    なぜ、統合型マーケティングコミュニケーションがそれほど重要なのだろうか?

    それは、消費者の購買行動が変化しているからだ。アクセンチュアは、世界8か国6000人の消費者の行動に関する市場調査を実施した。推奨事項の1つとして上位に挙げられたのは、消費者に「シームレスな小売体験」を提供することの重要性だ。

    これは、「どのチャネルでも、ブランドに沿った、パーソナライズされて一貫性のある体験を提供すること」を意味する。こうしたシームレスな体験では、潜在顧客や既存顧客との対話を1つの一貫したものにするため、オンラインから対面まで多くのチャネルにコンテンツを深く絡める必要がある。

    以下の図表は、1980年から2000年に生まれたミレニアム世代の購買行動に関する統計を表している。ミレニアム世代は(特にソーシャルメディアに関して言えば)並外れてデジタルに強い傾向があるが、調査では小売店や実店舗でも好んで買い物をすることが明らかになった。ミレニアム世代はインターネットで価格、製品、価値、サービスをリサーチして比較検討し、親の購買行動に影響を及ぼしている

    神話を検証する
ミレニアム世代は今も実店舗志向が強い。82%が「実店舗で買いたい」と回答。

ドラッグストアで買いたい
家電販売店で買いたい
衣料品店で買いたい
デパートで買いたい
ディスカウントショップ/量販店で買いたい

ミレニアム世代はロイヤリティの極めて高い顧客になる可能性がある。
69%が「気に入ったショップなら、閉まっていても心変わりしない」と回答。

翌朝もう一度来店する
同店のオンラインストアで購入する
同店のモバイルアプリ経由で購入する

ミレニアム世代がブランドやショップのソーシャルメディア上で「いいね!」をクリックしたからといって、ロイヤリティの高い顧客とは限らない。

ソーシャルメディアのリコメンド機能により購入を決定する

出典:アクセンチュアによる分析

    コンテンツの統合は、消費者向け小売店だけの話というわけではない。たとえば、ブリティッシュ・エアウェイズがロンドンに設置しているビルボード広告は、同社の飛行機が看板の上空を通過するたびに広告の中の子供が機体を指差すようプログラムされている。以下の動画は、このビルボード広告がどう動くかを示したものだ。

    2012年にはAT&Tが、壁に複数のビデオモニターを配した「Apps Wall」や、フィットネス、家族、アートなどのライフスタイル分野を専門に扱うコンテンツを披露するなど、デジタルに力を入れた総床面積1万平方フィート(約929平方メートル)の店舗をオープンさせた。

    食に関するブログを運営する新興企業でEコマースへの参入を果たしたばかりのFood52は、2013年12月のホリデーシーズンにニューヨーク市でポップアップストア(期間限定の店舗)をオープンさせた。

    BtoBコンテンツマーケターを対象としてコンテント・マーケティング・インスティテュートが2014年に実施した調査では、BtoBコンテンツマーケターは、直接触れあうイベントが今なお最も効果的な戦術だと見ていることが示されている。

    オンラインマーケティングチャネル(ソーシャルメディアでのやりとり、PPCおよびディスプレイ広告、ケーススタディーや動画を使ったサイト上のコンテンツなど)から、顔を合わせての会話や消費者体験へと向かうコンテンツのシームレスな変化は、今後ますます重要性が高まるばかりだろう。

    トレンド4:今までになかった媒体におけるコンテンツの実験

    技術やデジタルのイノベーションは急速に進化しつつある。

    PCは今やインターネット接続機器のごく一部を占めるにすぎず、ウェアラブル製品やスマートテレビが主流になろうとしている。注目を得ようとする競争が激化するにつれて、企業は対象ユーザーに到達するために、より一層意欲的に新たな媒体でコンテンツを実験しようとするだろう。

    このグラフは、技術がいかに急速に進化しているかを示す一例にすぎない。マーケターとしては、すばやく適応しながら新しいトレンドや機会に合わせて規模を拡大できる能力を身に付けることが不可欠だ。

    マーケティング代理店のセイピエントニトロは2013年、218ページの無料ガイド「Insights 2013」を公開し、その中で、店内でのデジタル小売体験、テレビやセンサー、エクスペリエンスデザインの未来、モバイル顧客体験をはじめ、さまざまな新しいトレンドを例示して詳しく紹介している。

    このなかのケーススタディの1つとして、LVMH参加の化粧品や香水の専門店セフォラがある。セフォラは自社の小売店舗ですばらしいコンテンツを開発しており、これにはユーザーがさまざまな香りを試したり、スキンケアについて理解を深めたりできるインタラクティブなキオスクなどがある。店内のあちこちに配置されているiPadではメイクの方法に関するヒントを入手したり、商品をスキャンして製品情報を表示したりできる。

    セフォラのモバイルアプリには中核顧客層に向けたコンテンツがあり、同社の他のオンラインおよびソーシャルメディアコンテンツとも連携している。コンテンツはすべて簡単に電子メールやソーシャルネットワークで共有可能だ。

    ニベアなどのブランドでも、印刷広告とモバイル革命をミックスさせている。この例では、ニベアの印刷広告が携帯電話のソーラー充電器としても使えるようになっている。

    また、Poptopia by Pop Secretというモバイルゲームには、専用のPop Dongleという携帯電話用アクセサリーがあり、ゲームをプレイするとポップコーンの香りが出てくるようになっている。Pop DongleをiPhoneのオーディオジャックに挿すと、ゲーム中に一定の頻度でポップコーンの香りを拡散する信号を出してくれる。こうした例はすべて、コンテンツに新しい媒体を活用しているブランドの存在を示すものだ。

    ◇◇◇

    コンテンツの将来にとって、2014年はエキサイティングな年になるだろう。

    技術が進化し、ユーザーの注目を集めようとする競争が激しくなる中、マーケターは機動性を高め、顧客のニーズや期待の高まりに適応する必要がある。

    企業の将来が、明快で独自性のあるバリュープロポジションの存在にかかってくることは間違いない。なぜそれほど重要になるのか? それは、これがマーケティング戦略やその実行を向上させるための重要な基盤だからだ。

    マーケターとしてやるべき職務は、測定すべき指標を特定して今後採るべきあらゆるマーケティング戦略に優先順位をつけるために、その情報を活用することだ。これは非常に困難な仕事だが、私たちの役割は、解決策を求めてこれらの課題に取り組み続けることにある。今こそ、始めるべきときだ。

    この記事の筆者

    この記事は、Moz Blogに掲載された以下の記事を日本語訳したものです。

    author photo

    原文:「The Future of Content: Upcoming Trends in 2014」 by Stephanie Chang (2013/12/09)

    記事セレクション:渡辺隆広株式会社アイレップ
    翻訳:株式会社ガリレオ

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    Googleアナリティクスの新バージョン、ユニバーサルアナリティクスの魅力とは [先週のWeb担まとめ記事] | Web担当者Forum

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    先週のWeb担まとめ記事

    Web 担当者 Forum に掲載された情報を毎週一度、まとめてご紹介するこのコーナー、今回は解説記事 15本とニュース記事 15本です。

    忙しい人のためのこの記事の使い方:
    • 上のほうから内容をざっとチェックする
      重要なものほど上の方に置いてあります。
    • 背景が黄色の部分をざっとチェックする
      要チェックのものは色を付けてあります。

    今週の担当は、池田です。

    【プレゼント】『成功する ネットショップ集客と運営の教科書』
    ネットショップの集客と運営に必要な考え方や概念、具体的な方法論を解説した書籍を3名様にプレゼント。
    http://web-tan.forum.impressrd.jp/q/2014/03/17177

    [今回の要チェック記事]↓セミナー/お知らせ | ↓人気記事 | ↓解説記事 | ↓ニュース
    Googleアナリティクスの新バージョン、ユニバーサルアナリティクスの魅力とは

    Web担で先週公開された記事の中から、特に人気のあったものを厳選! 読んでおかなければ話題に乗り遅れる?

    • 「ぶっちゃけ、ユニバーサル アナリティクスはどこがスゴイのか?(第93回)」は、最終回を迎えた「衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座」の記事です。

      Google アナリティクス入門講座として解説してきた連載もいよいよ最終回。

      今回はグーグルがリリースを進めている新しい解析ツール、ユニバーサル アナリティクスの魅力を3つのポイントに絞って解説。ユニバーサル アナリティクスで予定されている機能が実装されるとどんな分析ができるのか、分析例も紹介します。

      http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2014/03/20/17175

    • ユーザー調査手法を解説した「ユーザーを本当に理解していますか? ユーザーの行動・体験から要求を探る『コンテクスチュアル・インクワイアリー』」も人気です。

      ユーザーエクスペリエンス(UX)を高めるためには、ユーザーのニーズを知ることが欠かせませんが、ホンネを知るのは難しいもの

      この記事では、アクセス解析やアンケート調査などではわからない本当にユーザーが求めていることを探り、サイトリニューアルや仕事の改善効果を最大化するために、ユーザー調査手法の1つ「コンテクスチュアル・インクワイアリー」を4ステップで解説します。

      みなさんは、ユーザーを「知ったつもり」になってはいないでしょうか。

      http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2014/03/19/16931

    • デザインノウハウ集「タブレット向けWebデザインのノウハウ40選 ―― 第3章 ワークフローを整理する」も前回に引き続き注目を集めました。

      今回は、「構成」「ワイヤーフレーム」「機能」「デザイン」「コーディング」に関する10個のノウハウをお届け。

      マルチスクリーン対応の具体的な進め方、対応ポイント、デザイン工程における注意点などを解説しています。

      http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2014/03/17/16982

    • 「コンテンツの将来:2014年の4つのトレンド(前編) ――FCBグリッド分析とKPI(B2B/B2Cそれぞれ)」は、月曜マーケティングコラム「Moz」の記事です。

      昨今、企業独自の価値をWebサイトで提供するコンテンツ戦略が注目を集めています。この記事では、「コンテンツマーケターを待ち受けるトレンド」と「コンテンツマーケターが組織で果たす役割」を、役に立つ資料を参照しながら紹介します。

      http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2014/03/17/17167

    Web担の姉妹サイトもお役に立てるはずです。
    データセンター(iDC)に携わる方には
    データセンター完全ガイド
    レンタルサーバーに興味のある方には
    クラウド&サーバーホスティング完全ガイド
    企業内情報システムのお仕事をされている方には
    IT Leaders
    ソフトウェア開発者の方には
    Think IT

    [セミナー/お知らせ]↑要チェック記事 | ↓人気記事 | ↓解説記事 | ↓ニュース記事
    Googleアナリティクス講座、顧客育成、ソーシャルリスクなど4月イベント情報

    ※「先週のニュース記事」の「イベント/セミナー」欄ユーザー投稿でのセミナー告知もご覧ください。

    Googleアナリティクス徹底マスター(4/18、4/25)

    2日間の集中講座「Google アナリティクス ビジネス活用 徹底マスター講座」をアユダンテが4月18日(金)と4月25日(金)に千代田区で開催します。衣袋教授を講師に、Google アナリティクスの基礎と応用を2日間で学び、分析技術を身につけます。受講料は6万円(税別)。

    http://www.ayudante.jp/release/seminar140418.htm

    アドビ デジタルマーケティング事例(4/10)

    アドビ主催の「デジタルマーケティング最前線」セミナーが4月10日(木)に目黒区で開催されます。Adobe Digital Publishing Suiteの成功事例を実践企業をゲストに解説。参加費は無料。

    http://blogs.adobe.com/japan-conversations/dps_seminar_jp/

    動画&パーソナライゼーション(4/24)

    動画マーケティングとパーソナライゼーションをテーマにしたセミナーを、サイトコアとブライトコーブが4月24日(木)に渋谷区で開催します。ニーズに応じたコンテンツの提供で顧客視点を最適化するコツを紹介。参加費は無料。

    http://www.sitecore.net/japan/JP_seminar_20140417

    顧客育成ワークショップ(4/22)

    「顧客育成(ナーチャリング)を実践するためのシナリオ設計ワークショップ」を日経BPコンサルティングが4月22日(火)に開催します。第1回はIT企業向けBtoBシナリオ設計として開催し、講師にはNexal 上島氏も。参加費は6万円(税別)。

    http://consult.nikkeibp.co.jp/consult/seminar/2014/0422/

    ソーシャルリスク対策(4/15)

    「ソーシャルリスクの現状と“今”求められる対策」セミナーを日立システムズが4月15日(火)に品川区で開催します。ホットリンク社とともに、ソーシャルリスクの最新事例やツールを活用した早期発見の方法を紹介。参加費は無料。

    http://www.hitachi-systems.com/seminar/2014/04/0415.html

    先週の人気記事 ↑要チェック記事 | ↑セミナー/お知らせ | ↓解説記事 | ↓ニュース記事

    Web担で先週公開された記事のうち、「今回の要チェック」に次いでアクセスが多かった記事です。

    背景色が薄く黄色になっている項目はWeb担編集部のお勧め記事。

    • PR
      知識も予算もないけど32店舗100万人にメルマガを――未経験のWeb担当者が挑んだ来店促進
    • 企業ホームページ運営の心得
      ネットショップの増税は0時ぴったりにすべきか、Web担当者にとっての増税の備え
      http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2014/03/19/17162
      by 宮脇睦(有限会社アズモード)
    • PR
      7分でわかるWebサイトのスマホ・タブレット対応 ―― “イチから知りたい” Web担当者向け
    • Yahoo!プロモーション広告 業界情報
      <YDN画像広告>ガイドラインに抵触しない広告表現とは③
    • DIGITAL&DIRECT NEWS
      24時間パルコ=オムニチャネルをテナントと協同で構築

    先週の解説記事 ↑要チェック記事 | ↑セミナー/お知らせ | ↑人気記事 | ↓ニュース記事

    Web担の解説記事には、ウェブサイトをビジネス活用したい人向けの情報がたっぷり詰まっています。

    背景色が薄く黄色になっている項目はWeb担編集部のお勧め記事。

    • 編集長ブログ―安田英久
      画面キャプチャはClearTypeオフで撮るほうが軽いファイルになる? を検証してみた
      http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2014/03/18/17166
      by 安田英久(Web担 編集長)
    • 日本ネット経済新聞ダイジェスト
      ブックオフが被災地の移動図書館活動に562万円寄付 ネットでの12万点以上買取から
    • ユーザー投稿記事 by 株式会社ペイジェント
      【4/24 東京開催】実担当者が語る「売れるネットショップの作り方」大公開! ~データドリブンなLPOからスマホ対策、SEOまで全ノウハウを伝授します~
    • ユーザー投稿記事 by 株式会社ブレインネット
      【無料SEOセミナー】現状・実情をしっかり把握し成果を上げる内部SEOセミナー
    • Web担アクセス数上位ランキング
      GoogleアナリティクスをDMP化して使うための具体的方法
    • 先週のWeb担まとめ記事
      CMSはサイト管理からコンテンツ管理へ、Movable Type公式サイトのリニューアル実例

    先週のニュース記事 ↑要チェック記事 | ↑セミナー/お知らせ | ↑人気記事 | ↑解説記事

    大手のニュース媒体では紹介されない、ホームページの企画・構築・運営や、ウェブマーケティング関連のニッチなニュース記事ならWeb担で。

    背景色が薄く黄色になっている項目はWeb担編集部のお勧め記事。

    編集後記

    久しぶりに地元の友人たちと集まって食事しましたが、そこではFacebookやTwitterユーザーは少数派。Web業界のセミナーなんかでは、来場者の8割がユーザーというのも珍しくないですが、「一歩外に出るとこっちが普通だよね」と再認識しました(池田)

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    複数のタグをシンプルに運用できる「Yahoo!タグマネージャー」 [Yahoo!プロモーション広告 業界情報] | Web担当者Forum

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    この記事は、Yahoo!プロモーション広告 公式ラーニングポータルで公開されているリスティング広告「業界情報」の記事を、ヤフー株式会社の許諾のもと転載しています。オリジナルの記事はYahoo!プロモーション広告 公式ラーニングポータルのサイトでご覧ください。

    あなたのウェブサイトには、どのページに、どんなタグが入っていますか?

    「Yahoo!タグマネージャー」は、“タグ”を管理するタグマネジメントサービスです。

    オンラインマーケティングの活動においては、コンバージョン用、リターゲティング用、アクセス解析用、レコメンデーション用、DSP用など、さまざまなタグを利用する機会が多くあります。Yahoo!タグマネージャーは、Yahoo!プロモーション広告で発行されているタグだけでなく、他社が発行するタグも一元管理できるため、ウェブサイトのページに貼り付けるタグは1種類(※)だけで済みます。つまり、1つの管理画面で複数のタグを管理することが可能です。

    「Yahoo!タグマネージャー」の詳細については、以下のウェブサイトをご覧ください。

    複数タグによるさまざまな課題を解決

    国内外主要な120種類以上のタグをサポート

    Yahoo!タグマネージャーは、サイト内に設置されているYahoo!プロモーション広告のタグ管理はもちろん、国内外主要な120種類以上のタグもサポートしています。そして、Yahoo!タグマネージャーの『Yahoo! JAPANユニバーサルタグ』という共通のタグを利用することにより、どんなにタグの種類が増えても1種類の共通タグでの管理が可能になります。

    すでに、他社のタグを設置されている方は、Yahoo!タグマネージャーで1つにまとめてタグの一元管理を始めましょう。

    タグ管理・運用コストの削減

    タグマネジメントサービスを活用しないと、タグを新たに追加・変更する場合、コンテンツ更新の有無にかかわらずページのHTMLコードを書き換える必要があります。そのため、サイトの管理者や外部に作業を依頼するという手間が発生します。

    しかし、Yahoo!タグマネージャーでは、管理画面上でタグを追加・変更できるので、効率的にタグを管理できます。効果測定や広告運用が簡単かつ迅速にできるため、次のマーケティング施策をよりタイムリーに実施できるようになるのです。

    サイトパフォーマンスの向上

    Yahoo!タグマネージャーは、「サーバーダイレクト方式」を採用しています。この「サーバーダイレクト方式」は、サイトの表示の際にブラウザーに負荷がかからないため、タグを追加しているサイトに起こりがちな表示遅延によるインターネットユーザーの離脱リスクが軽減されます。また、サーバーサイドですべてのタグが同時並列に実行されるので、他のタグの実行に影響を受けることなく、より正確なリターゲティングやコンバージョン計測が可能です。

    より柔軟なオンラインマーケティング施策を可能に

    HTML上の全ての要素、URLパラメーターなどをイベントとして取得可能なので、ページ上のインターネットユーザーのインタラクティブイベントによるタグの実行が可能です。

    例えば、ベンダーの「ABテスト」や優良ユーザーのみへタグを実行させる「条件付きリターゲティング」、最後にクリックした広告のみにタグが作動する「ラストクリックアトリビューション」を利用できます。また、商品にマウスオーバー、ページをスクロール、写真を拡大など、ユーザーのインタラクティブイベントによるタグの実行が可能ですので、ターゲットを絞ったオンライン上の施策を柔軟に実施できます。

    すでにタグを複数管理している方はもちろんのこと、まだコンバージョンタグやリターゲティングタグも入れていないという方は、ぜひこのタイミングでYahoo!タグマネージャーの導入をお勧めします。最初にYahoo!タグマネージャーを利用してタグを設定することで、広告の効果測定が容易になり、広告運用をよりスムーズに行うことができます。

    「Yahoo!タグマネージャー」は「Yahoo!アクセス解析」タグにも対応しています。自社サイトに訪問してきたインターネットユーザーがどんな動きをしているのかが一目でわかる「Yahoo!アクセス解析」で確認してください。

    ※Yahoo!タグマネージャーは、国内外主要な120種類以上のタグをサポートしています。動作検証済みの利用可能なタグについては、以下のリンクからご確認ください。

    参考リンク

    「Yahoo!タグマネージャー」公式サイトでは、Yahoo!タグマネージャーに関する詳細な各種資料をダウンロードいただけます。Yahoo!タグマネージャーの利用方法を記載した「ご利用ガイド」や、Yahoo!プロモーション広告、Yahoo!アクセス解析のタグを設定するために必要な情報を「運用手引書」として提供しています。ぜひ、ご覧ください。

    オリジナル記事はこちら:複数のタグをシンプルに運用できる「Yahoo!タグマネージャー」(2014/03/05)

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    iPhone人気が止まらない! 購入者の6割以上がiPhoneを選ぶ、キャリア別シェアはドコモが4割 [スマートフォンレポート] | Web担当者Forum

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    この記事は、ドコモ・ドットコムが発行するモバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の一部を、Web担当者Forum向けに特別公開したものです。

    スマートフォンレポート

    今回は2014年1月に発表された「スマートフォンレポート vol.10」から、調査報告1「スマートフォンの購入状況(2013年10~11月)~10、11月共に購入者全体の6割以上がiPhoneに集中~」の調査レポートをお届けする。

    ドコモのiPhone 5sが一番人気

    2013 年10月から11月にかけての端末購入動向においては、9月20日に発売開始された「iPhone 5s」「iPhone 5c」が依然人気を集めるのか、また各社が発売開始したAndroid冬春モデルがどの程度巻き返せるのか、といった点が注目であった。この観点を中心に該当月の端末購入動向を見てみたい。

    まずiPhoneの動向を追ってみると、9月に続き、ドコモの「iPhone 5s」が最も売れており、10、11月共に全体の首位を獲得している。次いでソフトバンクモバイル、auの「iPhone5s」が続いており、報道などでも述べられているように、上位モデルである「iPhone 5s」に人気が集中する結果となった。

    発売直後は在庫不足もあり、なかなか購入希望者に端末が行き渡らなかった模様だが、11月頃からその問題も解消されたため、今後年末年始商戦期においては更に購入者が増加することも予測される。

    一方「iPhone 5c」だが、「iPhone 5s」に続く人気を集めてはいるものの、その差が大きく出現している。またドコモの場合、10月後半からのAndroid冬春モデル発売時期を契機にやや購入者数が減少している。ソフトバンクモバイル、auでは11月も「iPhone 5s」に次ぐ人気を集めていることから、これまでAndroidに注力してきたドコモにおいては、一定のAndroidニーズが存在することがうかがえる(図1)。

    図1 購入機種TOP10(11月を基にソート)
    図1 購入機種TOP10(11月を基にソート)

    iPhone人気が止まらない、購入者の6割以上がiPhoneを選ぶ

    そのAndroid端末においては、「Xperia Z1」が最も売れており、Xperiaブランドの人気の高さが表れる形となった。

    次いで「ARROWS NX」「AQUOS PHONE ZETA」が続いているが、これまでXperiaと並んで人気の高かったGALAXYの新機種はランキングに入っておらず、明暗を分ける形となっている。とはいえ、前号で予測したように、iPhone人気が発売直後以上に顕在化している。

    9月においては、全体に占めるiPhone購入比率が58.1%だったが、10月には63.5%、11月には63.3%を示し、特に10代においては両月とも70%以上がiPhoneを購入している(図2)。

    図2 2013年10月、11月のスマートフォン購入状況[OSのシェア]
    図2 2013年10月、11月のスマートフォン購入状況[OSのシェア]

    昨年も10月に全体の61%がiPhoneを購入する動きが見られるなど、発売翌月に購入者が更に増加していたが、今年はそれを上回る形で同様の動きが現れる結果となっている。更に昨年の傾向を振り返ると、年末商戦期である12月には更にiOSシェアが伸びており、翌年1月に入ってようやく落ち着きを見せていることからも、今年も年末商戦期の伸びが予測され、70%近くまで伸びることも考えられる。

    初夏にはドコモのツートップ戦略が大きな話題となったが、結果的には「iPhone 5s」「iPhone 5c」が2013年の端末販売動向における最大の話題となりそうだ。

    キャリア別の購入シェア、ドコモが4割

    次に、キャリア別の購入シェア状況を見ると、10月、11月共にドコモが約4割を占め、首位となった(図3)。

    図3 2013年10月、11月のスマートフォン購入状況[キャリアのシェア]
    図3 2013年10月、11月のスマートフォン購入状況[キャリアのシェア]

    au、ソフトバンクモバイルはほぼ同率となっており、10代や女性層の支持がやや高い結果となっている。8、9月と10代の購入率においてドコモを上回っていたauだが、10、11月においてはドコモも巻き返しを見せており、iPhone発売効果を背景に若年層にも受け入れられた模様である。

    とはいえ、20~40代の購入率と比較すると、10代においては依然低いシェア率となっており、今後若年層からの支持をどの程度まで得られるかがドコモの端末販売における鍵となりそうだ。

    スマホからiPhoneへ買い替えたユーザーが多い

    また、10、11月における端末の購入形式を見ると、スマートフォンからスマートフォンへ買い替えを行ったユーザーが全体の約6割を占める結果となっている。前述の状況とあわせて考えると、所有するスマートフォンからiPhoneへ買い替えたユーザーが多かったと思われる(図4)。

    図4 スマートフォン購入形態[スマートフォン移行状況]
    図4 スマートフォン購入形態[スマートフォン移行状況]

    今後も話題性、訴求性の高い端末が発売された際には、同様の傾向が出現することが予測される。一方、昨年同月ではフィーチャーフォンからスマートフォンへ買い替えるユーザーが半数以上存在したが、今年は約3割にとどまった。このことから、スマートフォンに興味を持つフィーチャーフォンユーザー層においては、スマートフォンへの移行がここ1年でかなり進んだのではないかと推測される。

    まだまだフィーチャーフォンユーザーが携帯端末利用者全体の過半数を占めていると言われているが、今後はこれまでのペースとは異なり、緩やかにスマートフォンへの移行が進んでいくと思われる。

    調査対象15~69歳男女
    スマートフォンの購入実態及び利用状況の把握調査60,000サンプル
    ※性年代別人口構成比に合わせて60,000サンプルを回収
    調査地域全国
    調査実施期間2013年12月2日(月)~12月6日(金)
    調査方法インターネットリサーチ
    調査実施機関株式会社ドコモ・インサイトマーケティング

    この記事は、ドコモ・ドットコムが発行するモバイルビジネス・マーケティング情報誌「スマートフォンレポート」の一部を、Web担当者Forum向けに特別公開したものです。

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    この記事の筆者

    提供:株式会社ドコモ・ドットコム

    モバイル(スマートフォン・タブレットおよびフィーチャーフォン)を活用したビジネスに関するコンサルティング事業を軸に、企業プロモーション・マーケティング企画をはじめとした新たなビジネス開発事業を展開。

    http://www.docomo-com.com/

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    オリジナル記事:iPhone人気が止まらない! 購入者の6割以上がiPhoneを選ぶ、キャリア別シェアはドコモが4割 [スマートフォンレポート] | Web担当者Forum
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    京セラコミュニケーションシステムの「デクワス.DSP」とadingoの「cosmi Relationship Suite」が連携開始 [ニュース] | Web担当者Forum

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    情報ソリューション、通信エンジニアリングの京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は、同社の提供する広告配信プラットフォーム「デクワス.DSP」と、連結子会社adingoのプライベートDMP(データ・マネージメント・プラットフォーム)「cosmi Relationship Suite」のシステム連携を3月19日に開始する、と同日発表した。連携により、会員・購買データなどの自社データを保有する事業者は、cosmi Relationship Suiteで条件抽出した顧客に対し、デクワス.DSPを使って効果的にアプローチをすることが可能になる。

    デクワス.DSPとcosmi Relationship Suiteの連携サービスによる利点は「細かなセグメント設定によるターゲティング精度の向上」「過去購入履歴を基にしたレコメンデーション精度の向上」「会員データを基に誘導確度の高い潜在顧客を抽出、ターゲティング精度を向上」「デバイスを横断したターゲティング」などがある。サービスを活用し、自社サイトへ効率的にユーザーを誘導し、会員となったユーザーに対し、継続的にコミュニケーションを図ることでLTV(Lifetime Value=生涯顧客価値)を向上することもできるという。

    京セラコミュニケーションシステム
    http://www.kccs.co.jp/

    adingo
    http://adingo.jp/

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